仙丈・甲斐駒
- GPS
- 32:00
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 2,431m
- 下り
- 2,424m
コースタイム
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 9:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありませんが、甲斐駒の直登ルートは慎重に。 |
その他周辺情報 | 諏訪湖温泉・片倉館 |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
飲料
ライター
地図(地形図)
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
|
---|---|
共同装備 |
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
|
感想
9月9日 晴れ
今回はママさん、川崎さんご夫妻と南アルプスの名峰「仙丈ヶ岳」と「甲斐駒ヶ岳」を1泊2日ではしごする。
8月下旬から全国的に悪天候が続き、9月に入っても雨や台風が続いていたが9/9-10だけは奇跡的に晴天の予報になった。
雨が続き、直近には台風13号が通過したので国道152号や南アルプススーパー林道の通行止めが無いかを伊那市観光課と市営バスに問い合わせしたが、雨は大したことなくて問題無いとのことだった。
19:00我が家を出発。アクアライン、首都高、第三京浜ともに渋滞なく港北区に到着。給油をして川崎さん宅へ。川崎さんご夫妻とは7/29-30の蝶ヶ岳以来。蝶ヶ岳は雨で展望が得られず残念だったが、今回は大丈夫そうだ。
青葉区でママさんを拾って東名、圏央道を経由して中央道へ。いつものように談合坂SAで休憩がてらの夜食。その後も渋滞なく、諏訪ICで降りる。IC近くのコンビニで朝食を調達して国道152号を杖突峠越えで伊那市に向かう。
国道152号は峠道ながら道幅が広くて走りやすい。峠までの登りはヘアピンの連続だが、峠から伊那・高遠への下りはカーブが少なくより走りやすい。
高遠市街を抜けてまもなく、0:40に駐車場とバス乗り場のある仙流荘に到着。諏訪ICから50分だった。駐車場は道路の両側にあり、全部で350台収容とかなり大きい。人気のほどがうかがえる。
道路左側の小さいほうの駐車場がバス乗り場に近いので、7〜8割埋まっている。
そのまま車中泊と思ったが、トイレを探して駐車場内を探検しているうちに「バス利用者用休憩所」と書かれた登山者用の仮眠所を発見。先客が1人いたが、畳が8枚敷いてあり、マットレスと布団まで置いてある。自分は車中泊にしたが、ママさんと川崎さんは仮眠室で寝ることにして1:00頃就寝。外気温18〜19℃で寒くはない。空は満天の星、明日は晴れだ。
因みにトイレはバス乗り場の近くにあった。
5:00起床。朝食と身支度をして始発の6:05に乗るべく乗り場へ。既に長い行列が出来ており、乗車券を買っているうちにバスが定刻前に出て行く。全部で4台発車し、我々は4台目に乗車する。
北沢峠まで長野側から入山するのは5月の連休の積雪期に徒歩で何度かあるが、バスで長野側から入るのは初めてだ。バスの運転手さんによると山梨側のバスは累積雨量が制限値を超えたため昨日から運休しているとのこと。それは知らなかったが、長野側にしていて正解だった。
途中バスに無線が入り、折れた木が道路を塞いでいるとの事だったが、1号車の運転手と乗客の方が人力で撤去してくれたとのこと。無事に通れて良かった。
バスは鋸岳など景色の良い場所で停車して説明をしてくれる。鋸岳の稜線には「鹿窓」という直径2mほどの穴があいており、それが名所になっていて詳しく説明してくれた。
また鋸岳は難易度の高い山で、遭難事故も多いのでなるべく行かないようにとの事だったが、バス無線ではその鋸岳で遭難救助が行われていてヘリが北沢峠で救助隊員をピックアップする旨を伝えていた。そう言えば仙流荘でバスに乗る前に救助隊員らしい人たちが数台の車に分乗して出発するのを見たが、これだったのだ。
6:55大平山荘着。バス停は無いのだが、希望すればどこでも乗り降り可能なのだ。今回大平山荘で降りたのは我々4人だけだった。
2012年に聖と愛弓ちゃんと来て以来4年ぶりの大平山荘。オーナーの妹さんが出迎えてくれた。
