権現山〜蓬莱山〜薬師の滝☆雲上のサンライズ・ハイク


- GPS
- 03:46
- 距離
- 11.0km
- 登り
- 962m
- 下り
- 964m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※小女郎峠から薬師の滝へは数ヶ所、トラバースあり、雪の状態によってはかなりの難路になる可能性あり ※薬師の滝登山口〜権現山登山口は林道以外は踏み跡もなし |
写真
感想
早朝の権現山の登山口を出発したのは丁度6時であった。もう一声早く出発したかったのだが、車を走らせてから免許証を家に忘れてきたことに気がつき、昨日職場から持ち帰った書類の下に隠れているカード入れを探し出すまでに時間がかかってしまったのだった。朝に起きてから用意をしようとすると忘れ物をする確率が高く、ロクでもない結果に陥ることがある。この日は確かに忘れ物が実に多かったのだ。
登山口に至る直前ではNHK・FMが今朝の冷え込みがきついこと、京都の丹波地方、滋賀県のほぼ全域に濃霧注意報が出ていることをアナウンスするが、登山口までは霧は全く見当たらない。
登山口からは林道は早速にも雪が繋がっている。雪の上には2〜3名分のトレースがある。ソールの型の明瞭さからすると前日のものだろう。
林道を登ると、樹林の間から美しいブルーアワーが広がっているのがわかるのだが、シャッターチャンスがない。ズコノパンに近づき、視界が大きく開けるようになったところで辛うじて東の空のオレンジ色と濃紺の夜の帳のコントラストをカメラに収めることが出来る。夜の帳はあたかも緞帳を引き上げるかのように上空へ消えてゆき、秒単位でみるみるうちに急速に明るくなっていく。
明るくなるにつれて下界の様子が視界に入ってくるのだが、驚いたことに琵琶湖が見えない。琵琶湖の南湖のあたりは霧がないが、北湖のあたりは完全に霧に覆われているのだった。滋賀県の全域に出されている濃霧注意報の予報は正しかったようだ。
東の空も太陽が出る方角が急速に明るくなってゆく。権現山への尾根を急いで登る。この栗原からの登山道は西側の平からの登山道と違ってズコノパンからはナラの自然林が続いており、登山道が明るいのが嬉しいところだが、樹林の切れ目がなかなかない。この数日のうちにわずかに雪が降ったのだろう。締まった雪の上にはわずかに新雪が乗っており、ミシミシという握雪音が足元から聞こえる。
山頂にたどり着いたのは丁度7時、なんとかご来光には間に合ったようだ。果てしなく広がる雲海から三上山が特徴的な三角錐のピークを突き出している。まもなく鈴鹿の御在所岳のあたりから太陽が顔を出す。しばらくすると足元の雪や雲海が朝陽を浴びた雲海が橙色に輝き始める。
権現山の山頂の北に出ると雲海の彼方に浮かび上がる伊吹山がよく見える。雲海の上を登ってゆく朝陽の光景は標高の高いアルプスの稜線からはよくある光景ではあるが、この比良がアルプス並みに標高が高い山であるかのような錯覚を覚える。
権現山へは平から登られる方が多いのだろう。稜線の上には雪の上にしっかりと踏み固められたトレースが出来ている。朝陽を反射して黄金色に輝く雪の上をホッケ山へと向かう。ホッケ山が近づく頃には朝陽はすっかり白色の眩い光となっていた。
朝の冷え込みの天気予報ではあったが、山の上はそれほど寒さは感じられない。むしろ平地の方が温度が低いのかもしれない。時折、心地よいそよ風が通り過ぎてゆく。
ホッケ山に到着すると蓬莱山が大きく視界に入る。数日前に峰床山に登った時に眺めた時には山頂はかなり白かったのだが、雪はかなり少ないように思える。登山道には積雪しているものの、周囲の笹原にはかなり雪が薄い。
蓬莱山が近づくと、スキー場のリフトが回転を始めたようだ。山頂には一人のスキー場の係員の方がおられる。スキー場は9時から営業とのこと。蓬莱山に登頂するにはスキー場の営業前の時間に限る。山頂からは釈迦岳の彼方には金糞岳が明瞭に見えるが、その彼方に朧げに白山が見えるようだ。
