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Yamareco

記録ID: 2828265
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
北陸

【奥越】経ヶ岳〜大舟山〜赤兎山 縦走

2020年12月29日(火) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
21.1km
登り
1,667m
下り
1,668m

コースタイム

日帰り
山行
12:10
休憩
0:10
合計
12:20
5:40
100
7:20
7:20
170
標高点1094mのある尾根の取り付き
10:10
10:10
50
稜線
11:00
11:00
30
11:30
11:40
20
12:00
12:00
80
13:20
13:20
70
14:30
14:30
40
15:10
15:10
20
15:30
15:30
150
林道
天候 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2020年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
小原林道の冬季閉鎖ゲート前に駐車。冬季閉鎖ゲート前は除雪されており,かなり広いスペースがある(7〜8台は駐車可)
コース状況/
危険箇所等
<積雪状況(2020.12.29時点)>
・ 小原林道で50cm程度,稜線上では1m50cm〜2m程度の積雪。雪は意外に締まっており,スノーシューで緩斜面では足首程度,急斜面では脛程度の沈み込み(3日前に登った荒島岳ではかなりラッセルがあったので,ちょっと意外だった)。
・ 稜線上はクラストし始めているものの,まだスノーシューでも通過可能な程度で,アイゼンは使わなかった。

<ルート概況>
【標高点1094mのある尾根(稜線への登路)】
・ 地図を眺めて小原林道側から経ヶ岳への最短経路の一つとして選んだ尾根。地図上では上部で尾根が細くなっており等高線が混んでいるため,ナイフリッジ等の難所を予想していたが,実際はただ急なだけで概して登りやすい尾根。途中で大き目の岩が尾根をふさいでいるが,左手から巻ける。

【経ヶ岳北岳〜経ヶ岳】
・ 雪庇が発達しているため,雪庇側に寄りすぎないように注意。また,逆側の斜面も急峻なため,滑落に注意。この区間は尾根にある程度広さがあるため,それほど困難があるわけではないが,雪が硬い場合はアイゼン・ピッケルがあったほうが安心できるかもしれない。

【経ヶ岳北岳〜大舟山】
・ 今回のルート中最も美しく,かつ注意が必要な区間。雪庇に縁どられた痩せ尾根が連続し,滑落に注意が必要。核心は経ヶ岳北岳から少し下ったところにある大きな岩峰で,北側斜面を巻けるが,斜面が切れ落ちているため滑落に注意(この箇所はピッケルがあったほうがいい)。今回は雪が柔らかかったためスノーシューで通過したが,雪が硬い場合はアイゼン・ピッケルで臨んだほうが良い。

