初めての冬山テント泊で仙水峠まで
- GPS
- 34:09
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 1,390m
- 下り
- 1,394m
コースタイム
7:00丹渓山荘-10:00北沢峠-10:10北沢駒仙小屋-11:45仙水峠11:50-12:40北沢駒仙小屋-14:20丹渓山荘16:40-19:50戸台駐車場
※時間はバテバテだったため、当てにならないです。参考程度
天候 | 初日:曇り後晴れ 2日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
道は途中凍結箇所あり。 スタッドレスでゆっくり行けば問題はありませんでした。 戸台駐車場はいっぱいでした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
年末年始はトレースが非常にはっきり着いていて迷うところはなかったです。 強いていうなら河原歩きの渡渉するが分かりづらいところでした。 けっこう大きな堤防の階段の上り下りまでは右岸(登りでは左手の岸)沿いで、 尾根がせり出しているところは河原に出て渡渉したり、高巻きしたりがあります。 そこから雪で埋もれている河原の真ん中を横切り左岸へ、 そこからは丹渓山荘の直前にある橋までずっと左岸に道がついていました。 雪の量は北沢峠で50-70cmってところでした。 例年より多いと聞きましたが、前日までの雨で少し解けたのではないかと思われます。 トレースはよく踏まれていて歩きやすかったです。 アイゼンは丹渓山荘からの登りで必須となります。 何気に川原での高巻き箇所の凍結がアイゼン外しているので一番危ないように感じました。(笑) 帰りに気づいたのですが、 河原歩きは右岸(登りでは左手)のせり出た尾根の地形を数えながら歩くと、 だいたいの現在地が判って、気がまぎれます。精神的に少し楽だと思います。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
ピークハント狙いが結果的に雪山を眺めるだけのハイキングに変わってしまいました。
気持ち的にはぜんぜん消化不良のバテバテ山行になってしまいました。
そんなになった理由は、荷物の重さのためバテてしまった事。
ごくごく初歩的なミス。準備不足と自己過信です。
そもそもテント泊したのも記録をみると2年以上前の話。
思えばずっと小屋泊まりでラクをしてたようです。
そんなダメな私の痛い山行を綴った自分用の記録です。
■歩き始めから苦痛な歩き
今回、初めての雪山テント泊だったため、あれこれ荷物をべらぼうに用意してた。
雪山は夏と違って腐らへんから〜♪と、
クックに楽しみをもって やれ食事の計画表を作り、
豚キムチするために豚肉やら餃子やらを持っていき、
また行動食も腹減ったときのイメージで、あれやこれやと余分目に
物色しては買い物カゴに詰め込み、
極めつけは、いつかの山渓で見たペミカンにも挑戦。。。
前日にザックを持った感触は、まあ何とかなるか 程度。
全部は詰めていなかった状態で23kgだったかな?
ちょっと重いな〜と思いつつも、、、こんなになるとは思わなかった。
車に荷物を積むときも冷凍モンは保冷袋に入れて、別々に運んでいたので、
結局、最後にザックが完成したのは駐車場についてパッキングが終わったとき。
歩きはじめて早々、15分もしないうちに、「こりゃキツイな〜」と思い始め、
「まあもうちょっと歩いてたら慣れるかな〜」、と思いながら歩を進め、
その後しばらくしてからの心の葛藤は、
「やっぱり荷物置きに帰ったほうがいいんちゃうん?」
「でも今から帰ると、なんやかんやで1時間ほどのロスになるしな〜。」
「そもそも今日は寝坊して1時間遅れやしな〜。」
「あの持ったときの重量感あったペミカンだけでもおいていこうかな〜」
「でもせっかく作ったしな〜」
と、考えながらもどんどん距離が進んでいっていた。
だいぶ歩いて、正直、もうイヤになって帰りたい!!と思いました。
だって一歩一歩がホントに重いんだもの!!
こんな気持ちになったのは初めてです。
でもせっかくここまで来たのに、ここで帰るのはもったいない。
行けるところまで行こうヨ。と自分を励ます。
鋸岳の分岐点を過ぎてから、もう我慢ならず、
やっぱり重たい原因はペミカンだ!
→先に幾分かでも食べてしまおうと昼飯の計画を変えてペミカンに手をつける。
本来は晩飯辺りで温めて食べようと思っていたのだが、
冬の昼飯ではそんなゆったりする気もなく、そのまま食べることに。
が、マズイ。。。(涙)
もともとあまり美味しくないとは考えていたが、こりゃあ食べれないわ。
手間をかけて重いはマズイはじゃあ、俺は何をやってるんだと思いながらも、
「これはもう上まで持っていっても仕方がない」
ここにデポすることに決定。
岩の影に隠して少し雪を掛け、近くの立ち木に赤テープで目印をつける。
(帰り、持ち帰ろうと戻ってきた時にはなくなっていた!
