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Yamareco

記録ID: 310460
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ハイキング
阿蘇・九重

96時間ならぬ12時間(由布岳・鶴見岳縦走)

2013年05月06日(月) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
06:49
距離
16.0km
登り
1,551m
下り
1,992m
天候 晴天
過去天気図(気象庁) 2013年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 飛行機
コース状況/
危険箇所等
由布岳山頂は西峰・東峰の2つあるのですが西峰山頂手前の鎖場は慎重に登る必要があります。
2013年05月06日 12:18撮影 by  iPhone 5, Apple
5/6 12:18
2013年05月06日 13:13撮影 by  iPhone 5, Apple
5/6 13:13
由布岳/西峰山頂付近から鎖場を見て
2013年05月14日 06:39撮影 by  iPhone 5, Apple
5/14 6:39
由布岳/西峰山頂付近から鎖場を見て
由布岳/西峰山頂付近から鎖場を見て
2013年05月14日 06:39撮影 by  iPhone 5, Apple
5/14 6:39
由布岳/西峰山頂付近から鎖場を見て
鶴見岳登り
2013年05月14日 06:39撮影 by  iPhone 5, Apple
5/14 6:39
鶴見岳登り
撮影機器:

感想

〜序章〜
ご覧頂いている方は96時間という映画をご存知でしょうか?
リーアム・ニーション主演の元CIA工作員が誘拐された娘を取り戻す映画です。

公共交通機関を利用して登山をされている方ならこんな経験はないでしょか。
余裕をもって計画を立てたはずなのに想定外のアクシデントでバス/電車の時間が
ギリギリになってしまい後半は猛ダッシュしたなど。
今回はそんな生きるか死ぬかの(間に合うか間に合わないか)タイムリミットがあるお話です。
(このお話はノンフィクションです、良い子は絶対に真似しないで下さい)

撮影場所(訪問場所)は自宅ー羽田空港ー大分空港ー由布院ー由布岳ー鶴見岳ー別府駅ー大分駅です。
今回は仕事で大分に行くのですがその前日移動を利用し「ついでに登山を楽しんじゃおう!」
が絶対条件なのです。
それを踏まえた上で以下の条件が追加されます。
1.大分空港からの移動はバスのみ
2.大分空港から由布院駅行きのバスの始発が10:00
3.由布院駅から由布岳登山口まではバスで移動
4.鶴見岳にあるロープウェイ駅から別府行きバスの最終が18:10
ですので登山口を11:00にスタートし、18:10前にバス停に着かなければいけなのです。
乗り遅れた場合、別府駅まで徒歩2時間のハイキングが追加されます。
タクシーの選択肢がないのは単純にtojiiiがNo moneyだからです。
ちなみにハイドレーションパックに水を入れた場合、空港の手荷物検査が通るのかも分からないし
止められるのも面倒なので水は現地で調達です。

tojiiiに許された登山時間は6〜7時間。
ここからが本編です!気合を入れ!一眼レフを片手にいざ!
(さぁ、筆者はノッてきました!皆様はそろそろ「戻る」をクリックする頃でしょう)

〜第一章〜
予定通り、空港に到着しバス発車時刻まで30分ほど空き時間が出来たので
空港散策+のんびりコーヒーを飲みながら自分の力を最大限に引き出せるように
気持ちを高揚させ由布院駅行きのバスに乗り込みました。
車内では景色が見えるように先頭に座ります。
(飛行機/新幹線でもビジネスマンらしからぬ窓側を取る人間なもので・・・)
由布院駅に到着しすぐに由布院バスセンターで登山口行きの時刻を尋ねました。
>きれいなおばちゃん「今、目の前に停まってるバスだよ。」
>tojiii「あ、ありがとうございます・・・」
tojiiiがなぜ、山男らしくストレートにお礼を俺を言えなかったのか
言えなかったのではなく「動揺」していたのです。
直ぐに乗れる、水も食料も無いことを思い出す、時間もない
おばちゃんの言葉をフラグに色んな思いが脳内を同時に駆け巡りました。
仕方なくと言うより必然的にコンビニへ。
コンビニへ向かう途中、「なぜ、空港でコンビニに行かなかったのか・・・」
冷静に行動できなかった自分に後悔しながら次のバスで登山口に向かいます。
このロスが命取りになるとも知らずに・・・

〜第二章〜
由布岳登山口バス停に到着後直ぐに登り始めました。
しばらく森林の中を歩きますが思っていたより早めにお天道様の
下を歩く事になります。夏場は熱中症に注意が必要ですね。
登っていて楽しかったのは関東の登山ではなかなか無いどこまでも広がる高原でした。
東峰、西峰分岐点に着くとそこでお昼を食べたり休憩したりと
それなりに人が集まっていました。
そこから山頂に向かう方達をよく見ると皆さんザックを置いて両峰に登っていました。
理由は近づいて納得。東峰は結構な鎖場ではないですか!
ヤマレコで由布岳の記事を読んで下調べはしてきたのですが
そんなこと書いていらっしゃる方は一人もいなかったのに!
きっと読んだ山行記録が偶然にも山頂について触れていなかったのでしょう。
そして、登っている途中から気づいていたのですが若い方が全然いない・・・。
(九州で登山はあまり人気がないのでしょうか、心配になりました)
しかし年齢は関係無く、山に登られる方達は強いですね!
あの鎖場にトライする姿に自分も予定通りに進まなければと思いました。
東峰に登頂後、分岐点にはそれなりに人が集まっていたので西峰の途中でお昼にすることにしました。
少しでも時間を短縮したいtojiiiは5分でお昼を済ませまた、登り始めました。

