高尾山の”外輪山”〜景信山から南高尾山稜
zaoluck
体力度について
- GPS
- 06:37
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,153m
- 下り
- 1,204m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 5:12
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 6:36
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
▽復路：高尾山口駅 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・木下沢梅林から入る景信山東尾根は「通行止め風」です。歩いた結果、崩落もなく通行に全く支障はありません。ただ、入口は工事柵の隙間をすり抜けること、山道の入口に横棒が渡されていること（山側から見ると工事現場を避けるう回路を示しているだけ）、小仏バス停からの道との合流点にロープが渡してあって「通行止め」と書いてあること〜は確かです。最後の通せんぼは、梅林から伸びる小下沢林道経由の道が林道通行止めで使えないため、進入を止めているのだと思います。 ・南稜終盤の草戸峠の分岐から先は、公式の指導標になぜか高尾山口駅の表記はなく「高尾駅」だけになります。手書きで「高尾山口駅」と添えてあるのを信じて延々と繰り返す小さなアップダウンを過ぎ、大きな鞍部に出ると「高尾山口駅」の指導標分岐に至ります。 |
| その他周辺情報 | 高尾山口駅前の極楽湯は混雑覚悟で行ったのですが、３時台前半は大したことありませんでした。４時を回るとさすがに湯舟がいっぱいになるくらい入ってきました。 |
写真
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装備
| 個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25000地形図
ガイド地図
コンパス
筆記具
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
ストック
水筒
時計
非常食
緊急保温シート
着替え
ツェルト
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
GPS
|
|---|
感想
大寒波到来。山上で凍えながら弁当を食べるのは願い下げにしたい。そこで、標高が低くて眺望も歩きでもある南高尾山稜へ行くことにした。十数年前、山を歩き始めたころに大垂水峠から歩いて顎を出した記憶がある。まだ記録をつけていなかったが、あれから年齢はアップしたが脚力もアップしたと思うので、絶景の景信山を加えて高尾山の周りを巡るルートを考えた。
高尾駅から小仏行きのバスは2台がちょうど席が埋まる程度で出発。一度も乗降がなく、終点一つ手前の大下で降りた当方が唯一の途中下車客だった。駅方向に戻って、上りしか止まらない梅の里入口バス停の先、中央線のレンガの跨道橋手前を左に入る。坂を上るとカーブする中央線が俯瞰できる鉄道撮影地。一人ファンが三脚を構えていた。
はるか頭上の中央道を潜り、登山口がある梅の里の駐車場広場へ至ると、工事柵が巡らされて入れない。徒歩の入口を探してうろつき、ゲートわきに人がすり抜けられる程度の隙間があるのを見つけた。やれやれと山に取り付こうとすると、そこにも通せんぼがある。跨ぎ越すと、「出口はこちらです⇒」の表示。下山者に工事中の広場を迂回させる措置のようだ。登山道自体が通行止めというわけではない、ということになる。
安心して植林帯のルートを登り始めたが、斜度40度を超す所に踏み跡がある難路。高尾山周辺では「登山道」とは言わないレベルだろう。中央道寄りに排水路のコンクリートがあり、踏み跡はそこに合流した。いったん緩んだ勾配が再び増し、登り切った標高430mの尾根で一休み。上に羽織ったレインウエアを脱いでアンダーシャツと登山シャツだけになった。最初は寒かったがこの急登ですっかり温まった。
もう一度雑木林を急登して478mピークを過ぎ、以後は尾根筋の登りを続ける。左の樹間には高尾山本体の尾根が見えているが、一度だけ西の方に富士山が透かし見えた。今のところ雲はないようだ。徐々に道がはっきりしてきて581mの大久保山を乗り越し、少し下ると初めての道標があって右から道が合流した。ただし、道標はこちらの道を無視してそっぽを向いている。右の道は小下沢林道伝いに来るルートだ。
もう景信山は近いはず。ひと登りしてまた若干下ると、道標と人影が見えた。今度は小仏バス停からのルート。ただし、当方の行く手はロープを渡して通せんぼされている。潜ってみると「この先通行止め」と書いてあった。どこも通行止めはなかったはずだが？と思ったが、これは林道が通れないためだろうと理解した。梅林から尾根直登のルートは初めから登山ルートとみなされていないわけだ。
