薬師岳 疫病を鎮めていただくため登拝

2020年04月11日(土) [日帰り]

• GPS: 14:23
• 距離: 28.9km
• 登り: 2,956m
• 下り: 916m

天候

晴れのち曇り

アクセス

利用交通機関：

自家用車

写真

4/11 5:33

おはようございます有峰湖

4/11 5:33

所々凍結

4/11 5:37

有峰思ったより雪ある

4/11 6:05

除雪最終点

4/11 7:23

やっとついた

4/11 7:53

パイセン達数時間前に沢詰で登った模様。自分無理そうなんで夏道戻ります。

4/11 9:42

アラレちゃん

4/11 11:00

何メートルかわからん

4/11 13:12

パイセン達と合流した登り返しの沢床

4/11 13:30

達者でな〜

4/11 13:35

パイセン達のシュプール

4/11 15:19

今日の雲海はパワー系

4/11 15:53

薬師岳山荘

4/11 16:20

あの世オブジェ

4/12 3:11

ロマンチストなおっさん。百均のティーキャンドル持ち込むも芯だけ燃えてあまり役に立たず、何がダメなんだろ…

4/12 3:11

天井の様子

4/12 5:00

翌日。

4/12 5:00

4/12 5:31

4/12 5:31

4/12 5:31

4/12 5:31

ここから滑る！

4/12 6:25

登り返したところで太陽が見える

4/12 7:01

ちょっとパイセンとガンさん鬼のハの字で登り返しw

4/12 8:35

折立ついた〜

撮影機器：

iPhone XS 64GB SIMフリー Apple

感想

ぷちこ

薬師如来様に疫病を鎮めてもらうという大義名分で自分だけこっそりヒャッハーしてこようと思っていたのだが結果今回の薬師岳で心からみんなの幸せを願う祈りができたと自負している。
先々週の敗退から中自粛週を挟みほとんど運動していない。パイセンはコロナ構わず容赦なく22時スタートのお誘いをかけていただいているがもうついていける体力はない…
自分はトマホーク氏が紹介していた米山悟氏のテントを持たずに雪山へ行こうにすっかり感化されそれを実行しようと計画していたのでパイセンの誘いを断った。本当にテントもツェルトもウチに置いてきた。なんならマットまで忘れて絶望して車から降りる前に帰ろうかと思った。
とりあえず1泊装備は重い…有峰までの自転車であっさり力尽きた。折立までがクソ遠い。除雪は折立への左折の交差点辺りまで済んでいたがすでに予定よりかなり遅れを取り始めている。止まっている時間が長く中々前に進めない。樹林帯を抜けるとめっちゃ暑くなった。
太郎平までの稜線を歩いているとハイジ尾根を動く2つの粒が見えた。深夜発のパイセンとガンさんに違いない。太郎平から行く予定だったがやっぱり人恋しいらしく濃厚接触に気を使いながら谷底で合流した。2人とも快晴の中ヒャッハーしてきたので眩しいくらいツヤツヤな顔をしていた。風俗店から出てきた殿方と言ったらわかりやすいだろうか。自分は完全に潰れていたが、はじめましてのガンさんに弱い姿を見せられないのでバレないように元気に振舞い急ぐふりをして早々に出発した。
あれほど晴天だったのに薬師岳山荘の手前あたりでガスがかかりはじめた。時折り雲海が姿を表してはまたホワイトアウトするというのを何度か繰り返すうちに風も強くなりとうとう小雪が舞いはじめた。体力も殆ど残っておらず時間的にも非常にまずい。逆算して16時くらいには山頂にいないと寝床の確保ができないからだ。
マジで泣いた…普通なら撤退案件だ。ガスの中時折り現れるパイセンたちの微かなクトーの痕が心強い。なんなら翌日でも良いのだ。見たこともないシュカブラオブジェに囲まれまるであの世な雰囲気の山頂直下だった。
撤退がよぎる中、薬師如来様がなんだか私に問いかけているように感じたのだ。「疫病を鎮めてもらうためにきたのだろう？諦めて帰るのか？」「お前は自分の保身を最優先し下界の愛する者を見捨てるのじゃな」というておられるような気がした。
祈るというのは私を救って下さいということではなく私はどうなっても良いから愛する人たちを救って下さいというような意味なのではないのかということを薬師如来様が教えてくださったような気がする。なので命を差し出したつもりで山頂まで這っていき祈ってみた。まだ動けるので必死で降った。たまに稜線を外して落ちそうになったり生きた心地がしない。日の入りまで小一時間ほど、寝床にマットが無いので木の枝を使おうと思った。お洒落な海外ブランドスノーソーではなくゴム太郎にして良かったと思った。なので森林限界ギリギリでそこそこ木のある辺り、あまり下に降りると雪が柔らかくてブロックが作れないかなとか。
とりあえずぶっつけ本番一か八かここだと思うところに穴を掘りはじめたハズレだったらもう探し回る体力は無い… 1立方メートルほど掘ってみたがずっとザラメでブロックが取れない。もう選択肢は残ってないのでそこから横に足が伸びるよう横穴を掘った。なんとか横穴の天井は持ちそうだ。
入り口の穴をスキーとストックで屋根の骨組みを作りエマージェンシーシートで屋根を作った。座っても頭がぶつからない高さにした。そこにシラビソの枝をゴメンなさいして屋根用と体の下に引く分をいただいた。鬼に金棒もとい髭にゴム太郎。出入口はどうしても残るので無理やりシートを引っ張り雪の壁に持ってるアイゼン全部突き刺して蓋をした。雪が積もったら顔面雪崩だなとか心配したけどたいして積もらず風も穏やかでよく寝れた。中は想像以上に快適でニヤけてしまったw 部屋には針葉樹の香りが漂い、天井のストックからぶら下げたジェットボイルに壁からほじくった雪を次々追加していける。横になったまま壁に穴をほり放尿もした。問題と言えば変な体勢でしたのでコツが掴めず残尿が太腿に染み渡ったことだろうか。ゴアテックスは透湿だから外に漏れるのか、もしくは成分は中にとどまるのかが気になった。結果悪臭はなく今干してる寝袋も針葉樹のいい匂いがする。
追い込んでみると真剣にやるから色々学べる。機会があったら「テント持って行ってるようじゃまだまだだな〜」ってマウントしてやろうと思った。
快適さから余裕ができたのでお洒落にジンのお湯割を飲んでご満悦で21時くらいには寝落ちした。

