白木山(白木峰)(点名・白木山)と点名・岩吹
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 598m
- 下り
- 588m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 6:58
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道はありません。鼓弓谷も正式な登山道ではないと思います。 コース図は手書きです。 |
写真
感想
石川県内(国土地理院の設置場所による)の三等三角点の確認・撮影も299点に達した.記念すべき300点目をどこにするか.快晴予報の土・日だが土曜日は仕事で,日曜日も顔を出したいところだが...300点目の誘惑に負ける.
小松市と白山市の境にある1317.4mピークに決めた.点名は白木山.最近の本には全く記されていないが,古い本には白木山(白木峰)と記されている.その本や古い地図によると,この三角点のすぐ南に白木越という道があり,小松市側と白峰村(現在の白山市)側に道が通じていたもよう.せっかくなので北にある三等三角点の点名・岩吹もからめたい.予定より遅れて花立越の峠に駐車.
08:06【標高980m 花立越】
地形図には南へ破線が続き,鼓弓谷へと下っている.まずは舗装路を歩き出す.すぐに未舗装となるが,舗装と同様な感じだ.尾根をまわり込んで南下すると,工事用の車両がおいてあったり,工事用の小屋もある.しばらく進むと休日なのに作業をしている人がいた.挨拶をして過ぎると,そこで林道は途絶えてしまう.詳しい場所はわからないが,地形図の標高点1109mの真東からもう少し南くらい,東側に針葉樹林の記号のある辺りではないか.ここまでおおむね地形図破線に沿っていると思われる.
話を聞くと,白峰まで延々つくっていく予定だと言う.何年かかるのだろう.林道が途切れてしまった以上,あてにしていた破線が使えなくなってしまった.谷に下りてもよいが,谷の様子がわからない.ここは尾根どおしということで.法面の横から斜面に取り付く.小沢と小沢の間の小尾根を上へと歩いていく.藪はたいしたことない.花立越で見たぶなの斜面は下草もほとんどなく快適そうだった.その調子なら稜線上も楽勝だろう.
稜線に出ると予想外に下枝がうっとうしい.枝をわけながら稜線を南下.コブというほどでもないコブをこえ,点名・岩吹へと登り出す.緩くなって山頂台地とも言うべき地形になると,雪の重みで地表すぐ上で曲がった木とその枝ですごい密藪.この三角点は帰路にと思い山頂台地をそのまま南下するが,この薮の状態では白木山まで届いたとしても帰りが暗くなりそう.それなら敗退ということになる.ならば先に点名・岩吹を探すか.
少し戻って探す.葉はないので枝はうっとうしいがそれなりに視界は得られる.この辺りかと探していると,ポッカリとした空間と石が見えた.
09:15〜09:19【標高1190.4m 点名・岩吹】
4つの保護石を従えて三等三角点の点名・岩吹が鎮座している.そばの木にM氏の情報どおり金沢三角会の木製プレートがあった.09/05/11とある.落書きを追加し,記念に黄色テープを残す.
さて先を急ごう.再び南下をはじめる.台地には所々ケモノ道と思われる空間があり,それをつなぎながらなるべく歩きやすいところを行く.いったん下って鞍部へ.鞍部のみ藪がなく気持ちがよい.鞍部から登り出す.何かいっそう濃くなった感じ.所々歩きやすいところもあるが,基本は枝の藪.跳ね返されるくらい密なところもある.目前に標高1265mコブがどっしりしている.標高点1222mコブに何とか到達.
10:17〜10:27【標高1222m 標高点1222mコブ】
さてどうするか.点名・岩吹からここまで1時間.藪がこの調子なら標高1265mコブをこえて白木山まで2時間はかかるだろう.帰路も藪であることを考えると同じくらいかかるのでは.天気は大丈夫とはいえ,夕方が迫り時間も気になりながら道なき藪の中を歩くのはとても不安.
時間をかければ行けることがわかった.あと2時間出発を早めれば尾根どおしに白木山を往復できるとみた.今回は次回への布石ということで...引き返すことにする.周りを眺めてみると,樹間から雪を抱いた白山が見える.この天気なら行っている人もいるだろう.さらに目標としていた白木山も見える.西側には兜山と思われるピークが見え,その奥に鞍掛山のような山も見えるが...
往路を戻る.一度歩いたところを進むのは早い.どんどん下り,登り返す.点名・岩吹の台地の藪ももう慣れた.
11:04【標高1190.4m 点名・岩吹 再び】
石に戻るがすぐに出発.稜線が二分するので間違えないように東側へ進む.あとは東へ斜面を下るだけ.工事現場の奥には,おそらく伐採予定の場所なのだろう,テープがかなりの距離に渡って通してあるので,大きな間違いさえしなければそのテープを横切ることになり,どんどん谷に下ってしまうことはないだろう.行きと同じ小尾根を下り,工事のテープに出た.少し戻って林道終点.
