693m高地北尾根から大池地獄谷周回
- GPS
- 06:17
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 677m
- 下り
- 672m
コースタイム
- 山行
- 5:16
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 6:18
天候 | 晴のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
裏六甲公園から地獄谷東尾根まではマーキングのない踏み跡、地獄谷東尾根の鞍部から地獄谷の水線までの間は道なし。タイトルの「693m高地北尾根」は仮称です。「693m高地」の名はかつてこの山頂に設置されていたという兵庫登山会による標識に記載の山名です。 |
その他周辺情報 | 唐櫃温泉、有馬温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
傘
|
---|
感想
この週末は土曜日が一日雨、となると日曜日しか登れない。しかし、月曜日には仕事となれば、近場で勝負するしかあるまい。ここ3週間、因幡や宍粟の山(ヤマレコ記録ID: 3030944, 3045861, 3068129)を巡っているうちに、おひざ元である表六甲の季節はグンと進み、新緑は早くも終盤である。そういえば、以前大池地獄谷を登った時、コシアブラが結構あったなあ。そうだ、今日は山菜取りといこう!ということで、大池地獄谷に行き場所は決まった。とはいうものの、何か面白い趣向がほしい。できればヤマレコに足跡のない、自分としても未踏のルートを入れたプランがいい。このコロナ禍、公共交通を使わず車でアクセスして周回ということになると、なかなか難しいそ、これは。地図とにらめっこしていると、地獄谷東尾根から北に派生する顕著な尾根が気になり始めた。六甲アルプスの西隣の尾根だ。ヤマレコにもトレースがない。ということで、いわゆる693高地から伸びる尾根を登りルートに設定。なんせ主目的は山菜なので、早いところ地獄谷に降り立ちたい。そこで狙いを定めたのが、693高地と六甲アルプスの稜線との接続点にあたる最低鞍部から地獄谷へと伸びる谷筋である。距離が短い上に、等高線の間隔が比較的広い。ここなら地獄谷へのショートカットができそうだ。勿論、ヤマレコ上に軌跡はない。こうして周回路が定まった。
唐櫃山王神社近くに車を止め、蓬山峡に沿った六甲森林道を辿る。今のところは気持ちのいい青空である。もう終わったと思っていたコバノミツバツツジがあでやかな紫の花をそこここに咲かせて新緑にアクセントをつけている。裏六甲はまだまだ若々しい新緑だ。セメント舗装が終わると左に奥の院道、右に鍋谷の滝への小道を分ける(ともに無標識)。なおも傾斜のない林道を進めば長尾谷出合となり、それも見送ってシュラインロードの立派な分岐に至る。今日はなおも直進して、裏六甲ドライブウェイに飛び出す。車道を下って行くと37番カーブが現れる。現在落石防止ネットの工事現場になっているここは、知る人ぞ知る六甲アルプスへの登り口。勿論、何の標識もない。さらに下ってようやく今日の取り付き点である裏六甲公園に出る。テニスコートの歓声を聞きながら公園の最奥まで進むと、明確な踏み跡が西に向かている。ここを登る。この小道が下りに変わるところが今日登る693m尾根末端の筈だ。ほんの数歩(ちょっと大げさ)も行くとこの地点となった。尾根上には明確な踏み跡があり、自分たちはT字路にぶち当たって左折する感じである。ヤマレコにトレースがない尾根なのに、なんと立派な踏み跡なのだろう。感心しながら進む。周囲はコバノミツバツツジにすっぽりと覆われていて、その多くはすでに花を落としてしまったあとだったが、なおも一部は紫の花を多数つけ、予想外の花見登山となった。2週間早ければ花のトンネルを楽しめたに違いない。まだ葉の茂らないこの時期、ところどころ北側に展望が開ける。尾根は岩がちの急な登りが続き、なかなかいい風情である。ただし、入り口付近を除いてほとんどマーキングはなく、藪で踏み跡が判然としない箇所もあるので、尾根筋を外さぬよう注意が必要である。いい雰囲気で登っているうちに、周囲が開けた場所に出た。あ、ココは見覚えがあるぞ。693m高地だ。右手からは良く踏まれた地獄谷東尾根道が上ってきている。侵入防止の紐をまたいで東尾根道に合し、六甲山上方向へ向かう。次に目指すは、地獄谷への下降点である。空模様は大分怪しくなってきている。遠くを眺めると、東北の冬場によく出くわす雪雲の何とも言えない粒子の広がりに似た空の陰り方である。二つのコブを越えて、目前に六甲アルプスの尾根が迫ると、下降点の最低鞍部である。ははー、ここは降れるな。丸くたるんだような谷型で地獄谷に続いている。早速、すたすたと下り始めると、なんと新旧取り混ぜて赤いテープマーキングが付いているではないか。六甲に未踏の地はなし、だ。やがて川音が近づき、地獄谷の流れが迫ってきた。降り立ったところは「地獄谷道」の道標が二つ間隔を開けずに立つ渡渉点であった。ここからは谷歩きとなる。連続する小滝に見とれながら下ってゆく。足元をふと見ると、ちょうど食べごろのゼンマイがにょきにょきと頭をもたげていた。さらに下って地獄大滝を過ぎ、広々としたナメに出ると、突然太陽の光が降りそそいだ。今だ!とばかりに腰を下ろして、妻のお手製非凍結の但馬鶏フライ巨大サンドを頂く。超満足!腹も満ちて、行動再開である。狙っていたコシアブラは思っていたほどには生えていない。しばらくして、堰堤のせいで登山道が水没した地点に達した。わかってはいたが、行く手に道はなく、あれれとばかり戻りつつ様子をうかがうと、尾根側にカラーマーキングがあり、その上に踏み跡らしきものが見えた。これを目指して進めば、しっかり踏まれた堰堤湖の高巻き道がある。道は斜面を斜上している。いい気になって進んでいくと、目前に落石止めの金属ネットとそれを止める強靭な金属ワイヤが出現した。あれれ。この先は空だぜ。少し戻って尾根側を見ると、トラロープ支持のある踏み跡が上方へと登っているではないか。これが本命の巻き道だ。かの偽巻き道は、地獄谷を登っているときには気づきもしないdead endへの踏み跡だが、下りのほとんど全員がこのトリックに引っ掛かっていると見え、実にしっかりと踏まれている。これでもう、問題になる箇所はないはずだ。どんどん下って遊歩道にまで来た辺りで、ついにざっと雨が降ってきた。なかなかの大ぶりである。こんなこともあろうかと、今日は傘まで持参してある。傘を広げる間にも雨脚は強まって、持ってきて正解!とほくそ笑んだ。その後は降ったりやんだり、時には陽もさし、さらに霰も降るという賑やかな天気となり、地獄谷入り口からは裏六甲公園におとなしく戻って舗装された六甲森林道を駐車地へとひたすら急ぐのだった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する