頭巾山☆小雪の舞う霧の若丹国境尾根に


- GPS
- 03:49
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 725m
- 下り
- 708m
コースタイム
天候 | 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
先週末は関西では軒並み20℃近くまで気温が上がり4月中下旬並みの陽気に見舞われたが、この日は一転、冬型の気圧配置となる。北に行けばいくほど雲が重くなるが、雪の山への希求が北に車を向かわせる。前日には京都の丹波地方でも降雪があったことを期待して、若丹国境尾根に向かうことにした。
京都の北部は午前中は雨の予報であったが、午後には雨が上がることを期待する。しかし、美山の道の駅に着いても一向に雨は降り止む気配はない。
頭巾山の登山口となる山森集落に至るとようやく雨がやむ。集落の奥の登山口の駐車場には4台ほど車が停められている。果たしてこんな日にこんなに人が訪れるような山だろうかと怪訝に思うが、整然と車が並んでいる様子からすると1組のパーティーのものではないかという気がした。
山森集落から見上げる国境稜線にはしっかりと雲がかかっている。登山口を過ぎて、横尾峠への登山口のあたりにも林道周囲に空地がいくつかあるので、車を停めさせて頂く。
林道のゲートのすぐ左手に目指す尾根がある。取付きはかなり急峻ではあるが、植林と自然林の間を登ってゆく微かな踏み跡があるのを認め、ここから取り付くことにした。薄い踏み跡を辿ると尾根の末端に乗ると、南側から明瞭な道が登ってきている。送電線巡視路だろう。
良好に整備された歩きやすい巡視路を辿るとすぐに送電線鉄塔が現れる。巡視路はどうやらこの鉄塔で終わるようではあるが、微かな踏み跡が先に続いている。尾根には藪も少なく歩きやすい自然林が続いている。
やがて南側に大きく展望開けた伐採地がある。広い見館谷の向こうに見える山は三角点のある高庵山だろう。前回に頭巾山に登ったのはこの山から周回したのだった。
尾根の南側は植林が続くようになるが、北側はブナの林となる。p836への登りになると濃厚な霧の中に入ってゆく。驚いたことにブナの樹々のスケールが増し、霧の中に次々と均整のとれたブナのシルエットが現れる。
やがてブナの大樹が下生のない斜面に疎らに生えるようになる。
p836のピークに至ると頭巾山から南に延びる尾根に合流する。ここから頭巾山への尾根は既に二度、歩いてはいるが、霧がの中の尾根はまるで雰囲気が違って見知らぬ尾根のように思われる。
頭巾山のピークが近づくと酒瓶や缶詰のゴミなど散乱しているのが気になる。歪曲した板間があるので以前に何らかの小屋があったのだろうか。
山頂に到達して驚いたのは突如として霧氷が現れたことだ。足元に生える臙脂色のサンゴミズキは霧氷のついた北側斜面と尾根上の株の間で鮮やかなコントラストを見せている。
しかし、流石に稜線の上はかなり風が冷たい。急速に指先が悴むが、グローブを二重にすると何とか指先の感覚は改善した。折角用意してきた弁当があるので、風の中でランチをとるが、暖かい飲み物を携行してこなかったことを後悔する。
食事を終えると早々に出発して、霧の若丹国境尾根を辿る。登りの尾根の林相とは違って、山毛欅の樹は少ないが、尾根が広がると樹々の間隔が広い疎林となり、霧に霞む樹々のシルエットが何とも幻想的だ。
やがて樹木のない広々とした草原が現れる。以前、頭巾山に訪れた時にも山頂からこの尾根上に気持ちの良さそうな草原が見えていたのがここだろう。晴れていれば好展望が広がることだろうが、霧の立ち込める景色も悪くない。
広々とした尾根はアップダウンはほとんどなく、霧の樹林の景色を楽しむうちに送電線鉄塔が現れたことで横尾峠まで近づいたことに気がつく。横尾峠は峠とはいうものの鞍部ではなく小さなピークであった。峠の石の祠の中には二体のお地蔵様の石仏が鎮座しておられた。
峠から南に伸びる尾根には掘割の古道が現れる。この古道の風格が尾根に独特の雰囲気を醸し出しているように思われる。下降し始めると右手の谷を林道に向かっていく道があるが、躊躇なく尾根に続いてゆく古道を辿る。この尾根でも所々で大きく枝を広げる山毛欅の樹が存在感を示す。
降り続いていた雪もいつしか止んだようだ。最後まで雰囲気の良い掘割の古道が続き、駐車地までの道のりが短かく感じられた。帰りがけに山森集落の登山口駐車場を見ると車はすっかりなくなっていた。
京都市内に戻ると市内は全く雨が降った気配がないどころか、雲の間からは晴れ間も覗いている。当初、期待した雪はなかったものの、様々な表情の変化を見せてくれる尾根に十分に充足感を感じる山行であった。
家内が下山後に調べたところ、数年前まで頭巾山の山頂に避難小屋があったらしい。こんな格好の場所にあった避難小屋に泊まる機会を得る前に倒壊してしまったのが何とも残念極まり無い。
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