岡山市北区御津 みそのお遺跡公園〜妙見山 三密なしで自然観察



- GPS
- 03:19
- 距離
- 8.3km
- 登り
- 277m
- 下り
- 276m
コースタイム
- 山行
- 2:41
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 3:19
歩行距離8km、歩行時間2時間30分、歩行数13,500歩、消費カロリー1,650Kcal
天候 | 曇りたまに小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所やヤブコギはなく、妙見山頂上三角点<写真22>周辺以外は雨の日に傘を差して運動靴でも歩けます。また、復路で御津工業団地周辺の草刈り中の数人にお会いしただけで、ソーシャルディスタンスを保ってすれ違えました。 アスファルト道でないのは、何かくわえたハクセキレイ♀<写真15>撮影地点から妙見山頂上三角点<写真22>を経て妙見宮跡?<写真24>までです。なお、正八幡宮の石段<写真38>の右(北)にコンクリート道がありますが、急で苔むしているため、濡れていなくても要注意です。 何かくわえたハクセキレイ♀<写真15>撮影地点から妙見山頂上三角点<写真22>の東、ちょうど地形図の実線の道が出合う所までは、砂利道で低い草が茂って一部掘れていますが、水たまりや草をよけて歩くことができます。合流点には「妙見山参道口」の道標があり、砂利道は東の電波塔へと延びています。妙見山へは北西に延びる細道に入ります。 標高260mには妙見山の道標がありますが、矢印は北を指しており、逆方向に細い踏み跡がありました。倒木をくぐると260.7mの頂上三角点<写真22>があります。この周辺だけは傘を差せるだけの幅がありません。 標高260mの妙見山の道標から北には、たまに地籍調査のピンクテープや標柱のあるきれいな木の間道が北辰妙見大菩薩<写真23>まで続いています。そこから妙見宮跡?<写真24>までは、多少細くなりますが、きれいな土道です。 地形図上の道のいくつかはヤブ化して消滅しているようです。以下、入口の確認をした道についてまとめておきます。 何かくわえたハクセキレイ♀<写真15>撮影地点から北に延びる道は、入口からヤブでした。 ここから妙見山へと続く砂利道から枝分かれする道は、最西端の標高180mの破線の道(鉄塔巡視路)、題目石<写真19>の南に延びる道(細いですが入口は健在)以外は入口もわからないヤブでした。 未確認ですが、妙見山頂上三角点<写真22>から東に延びる道は、電波塔などを経て宇甘川まで続いているかもしれません。 |
その他周辺情報 | 妙見山西むかいの赤岳よりさらに西にまつだ牧場があり、放牧中の牛を眺めながらジェラートを食べることができます。また、ホルスタイン模様のヤギのみるくちゃんや、アイドル猫などとのふれあいも楽しめます。現在、土日の10〜17時45分のみ営業です。今後、変更の可能性もありますので、訪問前にホームページなどで確認したほうがいいでしょう。 |
写真
この古墳はもともと遺跡群の中でも最も高所にある標高152mの尾根の斜面に築かれていたため、墳丘はいびつな円形で径6m程でした。この墳丘は移築後に造成されたもので、発掘当初とはかなり違うようです。盛土の流出がひどく全長3mの横穴式石室の天井石はなくなり、入口も壊れていました。副葬品の須恵器の特徴から、遺跡の中では最も新しく7世紀中頃に築かれたものと考えられています。
第2主体部
この墳墓も元々は尾根の先端近くの稜線上にありました。墳丘は約9m四方の方墳で、周囲に列石があり、箱式石棺が3基見つかりました。後に造成された墳丘の上に見えているのは2基のみ、これは説明板から向かって左側の内部をのぞいた写真です。側壁の石が大きいのが特徴で、木棺から石棺へと変化した3世紀〜4世紀初め頃に築かれたと考えられています。
直径3cm程の花がタンポポに似ているので、タンポポモドキとも呼ばれます。茎がひょろ長く、葉は地面に張り付くように広がります。工業団地の周囲の舗装道路沿いにたくさん群生していましたが、この日は草刈りが行われており、スタート地点の「みそのお遺跡公園」<写真01,02>では刈り取られた後でした。