【大舟山〜赤兎山】
・ 赤兎山周辺を除き樹林帯の尾根であり,尾根も広く穏やかで,特に問題はない。

【赤兎山〜小原峠〜小原林道】
・ 小原峠から林道までは,マーキングの類は完全に雪に埋まっており,沢状地形と尾根状地形が入り組んでいてルートが分かりにくい。適当に歩いていると雪で切り立った沢に行く手を阻まれてしまうので,尾根状部分を選びながら歩いて行く感じ。どちらかというと谷芯よりも南寄りを歩くとうまくいくと思う。
黎明の小原林道を,適当にショートカットしながら歩いていく。スノーシューの沈み込みは足首程度で,いいペースで進んでいける。
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黎明の小原林道を,適当にショートカットしながら歩いていく。スノーシューの沈み込みは足首程度で,いいペースで進んでいける。
あれがこれから取りつく標高点1094mのある尾根だ。取りつきは穏やかな植林で,安心した。地図上で急峻に見える上部がどうなっているかは気がかりだが…(経ヶ岳の周辺は,ナイフリッジ等の難所がある急峻な尾根が多く,気が抜けない)。
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あれがこれから取りつく標高点1094mのある尾根だ。取りつきは穏やかな植林で,安心した。地図上で急峻に見える上部がどうなっているかは気がかりだが…(経ヶ岳の周辺は,ナイフリッジ等の難所がある急峻な尾根が多く,気が抜けない)。
標高点1094mのある尾根の下部は穏やかな尾根で,快調に進んでいける。スノーシューの沈み込みも最大で脛程度。3日前の荒島岳ではラッセルで大変だったのに,この短期間でこんなに雪が締まるとは…。
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標高点1094mのある尾根の下部は穏やかな尾根で,快調に進んでいける。スノーシューの沈み込みも最大で脛程度。3日前の荒島岳ではラッセルで大変だったのに,この短期間でこんなに雪が締まるとは…。
地図上で急峻に見える上部に差し掛かったが,特にナイフリッジや雪壁等は出てこず拍子抜け。写真の岩が尾根をふさいでいる箇所もあるが,左手から巻ける。
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地図上で急峻に見える上部に差し掛かったが,特にナイフリッジや雪壁等は出てこず拍子抜け。写真の岩が尾根をふさいでいる箇所もあるが,左手から巻ける。
危険な箇所はないものの,上部はとにかく急。わかっちゃいたことだが,息が上がる。(トレースに見えるのは、ウサギさんの足跡です。)
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危険な箇所はないものの,上部はとにかく急。わかっちゃいたことだが,息が上がる。(トレースに見えるのは、ウサギさんの足跡です。)
法恩寺山と経ヶ岳をつなぐ稜線に登り上げた。法恩寺山からのトレースはなく,ここ数日登っている人はいないようだ。
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法恩寺山と経ヶ岳をつなぐ稜線に登り上げた。法恩寺山からのトレースはなく,ここ数日登っている人はいないようだ。
白山方面の眺めが素晴らしい。
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白山方面の眺めが素晴らしい。
大長山はいつ見ても堂々とした山だ。
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大長山はいつ見ても堂々とした山だ。
白山も白くたおやかな姿を見せている。
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白山も白くたおやかな姿を見せている。
遠い日本海の眺め。
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遠い日本海の眺め。
さて,美しい雪の稜線を経ヶ岳へと向かう。最近は毎週と言っていいほど悪天の山だったため,好天がうれしい。やはり目の前に登る山が見えているとモチベーションが上がる。
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さて,美しい雪の稜線を経ヶ岳へと向かう。最近は毎週と言っていいほど悪天の山だったため,好天がうれしい。やはり目の前に登る山が見えているとモチベーションが上がる。
経ヶ岳北岳の手前は広い雪原のようになっており,うねるような陰影が美しい。
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経ヶ岳北岳の手前は広い雪原のようになっており,うねるような陰影が美しい。
経ヶ岳(右)と経ヶ岳北岳(左)の美しい稜線が姿を現し,俄然意気が上がる。
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経ヶ岳(右)と経ヶ岳北岳(左)の美しい稜線が姿を現し,俄然意気が上がる。
まずは北岳へ。ここは雪が硬めで両側が急峻だが,注意して歩いていればそれほど問題はない。
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まずは北岳へ。ここは雪が硬めで両側が急峻だが,注意して歩いていればそれほど問題はない。
北岳に到着。北に続く大舟山・赤兎山への稜線と,その向こうの白山を眺める。今日はこの稜線を辿る。楽しみだ。
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北岳に到着。北に続く大舟山・赤兎山への稜線と,その向こうの白山を眺める。今日はこの稜線を辿る。楽しみだ。
しかし,まずは,経ヶ岳に挨拶に行かないと。
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しかし,まずは,経ヶ岳に挨拶に行かないと。
経ヶ岳への美しい稜線を辿る。東側に雪庇が出ているが,尾根にある程度広さがあるため,大きな問題はない。
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経ヶ岳への美しい稜線を辿る。東側に雪庇が出ているが,尾根にある程度広さがあるため,大きな問題はない。
振り返って。
経ヶ岳が近づく。この方向から経ヶ岳に登るのは,何年か前に打波川側の亥向谷左俣左岸尾根(ナイフリッジのあるとても面白い尾根)から登った時以来だが,その時は残雪期だったので,やはり雪の白さが違う。
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経ヶ岳が近づく。この方向から経ヶ岳に登るのは,何年か前に打波川側の亥向谷左俣左岸尾根(ナイフリッジのあるとても面白い尾根)から登った時以来だが,その時は残雪期だったので,やはり雪の白さが違う。
