鍋焼きうどん 金峰山小屋編
- GPS
- 06:00
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 621m
- 下り
- 622m
コースタイム
09:00 金峰山 10:00
10:15 金峰山小屋 11:00
13:00 大弛峠
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所なし |
写真
感想
連休中日の日曜日の鍋割山に続き、F氏二度目の山行。
鍋割山では猛暑の中、雨に降られての残念なデビューとなってしまった。しかし、小丸尾根降下では4〜5パーティーを追い抜くなど、豊富な潜在能力の片鱗を見せていた。
そんなF氏が感激していたのは、やはり鍋割山荘の鍋焼きうどん。
今回、F氏の2度目の山行ということで選んだのは大弛峠〜金峰山ピストン。表向きの選択理由は、「暑い季節は2000m超からの取り付きで」ということだったが、F氏に内緒でサプライズを2つ用意していたのだ。
一つ目は、五丈岩で自家焙煎豆を挽いてコーヒーを振るまい、F氏の登山キャリアスタートをお祝いすること。
もう一つは、大弛見小屋か金峰山小屋で鍋焼きうどんを頂き、鍋割山荘のとどう違うのかを確かめること。
両山小屋で鍋焼きうどんを供することは、あらかじめ知っていたのだが、ネット検索してもなかなか実物の写真が出てこないこともあり、今回は「山小屋鍋焼きうどん研究 奥秩父編」を兼ねたいと思っていたのだ。
朝4時にF氏宅を出発。順調に勝沼ICをでて、牧丘経由で大弛峠に向かう。途中、塩山の恵林寺を越えた辺りで、奥秩父山系に重い黒い雲がかぶさっているのがわかる。
車のフロントガラスに雨滴が・・・「最悪土砂降りだったら麓の温泉ということにしよう」と話し合い、とりあえず先を急ぐ。
大弛峠を跨ぐ「川上牧丘林道」は、30年前四駆で越えたことがあるが、当時はダートの凸凹道だった。ところが、今は山梨側は全面舗装となっていてびっくり。
車が高度を上げていくと、先ほどの黒い雲は南西に動いて行ったこともあって、すっかり快晴に。
「琴川ダムまで2.5km」という標識から200〜300先右側に「水場」の表示があった。事前にここに水場があり、峠を登るサイクリストたちの喉を潤していることを事前に調べておいたので、躊躇なくハイドレーションバッグと空のペットボトルに水を汲む。
大弛小屋にも水場はあるが、生で飲めるかどうか確信が持てなかったので、この水場の水を頼りにすることにしたのだ。
大弛峠はすっかり舗装されて駐車区域も線引され、以前とは様変わりしていた。
大弛小屋の宣伝が貼ってある。やはり「大弛うどん」は鍋焼きで間違い無いと思われた。
峠の駐車場下に設置された常設トイレ(ペーパー常備)で用を済ませ、ゆっくりと出発。
途中、富士山がくっきりと見えるポイントが多い。朝日峠では鞍部の底に大きなケルンが作られていた。
大ナギを経て、朝日岳頂上からは、遠くに富士、南ア、近くに鉄山、金峰がはっきりと見える。
さすがに2000m超は涼しくて快適。
朝日岳を下り、鉄山に登り返す。鉄山では登山道はピークを経由せず、北側に巻いていく。巻き終わっていよいよ金峰山への登り。
やがて森林限界を超え、金峰山の東のピークへ。ケルン越しに八ヶ岳、手前に瑞牆山が見える。
山頂まで巨石を乗り継いで行く。蓼科などでお馴染みの情景だが当然F氏は初体験。
五丈岩前のフラットで大休憩。ここで最初のサプライズ、山頂で挽いたコーヒーをご馳走する。
岩の途中まで登ったり、周辺散策をしたりゆっくり過ごし出発。
ここでF氏に初めて「鍋焼きうどん」の話を打ち明ける。携帯電波の受信可能なポイントを探し、登山地図にある金峰山小屋に電話。
今日鍋焼きうどんはやっているかを尋ねたが、電話を受けたのが麓の連絡所であり、小屋に材料がある可能かはわからないとのこと。
「どうせ峠の小屋で鍋焼き食べられるから、金峰山小屋にわざわざ降りるの辞めとく?」とF氏に聞くと意外な答え。
「せっかくここまで来たんだから行ってみましょう。」内心「ほー」と感心して、金峰山小屋まで下る。
小屋では若いお嬢さんが一人で屋根に布団を干していた。
「今日食事はできますか?」
「うどんなら出来ます。」
「鍋焼きですよね?」
「そうです。」
というわけで鍋焼きうどん2つ注文。
可愛らしい絵柄の鍋蓋に癒される。
具は、鶏肉つみれ団子、海老天、椎茸、カマボコ、玉子、お麩W、ワカメ、ネギで、出汁は関西風の白いもの。麺はちょっと柔らかすぎる感があり。
しかし、長時間歩行の後の鍋焼きは実に美味しい。二人とも完食。
小屋は清潔にされており、本館と別にログハウスの素敵な自炊棟まである。
いつかここに泊まって、小川山方面の散策に出かけるのも良いかもしれない。
小屋を出て、金峰山山頂まで登り返し、大弛峠までゆっくり帰る。帰路ではもう雲が上がってしまい、富士、南ア、八ツは見えない。
歩きながら、「大弛小屋で鍋焼きもう一丁いけるかな?今満腹だから二人で一つかな?」など考えていたが、実際小屋に到着すると、小屋番不在で大弛うどん実食は叶わぬこととなった。
思えばこの山小屋は、30年前、私が初めて中に入った山小屋なのだった。
またいつか、国師ヶ岳〜北奥千丈岳まわるついでに食べに来よう、とF氏と話し、車で峠を下りる。
恵林寺脇の三叉路を右へ入ってすぐ右手にある、日帰り温泉「はやぶさ温泉」で汗を流す。
この温泉はpH10近くのアルカリ泉で、鯉の形をした湯口から呆れるほど大量に温泉が噴き出している。
源泉かけ流しなので、湯口やシャワーから直に飲んでも大丈夫とのこと。
温泉出ると、まるで希釈した過酸化水素水を触った時のような皮膚の感じが新鮮だった。
F氏宅でF氏の荷物を置いて拙宅へ。車を停めて反省会に飲みに出る。
鶏を貪り食いながら、地図を見てF氏が新発見。
地図のメモによると、なんと金峰山は山梨では「きんぷさん」、長野では「きんぽうさん」と読むのだそうだ。
「五丈岩」と我々が読んでいた岩も、地図では「五丈石」となっている。
新人離れした健脚のF氏、実は高校生だった30年前に、蝶と奥穂に登ったことがあるという。
「なるほど、それではデビューというより登山再開だね。」ということでどんどんチューハイのグラスは空いていくのであった。
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