シーズン最後に仙丈ケ岳 ただ、ただ、・・感動!
- GPS
- 32:00
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 1,443m
- 下り
- 1,442m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な個所はありません。雪の状態によりアイゼンは必携です。 山頂よりの帰路、薮沢新道を下ってしまいました。冬期通行禁止です。 情報を掴めませんでした。標識も無かった気がしますが、反省し以後、気を付けます。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
日本アルプスへのシーズン運行バスが今週末にほとんど終了する。
今年、最後のバスルート登山を何処にするか、当日の朝、駅で電車の切符を買うまで決めかねていた。
結局、今年の春にスタートを切った南アルプス、甲府から広河原へ。
バスを降りると、同じく今年最初に登った北岳が、雲一つない青空の下に聳えている。
しかし、僕はそのまま北沢峠行きのバスへ乗り込んだ。今回は仙丈ヶ岳へ向かう。
何度も山行の候補に上がっていたのだけれど、あのカールにはどうしても雪が必要だった。
この数週間ですっかり雪化粧を済ませてくれている。
来年の春まで待たずに、今年最後の南アルプスへの山行とする。
前回も泊まった北沢駒仙小屋にテントを張ると、まだお昼過ぎなので少し近場まで散歩することにする。
同じく今年春に登った、甲斐駒ヶ岳への途中の仙水峠まで。仰ぎ見る甲斐駒ケ岳の雄姿に圧倒される。
翌朝5:00にテントを出発する。日の出は6:30の予定なのでまだ真っ暗だ。
2合目、3合目と高度を稼ぐと、次第に東の空が明るくなる。
鳳凰三山のちょうど地蔵岳のオベリスクを背に朝日が登った。
北岳もモルゲンロートに赤く染まる。
次第に雪が深くなり、アイゼンを履くか迷ったが、数日前に降った雪が適度に締まっていて、必要はないと判断した。
しかし、これが踏みしめられて凍結すれば、アイゼン無しでは登る事も下る事も出来ないだろう。
小仙丈岳を越えると、まさに圧巻だった。
真っ白な雪を頂いた小仙丈カールが、仙丈ヶ岳を従えて眼下に広がる。
振り返ると甲斐駒ヶ岳、北岳から間ノ岳まで、雲一つない空の彼方に広がっている。
深くなる雪の尾根を仙丈ヶ岳へ登る。
もう、ここまでくれば、積雪期登山と言ってしまっても良いのではなだろうか。
気持ちの良い程よく締まった雪をギュツギユツと軋ませてゆっくりと登って行く。
仙丈ヶ岳山頂へ立つと、さらに360度の大展望だった。
日本アルプスの山々がすべて見渡せたのではなかっただろうか?
東から甲斐駒ケ岳、その奥にに八ヶ岳、南に向かって鳳凰三山、遠くに富士山、北岳、間の岳、塩見岳。
西に木曽駒ヶ岳、乗鞍岳、北に穂高連峰、槍ヶ岳、そして彼方に後立山連峰鹿島槍、白馬岳まで望めた。
薮沢カールの眩しい雪渓の彼方に広がる山々へ、ただ、ただ感動して時間が過ぎるのを忘れた。
十分過ぎるくらい展望を満喫すると、峠を越えて仙丈小屋へ下る。
そして、そのまま薮沢新道へ下った。特に何の標識も無かったと思う。
仙丈小屋から1時間位下ると馬の背ヒュッテへ到着する。既に営業は終了していて人の気配はない。
寒かった稜線での防寒装備を外して、リュックにしまい、先を下る。
薮沢沿いの沢道へ出ると、所々凍結している個所があって歩き辛かった。
しかし、氷結した小滝や沢がキラキラ光ってとても綺麗だった。
一カ所薮沢を渡らなければいけない個所があったが、橋がない。
飛び石伝いに歩こうにも、石が濡れて凍結していて安易に飛びつくと、凍った川へドボンだ。
過去に苦い経験をしている。
何とか、狭い個所を見つけて渡ると、その後もしばらく凍結した道や崩落した個所なんかがあって、
歩き難かった。他のみんな大丈夫だろうかと心配になる。
そういえば誰ともすれ違わないし、誰も追い越さない。
大平山荘へ下ると、なんと登山道の入り口にロープが張られていた。冬期通行禁止と書いてある。
どうりで、誰とも会わなかった訳だ。そんな情報どこかで見たか?しかし何れにせよ僕の注意不足だ。
何かあれば皆さんにご迷惑を御かけする。・・・・反省。
今年の登山シーズンはひとまずこれで終わりだ。
車を使わない僕の山行はこれからは近場の低山や、八ヶ岳などの限られた山域に限定されると思う。
しかし、今回の山行は雪山トレーニングを少し兼ねていた。
ここ連日、ここでは氷点下を下回っている。
そこで、特に研究したのは氷点下でのテント泊だ。
NASA開発の断熱シートと冬期用マット、冬期用シェラフ、防寒着、防寒下着、調理器具、食材・・etc。
それらを出来るだけ軽量で、コンパクトに。
いくつか問題点も見つかったし、いくつかはうまく行ったと思う。
夜中に暑くてシェラフから頭を出すと、汗に濡れた髪がすぐにバリバリと凍りつく。
一旦冷えた手足の指は、手袋をはめても暖まらない。
体の熱を出来るだけ外へ逃がさないように、汗を出来るだけかかないように・・・。
もちろん、本当の冬山はこんなものではないだろう。吹雪なんて想像もつかない。
でも、少しずつ・・・・・。
帰りの甲府へのバスの中で、雪を頂いた綺麗な富士山が富士川の河原に雄大に聳えていた。
何故か富士山へは登らないと頑に決めていたが、
「まあ、いつか登ってやっても良いかな」と、何となくそう思った。
シーズンの最後にとても満足の出来た山行だった。
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