石切道から紅葉谷に滝と紅葉を訪ねて
- GPS
- 03:42
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 661m
- 下り
- 735m
コースタイム
- 山行
- 3:03
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 3:39
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
下山は有馬温泉に |
コース状況/ 危険箇所等 |
百間滝の上部は登山道の崩落箇所あり 百間滝手前のゴルジュは要注意 |
写真
感想
朝から雨がいつ止むともなく降り続いている。雨雲レーダーで雨雲の動きを見る限り、神戸のあたりでは午前中のうちには雨が上がり、まもなく晴れ間が覗くことだろう。雨上がりの景色を期待して、六甲に出かけることにする。
出発の時間が遅いため、歩くことの出来るコースが限られる。まずは手取り早く主稜線に上がるには最短コースと思われる石切道を選択する。住吉駅からタクシーに乗り、渦森橋からその奥の霊園の中へと入ってもらう。霊園の中を通り抜けると、広い尾根の上を道は緩やかに登ってゆく。非舗装路が現れたところでタクシーの運転手は一瞬、躊躇するが、道路脇に転回するための広地があるところまで入ってくれたお陰でかなり上までアプローチすることが出来る。
石切道に入るとしばらくは林道が続くが、まもなく石切道は林道を離れて尾根筋を登ってゆく。相当に古い道なのであろう。石段が歴史と風格を感じさせる。見上げると急速に青空が広がってゆく。六甲の山を越えてきた雲と上空の雲が交錯する。
尾根が東側に大きく展望が開けるようになると、五助谷の対岸には山肌に色づいた樹々が目立つ。西お多福山の上にそびえ立つ電波塔群は稜線を越える雲のせいで霞んでいるようだ。
尾根を上に登るにつれ、登山道の周りを丈の低い笹原が広がるようになり、林床を柔らかな緑色で彩る。緩やかな尾根を快適に進んでいく。左手の斜面をトラバースするようになると、沖合に浮かぶ六甲アイランドが、その先にある海は雲との境界が不明瞭であり、まるで島が空中に浮かんでいるようにも見える。
六甲縦走路に合流すると、縦走路の周りでは色づいた秋紫陽花の花が緑と赤紫の絶妙なコントラストを見せてくれる。六甲のガーデンパレスに出ると。平日だというのにかなりの人が訪れているようだ。六甲ミーツアートを開催しているせいもあるのだろうか。「見晴らしのテラス」には鮮やかな赤紫色のアメフラシのオブジェが視線を惹きつける。六甲ミーツアートの展示作品の一つらしい。
六甲枝垂れのある駐車場には大型バスが何台も停められている。フードテラスやおみやげ館のある建物は途端に大勢の人が賑わっている。若い人が非常に多いと思ったが、どうやら三田の高校が遠足で来ているらしい。
紅葉谷の入口、植樹された若々しい山毛欅の木々が黄色く色づいている。樹林の奥ではうっすらと霧が漂っている。我々が林の奥へと進むと、霧は逃げるかのように霧散する。
すぐに番匠屋畑尾根を通る裏六甲縦走路との分岐に出る。紅葉谷と裏六甲縦走路とどちらを選択するか迷っていたが、紅葉谷の上部に明るい黄葉が始まっているのを目にすると躊躇なく紅葉谷への下降路を選択する。
たまたま曇り空が広がったせいかもしれないが、表六甲の明るい雰囲気に比べ、紅葉谷はしっとりとした雰囲気が漂う。谷の上部では緑の樹々の間に随所に紅や橙色の艶やかな紅葉が目立つ。
登山道が谷を離れ右岸の尾根をトラバース気味に進むようになるとすぐに百間滝との分岐に辿り着く。前回、紅葉谷の滝を巡った時には百間滝と上流の似位滝は敢えてパスしていたので、今回はこれらの滝に寄り道する。
「百間滝の南側で登山道が崩落しているので注意」と標識がある。登山道に入るとすぐに崩落箇所が現れる。崩落箇所を上に巻く踏み跡があったが、なんとか崩落箇所を通過することが出来てしまう。すぐに尾根を急下降となり、百間滝の落ち口にたどり着く。滝の上部にはなだらかなナメが広がっている。
左岸の斜面を下ると二俣に出る。右俣の奥は百間滝が落差の大きい岩壁を伝って落ちている。左俣の奥には似位滝がある。下段の滝を乗り越えると、その奥に落差の大きな分岐瀑が現れる。目立たないので登った時には気がつかなかったが、下段の滝の右岸にはロープがつけられていた。ロープを掴んで難なく滝下に下降することが出来る。
登山道に戻るといよいよ狭いゴルジュの通過となる。最大の核心部は途中の小滝の左岸のヘツりだ。ロープがつけられているが、足場が少なく、緊張を強いられるところだ。なんとか沢に落下することなく無事に通過すると後は広い河原となり、すぐに右から白石谷が合流する。
紅葉谷は鼓ヶ滝の少し上流で崩落のために長いこと通行止めが続いていたが、崩落現場の工事も終了し、ようやく今月になって通行止めが解除されたとのこと。前回は有馬温泉からこの紅葉谷に入るのに魚屋道から炭屋道の急坂を経由しなければならないのであった。右岸の平坦を道を辿ることが出来るとこの紅葉谷を訪れる人は一気に増えるであろう。
かつての崩落現場にはコンクリートで固められたばかりの真新しい擁壁が現れる。擁壁からは林道を歩いてすぐにも六甲ロープウェイの有馬温泉駅に出る。鼓ヶ滝に寄り道をする。遊歩道を進むと碧色の滝壺めがけて一直線に落下する直瀑が現れる。滝の岩壁が人工的な感じがするので人造の滝かと思いきや、度重なる洪水のせいで滝が崩れたのを修復して今の形になったらしい。
滝から公園を抜けるとすぐに有馬の温泉街に出る。盛夏の週末ほどの賑わいはないが、平日であるにも関わらず多くの人が訪れているように思われた。駅からまもなく列車が出発するところだったので、温泉街の雑踏をよそに急ぎ足で駅に向かう。短い時間ではあったが、紅葉と滝を満喫することが出来た午後であった。
コメント
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六甲は今まで敬遠気味でしたが、先日縦走した後に多くの方のレコを見ていると
面白そうな所が結構多くて、これは侮れないなと思っていたところでした。
紅葉を楽しみながら滝に訪れる。最高ですね。
百間や似位が普段水は少ないのですが水量豊富ですばらしいです。
この日は雨上がりの晴れ空が期待できる天気だったので、滝を訪れることを前提にコースを考えました。深戸滝、水無滝を周回することも考えていたのですが、紅葉谷の上部で既に鮮やかな紅葉が始まっているのを目にして紅葉谷を下降して、百間滝と似位滝を訪れることにしました。白石滝の水量も先日よりもかなり多かったので、期待通り、雨後で水量が増していたのだと思います。
六甲はそれほど足を運んでいる訳ではないのですが、比良が曇りでも六甲が晴れていることがありますよね。特にこれからの季節はそういう日が多くなりそうですね。私も六甲の縦走に挑戦する機会を伺っているところです。
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