経ヶ岳の広い山頂台地に登り上げた。山頂の標識は完全に雪の下のようだ。
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経ヶ岳の広い山頂台地に登り上げた。山頂の標識は完全に雪の下のようだ。
経ヶ岳山頂に到着。5度目の登頂だが,やはりこの中岳・杓子岳の稜線とその向こうの大野市街の眺めは,何度見ても感動する。いい山だ。
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経ヶ岳山頂に到着。5度目の登頂だが,やはりこの中岳・杓子岳の稜線とその向こうの大野市街の眺めは,何度見ても感動する。いい山だ。
中岳,杓子岳,保月山コースの白く美しい稜線と,左手には雪に埋まった池の大沢の平原もよく見える。登山者が2名,中岳からの稜線を登ってきているのが見えた。保月山コースを越えてきたのだろうか。だとしたら羨ましいなぁ…。今頃の保月山コースはとても面白いだろう。
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中岳,杓子岳,保月山コースの白く美しい稜線と,左手には雪に埋まった池の大沢の平原もよく見える。登山者が2名,中岳からの稜線を登ってきているのが見えた。保月山コースを越えてきたのだろうか。だとしたら羨ましいなぁ…。今頃の保月山コースはとても面白いだろう。
荒島岳もよく見える。3日前に吹雪に叩かれた東稜もよく見えるではありませんか。やっぱり綺麗だなぁ…。
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荒島岳もよく見える。3日前に吹雪に叩かれた東稜もよく見えるではありませんか。やっぱり綺麗だなぁ…。
能郷白山も白くなっている。
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能郷白山も白くなっている。
大好きな石徹白の山々も遠くに見えている。写真は小白山から銚子ヶ岳までの範囲だ。
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大好きな石徹白の山々も遠くに見えている。写真は小白山から銚子ヶ岳までの範囲だ。
そしてもちろん白山,そして別山。
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そしてもちろん白山,そして別山。
経ヶ岳はいつ来てもいい山だ。名残惜しいが,山頂を後にする。
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経ヶ岳はいつ来てもいい山だ。名残惜しいが,山頂を後にする。
北岳への稜線を引き返していく。
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北岳への稜線を引き返していく。
経ヶ岳よ,さらば。また来ます。
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経ヶ岳よ,さらば。また来ます。
さて,今度は経ヶ岳北岳から大舟山への稜線を進む。北東へと打ち続く白い稜線に期待が膨らむ。
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さて,今度は経ヶ岳北岳から大舟山への稜線を進む。北東へと打ち続く白い稜線に期待が膨らむ。
結構尾根が細めで,雪庇も連続しているため,ちょっと気を使いそうだ。念のためストックをピッケルに持ち替えた。
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結構尾根が細めで,雪庇も連続しているため,ちょっと気を使いそうだ。念のためストックをピッケルに持ち替えた。
スノーシューで滑るように稜線を下降していく。
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スノーシューで滑るように稜線を下降していく。
北峰からのトレースを振り返る。
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北峰からのトレースを振り返る。
終始,行く手に真っ白な白山を眺めながら行く。
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終始,行く手に真っ白な白山を眺めながら行く。
雪庇を避けつつ,急降下。
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雪庇を避けつつ,急降下。
と,前方に雪の付いた大きな黒い岩峰が出現。これは直接乗り越す勇気はないなぁ…。
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と,前方に雪の付いた大きな黒い岩峰が出現。これは直接乗り越す勇気はないなぁ…。
唯一の弱点である岩峰基部の左手(北側)の斜面を巻くことにした。斜面は谷底へと切れ落ちており,落ちたらただでは済まない。ピッケルを深く突き刺し,スノーシューの蹴りこみを確かめながら,慎重にトラバースしていく。
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唯一の弱点である岩峰基部の左手(北側)の斜面を巻くことにした。斜面は谷底へと切れ落ちており,落ちたらただでは済まない。ピッケルを深く突き刺し,スノーシューの蹴りこみを確かめながら,慎重にトラバースしていく。
通過後。今回は雪が柔らかかったのでスノーシューで通過できたが,残雪期など雪が硬い場合は,アイゼンが必要になりそうだ。
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通過後。今回は雪が柔らかかったのでスノーシューで通過できたが,残雪期など雪が硬い場合は,アイゼンが必要になりそうだ。
核心部の岩峰を振り返る。
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核心部の岩峰を振り返る。
行く手にはまだまだ雪庇に縁どられた危うい痩せ尾根が続いており,気は抜けないようだ。
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行く手にはまだまだ雪庇に縁どられた危うい痩せ尾根が続いており,気は抜けないようだ。
南側は雪庇があり,北側の斜面も切れ落ちているので,ルート取りに気を使う。(黒く見えているのは,核心部の岩峰。)
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南側は雪庇があり,北側の斜面も切れ落ちているので,ルート取りに気を使う。(黒く見えているのは,核心部の岩峰。)
しかし,美しいなぁ…。純白の雪稜と,ところどころ露出した岩が,この稜線にアルペンチックな風貌を与えている。
