飯豊連峰遠征2日目【大朝焼け〜大クマ〜大お花畑〜大日岳〜そしてそして大転倒🤣】
- GPS
- 11:50
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,054m
- 下り
- 2,275m
コースタイム
- 山行
- 9:14
- 休憩
- 2:37
- 合計
- 11:51
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【弥平四郎から駐車場まで】この4kmはダート路ですが、慎重に進めば普通車でも大丈夫だと思います。ただし20分以上かかりました。 【弥平四郎登山口〜松平峠経由の道】 ガレた道の急こう配となかなかに荒れた登山道はいやらしい道の連続で、通過に非常に時間がかかります。特に疲労を抱えての下山は、自分が転倒したこともあり、長くて苦しい道でした。西側の道の方が易しいと思います。 【三国岳〜種蒔山】この間が核心部でした。歩きづらい荒れたザレ場のアップダウンが続きます。日陰もないので、猛烈な暑さを感じました。 |
写真
感想
こんにちは。2日目です。
山上で朝陽を見ようと早起きして「大日岳」に向かいます。普段は怖くてできないので、ヘッドライトを点けて歩くだけでもう胸がいっぱいでドキドキします。道は中くらいの岩がゴロゴロ転がる歩きづらい登山道。おまけに朝靄で真っ白です。GPSとにらめっこしながらアップダウンを繰り返します。30分くらい歩くと白んできました。あら、ログを取り始めるのを忘れていたことに気づき、慌ててONに。
と、左右を見ればこれまで以上に密集したお花畑が広がっています。もう花の季節は終わりかと思っていましたが、期待していなかったチングルマやニッコウキスゲまで。写真は帰路に撮るとして、日の出をできるだけ高いところで見ようと先を急ぎます。小さなアップダウンを繰り返していると、日の出時刻を迎えました。雲が多く 角度も悪くて、また山肌が燃えるモルゲンロートも見られませんでしたが、それでも大感激でした。赤い太陽、キラキラ光る草花、雲間に透けるキーンとした光線、そしてこれらを自分で独り占めしている恍惚感。さあ、あとは大日岳の登頂です。
大日岳への最後の直登路が見えた頃、山腹に、登山道から20mくらい下がったところにクマが見えました。私にとっては山中で二度目の遭遇です。引き返そうかとチラと頭をよぎりましたが、いやいや、初志貫徹!! ワーワー騒いだら幸い下方に向かってくれ、姿が見えなくなりました。その後も鈴をジャンジャン鳴らし、叫びながら突き進み、無事登頂を果たしました。
御西小屋〜大日岳間のお花畑はこれまでで最高の花の多さでした。たくさんたくさん写真を撮りました。以前はまったく関心が向きませんでしたが、最近は多少興味を持って名前なぞ調べるようになっています。
【転倒について】
(私の間抜け話なのですがぜひお聞きください)
ロープの備えられたザレ場の急登で前方にゴロゴロと、多分4回転「でんぐり返り」しました。楽天家の私はいつもこの手の失敗談をオモロ話にするのですが、今回はそうもいきません。今でもこの出来事について考え続けているんです。
十森の水場にようやく辿り着き、顔や手を洗って少しさっぱりしました。やがて足場の悪いザレた急斜面にさしかかりました。補助のロープが付けられています。その崖の上部で立ち止まり、当然ながら 慎重に降りなければ、と思った矢先でした。突然訳も分からず "前方に" ゴロゴロと転げ落ちたのです。頭の中はとても冷静でした。回っている間、意識もはっきりしており、したがって何回回ったか分かるくらいでした。超高速で回転しましたが、どこかを激しくぶつけるような事態がないことも はっきりと認識できました。そして多分"3回転"して平らな登山道に達し、「ああ止まるな」でも勢いでもう一転がりして藪に突っ込んだ、そんな感じでした。だから起き上がりながら まずは自分の状態を確認できる程度の余裕がありました。