若者グループを追い越すとすぐに東の視界が開けた。やがてトイレが見えて頭上の木々がなくなり、大展望が広がった。相模湾が金色に輝いている。犬がたくさんいる茶屋のわきを抜けて一段上の茶屋の広場へ。まずは筑波山から都心、三浦半島への大展望を満喫し、頂上の山名標前で腕時計の高度計を修正してから富士山が見えるポイントを探した。
広場の西の端、売店の裏にわずかに西が開けた場所があり、富士山が見える。あいにく雲が沸き始めていたが、とりあえず「見るものは見た」ことで納得し、一段下へ降りてベンチで菓子をつまみながら給水休憩とした。
ここから小仏城山までは高尾〜陣馬のメジャールートに重なるので、ひっきりなしにハイカーが通る。小仏峠で「狸」に挨拶し、3、4分登って相模湖と富士山が見えるベンチへ。いったん羽織ったレインをまた脱いでひとアルバイトで城山に着いた。ここも景信山と同様に山頂広場一面に茶屋のベンチが並ぶ。
あちこち山に登ったが、こんな様相はほかに見たことがない。グループで景信山頂の茶屋で餅つきして飲んだこともあるが、国定公園で新たにこんな営業形態を許可してもらうのは無理だろう。
大垂水峠へ向かうのに相模湖方面に行きかけて踵を返し、分岐まで100mほど高尾山への道を辿る。若者が逡巡しているので声を掛けると「山頂はどっちでしょうか？」。小仏城山のことかと聞き返し、「すぐそこ、茶屋の幟が見えませんか」と教えてあげた。
人影がやや少なくなった急坂を一気に下る。階段ならぬ杭段？を初めて見た。すれ違うのは1日3本大垂水峠を通るバスで来たハイカーだろうか。標高500m前後のなだらかな尾根道を楽しんだ後、ジグザグの急坂で沢のほとりへ。やがて車の音がして、峠についた。
バス停前の歩道橋を渡り、しばらく国道沿いに南東へ進む。崩落現場を補修してあったが、狭くて少々緊張する。その後は短い急斜面で尾根に乗り、じわじわ標高を稼いで大洞山に到着した。樹間から相模川が透かし見える程度だが、居合わせた「常連」によると、景色が良い所はまだ40分ほど先とのことなので、ここで昼食とする。
今回、寒いと火が弱くなるプリムスのバーナー用にアルミ薄板で自作したT字型ヒートパネルを持参した。ホチキスで輪にした百均の平ゴムバンドで缶に密着させる仕組みで、熱は確かに伝わっていた。材料費計300円。効果のほどは比較していないので分からない。
先ほどから太陽がかげって寒い。透かし見る丹沢の上には雲がかぶさり、山頂付近はしぐれている様子だ。じっとしていると冷えるので、カップ麺を食べ終えるや早々に出発した。相模川に面した尾根の南側の道だが、木々に隠れてさほど眺望はない。
中沢峠の手前で巻き道を選ばず急登したところ、ピークから高尾山頂の店らしいものが見えた。朝、高尾山を北から眺めて歩き始め、今はほぼ南から山頂を見る。そういえば、今日のコースはなんとなく箱根外輪山のミニチュア版に見えなくもない。
大洞山から35分ほどで見晴らしのベンチに到着。足下の津久井湖の先、丹沢の向こうに富士山の頭も見えるのだろうが、雲がかかって今日は残念だった。一休みしてから先を目指す。西山峠を過ぎ、再び巻き道分岐があったので期待して登ってみたが、今度の泰光寺山は今一つだった。東側は急な連続階段で少しひやひやした。
下りるとほどなくフクロウの木像があって、傍らに人影が見えた。何かを塗っている。聞けばこの木彫の作者だそうで、傷まないように時々手入れに来るのだそうだ。
広々した峰の薬師分岐で道標を確かめ、「草戸山・高尾山口駅」方面へ。電波施設のある榎窪山へは車道が通っていた。そこを過ぎると、左手の高尾山に加えて右手に城山湖が見えてくる。観光向けなのか、津久井湖との揚水発電の説明放送の音が聞こえた。段差があり過ぎて使いにくい階段の急勾配区間を上下し、登った先が草戸山。東屋の展望台で休憩する。
ここまで計画より30分ほど早く着いたので、この先もタイムを詰められると思ったのが間違いだった。草戸峠をその先の拓殖大西尾根分岐と勘違いし、なかなか次の目標点が現れないので少々混乱した。しかも、古びた道標の表示はすべて「四辻・高尾駅」。高尾山口駅の名は誰かが手書きで添えてあるだけ。そういえば十数年前も同じように焦ったことが思い出された。小ピークが嫌と言うほど続き、まるで高尾山口駅分岐を見落として高尾駅へ向かっているような不安に陥る。
地図を広げてコースを検討中のグループを追い抜き、泰然と歩く単独女性も追い抜くに至って、どうやら分岐を見過ごしたのではなく、現在地の確認を間違えたのだろうと合点がいった。遠く高尾駅まで歩く人がそうそういるわけはなく、追い抜いたハイカーもそんなタイプには見えない。案の定、じきに大きく下った鞍部で「高尾山口駅」の道標が見え、左に曲がると5分で民家のわきに飛び出した。
国道を渡り、駅を抜けて初めての京王高尾山温泉に向かう。大混雑かと思ったが、時間がやや早いせいか、それほどでもなかったのでほっとした。
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