おばさんの話によると、遭難者は生存しており8/31に入山して山頂付近の稜線近くで遭難し、今日発見されてこれから救助するとのこと。1週間以上もビバークしていてよくも無事だったものだ。
チェックインして登山中は不要な荷物を小屋に預けて7:25出発。夕食は16:30からなので16:00までには戻りたいが、何しろ仙丈ヶ岳までの標高差1,000mを往復するので、ちょっと心配だ。
大平山荘から北沢峠までは林道をショートカットする登山道で約15分。北沢峠にあった山小屋は2013年に建て替えられ、名前が「長衛荘」から「こもれび山荘」に変わったとのこと。大平山荘のおばさんによると「老人介護施設」みたいな名前とのこと。なるほど。
仙丈への登山道は六合目までは樹林帯で展望は良く無い。特に三合目まではほぼ展望なし。三合目で最初の休憩をするが、樹木の間から北岳が見える。ここでSDカードを拾った。どうしようかと思ったが、放置すれば雨に濡れてダメになるかもしれないので、これから出会う人に声を掛けながら登り、最後はこもれび山荘に預けることにした。
五合目に着くとオコジョがいた。人を見ても逃げないのだが、とてもすばしっこくて写真を撮ろうとしてもなかなか上手くとれない。とても可愛らしい。
五合目からは鳳凰三山や甲斐駒も見えるようになり、一同テンションが上がる。ナナカマドの真っ赤な実も綺麗だ。
六合目で深林限界を超えると一気に展望が広がる。雲海に浮かぶ甲斐駒を背に雲上の稜線歩きは楽しい。
11:15小仙丈ヶ岳に登頂。仙丈ヶ岳や南アルプスの大展望が素晴らしい。仙丈ヶ岳西側の小仙丈沢カールも雄大だ。一方で鋸岳と甲斐駒はガスに包まれてしまった。五合目でオコジョがいる事を教えてくれた人が、水をザック内でこぼしてしまい、水を分けて欲しいとのことで、500ccくらい分けてあげた。
三合目以降すれ違う人には「SDカードを落とさなかったか?」と聞いたが、皆心当たりは無いとのこと。
小仙丈から仙丈ヶ岳までの1時間はきついながらも、さながら「天空の散歩道」でとても楽しい。
12:30仙丈ヶ岳登頂。自分は5回目、ママさんと川崎さんは初登頂だ。北沢峠からの標高差1,002m、コースタイム4時間のところ4時間15分だったので、まずまずのペースだ。
山頂にいた人にSDカードに心当たりないか声を掛けてまわると、なんと持ち主の方がおられた。持って来て良かった。
冷やしながら担ぎ上げてきたビールで乾杯。行動食のあとデザートは梨とオレンジ。やはりフルーツは美味しい。
40分ほど山頂に滞在して下山開始。これから1,000m下らなければならないのだ。
山頂から15分ほど下ったところでメスティンでご飯を炊いている青年に遭遇。山で見かけるのは初めてだが、やはり人気は本当のようだ。同じ場所で「市野瀬」と書かれた道標に遭遇。ここはトランスジャパンアルプスレースのコースなのだ。
山頂から25分、仙丈小屋でトイレ休憩。仙丈小屋には冬期小屋があり快適そうなので、来年のGWに来てみよう。仙丈小屋の水場は8/1時点では枯れていたようだが、今日はこんこんと湧いている。このところの雨続きで復活したようだ。冷たくて美味しい。
仙丈小屋を出る頃にはすっかりガスに包まれてしまった。その後馬の背ヒュッテで最後の休憩。ここの水場はあまり冷たく無かった。
馬の背ヒュッテを出たのが14:30。大平山荘までのコースタイムは1時間50分なので、16:30の夕食に間に合うかギリギリだ。馬の背ヒュッテからは重幸新道だが、沢沿いの急な下りが延々と続く。小さな滝もたくさんあり目を楽しませてくれる。
急坂をひたすら下り、大平山荘に着いたのは16:30。なんと我々の到着まで夕食を待ってくれていたのだ。恐縮だ。表の自販機でビールを買って夕食開始。今日の泊まり客は12人。甲斐駒に行ったソロの女性も我々の少しあとに戻って来た。
夕食はハンバーグ、エビフライ、野菜天ぷら、ポテトサラダ、トマトなどなど。米と野菜は小屋の自家製だそうで、みなとても美味しい。4人ともご飯をお代わりした。
夕食後外で夕焼け雲を見ながらコーヒータイム。明日も晴れだ。
明日の朝食は早立ちの為弁当で受取り、布団を敷いて18:20頃就寝。明日は4:00起床5:00出発だが9時間以上眠れる。
9月10日 晴れ
3:50起床。既に出発の準備をしている人もいる。外に出てみると満天の星。今日も予報通り晴れだ。
小屋の方にお茶を出してもらい、朝食弁当を食べる。昨日同様不要な荷物を預けて5:05に出発。あたりはまだ薄暗く、樹林帯はヘッドライトが無いと足元が良く見えない。