&ホソヒラタアブ
スイカズラは香りがいいせいか、いろいろな虫に人気があるようです。ホソヒラタアブは体長1cm程で、成虫は花粉や蜜を好みます。我が家の庭では幼虫がアブラムシをせっせと食べて育っています。
長さ1cm足らずの筒状の花がびっしり並んだ黒っぽい紫色の花穂は、とてもマメ科には見えません。黄色いのはおしべの葯です。この周辺だけイタチハギロードでした。少しズームして動画も撮りました。
元々、棘のある低木類のバラを茨(いばら)と呼んでいて、野生であることから「野」がついてノイバラと名付けられました。ノバラ(野バラ)とも呼び親しまれています。よく似たミヤコイバラとは違い、花期が少し早く、托葉は根元までくし形に裂けます。
ツツジに似ていますが、開花時期は1ヶ月程遅れます。まさに皐月(さつき)です。また、葉は長さ2cm程で先端が尖ります。この道路沿いにずっと植えられていましたが、まだ咲き始めでした。雨に濡れて綺麗だったので動画も撮りました。
&逆さハクセキレイ
前方を歩いていましたが、なぜかUターンし、舗装道路の端にできた水たまりの中をスタスタ。水面にも映っていました(^^♪その後は道路を全力疾走で横断。一部始終を動画にも撮りました。
&ナミハナムグリ
カナメモチの名前がありますが、モチノキ科ではなくバラ科です。生垣として人気のレッドロビンは、カナメモチとオオカナメモチとを掛け合わせた雑種で、新葉はより鮮やかな赤色です。ナミハナムグリは体長2cm程とコアオハナムグリよりも大きく、アオハナムグリよりも毛深いです。動画も撮りました。
ハクセキレイ♀
草の生えた砂利道に入ってすぐのところです。メスは背中が薄い灰色です。何かくわえてはしばらく進んでハケていくの繰り返しでした(*^^*)そのシーンを動画にも撮りました。
英国でスノーベル(雪の鐘)と名付けられているとおり、大変美しいです。果皮には10%ものエゴサポニンが含まれ、かじると「エゴイ、エグ味」を感じることが和名の由来です。花はハクウンボクによく似ていますが、葉が違います。見上げて動画も撮りました。
南南東方面
右手前に野々口駅北西の220m峰、左に蛇行する旭川と葛城橋、橋の奥にカバヤ食品本社&工場、その背後に222m峰、最奥に大きく駒井山と、御津らしい風景を望むことができました。ここが唯一の展望地でした。
砂利道の左端に「妙見山参道」という石柱があり、すぐ脇の細道を少し上るとここで行き止まりでした。日蓮宗でも妙見菩薩は重んじられているので、ここに題目石があっても不思議ではありません。おそらく、妙見山参道というのは、ここに至る細道ではなく、北辰妙見大菩薩<写真23>まで続く道のことでしょう。
枝先に朱赤色の花が2〜3個咲きます。花の中央にある濃い色の模様は、虫に蜜の位置を知らせる誘導路と言われています。咲き始めでした。ここで小雨が降り始めたので傘を出しました。その後も何度か小雨が降ったりすぐにやんだりを繰り返しました。
山間部の木陰など薄暗いところを好みます。翅の裏側はヒメジャノメによく似ていますが、表側は前翅の小さいほうの蛇の目模様が違うのでわかりやすいです。個体数が少ないので、見かけるのはたいていヒメジャノメです。
たまに地籍調査のピンクテープや標柱のあるきれいな木の間道がここまで続いていました。地形図上に⛩マークがある妙見山北峰です。祠は見上げる高さにあり中を覗くことはできません。全体を動画にも撮りました。妙見信仰については感想で触れています。
中央の祠の北西にまわってみると、ヤブに埋もれ気味にありました。肝心の頭の部分が欠けていますが、亀の像のようでした。北極星の化身である妙見菩薩のお使いは、北の守護神である玄武とされているため、亀像(玄武像)は妙見信仰の寺社に奉納されていることがあります。
西側の石灯篭は文政9年(1826年)のものです。火袋という部分をズームしてみました。左右に円形と月形の二つを対にした文様が彫られています。最初はここが妙見宮で、祠の倒壊後に南<写真23>に遷座されたのかもしれません。
ポケットモンスターX・Yに登場する人物の名前ではありません(+o+)ジンチョウゲ科の植物で、ミツマタやコウゾと同じく和紙の原材料として使われることもあります。長さ1cm程の黄色い小さな花は可愛いですが、気づきにくく、往路では見落としてしまいました。
