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Yamareco

記録ID: 2303854
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無雪期ピークハント/縦走
関東

平ヶ岳(過去レコです)。

2007年07月08日(日) [日帰り]
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onisan その他18人
GPS
--:--
距離
19.9km
登り
1,756m
下り
1,747m
天候 晴れ。
過去天気図(気象庁) 2007年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
 銀山平からバスで登山口へ。
コース状況/
危険箇所等
雪田あります。
2007年07月08日 09:29撮影 by  u15D , OLYMPUS CORPORATION
2
7/8 9:29

感想

 朝3時過ぎに起床。まだ辺りは暗い4時前に、宿のマイクロバスに乗り込む。2001年に朝日新聞社から発行された「週刊日本百名山」の「平ヶ岳」の項には、「一般登山道は現在、新潟県湯之谷村の平ヶ岳入り口バス停からの、尾根につけられた一本のルートしかない」と記されている。このルートは標高差1300m、所要時間は10時間10分とある。こんなにかかってはその日のうちに帰られないのではと思っていたが、ちゃんと別のルートがあったのである。昭和62年に皇太子が登ったのと同じルート、中ノ岐(なかのまた)林道の終点からの登山道が今でも使われているとの事である。ここからは標高差は1000mに満たず、所要時間も7時間程度で、余裕を持って登ることが出来る。ただ、中ノ岐林道は入り口で施錠されており、鍵を持った地元の人しか入れない。国道352号線は、細く、曲がりくねっているとは云え一応国道であるので舗装されているが、鍵を開けて中ノ岐林道に入ると、凸凹道でバスは大揺れに揺れる。左下は中ノ岐川、右手は今にも崩壊しそうな崖。いつ通行止めになっても不思議ではない林道の終点にはすでにマイクロバスが3台停まっており、団体さんが準備をしている。結構多くの人がいるのにビックリする。広場の横には残雪が積もっている。今日は予報では晴れ、午前中の降水確率は10%で、この梅雨時にしては2日続けてなんとも運の良い事である。いきなりの急登ですぐに汗が出始め、長袖シャツを脱いで腰に巻きつける。急登はさらに勾配を増し、今日は初めからダブルストックで身体を持ち上げながら登る。昨日に続いて登山道の状況は悪く、ストックがぬかるみに取られる。裏道にしては良く踏み固められており、急ではあるが危険な場所は無い。何度も休憩を繰り返し、2時間ほど登ったところで再び休んでいると、両腰にナタを吊り下げた長靴履きの男がやってきて、「ここまでが一番急な坂で、心臓破りの坂と呼ばれている」と教えてくれる。その男は、太い幹に生えている赤みがかった黄色の毒々しいキノコを見つけて、「わたしの目的はコレ、大変貴重なものなのだ」と喜んで林の中を掻き分けて行ってしまった。心臓破りの坂が終わったと云え、まだまだ急坂を喘ぎながら登るのだが、道端には色んな花が咲いていて、これを撮りながら登るので少しは休憩になる。コイワカガミ、サラサドウダン、キヌガサソウ、ゴゼンタチバナ、エンレイソウは昨日も見たが、コウメバチソウ、ツバメオモト、ズダヤクシュなどの花々に加え、ハクサンシャクナゲ、アヅマシャクナゲ、タムシバなどの木々も綺麗な花を咲かせている。徐々に勾配は緩くなり、いままで寡黙であったおばちゃん達もペチャクチャと賑わしくなる。なかでも生粋の汚い名古屋弁が耳障りだ。木道が現われ、広々とした高原に至り、しばらくすると木道は左右にわかれ、ちょっと寄り道して「たまご石」で写真を撮る。石の上に丸い石が置かれたような形は、花崗岩が侵食されて出来たもので、いずれ崩壊する運命にある。たまご石の向こうには湿原が広がり、池塘が光っている。本で見た光景が目の前にある。しばらく景色を楽しみ、引き返してなだらかな丘を登る。高原の木道を軽いアップダウンを繰り返し、姫の池で小休止。曇り空、柔らかい日差しのもと、おだやかな気分にさせてくれる高原が波打つように広がり、お花畑にはコイワカガミ、チングルマ、ハクサンコザクラなど、赤やピンクや黄色の花々が群生し、タテヤマリンドウの青色も今の季節には目立つ。池の畔にはモウセンゴケも生えている。なだらかな木道を歩き、雪渓を渡り、平ヶ岳山頂に至る。広々とした高原の平ヶ岳であるが、その山頂は木々に囲まれた狭いところで、記念写真を撮り終えてすぐに眺めの良い場所に戻る。眺めが良いといっても曇り空、遠くの山はかすんで見えない。木道に腰をおろし、弁当を取り出して食べ、みどりちゃんに電話する。ずっと圏外であった携帯電話がやっと通じたのであるが、頂上とは云え何せ山の中、電波状態は不安定で途中で切れてしまう。もと来た道を引き返し、木道をたどり、雪渓を登り、お花畑の高原とも別れ、急坂を下り、心臓破りの坂を慎重に慎重に下り、誰一人落伍することも怪我することも無く、無事中ノ岐林道終点のバスまで帰り着くことが出来た。汚い名古屋弁のおばさん達も、みんな大満足のいい顔つきになっていた。中ノ岐林道からの平ヶ岳、ショートカットであるが、心臓破りの坂は少々堪えた。
 「白銀の湯」で汗を流し、湯上りに缶ビール大を飲んで弁当の昼飯を食べる。もう1本缶ビール大を買い、これは空港までのバスの中で飲む。19時50分発ANA314は、来る時と同じエアバスA321で、さすが日曜日、ほぼ満席に近い状態であった。この路線が廃止されることはまず無いだろう。

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