赤岳天狗尾根〜ツルネ東稜
コースタイム
取り付きの確認と薪集め、水汲み、避難小屋だるまストーブの火熾し
行動時間:2.5H
1/7 小屋に不要なものはデポし、ロープ、ガチャ類、ハーネス、ヘルメット、
アイゼン、ツェルト、ピッケル、防寒着、行動食、テルモスをもって行動。(多分7Kgくらい)
3:30起床〜5:30出合小屋出発〜赤岳沢へ〜天狗尾根取り付き〜尾根
〜8:08 カニのはさみ〜8:22 下部岩峰(第1岩峰)
〜9:50 大天狗〜10:19 テラスで休憩10:30〜小天狗〜10:58 一般登山道に合流
赤岳南峰往復 11:46赤岳山頂〜キレット方面へ〜14:11ツルネ南峰〜ツルネ東稜を下る
〜15:31沢〜15:45出合小屋 休憩、荷物作り
16:25 出合小屋出発〜林道〜18:01 美し森P
行動時間:小屋から稜線の登山道まで 5.5H
赤岳往復 1H?
赤岳からツルネ東稜経由、出合小屋まで3H45min
出合小屋からP 1.5H
トータル 約12H
天候 | 1/6 晴れのち夕方から小雪 1/7快晴、無風 気温 -3℃〜 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
装備
個人装備 |
12アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
シェラフ
登攀装備一式
|
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共同装備 |
ポール
テント
ダブルロープ2(50m)
ツェルト2
ガス
コッヘル
食材
|
感想
◆装 備
共同装備 ダブルロープ2本(50m)、テント、ツェルト2、ガス、鍋、食材(夕食1、朝食1)
個人装備 12アイゼン、ピッケル1, ハーネス、ガチャ類、ヘルメット、テルモス、テント泊装備一式
ザック重量(水1.5L含め20Kg+α)一応わかんやスコップも携帯したため。
※今回は、わかん、スコップ(および個人的にはストックも)は不要だった。
もっと雪があってもビーコンは不要と思われる。
※ガチャは、確保器と中間支点用(立ち木)の細引きと長めのスリング3本くらいとクイックドローでよい。支点はせいぜい3箇所。
カムは不要(大天狗は残置ハーケンあり)
ただし、カニのはさみ、第1岩峰、大天狗、小天狗を直登するならこの限りではない。
◆詳細行程
1/6(土) 11時半 小淵沢駅 =車=12:28 美し森P 林道を歩く〜12:47 ゲート〜13:39 道が3つに分かれる。真ん中の道へ〜14:08 林道が終わり、堰堤がいくつも出てくる。基本、沢の右側(左岸)を歩く〜14:20 赤い逆Vの堰堤は、中央(赤いVのところ)を通過〜14:34 次の堰堤は右に金属パイプのハシゴあり〜最後の堰堤は左側を越える。木の古いハシゴがあるが、その左を登った。〜14:59出合小屋へ の看板(木に)〜15:01 出合小屋
天狗尾根のとりつき確認、および薪集め、沢の水汲み、だるまストーブで火おこし
1/7(日) 3:30起床〜5:30出合小屋出発〜リボンや標識に従って赤岳沢へ、沢を10分くらいつめ、大きなケルンの後を左にまわりこんですぐ、右岸に木にリボンと、斜面内の木にリボンがある凹地あり。ここから取り付く
斜面をトレースにしたがってジグザグに登る。木にテープがところどころにあるので探す。 尾根に出たら、あと忠実に尾根状を行く。
8:08 カニのはさみ はさみの左を巻く。
8:22 第1岩峰。右手にフィックスロープがあるので、そちらにトラバースする。
フィックスは使わずにロープをだして確保した。(50m 1本)
トラバース手前の木にセルフをとり、ビレイ。 トラバース途中の細い(腕くらい)の潅木で1つめの支点、そこから岩の悪いトラバース。(フィックスロープの位置より上を通過)岩のトラバースが終わると、雪の間に出ていた木の根に第2の支点をとる。
そこから左の雪の斜面を登る。 50m全部ひっぱって、上の太い木を終了点とする。
リード:N、セカンド:M(マッシャーをずらしながら、掛け替えして登る) サード&リードのビレイ:Y ~9:10
第2岩峰はフリーで登る。
9:50? 大天狗基部。 ここは下部右の岩にあがってから右へトラバースしてさらに上がった。トラバースではなく最後は直上でもいいかも。特に夏場のクライミングなら可能だと思う。
直上したら、その上のテラスに立派なボルトと鎖の支点あり。トラバースすると、その支点より右側のテラスに出る。
ここで2回目のロープを出した。順番や方法は第1岩峰と同じ。
ハーケンが何箇所もあるので、支点には困らない。(ただし古い)〜10:19 テラスで休憩 10:30?