〜第三章〜
西峰山頂では比較的若い親子にお会いしました。
お子さんは小学生くらいに見えました、よくがんばって登りましたね。
早々に山頂を後にしたtojiii、今度は鶴見岳を目指します。
と、降り始めてすぐに1人の男性とすれ違いました。
>イケメンおっちゃん「どこから来たの?」
>tojiii「東京です」
と答えるとゴールデンウィーク中に会った半分の人は東京から来たって言ってたな〜と
おっしゃっていました。
(やはり、九州で登山はあまり人気がないのでしょうか、心配になりました)
おっちゃんにルートを確認し下山再開、少しでも時間を稼ぐために走ったのもつかの間
全く走れるルートではありませんでした。仕方なく安全を確保しつつ、スピードアップ。
無事に由布岳・鶴見岳の分岐点に到着。その時、両峰を見上げて確信しました。
これは縦走じゃない!明らかにただ2つの山を登っているだけだ!
縦走だと思っていたtojiiiは鶴見だけど見上げて少し心が折れました。

〜第四章〜
由布岳から鶴見岳の登山道の一部は大きな岩のガレ場です。
ガレ道なので自分が通りやすい道を通れる反面、登山道を見失ってしまいがちなので
常に目印を確認しながら進んだ方がよいと思います。稜線「馬の背」についてからは
山頂が見えている分、なかなか近づかないように感じてしまいました。
あ、馬の背の途中で穴掘りに夢中な狸さんに会いました。
穴を掘るのに必死で1mの距離に近づくまで全く気づきませんでした。
山頂到着は大きなアンテナの裏に着きます。ロープウェイで上がってこられた方達は
この辺からいらっしゃいます。その先には何もないと思っている草っ原から
急に人が出てきたらビックリしますので脅かさないようにしてあげるのがいいかと思います。
tojiiiは楽しそうにしているカップルを脅かしてしまいました。
申し訳ございませんでした!この場を借りて謝ります。(もちろん当人達には謝りました)
山頂の広場?みないな所に差し掛かった時、ロープウェイ駅から運行のアナウンスが流れました。
その瞬間、自分との戦いが始まりました。
>>「駅まで降りればきっと自販機があるだろう、炭酸飲料が飲めるぞ!」
>>「そのままロープウェで降りれば確実に別府行きのバスに乗れるぞ!」
>>「ロープウェイで降りて鶴見岳に登ったと言えるのか!?」
>>「堂々とヤマレコに「由布岳・鶴見岳縦走」とタイトルをつけられるのか・・・」
結論はすぐに出ました、自分に負けたくない!
少しの休憩を取り、急ぎ足で下山します。

〜終章〜
由布岳より走れる!しかし、疲れからか感覚と現実は違っていました。
地図を見る度に自分が思っているよりも進んでいない・・・。時間は刻一刻と過ぎていく。
本当に1分1秒を争う状態になってきました。
必死に下山し「道路が見えた!」と思った瞬間でした。
「ぶーーーん」
路線バスが別府方面に走って行くのがはっきり見えたのです。
終わった・・・。
結局、バス停に着いたのは発車時刻から15分後・・・。
本当に疲れていたのでバス停のベンチに座り、自販機で購入したコーラを一気飲み。くぅ〜!生き返る!
すると施設の方?がよってきて
>おっちゃん「バスの最終終わったし、施設も閉めるんだけど」
>tojiii「すみません、すぐ出て行きますので」
>おっちゃん「まぁ、いいんだけど。タクシー呼ぶ?」
>tojiii「ありがとうございます、結構です」
ほう、早く出て行けと。疲れているときほど人の言葉って気になるものですね。
水分の補給も出来たので地図で別府までの道のりを確認して早々にバス停を後にしました。
ここからはハイキング程度の道のりを歩くだけ、別府駅に20時に着いて22時にはホテルのシャワーを浴びれるし
別府‐大分間は遅くまで電車もある、気をつけるべきは車道を走る車のみ。
ベンチを立った時から開き直っていました。
時間の縛りからの開放と遅くなっても問題ない気持ちから足取りも軽快でした。
道路は車が結構スピードを出していたので車道を避けるルートを探しながら歩きました。
30分ほど歩いた頃でしょうか、ここからは道路を歩くしかなさそうだなと地図を見てふと顔を上げた瞬間
軽自動車の笑顔のおいちゃんと目が合いました。
疲れていたが笑顔をもらったら笑顔を返さなければと思い笑顔を返したら数メートル先で「キー!」っとストップ。
>笑顔のおいちゃん「にいちゃんどこ行くの?」
>tojiii「別府駅まで歩いていきます」
>笑顔のおいちゃん「今からじゃすぐに真っ暗だよ、乗ってく?」
>tojiii「!?!?!?マ、マジっすか!?」
>笑顔のおいちゃん「おぅ、乗りなよ」
>tojiii「あざーーーっす!」
このご時世、赤の他人を自分の車に快く乗せてくれる方がいらっしゃるなんて、本当に助かりました。
おかげで20時に別府の駅に着くつもりだったのが20時には会社の人たちとの
夕飯にも間に合いました。
感謝感謝!
いつかtojiiiも誰かにこの恩をおすそ分けしなければと思う今日この頃です。

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