翌日3時過ぎに目が覚めると月やら星やら、テンション上がってガッツリ目が覚める。とりあえずお湯作りをして朝食を済まし中でバッチリ荷造りまで終えて外に出る。ヘルメットにテムレス 入れて置いた次の瞬間ゆっくりと谷底に吸い込まれていった😂　夏に沢登りへ行く目的ができたと前向きに捉えよう。髭シール付いたペツルシロッコ見かけたらご一報いただければ…

というわけで薬師岳山荘の横から滑った動画かなり傑作が撮れたと思うので見てやってください〜これも薬師如来様からのプレゼントじゃ。
お前はこの動画とともに今回学んだことを下界の民に伝えるのが使命じゃと言われたような。
医者、政治家、誰かになんとかしてもらうのを待ってると不安になるのかな。何すれば良いかわかんなかったら誰かのためにお祈り。おれだって仕事ヤバくて山道具売ってご飯食べなきゃいけないかもだしそんなんだったら行ける時に行っとけって感じだ。スキー道具この時期売っても金にならんちゅーねん。春節から中国から荷物入ってこなかったから焦ってYouTuberの道も探ってみとるっちゅーねんw
まあ、自分はやれる事をやれば良いと思って行動したらスッキリした。誰かに助けてもらうのを待って自粛してても鬱鬱して不安になるだけだと思った。そういう気持ちが伝染するし悪い空気ができる。だから今回行って良かったと思う。モヤモヤや不安が消えたしコロナ来るならこいだ。この気持ちがなんか伝われば幸いなんだけど。たぶん薬師如来様がおれを生かして返したってことはそういうことだw
みんな楽しくいこう！だいじょ〜ぶだ〜。

コメント

YSHR

動画拝見
髭男さんこんにちは　YSHRです。
雪洞訓練お疲れ様でした。雪洞は雪山での最強のシェルターでなおかつトイレ付きですから自分も昔はよく使いました。
さて動画を拝見しましたがどうやってこの画像を撮るんですかドローンを紐で括り付けている？企業秘密ですか？　次は是非栂海新道で動画を！

ぷちこ

Re: 動画拝見
さすが先生！嬉しいところ気づいていただけて感激　かなり画期的な構図だと思ったんですけど反応イマイチなんですよね…
GoPro Maxって360°撮影カメラをアバランチプローブ１mくらい伸ばした先端につけて撮ってるんです。
内部処理で棒を自動的に隠してくれるんでこういう絵になります。編集に少しコツがいりますが後からアングルを全方位で修正できるんで撮り損ねることがないという。
栂海新道去年の夏にタイミング合わずじまいでしたが予定立ててましたよ！課題クリアのペースに思いやられますが地道にこなしていきたいと思います笑。
先生はじめ先人達の紡いできた山の記録を新しいフォーマットで次の世代に伝えることが勝手ながら僕に与えられた使命な気がしてあれこれ試行錯誤させていただいております！今後ともどうぞよろしくお願いいたします