記録ID: 24722
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アイスクライミング
積丹・ニセコ・羊蹄山
ニセコ北岸、雷電海岸氷瀑
2008年01月19日(土) 〜
2008年01月20日(日)


- GPS
- 64:00
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 1,349m
- 下り
- 1,236m
天候 | 高曇り時々吹雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
【ルート】雷電海岸の2ルンゼと1ルンゼ 上州沼田から出張でやって来て仕事をあっという間に終わらせたスーパーOBを迎え、雷電海岸でアイス合宿をした。卒業20年近くにしてもセンパイに先端技術を教えてもらえるなんて最高のクラブです。現場近くの雷電温泉ではごちそうもそこそこにひたすらヤスリがけの稽古。本日も吹雪で氷点下の北海道、キチガイ三勇士です。 雷電海岸はニセコの裏、数百メートルの岩壁に大きなルンゼが4本。氷柱氷瀑が連続ピッチで登れる。米山はアイスほとんど初めて。内地で最先端をやっている清野さんにイロハから教わる。米山、斉藤とも10年前の東京勤め時代には上越や北アルプスの数々の古典バリエーション沢、岩、雪稜ルートを導いて頂いた師匠である。3人一緒は今回が初めて。いつまでたっても追い抜き不能のセンパイである。 初日は長そうな滝を下ろしている2ルンゼを目指す。駐車場から20分ほどラッセルするともう取り付きで、下から見るとなんとかなりそうな傾斜だが取り付くと高度感が凄い。センパイの金言をまとめると、 ●派手にアックスふるな、ちょんちょん登れ。 ●アックスを強く握るな。腕の骨にぶら下がる心持ちでいけ。重心を落としてモンキーハングだ。 ●むやみに打ち込まず、弱点を探せ。 ●濡れたワレメには、そっと刺せ。 ●滝の抜け口では氷がない、強打するな。刃先がもったいない。 学生のころアイスのまねごとをやった時はまっすぐシャフトの普通のピッケルを握りしめてスコスコ登り、一挙に腕と指の筋力が無くなった。技術も進み、道具も進んだ。指導の賜物で今回は筋肉痛にもならなかった。2ルンゼのF1にトップロープを張り、真ん中、右、左(垂直氷柱)、と稽古する。F1には2ピッチ目があり、下から見ると行けそうなのに、取り付いてみると結構な傾斜があり、登り切ると結構な高度感がある。40m×2。 日が暮れるまで登りまくって、直ぐ近くの雷電温泉三浦旅館で積丹半島の明かりの見える露天風呂でゆらゆらして、ムチムチの刺身やハマ鍋といううまい鍋で食いシゴキ。いつもとはかなり違う山の夜を過ごす。しかし飲食を終えるとセンパイにアックスの磨き方を教わり、皆せっせと磨き始める。金言をまとめると、 ●先端下面の角度を付ける。 ●先端上面の肩を落とし、両側から均等に刃を付けるように磨く(抜きやすくなる)。 ●先端両側は真ん中が中心にくるように両側から磨く。滑らかにし、鎬(しのぎ)を作らない。 ●美しく。 ●ヤスリはニコルソンの中丸細目と中目 他にもアックスのリューシュ(手首バンド)の着脱可能金具の自作方法や、ロープマンを使ったセルフビレーロープの作り方など、実戦と工夫の果実をさまざま享受した。ごっつぁんです。 出来上がったアックスは正に別物。打撃ありの右手用とチョンチョン登りの左手用で研ぎの形も少し違う。スクリューハーケンにも丸ヤスリで磨きをかけ、一本刃アイゼンも磨く。買ったまんまじゃ全然ダメなのね。 翌日は1ルンゼ。4ピッチで、最初の滝は見かけ以上に長く、傾斜もあった。その後氷柱6mもあり、最後にも数メートルの滝がある。この日はすべて斉藤がトップ。日本海を見ながらのクライミングは最高だ。広い海の向こうから雪雲がカーテンのようにやってきて吹雪になり、突然青空が少し見えたりして、またいつしか吹雪に。海岸に寄せる波濤と波のはなのたゆたいは見ていて飽きない。海鳥になった気分だ。僕のような海無し県育ちには特に。 1ルンゼ4ピッチを完登し、50m3回の懸垂で降り、岩内→倶知安に出て、ラーメン屋「なかま」に入る。汽車に間に合うぎりぎりまで注文が来なくて気を揉んだが、かッ込んで汽車に乗る。千歳空港に向かうセンパイとはまた山で会う約束をして。今や特急の通らない函館本線は、雪降る暗い鉄路を長万部まで。長万部からは特急で函館まで。腕の筋肉痛はないが、指は痛めて内出血だ。アイスはこれがある。雪の函館本線は鉄道員を見ているだけで感無量だ。 |
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