北沢峠に着く頃にはすっかり明るくなり、ヘッドライトは不要になる。林道を山梨方面に少し歩き、テント場のある長衛小屋に向かう。
4年前には建替工事中だった長衛小屋だが、名前も以前の駒仙小屋から元々の長衛小屋に戻っていた。こもれび山荘といい小屋の名前が変わるとややこしい。
北沢に架かる橋を渡り、沢沿いの登山道を登ること30分で仙水小屋に到着。外には人の気配は無いが、「水下さい」と声を掛けて水場の水を飲む。4℃と書いてあるが冷たくて美味しい。
仙水小屋から10分程で樹林帯を抜け、大きな岩がゴロゴロした「岩塊斜面」と言われる斜面に出る。岩塊斜面は氷河期に岩に沁みた水が凍って岩が破壊され、それが堆積したものらしい。独特の異様な光景だ。
岩塊斜面の縁に付けられた登山道を25分ほど登ると仙水峠に到着。峠には10人くらいの登山者がいる。仙水峠からは目の前に甲斐駒がドーンと見えるが、この位置からだとピークより摩利支天の方が大きく高く見える。
仙水峠からは再度樹林帯の登りになる。標高差約500mの結構な急登だが、所々で樹林が切れて展望があり、甲斐駒、仙丈、鳳凰三山が励ましてくれる。標高を上げると北岳や富士山、南アルプス南部、中央アルプスも見えるようになる。
8:40駒津峰に登頂。山頂は360°の大展望。結構広いので大勢の人達が休憩している。ここで北アルプスが視界に入り、槍・穂高がくっきり見える。
駒津峰から25分で大きな四角い岩の「六方石」に到着。ここから先は直登ルートと巻道に別れるが、登りは直登ルート、下りは巻道にする。直登ルートは難路とされ地図でも破線表示だが、実際はそれほど大した事はない。むしろ楽しい。
岩場に慣れていない川崎さんは最初こそ苦労していたが、次第に慣れて来て岩の楽しさが判ったようだ。駒津峰から1時間25分で甲斐駒ヶ岳に登頂。コースタイムは巻道で1時間30分なので上出来だ。
広い山頂には大勢の登山者がいるが、昨日仙丈で水をこぼした彼もいた。雲海と360°の大パノラマを満喫しつつ行動食とフルーツ缶詰を食す。
11:05下山開始。巻道は傾斜は直登より緩いものの、砂地の急斜面で滑りやすくて歩きにくい。45分で六方石に到着。
駒津峰からは双児山経由で下山。双児山までは這松帯の開放的な下りだ。双児山到着時に昌子さんが転倒して脚を打ってしまったが、幸い歩行には大きな支障は無かった。
双児山から北沢峠までは樹林帯の下りが続き、4人とも疲れてペースが上がらず、次々に追い抜かれる。15:00のバスに乗りたいが、あまり余裕がない。
14:45北沢峠に到着。駒津峰からのコースタイム1時間50分のところ1時間55分だったので上出来だ。15:00のバスに間に合ったが、荷物を大平山荘に置いてあるので、自分とママさんが荷物を取りに下り、川崎さんご夫妻は北沢峠からバスに乗って2人分の席を確保してもらう事にする。
14:55大平山荘着。荷物は小屋の前に出しておいてくれた。そのうえカットした梨を頂いた。トイレを済ませ顔を洗ったところでバスが到着。座席は2つ空いていたが、もう1人若い女性がいて運転席脇の荷物置き場になんとか乗せて貰えた。
北沢峠では乗客が多く、座席を2つ空けて貰うために昌子さんが運転手さんに必至で交渉してくれたらしい。
15:45仙流荘着。駐車場は8割方埋まっている。流石に土曜日だ。風呂は仙流荘にするか、諏訪まで行き片倉館に行くか迷ったが、早めのバスに乗れたので片倉館にした。
杖突峠越えは一昨日の夜は独走だったが、日中は車が多く片倉館まで1時間15分掛かった。
片倉館で汗を流し、小作でほうとうと穴子天重の夕食。おぎのやでお土産に五一ワインを買おうとしたら既に閉店していた。営業時間は19:00までだったのだ。
中央道は小仏トンネルで11kmの渋滞があったが、圏央道と東名の渋滞は解消していて約3時間でママさん宅に到着。川崎さん宅を経由して23:55に我が家に到着した。
今回は天候と天望に恵まれ、素晴らしい山行だった。毎回こうありたいものだ。
今回のコースは体力的に川崎さんにはきつかったかも知れないが、岩場はあまり怖がらなかったので大丈夫なようだ。次回は10/21-22に八ヶ岳の硫黄岳、横岳、赤岳に登ることにした。横岳・赤岳の鎖と梯子が平気だったら来年の秋に涸沢・穂高に登る事にしよう。
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