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記録ID: 2337688
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無雪期ピークハント/縦走
東海

千石平 房小山 (大間川分水嶺周回)

2016年06月11日(土) 〜 2016年06月13日(月)
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GPS
56:00
距離
10.2km
登り
1,042m
下り
581m
過去天気図(気象庁) 2016年06月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
本記事は、南アルプス南部調査人のブログ「大間川分水嶺周回ルート案内 2016年6月11日現在」の移行です。
初版は2010年4月30日で、以下記述はそれを元にしていますが、2016年南下時の情報も追記しています。
写真も2010年のものです。
なお田中陽希さんは2019年本ルートを北上で歩いています。
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 寸又峡温泉を起点、終点として大間川の分水嶺を周回するルートを組む事が出来ます。本ルートはシロヤシオと展望に優れています。山犬段から千石平までは標識もあり登山者が多いですが、千石平から黒法師岳間は標識も少なく、また特に房小山からバラ谷山の間は尾根の幅が広く、ルートファィンディングの難しいエキスパート向けルートです。地図、コンパスは必携です。また通常2泊3日の幕営山行になります。幕営箇所は随所にあります。
稜線歩きを一部カットする、南赤石林道の千石沢から稜線に登るルートは林道が通行止めで、利用できません。
1.高塚山への分岐である三ツ合山から北の稜線を下ります。笹にルートが隠れてやや不安になりますが、尾根筋が狭くなるに従ってルートも明瞭になります。一つ目のキレットは勾配が急になる段階で西斜面に下って、最後トラバースでキレットに入ります。やや足元が悪いです。
2.一つ目のピークを過ぎ、二つ目のキレットを過ぎて先、1651m峰への登りは非常に急で滑りやすく、ロープがあります。細心の注意で登ってください。
3.1651m峰を過ぎれば、滑落の危険箇所はありません。次の鞍部が千石沢のコルです。水は5分程度下れば汲めますが、渇水期は更にその下のゴーロ帯を降り二股迄行かなければなりません。
4、千石平はだだっ広い山頂部です。残念ながらその名から連想する程、綺麗な場所ではありません。直ぐの崩壊地から西の展望が得られます。
5.鋸山から黒法師岳迄、シロヤシオの密生帯が何箇所もあります。
6.地形図1572m箇所から先の山頂部が北西方向のながらかなピークは、山頂を通らずに北側を巻きます。
 南下の場合は1572mのコルの北にある幅広く細長いピークを外すルートは見つからないと思います。山頂部の稜線を行き端で幅の広いコルに向かって適当に降ります。方向さえ間違えなければ問題ないでしょう。
7.その先、房小山迄は問題ありません。素晴らしい稜線を満喫してください。1725mのピークを越え、更に房小山の山頂部の手前のピークを越えて房小山の山頂に至ります。
8.房小山から先は尾根が幅広くなり、ルートに注意してください。特に1860m地点から先はコンパスで方向を確認しながら進む以外に方法はありません。沢山ある踏み跡はケモノ道です。但し北行の場合は1800mの手前のピークを越えた後は余り神経質にならずに登り続けて下さい。
 バラ谷の頭から房小山間は北行よりも南下は当然難しいです。1958m地点から1860m地点間は前回と全く違うルートを歩いていました。南下は尾根筋を出来るだけ忠実にたどれば安心です。
9.バラ谷の頭、山頂部手前には本邦最南端2000mの標識があります。
 南下の場合、本邦最南端2000m地点からの降りは、本ルートで最も難しいです。ガスが出た事もあり生まれて初めてルートを求めてループワンデルングをしてしまいました。適当に行かずに2000m地点で磁石で正確に方向を確認し、県境に沿って歩いてください。地形的にはどうしても東の尾根筋に見える方向に引っ張られますので、心を鬼にして右側の斜面に沿って南下してください。
10.バラ谷の頭山頂の北面に大展望が待っています。此処から見る黒法師岳から、丸盆岳、不動岳さらに続く南アルプス深南部の山々の眺望は、筆舌に尽くしがたいです。