11:35〜11:53【標高995m 林道・白木峠線行き止まり工事箇所】
ここで少し休憩.思ったよりも早く,白木山まで行けたかな,と後悔しつつも林道を戻る.ちょうど作業員の方々もお昼になるのか休んでいる.少し雑談.「地図には点線がさらに奥に続いているけど」と聞いてみると,「古い道が下に続いているみたいよ」とのこと.指差すところを見ると,道のようだ.何とこれが地形図破線なのか.
もうこんな時間だし,とりあえず次回の偵察のために進んでみるか.道はシングルトラックではあるが,明らかに道であった.手入れの跡もある.しばらく水平だったが,ほどなく鼓弓谷へと下っていく.おそらく標高点986mの所だろう,谷を渡って右岸へと移る.容易に渡れる.この先も道は続く.どこまで続くのかと思いながらさらに進む.かなり細くなってくるが,まだまだ進める.途中崩壊していったん左岸に移るが,再び右岸を進む.
いよいよ道が途切れた,と思ったら,そこは標高1060m.本流は左へと進み,支流が右前へとわかれる所だ.地形図の破線が使えるなら破線終点からここまで沢を登って,ここから尾根に取り付こうと考えていた所ではないか.取り付き尾根は藪が濃くない.北西尾根の藪も濃くないという情報.道があるなら多少時間がおしても大丈夫.暗くなれば熊は恐いが.14時をリミットに行ってみようか.
稜線の標高1240mコブから北にのびる尾根に取り付く.少し急だが藪はうすい.しかし標高1140mの平坦地は濃いめであった.ほどなく白木山北西尾根に乗る.ぶな林がよい感じ.少し登ると笹が濃くなるが,登りに支障はない.しかし徐々に藪は濃くなってくる.山頂に近づくにつれ,枝が鞭のように跳ね返ってくる.ようやく高みに着いた.わずかに先へ進むと,地面に見えました.
13:23〜13:31【標高1317.4m 白木山(点名・白木山)山頂】
念願の山頂だ.苔むした三等三角点の点名・白木山が堂々としている.えんじ色の布がある.金沢三角会のもののように見えるが,字が全くない.三角点のすぐ横にある荷造りひもはM氏のもの?雪の下ではなく,石を見たというアピールが伝わってくる.
灌木で眺めはあまりないが,樹間から雪を抱いた白山が見える.木の枝に足をかけて少し登ると見やすくなる.手を伸ばしてデジカメでパチリ.便利なもんだ.その右には別山も何とか見える.大長山や経ヶ岳と思われる峰々も見える.
白木越まで行ってみたいが,もう帰ることしか頭にない.暗くなる時間に追われるのは嫌だ.何となく道型があるように見えるが...次があれば?課題としたい.短い滞在だが,戻ることにしよう.
山頂への登りの途中でハサミを落としたようだ.実は北西尾根の後半は,いつもの紙ではなく荷造りひもを目印として残して来た.ハサミがないと回収できない.10個ほど残したままとなる.心苦しい.
今しがた登って来た道を下る.下りの藪は少しはましだ.前方に標高1265mコブが目立ち,それに向かって下っていく感じ.尾根はしっかりしておりロストすることはない.標高1240mコブから主稜線を離れて北尾根を下るが,その分岐も問題なく確認できた.あとはどんどん下るのみ.下りきって鼓弓谷を渡る.
あとは道を戻るだけ.いかにも熊が出そうな感じの川沿いの道をどんどん戻る.左岸に戻り,さらに進むと作業現場が見えて来た.
14:45〜14:53【標高995m 林道・白木峠線行き止まり工事箇所】
作業をしている人に戻って来たことを一応告げておく.作業小屋の人と少し話をすると,白峰まで延々続く林道の予定コースを見せてくれた.何年がかりだろうか.林道を戻る.鼓弓谷の対岸には小松市・白山市の市境稜線が傾いた陽を浴びて輝いている.北は点名・山目平の山塊へと続いている.ほどなく花立越に戻る.
15:04【標高980m 花立越】
峠の北側のぶな林が美しい.今日は念願のピークを踏めて石も確認でき満足だ.一度は敗退としたが,予想外の展開で意外にサクッと行けてビックリだ.
注意:今回のコースは林道以外登山道がありません.鼓弓谷も踏み跡ですが正式な登山道ではありません.密藪もあり,道迷いの危険がとても高いです.本報告はこのルートを推奨するコースガイドではありません.
(2020年10月14日にアップロードしました。当時公開していたホームページ(閉鎖)からの抜粋です。)
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