毛勝山 暑さに勝てず中退(-_-;)
富山県
myokohiuti
- GPS
- --:--
- 距離
- 3.6km
- 登り
- 873m
- 下り
- 101m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 7:50
| 天候 | 快晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
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感想
毛勝山は、釜谷山・猫又山と合わせて毛勝三山と呼ばれている。その三山を巡る道が出来たと聞いてから随分と時は過ぎた。その道は廃れてしまったと聞いたが、今も道はあるらしい。少なくとも毛勝山への道は通っていると聞く。毛勝山といえば真っ先に頭に浮かぶのは、雪山訓練で良く登られているという阿部木谷である。そこで冬山登攀訓練の真似事だけでもやってみたいなあ〜、なんて思ったこともある。それが無理なら、せめて夏道位は登ってみたい。と、言っても私にとってはちょっと厳しい行程となるが、登られるか否かは別にして、とにかく山に取り付いてみようと計画を練る。
涼しい時期にと思いながら、梅雨明けの暑い時になってしまった。まあ、とにかく多くは望まず計画を練ってみる。私は、足が遅いので日帰りは無理。一泊二日。山中テント泊となる。梅雨明けの暑い時期なので出来るだけ軽量化を図る。これが簡単なようで難しい。道中に水がないのだ。暑い時だから水不足は致命傷になりかねない。山頂近くにあるクワガタ池の水は、多分、水質面からいっても期待できない。水は4リットルを確保。テントに代えてツエルト携行とする。結局、ビバークなのだが装備はテントがツェルトにとって代わっただけである。今回の山行が成功するか否かは、重荷に耐えられる体力があるかどうかの一点にかかっている。
登山前夜、登山口で車中泊の予定であるが、山道を走行中に日が暮れる。最近は林道といっても舗装された立派な道も多いが、ここは気の抜けない手強い道である。路面は凸凹、見まごうことのないダートだ。ナビも使えず現在地不明で、途中から戻って村はずれの広場で車中泊となる。朝出発しようとするとおじさんがやってきた。これ幸いと道を尋ねると「真っすぐ一本道だ」と教えてくれた。道は間違っていなかった。勇躍車を進める。所どころに登山口を示す案内板も立っている。昨日は夜のダートの道に気を取られ周りが見えていなかったのだ。ちょっとした広場に車が3台が止まっていて「僧ヶ岳登山口」の看板が出ていた。この川向こうが毛勝山の登山口なのだ。一人出発しようとする男性がいて一言二言言葉をかける。彼は僧ヶ岳を目指していった。
橋を渡って左側が毛勝山登山口だ。砂防ダム工事用道路だと思うが広い立派な道路を進む。しかし、登山口は現れない。変だなあ〜と思いながら漫然と進むと沢身に向かって行くばかりである。地図で確認すると登山口は橋を渡ってすぐだった。往復で小一時間のロス。なんという凡ミスだ。全く穴が無くても入りたい。情けない気分で戻るとヤマレコで見たことのある「毛勝山登山口」の看板があった。ちょっと奥まったところにあったので見落としてしまったのだ。入れ込んでいたんだろうなあ、と思う。気を取り直して出発。
なだらかなのは最初だけでロープ等が下がる道中となる。数は少ないがアジサイの花やアカモノ等が咲く。予想に反して杉の木が多い。しかも異形の杉だ。根元でぐにゃりと曲がっている物やS字形だったり大蛇が舌を出しているような物、街道の並木道の様だったり。これらは豪雪によって生み出されたものに違いない。それだけ生育条件が厳しいのであろう。
快晴。登山にはもってこいだが、気温もうなぎのぼり。阿部木谷から吹き上げる風がなんとも心地よい。心地良さに誘われて休憩が多くなる。夫婦連れと思われるパーティがやってきた。追い立てられるのは嫌なので休憩がてら道を譲る。普通はわざわざ休んでまで道を譲るということは、まず無い。ペースがダウンしている証拠である。腕時計の温度計は30．2度。撤退の文字が頭に浮かぶ。
よくよく考えてみれば、毛勝山登山口と山頂の比高は約1，700m。登山口から山頂までの水平距離は約5�辧Ｈ崗貪腓�ら剱岳山頂の高低差は約1，400m。水平距離は約4�劼任△襦�もちろん行程中にはアップダウンの回数や歩行の難易度に差はある。単純に数字だけで比較はできないが、毛勝山の厳しさがわかるというものである。これは家に帰ってから調べたことであるが、簡単に登られる山ではなかったのである。
ようやく三角点を越えた。しかし、まだ行程の半分以下だ。最初からビバークの計画だから、横になれるスペースがあれば御の字だ。暑さが堪えてこの辺でビバークするか、と思った。しかし、それだと明日は上り下りで、今日登ってきた三倍の距離を歩くことになる。ザックの重さは軽くなってもせいぜい1�堋�度であろう。明日も今日と同じで高温多湿は間違いない。熱射病になるのが心配だ。それは突発的に起こるらしい。何よりもそれが心配、という理屈をつけて撤退となる。
下る途中あらためて阿部木谷を覗いてみると、なかなかに急登である。一部途切れているが、いまも雪渓は残っている。雪渓の連なる時期には、その魅力にひかれてやってくるアルピニストの心情は理解できる。真っ白な雪渓が続いていれば、さぞや奇麗なことであろう。そんな雪渓を登る機会に恵まれれば誰もが欣喜雀躍するに違いない。北方に見える僧ヶ岳のたおやかな山容にも魅かれるものがある。登山口に着くと、登るときにちょっばかりお話した男性が帰り支度をしているところだった。水が多く重荷の私を心配していたという。
今日、僧ヶ岳には7人登ったが、4人は途中から戻ったそうだ。僧ヶ岳は毛勝山より560m低い。完登率約60パーセント。失礼ながら私はホッとした。厳しかったのは私だけではなかったのである。
またいつか、じわじわと登頂意欲を醸成させ再度アタックを試みたいものである。
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