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Yamareco

記録ID: 277510
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

権現岳(天女山ゲートから)

2013年03月17日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:10
距離
12.6km
登り
1,455m
下り
1,459m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

(2:30 自宅を車で出発 - 5:30 天女山ゲート前駐車場に到着)
[入山準備] - 5:45 登山開始 - 6:00 天女山頂 - 8:20 前三ツ頭山頂 - 9:00 三ッ頭山頂 - 9:50 権現岳山頂 - 10:15 下山開始 - 12:35 天女山頂 - 12:50 下山 [帰宅準備]
(13:00 天女山ゲート前駐車場を車で出発 - 16:00 自宅に到着)
天候 天気予報では土曜日、日曜日ともに快晴、気温も温かく風もあまりないという状況であまりにももったいないので前の日の夜に準備を始め、家族にも呆れられながら山登りに行く(笑)ことにしてしまいました。天気図も日本列島のド真ん中に高気圧が鎮座し、等圧線の間隔はない素晴らしい登山日和でした。心配するのは気温が高いので雪崩ですが、雪崩の危険がほぼない天女山から権現岳へのコースであれば大丈夫と判断をしました。
実際には、日の出前の早朝から、ハードシェルの下のハイロフトのフリースを脱がなくてはならないほど気温が高く、風も稜線に出てもほぼ無風の状態。水分摂取も予定よりも多く必要でした。もうすっかり春で、積雪も三ッ頭から権現岳までの稜線意外はもう腐り初めていて、もう雪山のシーズンの終わりを感じさせる(早々にも無くなっていきそう)様子でした。
過去天気図(気象庁) 2013年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
朝の2:30に出発。桶川北本I.C.より圏央道に入り、八王子JCTから中央道に入り名古屋方面に。休憩なしで長坂I.C.で降り、県道32号をすぐに左折、県道28号線をずっと天女山方面に進む。途中、八ヶ岳高原線の「甲斐大泉」駅横を通り、八ヶ岳高原ラインとの交差点に天女山ゲート前駐車場があります。
冬期4月まではゲートが閉鎖され、車で天女山の駐車場まで入れません。このゲート前の8台ほどの駐車スペースに車を停めます。冬期の日曜日5:30で2台分しか開いてませんでした。自分が駐車し、その5分後にもう一台車が来て満車でした。冬期以外はゲートが開いており、天女山頂上付近に50台ほどの駐車場が完備されています。
コース状況/
危険箇所等
冬期、4月までは天女山へのゲートが閉鎖されているために、ゲート前の8台ほどの駐車場に車を停め、ゲートから徒歩で天女山を登ることから始めます。ゲートを過ぎ少し行くと左側に登山道の入り口があり、そこを進むと大きな登山道入り口の看板と案内板があります。15分ほど退屈な登山道を登ると言うよりも進むと、天女山の山頂(1,528.8m)に到着し、ここにトイレがありますのでトイレを済ませ(トイレはここしかありません)ます。
先に進むと冬期閉鎖中で使用されていない50台ほどの天女山頂上駐車場に出ますが、それをつっきり奥にある登山道に入ります。この頂上駐車場から登山道に入るところに、黄色い小さな登山ポストがありますので登山計画書を投函します。

100mほど上がった所に「天の河原」という展望台があり、それを過ぎてしばらくは勾配の緩やかなハイキングです。先に進みしばらくすると標高2,000mを示す大きな案内版があり、このあたりから傾斜がかなりきつく(有名な「ここが一番きつい」看板がある)、比較的体力の要する登り一辺倒になります。アイゼンもこのあたりで装着しないと滑って危険でした。ちょっと先に一瞬なだらかな場所もありますが、前三ッ頭(2,364m)への最後の直登はただひたすら傾斜のきつい登りを登り続けるためけっこうきついものがあります。
前三ッ頭(2,364m)を過ぎると一瞬開けた稜線のようなところに出ますが、また今度は三ッ頭への登りに取り掛かります。ここも結構な傾斜ですが、登り切ったところでの景観を楽しみにただひたすら足を前に出し続けます。途中に標高2,500mのところにダケカンバの林の案内板があり、しばらくする森林限界に出て三ッ頭の山頂(2,580m)に到着、南側では富士山、北側の尾根に出るとあの八ヶ岳の主役たちが勢ぞろい。右から赤岳、中岳、阿弥陀岳、権現岳が望める素晴らしい景観が望めます。この景観は素晴らしく天女山から権現岳へのコースで最高のものでしょう。