フラフラとしないか、慎重に立ち上がり、全身に痛みがないか確認しました。幸いズキッとするような痛みはありません。全身をくまなく確認し、打ち身や切り傷の有無をチェックをします。もちろん両手両足に擦過傷はありましたが、激しい出血も酷い打ち身も無いようでした。額と膝から多少出血がありましたが、傷は深くありません。
次に所持品の確認をします。眼鏡がなかったので見えなくてイライラしながら捜索しました。ほどなく見つかり確認すると壊れていません。身に付けて周囲を見られたことで さらに冷静さを取り戻しました。「あそこから落ちてきたのか…。よく平気だったものだ。でもどうして…。」 一番心配だったスマホはしっかりとウェストポーチの中にありました。壊れていません。ストックはほんの少し曲がっていましたが二本とも無事です。水筒がすっ飛んだのか見つかりませんでしたが、古いものでしたのでろくに探しもせず諦めた他は被害はありませんでした。
もう一本の水筒から水を飲み、傷口を水で流し、改めて自分の無事を確認し、十分に冷静さを取り戻してから下山を始めました。考えたのは「なぜ自分は転倒したのか?」ということでした。足を滑らしたのならすぐに分かりますし、バランスを崩した覚えもありません。確かに荷物は重かったのですが、それが原因なら下り坂で「真正面に」回ったりはしないでしょう。つまづいたという感覚も無いとハッキリ言えます。疲れていたことは確かです。しかし崖の上でそこを下ることの危険を認識し、ボーっとはしていなかったことも断言できます。瞬間的に記憶が途切れた などということもありません。下りづらい下山道にペースが上がらずイライラしていたのはあります。しかしそれはあの形での転倒には結びつきません。とにかく私は確かに前方宙返りをするかのように頭から崖下に向かって回転したのです。
色々考えました。これが本当の危険地帯で起こったら命はありません。今回は終点に藪があったからそれ以上下には落ちなかっただけです。また、仮に前に人がいたら巻き込んで大変なことになります。自分はもう登山をしてはいけないのではないか。そんなことまで考えて激しく落ち込みました。とにかく転倒の原因を究明して、その予防策を立てられなければ自分で納得がいきません。懸命に考えました。
その時「あっ」と思いついたのです。
私が履いていたシューズは細い紐を引いたり弛めたりして固定する、結ぶ必要のないタイプのものでした。グッと締めると紐が前方に長く伸びて、写真のように靴紐が解けてぶらぶらしたような状態になるのです。以前から危ないなと思い、短く切るなど改良をしなければと思っていながら ズボラな私はそのままにして使っていたのです。そして靴の前の方に余った紐を潜り込ませたりしてごまかしていたのです。
この時、足元を見ると両足ともの紐が伸びた状態でした... 。
以上から 導いた結論は次のようなものです。
崖の上方で立ち止まった時、恐らくどちらかの紐を踏んでしまった状態から次の一歩を踏み出したのでしょう。憐れ、つんのめったような形でそのまま"前方に"飛び込んで行ったのです。だから滑った感覚もないし、躓いた感覚もなかったのです。
しかし100%の確証はありません。そうでなかったらと考え出すと、現在、山へ行くのがとても怖くなっています。
崖の高さは5、6メートルはあったでしょうか。結構な斜度だったので、ものすごい勢いで転がったはずです。よくこの程度の怪我で済んだものです。受け身の心得があるわけではありませんが、恐らく、とっさに体を小さく丸め込み、よほどきれいなでんぐり返りをしたのでしょう。 回転せずに顔から落ちていたら、などと考えるとゾッとします。腕や脚を折っていたらと考えると途方もない思いになります。もう一度そこから転がってごらんと言われたら、間違いなく大ケガをする自信しかありません。いつもなら笑い話、自慢話にするところですが、今回ばかりは反省の念しかありません。そして、ただただ無事の生還に感謝しました。
ということで、2日目は大変中味の濃い、そして一生忘れられない一日となりました。読んでくださった方々、ありがとうございました。
次の山に、行けるかな... ?
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