だいぶ探したがない。
あんな重たいものを持っていく物好きはいないだろうから、
おそらくは野生の動物が匂いを嗅ぎ付けて持って行ったのかもしれない。
ダメなことをしてしまった。反省)
よっしゃ〜、これで少しは軽くなったはずだ〜!と気分を新たに歩く。
最初は休憩したことで足は軽いがそれもつかの間。
まだまだ荷は重い。。
丹渓山荘まで、何でもない傾斜の河原歩きが、
本来3時間位かけて歩くところを5時間もかけて歩くことになりました。
あぁ、ダメだ。計画丸つぶれ。
■計画変更
でも さあ、ここからが本番。北沢峠まで高低差600m弱の急登を登れるか、、?
いや、とても無理。
ほぼ平地でもこの有様なのに、この重量を背負って急登はとても無理。
ということで、ここ丹渓山荘(現在は廃業)にテントを張ることに決定。
テントはすでに2張、山荘の中にも3張。
「山荘の中に場所がまだ空いているよ」と、好意的に言っていただいたが、
今回、初めての冬山テント装備の確認もしたかったので、外に張ることにしました。
聞くと、ここはアイスクライミングのベースキャンプになる場所らしい。
丁度水場もあり、樹林帯の中でテントを張るにはいい場所でした。
■テントについて。
テントは夏用テント、フライ付き。
アンカーについて
・雪はそんなに深くなく、10cm程度。
・でも地面は凍っているので、ペグは張れず、岩で固定。(周りに倣った)
・新調したスノーアンカーは使えなかった。
・竹ペグを作ったが、フライを固定するのに無理やり使った。
→踏み固めると凍るのでそこそこフライを固定するくらいには
十分の強度そうだった。
防寒について
・気温は朝方で-12度位。テント内は確か-7度位だったかな。
・地面からの防寒対策は3枚。
1)テントシートはホームセンターで買ったキャンピングマットを使用した。
テント内に銀色を下にして敷いた。
2)銀マットは銀面を上にして敷いた。
3)その上にエアーマットで寒気対策は十分だった。
・シェラフはモンベルの#1。
※モンベルフェアで安く買った試作品だったが、まあまあいけた。
ただし太もも辺りだけが寒かった。
後で調べてみるとその辺りのダウンが薄くなっていた。この辺が試作品の影響か。。
・シェラフの上からシェラフカバーとエマジェンシーシートを掛けた。
でもエマジェンシーは暑かったので下半身だけにした。
・服装は下は、ブレスサーモのタイツ+フリースパンツにダウンパンツ。
上は、FineTrakのメリノ半そでに、フリース+薄手ダウン。
薄手ダウンはダウンの薄い腿にかけた。
■明日の予定を考える
さて、テントに入って、早速ごはんを食べるべきだが、
疲れすぎだろうか、なぜか食欲がなく、体がだるい。
ウィスキーをぐっと飲んで、取り合えず寝ることにした。
明日の行動をどうしようか考えながら、うとうとして、
やがて午後8時になって目が覚めた。
さあ、ごはんだ。
生肉の豚をボイルして、乾燥キムチと混ぜ合わせる。
なかなか贅沢な晩飯だ。
ごはんを食べ、翌日の予定を考える。
当初、初日は北沢峠まで行って、甲斐駒・仙丈ケ岳を1日ずつやるつもりだった。
天気予報では、ちょうど翌日午前9時ごろに高気圧が通過するだろうから
そのくらいにピークを踏めれば理想的だっだ。
でも計画は丸つぶれになってしまった。
荷物が重たすぎたせいで北沢峠までは遠く届かず、後何時間かかるやら。
明日、テントを撤収して北沢峠まで行き、テントを張りなおしてからピークをやるか。
とてもそんな気分にはならない。
ここから空身同然でピークを狙ったとして往復10時間。
朝2時から行動すれば、休憩時間も含め4時には帰れる。
さてどうするかなぁ。
ラジオを聞いていると、天気は明日がピーク。
どうやら低気圧が近づいているようで、明日の晩からは崩れだし、
3,4日に悪天候がピークを迎える様子。
ピークを踏むとしたら明日だけかなぁ。。
せっかくの天気なのに。あぁ、すべては荷物が重たすぎたからだ。
あまりにも悔しすぎるなあ。
■高山病?
