戸蔦別岳
- GPS
- 86:33
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 581m
- 下り
- 1,573m
コースタイム
2月9日 C1発(9:45)-Co1468(10:50)-エサオマン分岐(12:50)-神威岳山頂(13:20)-東1750(13:45)-西1750(14:20)-C2(15:20)
2月10日 C2(6:30)-戸蔦別岳頂上(10:15)-C2着(14:00)
2月11日 C2(6:30)-神威岳頂上(8:30)-C1跡付近(10:45)-戸蔦別林道(12:50)-戸蔦別林道ゲート(13:39)
天候 | (前日)雪 (1日目) 晴れのち曇りときどき雪 (2日目) 晴れときどき曇り (3日目) 晴れ (4日目) 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
途中、なだれるエリアあり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ルート図にあるものはGPSのログをとったりとらなかったりということだったので帰りのものをアップしています。 登りの北東尾根のルートを見たい方は同行したdeburabbiさんの記録を見てください。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-269218.html |
写真
感想
○驚き
下山後に山形さんから聞かされた「山下さんはがんばりすぎですよ」という言葉に面食らった。
さらさらの雪にやられた一日目も普通に先頭交代しているつもりだったがアイスホッケー並の交代スピード(プレイヤーは2分もたない)とまでは言わないまでも軟弱に直ぐに交代していたし、二日目以降行動後半にばててしまったのは単なるトレーニング不足だと思っていたからだ。
がんばらなかったのではなくてがんばれなくてすみませんと思っていたので正直がんばりすぎという評価には面食らった。
落ちている体力を冷静に把握できずに知らず知らずにちょっと背伸びしてみんなに迷惑を掛けたなら本当に申し訳なかったし、打ち合わせをした例会時にちょっと風邪気味かなと直ぐに帰宅したのだが体調面でばてたとしたらそれも私の責任だ。
まずはヒヤリハット報告から
○雪庇崩落が私たちを襲う
最初の予兆はサラサラとテントをなでる雪の音だった。
そのうちドーンと背中に衝撃を感じねじ伏せられるように燃焼中のストーブの上に覆いかぶさる。
とっさに山形さんがストーブの栓を閉じてくれる。
あっという間にテントはつぶされてしまった。
かろうじて出口近くにいた竹中さんが外に出て必死の除雪をしてなんとか居住スペースを確保した。
今回の登山の一日目に起きた雪庇の下に張ったテントでの雪庇の一部崩落による事故。
C1の場所は1129と1488の中間付近・Co1250
会が買ったばかりのエスパースだったがフレームが曲がってしまった。
それでも曲がっただけなのが信じられずなんとか翌日からの使用が可能だったのが幸いだった。
このときの混乱の中、望月さんのワカンも行方不明となった。
○前日
本当は幌尻岳の登頂を目指すこの計画は私にとっては今冬季随一のビックイベントであった。
前日は釧路から竹中さんの到着を安井邸の前で待つ。
ここに来るにも駒畠地区ではエンジンフードに乗っかった雪がフロントガラスをなでて前が見えない降雪状況。
今年は戸蔦別川の河川工事で戸蔦林道は終点ゲートまで行ける。
エクストレイルを先頭に林道を進むが一回雪崩に乗り上げて全員でスコップを振るう。
なんとかゲートに到着してCゼロのテントを張るが、話題は明日以降の除雪状況がどうなるのかという一点にある。
○一日目
前日、除雪の重機が到着したのを確認してからほっと安堵してから準備を始める。というわけで出発は9時半。
神威岳北東尾根は腰までのラッセルが続く。望月君の奮闘が心強い。尾根に乗ると少しラッセルも楽になった。
通常ルートに従って沢形をトラバースしたが極めて弱い感じで雪崩が怖かった。
ここは私が先頭を引っ張っていて判断ミスだった。北東尾根を詰めればよかったと思っている。
その後、尾根稜線上は少し楽にはなるのだがこんどは強風が吹き荒れだした。
こんな状況の中で時間切れして前述のヒヤリハット事故のあった地点を選らばざるを得なかった。
○二日目
前述のテントがつぶされた心理的後遺症を抱えながら強風が収まるのを待つ。
結局出発は10時近くなる。いろいろ試してツボを選択。主稜線を進むのだが深い雪のために思うように距離を稼げない。
戸蔦岳頂上では眺望がほとんどない。そのまま前に進む。が、程なくして私はばててしまう。リーダーにしゃりばて状態を申告。
1753と1754の中間の尾根上の曲り付近で風上斜面にテントを張りブロックを積む
明日のアタックに備えるが当初予定した地点のかなり前であり幌尻までには届かないと口には出さないもののみんながそう思っていたと思う。
実は一日目のテントの中で右手中指に切り傷を負って絆創膏をまいた。微妙なものである。絆創膏を巻いたことでちょっと指先の血行が悪くなったのだろう。右手中指先端だけ軽い凍傷になった。
○三日目
目の前に広がる幌尻岳東カールの迫力ある景色にテンションは上がりまくりである。
進むごとに変わっていく日高の山並みの妖しさ・美しさに見とれながら進む。
少し細尾根があってスピードは落ちるが灌木帯に逃げたりしてそれほど怖くはない。
Co1753手前の広場で白い七つ沼カールに心が洗われるような心持ちの中でリーダーの山形さんから戸蔦別岳で引き返す旨指示を受けた。
このころから日高側からどんどんと雪雲があがってくる。
戸蔦岳頂上ではほとんど視界がなく風も強かった。
少し残念な思いもあるがよくここまで来たなと言う満足感も同時に感じていた。
少し浮かれながらみんなで記念撮影。
あとは来た道を戻るだけだが、やはり行動5時間を過ぎるとばててしまう。
何かがおかしいというかばててしまう自分が情けなかった。
テン場には予定より早く到着。
テントの中では日高の素晴らしさや今後の計画に話が盛り上がった。
○四日目・最終日
翌日は再び来た道を戻りスキーデポ地点に戻る。
その道すがらこんなに雪って深かった?とあらためて驚く。
でも、サンピラーが煌めく中、白く浮き上がるエサオマントッタベツを始めとして朝日に輝く日高の山並みがなによりうれしい。
雪崩が怖かった沢型の下を思い思いのシュプールを描きながら北東尾根取り付き西側の7号堰堤より手前の林道にぶつけた。
やはり日高は素晴らしい。
心から叫びたいような心に残る登山であった。
同行の諸氏に心より感謝申し上げます。
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