ふと気がつくと少し肌が陽に焼けたように思う。今朝は不覚にもサングラスも日焼け止めも用意していなかったのだった。朝の陽光は紫外線はそれほど強くないだろうと思っていたが、その根拠のない推測は正しくなかったようだ。目も紫外線のせいで軽い雪盲になっているようだ。
小女郎峠に戻ると薬師の滝へと下る。この峠越えの道は有難いことにすぐにも樹林の中に入ってゆくので、紫外線から逃れるためには都合がいい。
登山道には2〜3人のトレースがある。何ヶ所か斜面のトラバースがあるが、トレースのおかげで安心して歩くことが出来る。峠の直下ではそれなりに雪が深かったが、沢に流れが現れるようになると積雪も急に浅くなる。途中でご夫婦と思われる人組のカップルとすれ違う。
今回のルートの後半のハイライトは当然ながら薬師の滝である。国土地理院の地図で記されている滝の位置はは実際の場所よりも上流にずれているようだ。冷え込みのせいで氷結していることをかすかに期待したが、残念ながら氷瀑はみられない。薬師の滝の下の堰堤の手前を対岸に徒渉する。
対岸からは杉の植林地となっているが、対岸からは植林に上がるための作業道をすぐに見つけることが出来る。植林の中を歩きやすいところを選んでトラバースする。ふと気がつくと最近、買ったばかりのトレッキング・ポールの先端部がない。自分のトレースを辿って探しに戻れば見つかるのだろうが、この日は仕事があるので10時半までには自宅に戻りたいところだ。探しに戻る時間の余裕がない。
小さな滝を横切ってホッケ山から東に伸びる尾根の末端部を乗り越えると地図に記されている林道に出ることが出来る。最後は権現山の南東に流れる沢を徒渉して駐車地に戻る。登山口の駐車場には隣に二台の車が停められていた。
車に乗り込むと途中越えに向かう道路からは南比良の稜線の上には相変わらず雲ひとつない蒼空が広がっていた。
コメント
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突然のコメント失礼します。
いつもyananekoさんの魅力的な山行をひそかに追っかけているものです。
ヤマレコは見る専門で(記録の作成が難しいそうで・・・)主に私はヤマップの方を使っています。
今回もこちらの記録を参考にさせて頂き同じようなルートで行ってきまして、トレッキングポールの先端部発見しました。
薬師の滝登山口から堰堤の川を渡渉し尾根に取り付いたすぐの所(今回の記録の8.5K付近)にありました。
一応目立つかと思い土に刺して立てておきました。
感想/記録をあまりちゃんと読まないで行ったのですが、トレッキングポールの事が気になってもしかしてと思い、ちゃんと読んでみるとやっぱりyamanekoさんが落とされたもののようです。登山口からすぐなので、またお時間あるときにでもどうぞ。
今後ともご安全に魅力的な山行ご紹介くださいませ。
norukasorukaさん トレッキング・ポールの先端発見のご連絡有難うございます。
まず私のルートを辿られたとのことに驚きました。周回ルートの後半、山裾の植林の中をトラバースするルートは面白くないとは思いますが、権現山から薬師の滝に寄って登山口まで周回するという楽しみがありますよね。もしも私のレコがお役にたつことがあれば幸甚です。
実はあのトレッキング・ポール購入して初回の使用だったんです。あの日、探しに戻れば良かったのですが、レコにも書いたようにテレワークの開始時間が迫っていたので、諦めることにしたのでした。
是非、近々、回収に行って参りたいと思います。取り急ぎ御礼まで
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