しばらくして、なんだが気分が悪い。吐き気がする。
高山病か、あるいは一酸化炭素中毒か、あるいは、持病の肩こりか。
換気はしていたので一酸化炭素中毒ではないだろう。
高山病といってもここは1500m、考えにくい。。。
でも、そういえば今日は水分量が少ない。
1500mといえども高山病の可能性がないわけではない。
一応やれることをすべてやる。
まずたくさんの水を飲み、食べる酸素を食べる。
外の新鮮な空気をすいたい。
外に出る着替えをし、河原に出て少し肩と首を動かす。
月と星が非常にきれいな夜だった。
川原で水の流れを聞きながら散歩していると、遠くに白く輝く山稜が見えた。
仙丈ケ岳方面だ。暗い中そこだけが白く輝き、とても美しい。
気分は少しマシになった。時間は11時。
まあ今回の目的の1つが初めての雪山テント泊だったことを考えれば、
まずはピークを踏めなくても、まず良しと見るべきかな。
明日はこのまま帰りたい気持ちにも少しなったが、
これだけ天気がいいのだから、ここで帰るのはもったいない。
気ままに寝て起きて、行きたくなってから行けるところまで行動しよう。
そう思って眠りについた。
■2日目行動開始
朝になりやがて目が覚めた。周りのテントはすでに騒がしい。
時間は5時半。アイスの人たちはの朝はゆっくりの模様。
さて、僕も行動を始めるか。。
生野菜にジャガリコと餅をたっぷり入れたラーメンを食べる。
今日は必要な荷物だけをもってテントを往復しよう。
体の調子を確かめながら歩き始める。
重い荷物はほとんどテントに置いてきたにも関わらず足が重い。
どうやら昨日の行動でバテたようだ。
昨日テントを背負ったままでは、絶対無理だっただろう。
そこは正しい選択だった。
北沢峠まで行けるかどうか。行けるところまで頑張る。
急登で振り返ると、鋸岳が朝日に輝き美しい。
「ゆっくり少しずつ頑張れよ」、と励ましてくれているようだった。
天気も穏やかで、時に樹林帯の中から小鳥達のさえずりが聞こえる。
心も穏やかになり、ゆっくりマイペースで歩を進める。
10時になって北沢峠にたどり着く。
ここまで来れた、と少し喜ぶ。
ぶらりと北沢駒仙小屋へ。
テン場でテントを撤収している方がいた。
すでに仙丈ケ岳をやってこられた模様。
めちゃめちゃいい天気だったらしい。
そうだよね、そうだよね、羨ましい限りだ。
■仙水峠に向かう
お話した方に少し励まされて、仙水峠まで行けたらと、新たな目標をすえる。
仙水峠だったら、甲斐駒も見れるだろうし、仙丈ケ岳方面も見えるかも。
12時までに仙水峠につかなかったら途中でも引き返そう。
空身同然なのに、体が重い。
一歩一歩、体を上へと持ち上げる度に、足が悲鳴を上げている様だ。
それでも小股で、少しずつ前に前に移動する。
ぜひとも1月のアルプスの雄姿を一目みたい。
やがて傾斜もなだらかになり、峠が近づいてきた。
着いた!仙水峠だ。
風が強く体勢が揺らぐ。
頭上を見上げるとそこには雄雄しい甲斐駒の姿があった。
体の底から、何か強い気持ちが突き上げる。
ここまでこれて良かった。
振り返ると仙丈ケ岳。
ただし小仙丈ケ岳から上は濃いガスの中だった。
この距離からでもガスの流れが速く感じた。きっと強風だろう。
でも一面真白い峰が十分美しかった。
一しきりカメラを取って、体が冷えてくる前に引き上げる。
次は是非、あの頂に立つゾと目に焼きつけ、そこを後にした。
■帰って
帰って気になっていたザックの荷物の重量を確認すると、
26kgあった。
ペミカンと消費した食料・水分等が少なくとも1kg、
恐らくは2kg近くあるだろうから。。。
計算するとただただ言葉をなくし、唖然とした。
これを教訓に、次回からはちゃんと計算しよう。
痛い教訓を良い思い出にしたいものだ。
まあ、アホなやつがいるなあ、と笑って他の方にも
教訓にしてもらえたら本望かな。
入山状態にザックをする。ポール・ピッケル・スノーシュー等すべて手にして。そのまま裸足で体重計に静かに乗る(・・;(家のはかりは裸足でないとなぜか計れない)いつもだいたい96から99Kg。装備をおろして体重計へ。78Kから81Kg。わたしのリミットは20Kgです。標高差1000mあればもう5kg減らしてテントから小屋泊切り替えですかね。
uedayasujiさん、
コメント頂きありがとうございます。
そうですかぁ。
私の計る方法も体重計ですよ。
ただ今回はいろいろありまして、買出しを直前まで出来ず、準備が綺麗にできなくて、当日を迎えてしまいました。
今回、天候の加減でスノーシューは置いていくことに決定したので、食料多少多くてもまあいけるやろう、ってな軽い気持ちで準備していました。
自分もリミットが何キロかを調査したいものです。
高低差との関係も見つけておられるご様子。立派です。
あと、一日分の食料のカロリー数も調査したいですね。できれば高低差から自分なりの食料がこれだけ!って計算できれば、無駄なことしなくていいんでしょうが。。。
どっか本に計算方法が載ってたと思うので、これを機会に探したいと思います。
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