三ッ頭からは一旦稜線を鞍部へ下ります。途中の小ピークを巻くところに小さなトラバースがありますので、滑落しないように注意して順番にパスします。そしてその先は雪庇が発達している個所がありますので、トレースを外さず踏みぬかないように内側を通ります。このあたりの稜線の雪質はまだ悪くなく積雪もそれなりにあります。ラッセルってほどではありませんが、踏み抜きもいくらかありますので足運びにちょっとだけ注意を払います。
最後の権現岳への登りが始まると、ただひたすら急峻な雪の付いた岩場の登りです。雪がまだかなり付いているので、滑落に注意しながら登りをパスしていきます。山頂を望む手前に、このコースの核心部であるトラバースがあります。トレースもしっかりしているので登りではあまり怖さは感じません。が、最後の岩を乗り越える個所は本当に狭く、ちょっとスリリングです。滑落したらピッケルなど役に立たないほどの傾斜なので注意をしてください。
トラバースを越えると山頂の岩が見えますのであとは最後の雪の付いた岩場の登りです。慎重に登ればなんら危険なことはありません。山頂にたどり着くとその狭さにびっくりします。山頂票は先端の岩にかろうじてくっついている感じで半分に割れ、残骸は見つけられません。いつも通り自分撮りをするのですが、超狭いし落っこちたらすごくやばいのでとっても苦労しました。

下山の際に、山頂にある祠を拝観していきます。ちょっと落ちくぼんだ岩を越えて降りるので、注意が必要です。下山では先に通った長いトラバースを下ります。登りよりも下りのほうが危険で怖い感じがします。一歩一歩しっかりと足を降ろし、アイゼンの爪を利かせてバランスを崩さず降りて行けば大丈夫です。
帰りの前三ッ頭からの急登の下りは、傾斜がずっと急なのと距離と所要時間が長いのとで本当にうんざりします。雪ももう腐ってアイゼンの爪の利きも悪くなっているので、足への負担も高いように感じました。
まだ日の出前に出発。ゲートを越え舗装路左にある天女山への登山道入り口に入ります。
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まだ日の出前に出発。ゲートを越え舗装路左にある天女山への登山道入り口に入ります。
標高1,370mのこの看板が今回のコースのスタート地点。もう3月も中旬を過ぎ気温が高いです。
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標高1,370mのこの看板が今回のコースのスタート地点。もう3月も中旬を過ぎ気温が高いです。
天女山の山頂(1,528.8m)に到着。トイレはここしかありません。
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天女山の山頂(1,528.8m)に到着。トイレはここしかありません。
天の河原(1,620m)に到着。ここは景観も良く、ちょうど日の出が綺麗でした。
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天の河原(1,620m)に到着。ここは景観も良く、ちょうど日の出が綺麗でした。
当分はなだらかな気持ちの良い道が続きます。雪はトレース個所が固く残ってました。
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当分はなだらかな気持ちの良い道が続きます。雪はトレース個所が固く残ってました。
だんだんと急登が始まります。アイゼンもこの先あたりで装着しました。
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だんだんと急登が始まります。アイゼンもこの先あたりで装着しました。
標高2,000mを示す大きな案内版があり、ここからが一番のきつい登りに入ります。
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標高2,000mを示す大きな案内版があり、ここからが一番のきつい登りに入ります。
前三ッ頭への最後の登り。これまでの急登とこの最後の登りで結構きます。
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前三ッ頭への最後の登り。これまでの急登とこの最後の登りで結構きます。
前三ッ頭(2,364m)の山頂に到着。そこから三ッ頭を望みます。
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前三ッ頭(2,364m)の山頂に到着。そこから三ッ頭を望みます。
今度は三ッ頭への最後の登り。標高2,500mのところにダケカンバの林の案内板があり、森林限界に出ます。
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今度は三ッ頭への最後の登り。標高2,500mのところにダケカンバの林の案内板があり、森林限界に出ます。
三ッ頭の山頂(2,580m)に到着。おお、あれが有名な八ヶ岳オールスター。しばらく景観を楽しみます。
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三ッ頭の山頂(2,580m)に到着。おお、あれが有名な八ヶ岳オールスター。しばらく景観を楽しみます。
途中の三ツ頭というところで出会う最高の景観。八ヶ岳の主役たちが勢ぞろい。右から赤岳、中岳、阿弥陀岳、権現岳。これはすごいです。
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途中の三ツ頭というところで出会う最高の景観。八ヶ岳の主役たちが勢ぞろい。右から赤岳、中岳、阿弥陀岳、権現岳。これはすごいです。
途中の小ピークを左に巻くところ。小さなトラバースがあります。
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途中の小ピークを左に巻くところ。小さなトラバースがあります。
稜線の鞍部を歩く。所々に雪庇が発達している個所がありトレースを外さず内側を通る。
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稜線の鞍部を歩く。所々に雪庇が発達している個所がありトレースを外さず内側を通る。
権現岳への最後の登りに取り掛かる。険しくはないですが注意を要する個所があり。
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権現岳への最後の登りに取り掛かる。険しくはないですが注意を要する個所があり。
これが今日のシリアスな場所No.1。長い雪上のトラバースで傾斜角が半端ないです。滑ったらピッケルなんて役にたたないレベル。
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これが今日のシリアスな場所No.1。長い雪上のトラバースで傾斜角が半端ないです。滑ったらピッケルなんて役にたたないレベル。
最後の岩を乗り越える個所は本当に狭く、ちょっとスリリング。
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最後の岩を乗り越える個所は本当に狭く、ちょっとスリリング。
トラバースを越えるととうとう権現岳山頂の岩が見えました。数人の登山者がいます。
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トラバースを越えるととうとう権現岳山頂の岩が見えました。数人の登山者がいます。
これまで登ってきた稜線を振り返ります。本当に解りやすいコース。
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これまで登ってきた稜線を振り返ります。本当に解りやすいコース。
岩の先端にかろうじてくっついてる壊れた山頂標を持って自分撮り。超狭いし落っこちたらすごくやばいのでとっても苦労しました。
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岩の先端にかろうじてくっついてる壊れた山頂標を持って自分撮り。超狭いし落っこちたらすごくやばいのでとっても苦労しました。
これが壊れた山頂標。半分はどこに?頂点の岩の先にくっついています。信仰の山なのか錆だらけで曲がってますが刀剣付きです。
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これが壊れた山頂標。半分はどこに?頂点の岩の先にくっついています。信仰の山なのか錆だらけで曲がってますが刀剣付きです。
山頂標ごしに富士山。今日は本当に雲ひとつなく天気が良い。
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山頂標ごしに富士山。今日は本当に雲ひとつなく天気が良い。
山頂にある祠。落ちくぼんだ岩を越えて降りるので注意が必要。
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山頂にある祠。落ちくぼんだ岩を越えて降りるので注意が必要。
権現岳を後にして三ツ頭へ戻る登り返し。富士山もすごく綺麗。あと雪庇が発達しています。踏みぬかないように皆、内側を通ります。
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権現岳を後にして三ツ頭へ戻る登り返し。富士山もすごく綺麗。あと雪庇が発達しています。踏みぬかないように皆、内側を通ります。
帰りの三ッ頭への登り返し。この楽しい山登りももうおしまい。いつも帰り途は切ないです。
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帰りの三ッ頭への登り返し。この楽しい山登りももうおしまい。いつも帰り途は切ないです。
3月で温かくなったのに雪はまださくさくふわふわ。稜線に出るとまだまだ良い雪質でした。今日は膝まで10回は踏み抜きました。
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3月で温かくなったのに雪はまださくさくふわふわ。稜線に出るとまだまだ良い雪質でした。今日は膝まで10回は踏み抜きました。
さ〜て降りるぞ〜。三ッ頭から前三ッ頭、その下の尾根まで長い道のりです。
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さ〜て降りるぞ〜。三ッ頭から前三ッ頭、その下の尾根まで長い道のりです。
この下りは傾斜がずっと急なのと距離と時間かかるので本当にうんざり。雪も腐って歩きにくい。
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この下りは傾斜がずっと急なのと距離と時間かかるので本当にうんざり。雪も腐って歩きにくい。
やっと天女山頂上駐車場に着きました。冬期閉鎖中なので空っぽです。
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やっと天女山頂上駐車場に着きました。冬期閉鎖中なので空っぽです。
標高1,370mのこの看板でゴール。久しぶりのハードな下山で足への負担が高い。
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標高1,370mのこの看板でゴール。久しぶりのハードな下山で足への負担が高い。
閉鎖中の天女山ゲート。冬期でなければ車で天女山頂上駐車場まで行けます。
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閉鎖中の天女山ゲート。冬期でなければ車で天女山頂上駐車場まで行けます。
天女山ゲート前駐車場は12:50になっても満車。まだ皆さん降りてきてないみたいです。
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天女山ゲート前駐車場は12:50になっても満車。まだ皆さん降りてきてないみたいです。