11.バラ谷山から非常に急な笹原をコルに下ります。東側に少し下りれば水が得られます。南下の場合行き過ぎない様に気を付けてください。今回は大間川側へ約50m降りました。水量は多いです。黒法師岳へは緩やかな尾根を登りますが、最後が再び笹原の急登になります。5月上旬ですと残雪があり、笹と相まって滑りやすく、非常に難儀します。
12.黒法師岳山頂部西側はガレになっており、遠く恵那山が望めます。丸盆岳側へ下ると、上河内岳方向を垣間見る事が出来ます。
13.黒法師岳から前黒法師岳方向の下りは、山頂部にあるリボンを見つけて、南東方向へ真っ直ぐ下ります。踏み跡はありません。黒法師岳山頂部は円錐型でハッキリした稜線がありませんので、注意してください。下っていって次第に稜線がハッキリしてくれば、正解です。
14.下りきって稜線部に入る所から西へ下ると水場があるとの事です。未確認です。
15.明瞭な尾根を登り、笹薮を越え、二ツ山山頂に至ります。
16.ここで左折しヘリポートに向かいますが、幅広い尾根ですので注意してください。ここも踏み跡はありませんので、どちらかと言うと稜線がややハッキリした南端側を歩くと良いでしょう。
17.ヘリポート周辺はブナ、ダケカンバが美しく雰囲気のある場所です。南側、北側両方の展望が得られます。山と高原地図では水場は無いと紹介していますが、ヘリポートから西南へ林道を行くと水場があります。
18.小さなピークを乗り越えてコルに出て、前黒法師岳への登りとなります。前黒法師岳山頂直前は潅木の藪漕になります。山頂まで登りですのでルートファィンディングの問題はありませんが、下りの場合二箇所肩の部分で迷いやすい所がありますので、注意してください。
19.前黒法師岳から寸又峡へ下ると、林道横断箇所で春が駆け上がる朝日岳に感激しました。 
1651m付近から大間川の谷筋を見る。右の明瞭な尾根筋が板取山から沢口山に至るルート
1651m付近から大間川の谷筋を見る。右の明瞭な尾根筋が板取山から沢口山に至るルート
鋸山周辺から房小山、バラ谷山、黒法師岳への稜線を見る。結構の高度差を感じるが、距離が長いので、黒法師岳への登りを除いては意外に楽に登れる
鋸山周辺から房小山、バラ谷山、黒法師岳への稜線を見る。結構の高度差を感じるが、距離が長いので、黒法師岳への登りを除いては意外に楽に登れる
房小山手前1725mピーク手前付近の稜線。ここから黒法師岳までは笹原と展望の素晴らしい尾根筋
房小山手前1725mピーク手前付近の稜線。ここから黒法師岳までは笹原と展望の素晴らしい尾根筋
房小山手前山頂部より北部の展望。黒沢山から光岳。光岳の左には雪の大沢岳が見える
房小山手前山頂部より北部の展望。黒沢山から光岳。光岳の左には雪の大沢岳が見える
房小山山頂部の小さな池。向こうには蕎麦粒山と長大な千石平。右奥は高塚山
房小山山頂部の小さな池。向こうには蕎麦粒山と長大な千石平。右奥は高塚山
房小山先からバラ谷山、黒法師岳への稜線。熊の皮剥がある
房小山先からバラ谷山、黒法師岳への稜線。熊の皮剥がある
1870m付近の幅広い尾根。殆ど頼りどころは無い。上に向かって登る
1870m付近の幅広い尾根。殆ど頼りどころは無い。上に向かって登る
バラ谷山から南アルプス深南部の山々。南アルプス深南部の最も優れた眺望点と思われる。手前の右から黒法師岳、丸盆山、不動岳。遠くは黒法師岳と丸盆山の間に大根沢山。丸盆岳と不動岳の間に上河内岳。不動岳の左は光岳
バラ谷山から南アルプス深南部の山々。南アルプス深南部の最も優れた眺望点と思われる。手前の右から黒法師岳、丸盆山、不動岳。遠くは黒法師岳と丸盆山の間に大根沢山。丸盆岳と不動岳の間に上河内岳。不動岳の左は光岳
黒法師岳への緩やかな登りからバラ谷山を見返す。水場はバラ谷山から下った最初のコルにある。バラ谷山からの下りは急坂で注意。この付近に幕営可能であるが、写真手前は幕営跡と言うよりは、鹿か何か動物の生活痕跡と思われる
黒法師岳への緩やかな登りからバラ谷山を見返す。水場はバラ谷山から下った最初のコルにある。バラ谷山からの下りは急坂で注意。この付近に幕営可能であるが、写真手前は幕営跡と言うよりは、鹿か何か動物の生活痕跡と思われる
黒法師岳への登りから黒法師岳。写真では残雪は見えないが、腐った残雪と笹に非常に苦労した
黒法師岳への登りから黒法師岳。写真では残雪は見えないが、腐った残雪と笹に非常に苦労した
黒法師岳より北部の展望。手前右が丸盆山と左鎌崩の頭。奥が不動岳。丸盆山左上の白峰が聖岳。右は上河内岳
黒法師岳より北部の展望。手前右が丸盆山と左鎌崩の頭。奥が不動岳。丸盆山左上の白峰が聖岳。右は上河内岳
黒法師岳登山道途中林道より、春の駆け上がる朝日岳
黒法師岳登山道途中林道より、春の駆け上がる朝日岳
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