静かな飛龍山



- GPS
- 09:27
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,707m
- 下り
- 1,698m
コースタイム
天候 | くもり時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・人が少なく小屋も無く長い距離を歩く上に水場は無い ・前飛龍の手前の急登は滑り易く、一部露岩もあり ・サオラ峠〜熊倉山周辺にかけてクマのフンらしきもの多数あり |
写真
感想
急遽休みが出来たので隊長に声をかけたところ、飛龍山へ行く事に。
雲取山経由でも三条の湯利用でもなく、飛龍山目当て飛龍山オンリーの割とマニアックな登山です。
日曜の朝、5時に集合していざ奥多摩へ。
『道の駅たばやま』でトイレを済ませて、その少し先にある村営マス釣り場の駐車場に車を停めて出発。
奥多摩湖へと注ぐ丹波川の上にかかる吊橋を渡って舗装路を上がると青梅街道に出ます。
冷たい水がかけ流しの水場で喉を潤し、左へ10m程進んでサオラ峠への道へ。
斜面に作られた動物除けの電気柵に囲まれた畑の間を走る舗装路を登りきると、今度は動物除けの金網の扉を抜けて畑の中を突っ切って行きます。
2、3度扉を抜けるといよいよ山道に。
薄暗くも静かな杉の森を3、40分進めばやや開けた場所の山王ダワ。
そこから先はサオラ峠の手前までひたすら薄暗い森の中をつづら折りが続きます。
この日は風がほとんど無く、鳥の鳴き声もほとんど無い静かな山歩きになりました。
とはいえ青梅街道から距離的にはそう離れていないので、バイクの音は割と聞こえてきますが。
途中でクワガタのメスを見つけたり、休憩を挟んだり、ギンリョウソウの群生を見つけたりしながら進みますが、割としんどい道のりです。
つづら折りが終わり少し進むと山腹の狭い道があり、踏み外すと下に落ちるので注意しながら進みます。
そこを抜けると森も抜けて、木々が少なく明るい道に出ます。
サオラ峠まではもうすぐです。
サオラ峠で休憩タイム。
出会った人に家で作って来た冷凍ブドウのお裾分けをしつつパンを食べて栄養補給。
最後に中川神社という小さな石造りの祠に参ってからミサカ尾根を歩き始めます。
熊倉山まではしばらく広くなだらかな道が続きます。
途中傾斜のある部分もちょいちょい出て来ますが、概ね穏やかな山歩きって感じです。
こんな道ばっかりなら人気も出そうなんですが、いかんせんここまでの道が長いこと。
登りも結構きついですし。
でも人がいっぱい来たら静かな山じゃなくなっちゃうな、などと隊長と話しながら道をテクテク歩いて行きます。
しかしそんな道とは裏腹に心は穏やかとは言い難いものがあります。
なにせ道の途中でクマの爪跡やらクマのフンらしき物が度々目に付くので。
ちょっと一人では来たくないですね。
最後に急登を登って1624mの熊倉山に到着。
特に何もありませんのでそのまま進みます。
尾根を進むと直角に右に曲がり、数十m下ります。
そこからはまたしばらく緩く広い登りです。
基本的に薄暗い森の中ですが、たまに倒れた木のおかげで明るい部分もあり、雰囲気はいい感じ。
しかし先に進むと段々とガスってきて、前飛龍へと続く長くしんどい急登ではかなり濃くなってきました。
雲取山泊まりで下って来た人達とすれ違いながら、何とか急登を登り切ると視界は一変。
ちょっとした岩場の前飛龍の山頂に到着です。
この時は幸運にも少し霧が晴れ、雲取山や大菩薩嶺なども見える状況に。
昼食をどこで取るかなどを相談しつつ、景色を眺めながらの休憩。
昼食は飛龍山の山頂行ってから考えようと、とりあえず山頂を目指す事に。
