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Yamareco

記録ID: 299046
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積雪期ピークハント/縦走
十勝連峰

十勝岳 〜望岳台から残雪ルートを山頂へ〜

2013年05月18日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
05:59
距離
11.2km
登り
1,148m
下り
1,141m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

望岳台(8:30)→白銀荘分岐(9:00)→雲ノ平分岐(9:20)→1720m標識(10:40)→十勝岳(11:50←昼食→12:35)→グラウンド火口(13:10)→十勝岳避難小屋(13:40)→望岳台(14:25)
天候 晴れ後曇り
(下山後晴れ)
過去天気図(気象庁) 2013年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
望岳台駐車場を利用。

道道966号十勝岳温泉美瑛線の望岳台(望岳台ゲート)−吹上温泉(白銀ゲート)間の冬季通行止めが延長になっています(開通時期未定)。十勝岳温泉方面から望岳台には行けませんので白金温泉からのアクセスになります。

通行止め情報の詳細は北海道開発局ホームページを参照。

http://info-road.hdb.hkd.mlit.go.jp/kisei_kyo0145.htm

5/22(水曜日)に望岳台ゲートが開いたらしいです。
コース状況/
危険箇所等
<コースの状態>
望岳台付近は地面が露出していますが100mも進むと雪に覆われます。2008年から毎年5月の初旬に登っていますが、今年の積雪量は例年の5月のものではありません。1720m標識が完全に雪に埋まっているのは、この季節で初めての経験です。山頂も雪が多く、例年顔を出している光顔巍々碑や山頂標識も埋まっていたほか、十勝岳の肩へと続く夏道ルート上に雪庇が形成されていて、あまり良い状況ではありません。

夏道はほぼ100%、雪に埋まっています。今日、十勝岳批避難小屋からの登りで、夏道ルートをトライしたのですが、薄ボンヤリしたトレースしかなく、誰も歩いていないことから雪の状態も不安定で非常に疲れました。多くの人が歩いている直登ルートのほうが安定していて良いと思います。

雪の状態は最悪で、ズボスボの腐った雪に苦しめられました。登りは軽アイゼンツボ足で苦しんだので、下山時は輪カンを履きましたが、それでも場所を誤ると底まで踏み抜くということが何回かありました。

<下山後のお楽しみ>
白金温泉です。山好きが集う旧ほしの灯家の経営が変わって、アトピー性皮膚炎の方々を対象にした温泉宿「山辺の家族」になってから、日帰り入浴ができなくなっていて残念に思っていたのですが、今年から一般客も日帰り入浴ができるようになっています(^^)。
浴室: 内湯と露天風呂が1つずつ
入浴料金: 600円
日帰り入浴時間:11時〜17時(最終受付16:00)

あとお洒落なカフェも併設されています。キーマカレーやハンバーグなど健康思考のメニューが美味しそうです。カフェの営業時間は11:00〜18:00(ラストオーダー17:00)です。このカフェができる前は白金温泉で食事ができるのは「林道食堂」だけだったので、かなり重宝しそうです。

