【2010年】大佐渡山脈縦走(金北山〜金剛山)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 1,826m
- 下り
- 1,994m
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
バス
船
■復路/白瀬(バス)⇒両津港(カーフェリー)⇒新潟港 |
写真
感想
***仕事の関係で新潟に在住していた時の山行記録です***
Day1:横山登山道〜金北山〜ドンデン避難小屋
当日、梅雨の合間としてはまずまずの天気。
新潟港から佐渡海峡を驀進するジェットホイルに乗船すれば両津港まではわずか65分。旅というより通勤という感じで到着してしまう。両津のフェリーターミナルでビールとカップ酒を買い足し、いそいそと相川行きのバスに乗車。都心のように1本バスを逃しても平気!という訳には行かない。行動はテキパキと、が島旅の原則だ。
バスを降りると登山口までの案内板があった。バス停から登山口までのアプローチに要した時間は40分くらいだったが、すでに汗ビッショリ。バックパックのハーネスに取り付けたZIP-O-GAGE(温度計)は30度を示している。
不快感に拍車をかけるのが登山道にはりめぐらされた蜘蛛の巣だ。狭いトレイルに仕掛けられた罠からは逃げようも無く、顔面にまともに受けてしまった時は最悪で、ほとんど罰ゲームといった様相。これではたまらないので適当な棒っキレを拾ってそれを体の前で上下に振り回しながら歩く。蜘蛛には申し訳ないが、無差別破壊でなのである。
栗ヶ沢コースとの合流点あたりからヤブは払われ歩きやすい道になってきた。やがて蜘蛛の巣地獄からは開放され周囲の景色に目をやる余裕も出てきた。立派なブナの森は神聖な気持ちになるし佐渡島がパワースポットと呼ばれるその一端をじわじわ感じ始める。更に登り進むと金北山の頂上にあるレーダードームが見えてきた。観測用のドームなのだが、新しいものがお隣の妙見山に完成したので近々取り壊される予定とのこと。
頂上にあるお社だが、観測施設の間に挟まれてなんだか肩身が狭そう。霞んでいてはっきりとは望めないが、薄っすらと両津湾の海岸線と小佐渡山脈の山並み、そして加茂湖周辺の田園風景が見渡せる。
あらためて時計を見ると、もう14時30分を少し回っている。バス停から既に5時間が経過しており、予定より1時間もオーバーしている。これから先ドンデン山までは少なくとも4時間はかかりそうだし、暑さでバテバテだし、飲料水は少なくなってくるし、大丈夫か?
ここから今日の目的地ドンデン山までは約7km。稜線上を小さなピークとコルが繰り返す、山歩きとしては最も楽しい道筋。相変わらず暑さで調子は上がらないが、小さな沼や山っぽいガレ場、気持ちの良い芝生など景色が目まぐるしく変化するので気分がまぎれる。金北山頂上直下にある鏡沼では鴨がのんきに水面に浮かんでいた。僕の存在に気づくとあわてて飛んで逃げてしまった。
天狗の休場は気持ちのいい芝生。時間があれば小一時間くらい昼寝をしたいところだ。進行方向右手、端正な三角錐の山は「岨巒堂山(しょらんどうやま)」。いかにも信仰の山っぽい名前である。修行僧がほら貝を吹きながら歩いている古のシーンが容易に想像できる。今回の縦走の中で最もカッコ良かった「真砂の峰」から振り返ると金北山の大きさが良くわかる。
無事下山したものの目当てのキャンプ場には辿り着けず(何故だろ?)代わりにおあつらえ向きの避難小屋を見つけた。心身ともに疲れた今、この山小屋を使わない理由は全く見当たらない。もちろん、ありがたく使わせて頂いた。
Day2:ドンデン避難小屋〜金剛山〜白瀬バス停
夕べはサッカーW杯のラジオ中継、アルゼンチン対ドイツを聴きながらいつの間にか寝てしまった。朝起きるとパラグアイ対スペインの試合が終わったところだった。南米のチームはどちらも負けてしまったらしい。高校野球とかプロ野球をラジオで聞くことはあっても、サッカー中継を耳にすることは珍しい。しかもこんな深夜〜早朝にかけて。4年に1度のお祭りならではである。そんな中、6時45分身支度を整え、トレッキングブーツの靴紐をギュッと絞り上げてから小屋を発つ。
ドンデン避難小屋には土曜日の夜だというのに他の利用者は無く、のびのび使わせて頂いた。一階がキッチン&ダイニング、二階が寝室というオーソドックスな小屋ではあるが、プロパンガスのコンロが備え付けられているのが嬉しかった。大きな鍋やヤカン、食器の類も充実している。離れにはトイレもあるし(中には入らなかったが)避難小屋の設備としては最上位クラスだ。マナーを守って利用してもらいたいし、維持管理をしている方々には感謝である。
天気は曇り空だが、朝から気温は高い。予報天気は回復傾向。トレイル脇には杉の古木が目に付く。不思議な姿で枝を伸ばしているのが印象的。植生は相変わらず濃く、オントレイルといえどもほぼヤブ漕ぎ状態といえばご理解頂けるか。
ひと汗かいて金剛山の山頂。鳥居と小さなお社がある。ここで白瀬登山口から登ってきた、という登山者に会う。そういえば昨日からアプローチで地主のおじさんに話しかけて以来はじめて人と口をきく。登ってきたコースの情報を仕入れて、最後の下りに向かう。やがて気持ちの良い沢と合流。顔や手をすっきりさせた後、ああ・・・そろそろ冷たいアレが飲みたくなってきた。
更に下ると下山口の白瀬に到着。
ほてった体をクールダウンするように歩いていると、今までの山の空気と明らかに異なる、乾いた風を感じる。潮風と白瀬漁港の赤い灯台が近づいてきたら、今回の旅もおしまいだ。両津行きのバスを待つ間、もちろんシメは下山後のつめたーいビール!
これを味わうために山に登っているのかも、と、時々錯覚する時がある。
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