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しかし,美しいなぁ…。純白の雪稜と,ところどころ露出した岩が,この稜線にアルペンチックな風貌を与えている。
経ヶ岳北峰直下はかなり岩がちで,面白そうな支稜がいくつか谷へと急峻に落ちている。
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経ヶ岳北峰直下はかなり岩がちで,面白そうな支稜がいくつか谷へと急峻に落ちている。
なおも慎重に進むと,ちょっとだけ稜線が広くなり始め,ようやく安心して歩けるようになった。
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なおも慎重に進むと,ちょっとだけ稜線が広くなり始め,ようやく安心して歩けるようになった。
辿ってきた稜線を,振り返って。
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辿ってきた稜線を,振り返って。
樹林に包まれた大舟山が近づいてきた。
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樹林に包まれた大舟山が近づいてきた。
緩い登り返しを終えると,大舟山山頂に到着。疎林に囲まれた静かな山頂だ。
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緩い登り返しを終えると,大舟山山頂に到着。疎林に囲まれた静かな山頂だ。
雪に埋まりかけた山名板を発見。何だか嬉しい。
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雪に埋まりかけた山名板を発見。何だか嬉しい。
本当は大舟山山頂から北西尾根を下って小原林道に下山しようと思っていたのだが,予想以上に雪の状態が良く行程がはかどったため,赤兎山まで行くことにした。
赤兎山までは穏やかな樹林の尾根で,のんびりと歩ける。
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本当は大舟山山頂から北西尾根を下って小原林道に下山しようと思っていたのだが,予想以上に雪の状態が良く行程がはかどったため,赤兎山まで行くことにした。
赤兎山までは穏やかな樹林の尾根で,のんびりと歩ける。
赤兎山手前から,再び美しい雪尾根となる。
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赤兎山手前から,再び美しい雪尾根となる。
赤兎山までもうすぐ。その愛らしい名前にふさわしい,穏やかな雪尾根が続く。
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赤兎山までもうすぐ。その愛らしい名前にふさわしい,穏やかな雪尾根が続く。
赤兎山に到着。目の前には更に大きさを増した白山のパノラマがほしいまま。
この山頂だけ標識が露出していた。積雪期に赤兎山に登るのは2回目だが,1回目も標識が出ていたので,この辺りは風の通り道で積雪が薄いのかもしれない。実際,今日もかなりの強風が吹いている。
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赤兎山に到着。目の前には更に大きさを増した白山のパノラマがほしいまま。
この山頂だけ標識が露出していた。積雪期に赤兎山に登るのは2回目だが,1回目も標識が出ていたので,この辺りは風の通り道で積雪が薄いのかもしれない。実際,今日もかなりの強風が吹いている。
白山のアップ。新雪期にしか見られない,ひとつの汚点もない完璧な白さだ。
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白山のアップ。新雪期にしか見られない,ひとつの汚点もない完璧な白さだ。
別山も凛々しい姿で聳えている。今年1月に延々と辿った石徹白道の雪稜が懐かしい。
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別山も凛々しい姿で聳えている。今年1月に延々と辿った石徹白道の雪稜が懐かしい。
大長山の貫禄ある姿も。大長山にもまた行きたいなぁ。
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大長山の貫禄ある姿も。大長山にもまた行きたいなぁ。
経ヶ岳と,辿ってきた稜線。経ヶ岳もあんなに小さくなってしまった。
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経ヶ岳と,辿ってきた稜線。経ヶ岳もあんなに小さくなってしまった。
赤兎平と,避難小屋。避難小屋は半分埋まりかけているようだ。
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赤兎平と,避難小屋。避難小屋は半分埋まりかけているようだ。
大好きな石徹白の山々。右から,小白山,野伏ヶ岳,薙刀山,日岸山,よも太郎,願教寺山。
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大好きな石徹白の山々。右から,小白山,野伏ヶ岳,薙刀山,日岸山,よも太郎,願教寺山。
さて,帰りましょうか。
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さて,帰りましょうか。
新雪をスノーシューで滑り降りるように小原峠へ。
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新雪をスノーシューで滑り降りるように小原峠へ。
小原峠から林道までもノートレース。マーキングも埋まっており沢と尾根が入り組んでルートが分かりにくいが,時々雪に埋まりかけた沢をジャンプで越えながら,歩きやすい尾根状部分を適当につないでいく。
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小原峠から林道までもノートレース。マーキングも埋まっており沢と尾根が入り組んでルートが分かりにくいが,時々雪に埋まりかけた沢をジャンプで越えながら,歩きやすい尾根状部分を適当につないでいく。
小原林道に無事着地。
しかし山行はまだ終わりではない。長い長い小原林道の歩きが待っている。スキーがあれば楽なのだが,今日はスノーシューなので一歩一歩歩くしかない。あまりの長さに,ボタンを押したらスキーに変形するスノーシュー誰か作ってくれないかな…とあらぬ妄想に意識が飛びかけたころ,やっと車の待つ冬季閉鎖ゲートにたどり着いた。
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小原林道に無事着地。
しかし山行はまだ終わりではない。長い長い小原林道の歩きが待っている。スキーがあれば楽なのだが,今日はスノーシューなので一歩一歩歩くしかない。あまりの長さに,ボタンを押したらスキーに変形するスノーシュー誰か作ってくれないかな…とあらぬ妄想に意識が飛びかけたころ,やっと車の待つ冬季閉鎖ゲートにたどり着いた。