詳しくは「山辺の家族」ホームページを参照

http://www.yamabenokazoku.com/
望岳台からスタート。このあたりだけ雪がないのです。
望岳台からスタート。このあたりだけ雪がないのです。
所々で地面が顔を出していますが、ルートはほぼ全部、雪の下です。
所々で地面が顔を出していますが、ルートはほぼ全部、雪の下です。
白銀荘分岐。まぁ、道が埋まっているので、分岐も何もないですが...
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白銀荘分岐。まぁ、道が埋まっているので、分岐も何もないですが...
十勝岳避難小屋と富良野岳。同じ時間に出発したかたも登って来ている。
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十勝岳避難小屋と富良野岳。同じ時間に出発したかたも登って来ている。
夏道は左側の岩場を通っているが、多くの人は直進して直登している。
夏道は左側の岩場を通っているが、多くの人は直進して直登している。
あえて夏道を行ってみた。岩肌が見えていたのは最初だけ。結局、距離が短くなる分、直登した彼らのほうが早かった(^^;。
あえて夏道を行ってみた。岩肌が見えていたのは最初だけ。結局、距離が短くなる分、直登した彼らのほうが早かった(^^;。
雪に埋まった夏道の上から...
雪に埋まった夏道の上から...
お隣では直登組が軽快に登ってきている。
お隣では直登組が軽快に登ってきている。
少しだけ露出した岩の上に腰かけて休憩。登ってきた方向は一面真っ白。
少しだけ露出した岩の上に腰かけて休憩。登ってきた方向は一面真っ白。
標高1720mへと続く登りだけは地面が出ていたが...
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標高1720mへと続く登りだけは地面が出ていたが...
1720m標識は雪に完全に埋まっていた。
1720m標識は雪に完全に埋まっていた。
スリバチもなんかいつもより小さい(^^;。
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スリバチもなんかいつもより小さい(^^;。
十勝岳の溶岩ドームが見えてきた。早くあそこまで行きたいが、トレースを外すと深くまで踏み抜くので慎重に進む。
十勝岳の溶岩ドームが見えてきた。早くあそこまで行きたいが、トレースを外すと深くまで踏み抜くので慎重に進む。
ルートは二本。十勝岳の肩経由と直登ルート。両方ともトレースがあるが、今日は雪質がよくないので、長い物に巻かれたほうが良さそうということで、多くの人が歩いている直登ルートにする。
ルートは二本。十勝岳の肩経由と直登ルート。両方ともトレースがあるが、今日は雪質がよくないので、長い物に巻かれたほうが良さそうということで、多くの人が歩いている直登ルートにする。
グラウンド火口を目指す一行。
グラウンド火口を目指す一行。
十勝岳山頂の「光顔巍々」碑が立っているあたり。巨大に成長したえびの尻尾がお出迎えです。山頂標識も全部雪の下で、山頂のスペースが極めて狭くなっていました。
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十勝岳山頂の「光顔巍々」碑が立っているあたり。巨大に成長したえびの尻尾がお出迎えです。山頂標識も全部雪の下で、山頂のスペースが極めて狭くなっていました。
標高年を迎えたニペソツ山。
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標高年を迎えたニペソツ山。
美瑛岳側から旭川北高校山岳部のメンバーが登ってくる。
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美瑛岳側から旭川北高校山岳部のメンバーが登ってくる。
境山と下ホロカメットク山。
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境山と下ホロカメットク山。
望岳台方面は強風でカメラを構えるのも大変。
望岳台方面は強風でカメラを構えるのも大変。
美瑛岳方面。トムラウシ山もクッキリ見える。
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美瑛岳方面。トムラウシ山もクッキリ見える。
グラウンド火口から十勝岳。雪面が硫黄で黄色っぽい。
グラウンド火口から十勝岳。雪面が硫黄で黄色っぽい。
グラウンド火口の突端部から上富良野・美瑛の市街地。
グラウンド火口の突端部から上富良野・美瑛の市街地。
同じくグラウンド火口の突端部1720m標識のある高台。
同じくグラウンド火口の突端部1720m標識のある高台。
直登コースで下山。
十勝岳避難小屋内部。少し休憩。靴を脱がずに腰かけられたり、小上がりでリラックスしたりと色んな場面を想定して作られていることが良くわかる。
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十勝岳避難小屋内部。少し休憩。靴を脱がずに腰かけられたり、小上がりでリラックスしたりと色んな場面を想定して作られていることが良くわかる。
皆々様方の寄付に感謝して、ありがたく使わせて頂いております。
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皆々様方の寄付に感謝して、ありがたく使わせて頂いております。
望岳台へと一直線に登りスキートレースを辿って下山。
望岳台へと一直線に登りスキートレースを辿って下山。
残雪の多い望岳台から美瑛岳と美瑛富士。
残雪の多い望岳台から美瑛岳と美瑛富士。
自然探勝路も雪の中です。
自然探勝路も雪の中です。
望岳台レストハウス。知らない間に入口や窓に板が打ちつけられていて使えなくなっていました。
望岳台レストハウス。知らない間に入口や窓に板が打ちつけられていて使えなくなっていました。
望岳台駐車場で雲の間から見えた青空と我が愛車。
望岳台駐車場で雲の間から見えた青空と我が愛車。
望岳台ゲートは冬季通行止めが延長されています。
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望岳台ゲートは冬季通行止めが延長されています。
白金温泉「山辺の家族」。旧ほしの灯家に「日帰り入浴」の看板が戻ってきました。とても嬉しいです。
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白金温泉「山辺の家族」。旧ほしの灯家に「日帰り入浴」の看板が戻ってきました。とても嬉しいです。
「山辺の家族」にはお洒落なカフェも併設されています。「林道食堂」以外に食事できるところが出来て嬉しいです。家族で経営されているようで、明るい娘さんが応対してくれました。
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「山辺の家族」にはお洒落なカフェも併設されています。「林道食堂」以外に食事できるところが出来て嬉しいです。家族で経営されているようで、明るい娘さんが応対してくれました。
千望峠駐車公園から十勝岳連峰。例によって下山すると綺麗に晴れるのです。
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千望峠駐車公園から十勝岳連峰。例によって下山すると綺麗に晴れるのです。
撮影機器:

感想

いよいよ週末に待望の晴れ間がやってきたので毎年恒例の山開き前の十勝岳山行に出掛けた。もう5月の下旬に入ろうかというのに望岳台も大半が雪が覆われている。思っていたよりも雪は少ない印象を受けるが、例年と比べると滅茶苦茶多い。もう面倒なので最初から6本爪アイゼンを着けて行く。山頂付近でカリカリになることも想定して10本爪も持っていく、あと輪カン。今日のカメラもななみちゃんを連れてきたし、双眼鏡もザックの中でさり気なく存在を主張していて、水を減らしたにも関わらず荷物がずっしり重い。