全国的に個体数が減少傾向にある大型のカタツムリです。殻の直径は4〜5cm、高さが3cm前後と他のカタツムリよりも盛り上がって見えます。舗装道路にいたので動画も撮りました。こんな所にいると、動物に食べられてしまうよ(-"-)なお、カタツムリには寄生虫がいるので、触ったら手を洗いましょう。
対生する楕円形の葉の間からよい香りのする花が2つ並んで咲きます。咲き始めは白、翌日には黄色に変化することから金銀花という別名もあります。変化前と変化後の両方が見られました。ピンク色のつぼみもたくさんあり、見頃だったので動画も撮りました。
5月に咲きますが、もう花が多く散っていました。落ちた花を見れば、ゴマノハグサ科の植物であることがわかります。花は幹の上の方にあることが多く、見つけにくいのですが、これはわかりやすかったです。
葉腋から花序をぶら下げるように出しています。雌雄異株でこれは雄株です。雄花は直径5mm程で花弁先端が反り返りおしべが突き出ているのが特徴です。ハゼノキやヤマハゼも似た花が咲きますが、葉はもっと細長いです。
よく通る声でさえずりますが、鳴き方には個体差があります。昔からの聞きなしでは「一筆啓上仕り候(イッピツケイジョウツカマツリソウロウ)」、「源平つつじ白つつじ」、「札幌ラーメン味噌ラーメン」などがあります(*^^*)動画を撮っていると、最後にニホンアマガエルの声が入りました。
例の花だらけだった三角点「高津」<写真05>のすぐ側の道端でした。こんな可愛い花に今まで気が付かなかった!?これは咲き始めで、直径1cm程の花が束になって咲きます。コモチナデシコなどに似ていますが、葉鞘の長さが幅の1.5〜2倍になります。
この長い300近い階段を約5分かけて上りました。まるでレッドツェッペリンの「天国への階段」タイムです(-_-;)すぐ右にコンクリート道がありますが、苔むして急なので、濡れていなくても要注意です。
権現造りとは違い、本殿と拝殿の間に建物はありませんが、渡り廊下でつながっています。ご祭神は山幸彦こと彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)、仲哀天皇、神功皇后、応神天皇です。
本殿の形は三間社流造という造りで、様式及び再建時の棟札から寛永18年(1641年)の再建と考えられています。岡山市の指定重要文化財です。天正14年(1586年)に宇喜多孫一郎(出た宇喜多!)が発願した棟札もあり、嘉暦元年(1326年)に石清水八幡宮を勧請したと書かれています。
越しに新大原橋
帰路、これが目に入ったので車から降りました。県道81号線からもう1本旭川沿いに道が延びる所です。旭川下流域の土手がオオキンケイギクの黄色で染まる時期がやってきました(#^.^#)新大原橋の奥に左に280m峰、すぐ右に228m峰が見えています。動画も撮りました。
越しに新大原橋&竜口山
オオキンケイギクは繁殖力が強く、河川敷や道路に大群落をつくり在来植物を駆逐してしまうことがあります。このため、特定外来生物に指定され、栽培、運搬、販売、野外に放つことが禁止されています。左端に標高291.8m三角点「竜口山」のある竜口山が見えています。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex22x(GPSナビゲーター)
虫よけスプレー
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感想
【出発点は「みそのお遺跡公園」】
先週は岡山市北区建部町で里ハイク、今回は建部町の南にある御津(みつ)を訪問しました。数ある遺跡により、縄文時代早期から人が住み始めていることが判明している地域です。
そのうちの一つ「みそのお遺跡」では、尾根上に370m、1.64haにわたって製鉄炉跡、古道、弥生時代の共同墓地群などが発見されました。これらは3世紀の弥生時代後期から7世紀中頃の古墳時代にかけて築かれたようです。50の墳墓(墳丘などにより区分される埋葬地一区画)に計約420の主体部(箱式石棺や埋葬穴など)というとんでもない数が発掘され、十五号墳墓と五十号墳墓(五十号古墳)だけがみそのお遺跡公園に移されています。今回はこの公園を出発点としました。