装備

備考 ・スノーシュー使用。稜線上は痩せている箇所や急峻な斜面のトラバースがあるため,ストックからピッケルに持ち替えた。アイゼンは念のため携行したが使わず。

感想

 白山の南側に居並ぶ加越の山々である大長山,赤兎山,経ヶ岳(経ヶ岳は完全に福井の山だが)等々は,標高はほどほどでも堂々とした山体を持つ個性的な山ばかりで,どれも大好きな山だが,地図を眺めていて,赤兎山と経ヶ岳を結ぶ稜線の真ん中に位置する大舟山にはまだ登ったことがないことに気が付いた。そこで,経ヶ岳から周回してこの山に登ってみよう,というのが元々の考えだったのだが,予想以上に雪の状態が良く行程がはかどったため,赤兎山にも足を延ばすことができ,充実した山行となった(帰りの林道は悟りが開けそうなほど長くなってしまったが,これは自業自得)。
 大舟山は,ブナの疎林に囲まれた,静かで落ちついたいい山だったが,今回のルートの白眉は,経ヶ岳北岳から大舟山までの稜線区間だろう。危うい雪庇に縁どられた美しい雪稜と,随所に露出した黒い岩のアルペンチックな眺めに気分が盛り上がるし,内容的にも痩せ尾根あり岩峰の通過あり,ちょっぴりスリリングな縦走が楽しめる,素晴らしい稜線だった。
 また,経ヶ岳は個人的に特に大好きな山で,積雪期に様々なルートから5回ほど登っているが,特に積雪期の保月山コースは美しいナイフリッジや雪壁登りなど,ほどよくスリリングで面白い内容で,核心部を越えて杓子岳に着いた時に眼前に現れる経ヶ岳の姿がとてもかっこよく,いいルートだと思う。経ヶ岳は,この保月山の尾根や,今回辿った経ヶ岳北峰〜大舟山の稜線も含めて,不思議なほど急峻な尾根が多いが,今回の山行でも,いくつか面白そうな支稜を見つけたので,いつか登ってみたいと思っている。

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コメント

長距離の雪山ハイク,楽しそう♪〜
hillwandererさん,おはようございます。

長距離の雪山ハイキング,楽しそうですね。
hillwandererさんにとっては普通なのでしょうが,私にすると雪山20km超は凄い。
トレースがあってもたいへんなのに,それが全くないところを12時間で行かれるとは,さすがです。
夏道でも,これだけのコースを行かれる人は少ないと思います。

いつも新鮮で,ステキな写真一杯のレコを楽しませてもらっています。
ありがとうございます😊
来年もよろしくお願いいたします。
よい年をお迎えください ♫
2020/12/31 4:03
Re: 長距離の雪山ハイク,楽しそう♪〜
yonayoさん、こんばんは。コメントいただき、ありがとうございます。
今回は運良く雪が割と締まっていてくれたので、歩けた感じです。私もこの時期にこんなに歩かせてもらえると思っていませんでした。数日前まではかなりラッセルがあったのに、雪というのは面白いですね。
昨日から雪がガンガンに降ってますね。生活に支障が出るような降り方は大変ですが、山にはたくさん積もってくれるといいですね。yonayoさんも、良いお年&良い山行を!
2020/12/31 23:39
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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