感想

天気良い、風ない、温かいということで、あまりにももったいないので山登りに行って(笑)しまいました。今日は沢山の登山計画書から八ヶ岳連峰の中で南端に位置する権現岳(2,715m)をチョイス。雪のある時期に行ってみたかったのでまさにギリギリです。さすがに八ヶ岳の山塊のひとつ。景観や環境は言うまでもなく最高、存在感とオーラもあり。登り甲斐もあり、シリアスなシチュエーションもありで素晴らしいです。あの八ヶ岳の最高峰である赤岳(2,899m)の隣なので、赤岳との組み合わせで見ると本当に格好良い山です。山頂は本当に狭く、山頂標も岩の先端に壊れた状態でかろうじてくっついている状態で自分撮りがすごく大変でした。なにはともあれ最高のコンディションの山登りを満喫しました。

[距離12.6km/標高差1,335m/所要時間7時間15分]

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コメント

taichiさん、こんばんは。
権現岳に行かれたんですね。天気も良さそうで何よりです。
トラバースの写真、中々スリルありますね。落ちたら制御不能ですね(笑)。

次は何処へ行かれるのでしょうか?

私も唐松撤退後予定なしで、雪が無くなってきたので少し寂しい気がします。時間取れれば西穂高岳か乗鞍岳にいきたいのですが
2013/3/22 18:39
コメントありがとうございます!
HIDENORI-Tさん
コメントありがとうございます。今回は天気もかなり良く快晴。徐々に暖かくなり、もう桜も咲きましたしすっかり春ですね。
次はまだどこって言うのはないですねぇ。春なんでちょっと近場の低山に行って見たいなぁ。と思います。
2013/3/25 16:56
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