なお、遺跡の詳細については、今年2月28日に赤岳に登った山行記録にまとめています。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2965487.html
【御津工業団地の周囲の道はお花の宝庫】
みそのお遺跡公園の近くに標高114.9mの三角点<点名:高津>があります。2年半前に訪問したときには特に花は見られませんでした。
2018年10月22日https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1625533.html
しかし、今回はこの三角点の存在がわかりにくいぐらい多種多様な花が咲いていました(*^^*)
ここを起点に御津工業団地の周囲の舗装道路を歩きました。実はここは「みそのお遺跡」があった場所に造成されました(*_*)「岡山県埋蔵文化財発掘調査報告87」でみそのお遺跡に関する資料が457ページにわたってまとめられており、ネットにも公開されています。
「みそのお遺跡」が開発のために消滅してしまったのは、複雑な思いがします。しかし周囲の舗装道路を歩いていると、環境の変化にしっかり順応した花々に元気をもらいました(*^^*)
【パワースポット妙見山】
岡山県には妙見山が12座あるといわれています。2番目に多い兵庫県と山口県が4座しかありませんので、岡山県がダントツです。
今回訪れた御津の妙見山もその12座のひとつですが、西向かいの赤岳山域にある地図上に名前のない母谷(ほうだに)の妙見山等も含めると、その数はさらに増えます。
山名の妙見は北辰(北極星)に通じ、北辰妙見信仰と関連があるといわれています。
北極星は地球の北の地軸の延長線上(天の北極)にあり、見かけ上、すべての星(太陽や月も含む)が北極星を中心に運行するので、古代中国では、北極星に対する信仰が生まれました。北辰から、日月が生じ、五星(木星、火星、土星、金星、水星)が生まれ、それが五行になったといいます。五行とは、すべてのものを構成する元素と考えられたもので、木火土金水(もっかどごんすい)の五つから森羅万象は成り立っているという中国の宇宙観です。さらに、五行から人間が生じ、人間の根元をたどれば北辰に達すると考えられていました。
これが日本にも入ってきて、北極星の化身である妙見菩薩を尊ぶ北辰妙見信仰になりました。山自体が信仰の対象なのでしょう。
今回訪問した御津の妙見山でも三ヶ所ほど妙見菩薩や関係の深い日蓮宗の題目石が祀られていました。
現地の道標では、三角点ではなく、その北峰の祠のある場所が頂上とされているようです。妙見山の頂上(三角点)に辿り着くには、頂上直前の分岐で「妙見山」の道標とは逆方向に進む必要があります。
【開拓すればコースいろいろ?】
北辰妙見大菩薩<写真23>(地図上の⛩マーク)から地図上では東西に道が延びていたので探しましたが、どちらもヤブのようだったので、今回は断念しました。さらに北の妙見宮跡の周辺もヤブでした。
御津工業団地南東部の何かくわえたハクセキレイ♀<写真15>撮影地点から妙見山へと延びる砂利道は、低い草が茂って一部掘れていますが、水たまりや草をよけて歩くことができます。復路はこの砂利道の西端から北に延びる道を歩く予定でしたが、入口からヤブでした。
一方、この砂利道から南へ延びる道はいくつかありますが、最西端の標高180mの破線の道は鉄塔巡視路になっているようで、題目石<写真19>の南に延びる道も細いですが入口は健在です。未確認ですが、妙見山頂上三角点から東に延びる道は、電波塔などを経て宇甘川まで続いているかもしれません。
これら以外はヤブでしたので、結局、今回はオールピストンにしました。
なお、今回は砂利道や土道もありましたがヤブはなく、復路で御津工業団地周辺の草刈り中の数人にお会いしただけでした。ソーシャルディスタンスを保ってすれ違えたので、今回も三密はありませんでした\(^o^)/
さすがに今はヤブコギしてマダニで病院に行くわけにいきませんが、機会があれば、妙見山コースを開拓したいものです。
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