真っ白な伊吹山(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.5km
- 登り
- 616m
- 下り
- 615m
天候 | 快晴。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
12月にしては珍しく数日間雪の日が続き、岐阜市内でも60年ぶりの記録的な大雪となった。中高年山歩き教室で予定していた鈴鹿の山登りは、前日に堀井講師から中止にするとの連絡が入った。しかし天気予報では久しぶりに晴れとのことで、一杯雪が積もっているだろう伊吹山に登ることにした。登山靴ではズボズボで登れないだろうからと、早速アウトドアーショップに出向いた。スノーシューは大きくて持ち運びも大変で高くておまけに歩きにくそうなので、ザックにも入りそうな安いアルミ製のわかんを購入した。簡単な説明書がついているがつけ方が良く判らず、多分こんなもんだろうと半ば諦め、念のため説明書をザックに入れた。
名神高速を関が原ICでおり、国道365号線北国脇往還を北へ向かうとじきに、渋滞に入り込み、一歩も動かなくなってしまった。引き返して関が原バイパスに入ると、これがガラ空きでスイスイと走り、伊吹山ドライブウェイの入り口で再び365号線に入る。しばらくはスイスイが続いたが、再び渋滞となる。道の両側は雪の壁で、凸凹に凍りついた道路を最徐行運転で進む。そんな訳で、ゴンドラの駐車場にたどり着いた時は8時半を過ぎていた。去年は気がつかなかったが、ゴンドラの往復券は50歳以上がシニア券で700円とお徳用であった。3合目駅に着くと、例年土が露出しているゲレンデはスキーヤーやボーダーで賑わい、その後ろの伊吹山は勿論真っ白に輝いている。空は真っ青で、風もない絶好の冬山である。左側のゲレンデの隅を歩き、リフトの終点手前で右のゲレンデを登ると、もうそこは5合目で、あっけない感じである。雪にすっぽりとおおわれ、登山道などかき消されているが、目指す頂きも見えるので、どこでも好きな所を登れば良いのである。ここでゲレンデはおしまいとなり、その先の真っ白な山に向かってふた筋の足跡が続き、登る人の姿がぽつぽつと見える。そのまま踏み入ると、ズブズブと雪の中に足が入り込み、これはいかんと雪の上に腰を下ろしわかんを付ける。しかし昨夜の練習の成果はなく、説明書を取り出して四苦八苦してようやく装着することが出来た。足跡を辿ってわかんを踏み出す。うむ、これは具合が良い。ただ単に、アルミで丸い輪を靴裏に着けただけであるが、雪の中に埋もれ入ることは無い優れものである。木々はすっぽりと雪の下、ただただ白い5合目の雪原をわかんを確かめながら気持ちよく歩く。6合目からはジグザグに登る夏道とは違い、山の端の鞍部に向かって真っ直ぐに伸びる足跡をたどる直登はなかなかきつい。直に汗が出てくる。スキーやボードを背負った若者たちは、スノーシューをはいて登っている。彼らも相当しんどそうで、登る速さはわたしと左程変わらない。30歩登っては一息つぎ、真っ青な山際を仰ぎ見る。登るにしたがい勾配は一層急になり、辿る踏み跡も深くなる。20歩登っては一息つぎ、汗をかきかきようようの態で9合目、頂上台地に登りついた。全てを雪の中に包み込み阻むもののない雪原を、風紋を踏みつけて伊吹神社に向かって真っ直ぐ歩く。年輪の如き風紋が崩されるのは勿体無いが、明日になれば自然がもっと素敵な絵を描いてくれるだろう。夏には観光客で賑わう神社や売店は、すっぽりと雪に被われ、柱のエビの尻尾は雪を冠って肉付きが良い。頂上周辺は風が強く、新雪が吹き飛ばされ硬くなった雪の上を、ザラザラと音を立てて歩く。日本武尊の像はその形をとどめず、真っ白な雪の塊と化している。眼下に垂れ込めた雲の上から、岐阜と滋賀の県境の山々が白い頂きをのぞかせている。
帰りは足跡を辿らず、処女雪を蹴散らしながら飛ぶように下る。わかんが雪にはまり込むのを防いでくれるので出来る芸当である。蹴散らされた新雪が幾つもの雪のボールとなり、転がり落ちる。それを追うように、両手を振り、バランスを取りながら駆け下りる。ゴンドラの駅をめがけて一直線。こんな楽しい下りは始めてである。スキーやボードも良さそうだが、ちょいとわたしには荷が重そうである。今度来るときはプラスティックの橇を持って来ようと考えると、またまた楽しくなって来た。
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