前飛龍からは先程までとは打って変わって緩やかな道に。
木々も鬱蒼とはしておらずそこそこ明るい尾根歩きです。
苔生した静かな山道で小さなアップダウンを繰り返しつつ、シャクナゲのトンネルを潜ったりシャクナゲの中を突っ切ったり。
やがて目の前からシャクナゲが消えて木々がまばらに生えた笹原が現れます。
真ん中に一本だけ伸びる登山道を進んで徐々に高度を上げて行きます。
小さい露岩を越えればその先が飛龍権現神社です。
飛龍権現神社というより飛龍権現と呼んだ方が通りがいいかもしれません。
地図でも飛龍権現ですし。
この飛龍権現は1480年に丹波や小菅の領主だった小菅遠江守信景に依って祀られたのが始まりだそうです。
ちなみにこの人は武田家の家臣で、武田信玄の三代前の武田信昌だそうです。
祀られているのはたぶん飛龍権現=大穴牟遅神(おおなむぢ)=大国主だと思います。
ここで御賽銭を入れていつもの登頂祈願と下山祈願をしようと思ったんですが、小さい御賽銭箱に雨除けのビニールがかけてあってそれが外れないのなんのって。
仕方が無いので他の皆さんと同じ様に御賽銭を直置きして、再拝二拍手一拝。
まぁ、農業の神様にそんな祈願するのもなんですが。
社というか石造りの祠の左に上へと続く道があり、その先が飛龍山の山頂です。
分かりにくい道を赤テープやすずらんテープを頼りに登り、稜線上に出ればあとはもう平坦な道に。
シャクナゲに囲まれて狭く、ところどころに木の根が張り出した少し歩きにくい道を行けばやや開けた場所に出ます。
ぽつんと山梨百名山の標識が一つあるだけの何も無い山頂です。
いえ、一つだけありました、奥秩父の雰囲気があります。
ここには展望も無いので、一旦戻って禿岩に向かってみる事にします。
飛龍権現から笠取山方面に進むと2分で禿岩の道標が。
左へ進むと徐々に空が広くなり、岩場に出ればそこは中々の大展望の禿岩です。
前飛龍に続いてここでも霧が晴れていて、昼食はここで取る事にしました。
お湯を沸かして隊長からコーヒーを貰い、おにぎりや小さいカップ麺を食べて満足。
途中で一人の男性がやってきたのでちょっとお話しつつ冷凍ブドウをお裾分け。
今回この冷凍ブドウを持ってきたのは大正解。
疲れた体に冷たいブドウの甘い果汁が沁み亘る事ったらもうね!
そうこうしている内に空模様が怪しくなってきたのでサクっと下山する事に。
前飛龍までテクテク進むもその先の急下降で足を滑らせて膝を傷める羽目に……。
気を付けていたつもりだったんですが……。
サオラ峠までは若干の違和感があったものの存分に歩けたんですが、そこからのジグザグつづら折りの下り坂で傷みが出始める始末。
それでも歩けない程の痛みではないのでなんとか下山。
山王ダワを過ぎて砂防ダムを越えた先、熊除けの金網と丹波山村の町並みが見えた時の安心感は中々のものでした。
青梅街道まで出たらバス停横の水場で喉を潤し、丹波川の吊橋を渡って駐車場まで戻ってきたら本日の山行は終了。
この後は『道の駅たばやま』まで車で移動し、併設の『のめこいの湯』でマッタリと疲れた体を癒しました。
今回初めて『のめこいの湯』を利用しましたが、ここは奥多摩の『もえぎの湯』よりも気に入りました。
広めの露天と保温室が良い感じですね。
夕食は青梅のうどんの名店『根岸屋』でカレー丼うどんを食べて解散。
膝がやや痛いものの、中々に充実した一日でした。
今回すれ違った人数
・12人。殆どの人が雲取山で一泊した後、二日目に飛龍山に寄ってから丹波へ下山する人達。
今回出会った動物
・サオラ峠〜熊倉山間でサル一匹。
・帰り道で熊倉山手前の登りの前でサルの群れ。
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