重い荷物の負担を軽くするべく、しばらくは先人のトレースを辿っていたが、十勝岳避難小屋から高台のを通る夏道の岩肌が出ていたので、夏道を使ってみようとトレースから外れた途端にズボズボ沈む雪に難儀して、急にキツくなった。まぁ、それでも初志貫徹で1720m標識までは夏道で行こうと進むものの、岩場が露出していたのは前半の少しだけで、残りは全部雪に埋まっていた。おまけに途中で腰近くまで踏み抜いて、足を引き抜く時に腿が少し攣った。こんな標高の低いところで攣るとは思っていなかったが、もうこの時期の十勝岳山行は不本意ながら「足のつり」が定番になりつつあるので、用意してあったツムラ68を飲んで続行。

薬を飲んだからといっても足の違和感はすぐには治らず、キックステップに力が入らなくて苦戦。直登ルートを進んできた彼らにあっさり先に行かれてしまった。今日の雪は本当に難しい。踏む場所を誤るとすぐに埋まる。トレースのないところでは、ストックで前方を突き刺して雪の状態確認しつつ慎重に進む。

そんなわけで1720m点に到着したが「ありゃ、標識がない」。完全に雪に埋まっているようだ。スリバチも例年より小さく見える。2008年以来毎年5月に登っているが、こんな光景は初めて見た。しかも予想外の強風。高層天気図から吹いても10m/s弱ぐらいだろうと予想してたのに...山頂まで辿りつけるかなと不安も大きくなってきた。

1720m標識から溶岩ドームまでは平坦な砂地が続いているハズだが見渡す限りの大雪原。雪の状態も全然変らず、トレースを外すとすぐに踏み抜く。もうここまでの登りで結構な体力を消耗したので、先人達のトレースをありがたく使わせて頂く。まわりの景色から推測するに、トレースは夏道で言うショートカット路の上についているようだ。風に乗って大正火口から硫化水素の腐った卵のような刺激臭が流れてきて呼吸がツラい。

溶岩ドームを前にして山頂までのルートをルートをどうしようかと考えていたが、今日の雪質を考えると長いものに巻かれたほうが得策と、多くの人が連なって歩いている直登ルートにした。結果的にはこれが正解だったようで、仮に十勝岳の肩経由で行ったとしても山頂付近に、巨大な雪庇のような壁に行く手を阻まれ、直登ルート側にまわり込むしかなかったと思う。直登ルートも簡単というわけではなく、山頂付近の急斜面では崩れやすい雪に先人達が苦しめられた痕跡があちこちにあり、私もルート取りに苦しんだ。

「光顔巍々」碑や山頂標識も埋まっている十勝岳山頂に到着。ここのところ眺望があまり良くない山行ばかりで、少々気が滅入っていたが、今回は眺望バッチリ。今年標高年を迎えたニペソツ山もクッキリ見える。境山と下ホロカメットク山の向こうには日高山地まではっきりと確認できた。やはのこの時期の眺望は素晴らしい。

山頂は2パーティのみで静かだったが、美瑛岳方面から先生を先導に旭川北高校の山岳部が登ってきて一変。火口の向こう側を周ってきたと言っていたが詳しいルートは不明。急に賑やかになった山頂だが、彼らが「寒い・寒い」を連呼しはじめて、昼食をすませるとすぐに下山して行き、また静かな山頂に逆戻り。なんか台風のような一団だったなと思う。

ただ本日の山頂は風が強い。10m/sを越える風速で向こう側から望岳台側から吹きつけてきている。山頂でのんびりしたかったのだが、強い風に段々と身体が冷えてきて、そんな雰囲気にもなれず、雲が掛かってきたのもあり40分ほどで下山。下山時は埋まるのが嫌なので輪カンをはいたが、それにも関わらずニ箇所で足が全部埋まるほど踏み抜いた。内、一箇所では片足が中々抜けず、根性で引き抜いたらまた足が攣った(^^;。本当に今日の雪は最悪の状態だ。

下山後は待望の温泉。本日の温泉は「山辺の家族」。旧ほしの灯家の経営が変わって、アトピー性皮膚炎の方々を対象にした温泉宿「山辺の家族」になってから、日帰り入浴ができなくなって、残念に思っていたのだが、今年から「日帰り入浴」の看板が復活してとても嬉しい。山好きが集う温泉だったので、またかつての頃のように露天風呂で山談義ができるような温泉になってくれたらいいなと思う。入浴料も600円とリーズナブル。浴槽は旧ほしの灯家から変っておらずかつての雰囲気も楽しめる。

内部は洒落たカフェも併設された。以前は白金温泉で食事ができたのは「林道食堂」だけで、ラーメンなどの定番メニューは確かに美味しいが、他に選択肢がなかっただけに非常に嬉しい。キーマカレーやハンバーグなど健康思考のメニューが美味しそうだったが、山頂で一杯食べてきた後なので次の機会にしようと見送った。旦那さん、奥さん、娘さんの家族で経営されているようで、旦那さんは気さくな感じで玄関前で楽しく話をさせて頂いたし、奥さんは内助の功的な暖かそうな感じの人、娘さんは、とても明るく人懐っこくて可愛らしい感じ。写真はカフェの前で娘さん。山おやじだけでなく山ガールにも受け入れられそうな明るくて雰囲気の良い温泉に生まれ変わっていた。

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