10:30? テラスから右へ。 小天狗は左を巻く。 以降は明確な尾根ではなくなるが、基本歩きやすいところをできるだけ尾根からはずれないように登る〜10:58 一般道へ出る(緑のロープあり)
ここから赤岳南峰を往復。 途中でザックをデポ。 11:01 金属ハシゴ〜11:22 真教寺分岐・赤岳山頂 の赤い金属プレートの道標〜11:29 木の文字が読めない道標〜11:46 赤岳南峰山頂 11:50〜登山道をキレット方面へ下る。稜線は雪がとても少なく、キレットへの下りは雪がなくガレ場。ここをアイゼンでおりるのがつらい。
キレット小屋に気づかず通過 〜14:11 ツルネ南峰 道標 ここから東稜へ。
ツルネ東稜は樹林帯の狭い尾根で、天狗尾根と異なり雪が深い。 木のテープを見ながら降りる。かなり急斜面。
15:31 沢に降りたつ。「ツルネ東稜」の道標あり。 ここがツルネ東稜のとりつき。
沢をくだる。 15:42 赤岳沢との分岐の道標 15:45? 出合小屋
荷物つくり、16:25 小屋出発〜18:01 美し森P
(当初の予定は 1/7出合小屋泊、1/8下山 の2泊3日だったが、小屋に16時前に到着できたため7日に下山した)
◆コメント
天狗尾根は赤岳東面の初級バリエーションであり、真教寺尾根の左(南西側)に位置する。
小天狗と大天狗という特徴的な岩峰を上部に擁する。
夏も冬も登られており、夏は藪こぎとなるらしい。また、出合小屋までの沢で軽い渡渉を行うことになる。
また、夏場の記録では、カニのはさみや大天狗を巻かずにロープを出して直登する記録も散見される。
(1)ルートの状況について
今回雪は少なく、終始トレースがありラッセルもなし。 持参したわかんは使わなかった。
特に、赤岳〜ツルネ間の稜線は雪がほとんどなく、地面が見えているところも多い。
キレットへの下りガレがそのまま出ており、アイゼンでおりるのがかえってきつかった。
ただ、ツルネ東稜だけは、いつもそうらしいが、樹林帯のためか雪がとばされずに雪が深い。
トレースがあっても潜ることもあった。
(2)天狗尾根
出合小屋から赤岳沢を5~10分ほどつめた左側からとりつく。沢は立ち木に多数のテープがあるので、かえってわかりにくい。
沢を左岸にわたって大きなケルンを左に巻き、右岸に戻ってすぐに取り付きがある。
沢の立ち木だけでなく、斜面上の立ち木にもテープが巻かれているところである。
斜面から尾根まではジグザグにふみあとをのぼるが、ところどころにテープがある。
雪稜は難しくはない。
カニのはさみは岩の左を巻く。
下部岩峰(第1岩峰)のトラバース(古いFIXあり)と、大天狗の2箇所でロープを出して確保した。
Webの記載でも、この2箇所が核心のようである。
下部岩峰は立ち木にセルフをとりビレイ。
途中の潅木に中間支点をとりトラバース、トラバース後は左の急な雪面を登り、
ほぼ50mいっぱいひっぱって上部の太い立ち木を終了点とした。
大天狗は右下部を登る。古いハーケンが多く残っているので、支点の心配はない。
また、テラスに上がると新しいボルトとチェーンの立派な支点があり、終了点にできる。
いずれもロープは1本だけ出し、セカンドはマッシャーで架け替えして登った。
(3)ツルネ東稜
ツルネは双耳峰であり、南峰の東尾根がツルネ東稜である。
樹林帯のためか、ツルネ東稜だけはとても雪が深い。
狭く急な尾根をひたすら下る。
急なので、とても登りには使えそうにない。
立ち木に黄色い看板(時読めない)などあり。
(4)出合小屋
避難小屋。
朝に美し森Pを出発する場合は、ここはスルーして天狗尾根のどこかで幕営となるが、今回はこの小屋に泊まるのも1つの目的だった。
小屋内にテントは3張くらいは張れそう。1教室くらいの広さ。
だるまストーブがあり薪もあるが、備蓄は使わずに自分たちで薪を集めるのがルールとのこと。
周囲は樹林帯なので薪には事欠かない。
今回はこのストーブで鶏や鮭、お餅を焼いて楽しんだ。
屋外にトイレあり。ぼっとん式だが、風や雪にさらされないのは助かる。
他にパーティーなく、貸切。 小屋内にテントを張る。
ただし、ねずみが出た。食物は要注意。
なお、小屋は沢筋にあり、水も沢からとれたので、雪を溶かす必要がなく非常に便利。
(5)水場
天狗尾根の取り付きが、最終の水場になる。
冬は雪があるのでいいが、夏場は天狗尾根から赤岳頂上山荘まで水場はないので、沢で汲んでおく。
(6)その他
夏場、真教寺尾根で下山するなら、日帰りも可能と思われる。
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