皇海山
- GPS
- 82:18
- 距離
- 26.1km
- 登り
- 2,115m
- 下り
- 2,108m
コースタイム
- 山行
- 3:01
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 3:13
- 山行
- 12:05
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 13:57
- 山行
- 2:32
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 2:35
【3日目】
庚申山荘 6:19 → 7:41 庚申七滝 7:48 → 一の鳥居 7:49 → 銀山平 8:54
天候 | 1日目:晴れのちくもり。お昼過ぎから雨。 2日目:晴れのち曇りのち大雨。 3日目:晴れ。 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
https://kajikasou.info/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
○薬師岳〜鋸岳:高度差のある長いクサリ場の下降あり、足場が小さくて遠いので緊張した。その次の有名な長い急斜面はロープをひたすら掴んで登るのでそれほど緊張しなかった。その先の小さな岩場で3点確保が難しく苦労した。 ○鋸岳の北側:長いロープ場の下部にある小さな岩場で3点確保が難しく苦労した。 ○六林班峠〜天下の見晴らし分岐:道幅が狭くて笹の路肩が崩れやすい。特に雨天は崩れやすいので足を取られないように注意が必要。 |
その他周辺情報 | ○国民宿舎かじか荘の日帰り入浴は11:00〜15:00。しかも緊急事態宣言が発令されている地域の方はご遠慮ください、というような表示がありで利用できず。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
シェラフ
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感想
2021年07月23日(金) 〜 2021年07月25日(日)【皇海山】
いつか登ろうと思っていた皇海山だったが、最短で登れる皇海橋からの不動沢ルートがアプローチに使う林道の崩壊のため利用できくなって久しい。今は銀山平からの距離の長いクラシックルートが唯一のルートだが、足の速くない私にとってはそうそう簡単には登れない。
しかし歳も重ねてくるし、転勤族にとっては東京にいつまでいられるのかも分からず、陽の長い時期に開催される東京五輪の4連休のチャンスを使って、皇海山に登ることに決めた。
クラシックルートは距離は長いが、庚申山経由でも足の速い方なら銀山平から日帰り、普通の方でも庚申山荘前泊の1泊2日が可能だ。
しかし、足の速くない私にとっては2日目の行程が長くなるので、いくら陽が長い時期とはいえ、暗くなるまで歩いていたらじっくり楽しむことができない。そこで誰もあまりやらないと思うが、庚申山荘に前後泊して2泊3日で歩くことにした。
<1日目>
快晴の下、銀山平の駐車場を8時半過ぎに出発。庚申川の深い谷の上部に沿って続く長い林道を沢音と緑を楽しみながら延々と歩いた。一の鳥居から登山道に入ると、水ノ面沢沿いに広がる広葉樹の森と木洩れ日が素晴らしかった。急登というほどの急登もなかったが、久々の重荷に苦しみながらお昼前に庚申山荘に着いた。空はいつの間にかすっかり曇っていた。
庚申山の岸壁を背にした庚申山荘は写真で見た通りのたたずまいだった。宿泊室はとても広く、一番乗りだった私は暖かい2階の南側?の窓に近い場所に陣取った。12時45分頃から降雨となったが、雷はほんの少しゴロっと鳴っただけだった。雨は降ったりやんだりしていたので、早めの夕食は外のテーブルで摂ることができた。この日の宿泊者は14,5名といったところだった。
<2日目>
3時に起きる予定だったが、ぐっすり寝ていたようで3時半過ぎに周りの方が準備する物音で目覚めた。
快晴。昨日の雷はほんの少しだけなので今日も雷の心配ないだろう。
朝食はパンで済ませて4時半過ぎに庚申山荘を出発した。
まだ薄暗い森の中を進むと、直ぐに巨大な岩塊に沿ってトラバースしたり、ハシゴを登ったり、岩壁の間を登ったりして、一気に高度をあげていった。空間に飛び出たような岩の上に立ってみると、南の方は雲海が広がっていた。
岩塊や岩壁を登りきるとなだらかな針葉樹に覆われた山頂台地に出た。野鳥のさえずりを聞きながらしばらく進むと針葉樹の森の中の小さな庚申山の山頂に着いた。写真だけセルフで撮って、直ぐに展望地に移動した。
鋸山〜皇海山、日光の山々の素晴らしい眺めが広がっていた。中でも皇海山の堂々たる山容はとても魅力的であった。
今日の行程はまだ始まったばかりなので、ゆっくり眺めているわけにもいかず、先を急いだ。
いったん高度を下げてから、なだらかなところやアップダウンを繰り返しながら針葉樹や広葉樹の稜線を進んだ。
薬師岳の先までは岩場もクサリ場もないが展望もない。野鳥のさえずりを聞きながらの静かな深山の稜線歩きが続いた。7時半頃から稜線にはガスがかかるようになった。
薬師岳の先に進むと白山という眺めの良い小さなピークから、雲がまとわり始めた皇海山が見えた。鋸山までのアップダウンと有名な長い岩壁の登りも見えた。万一の落石に備えてヘルメットを付けて気合いを入れて進む。有名な長い岩壁の登りの前に高度差のある岩場の下りがあった。斜度がかなりあって、クサリはあるが足場は小さくてしかも離れていてかなり緊張した。
有名な岩壁の長い急斜面の登りは、取りついてみれば、草付きの岩場をロープを掴んで体を引っ張り上げるだけで、あっと言う間に終わった。
しかし、そのあとも痩せた稜線のアップダウンが続き、手がかり足がかりが少ない小さな岩場もあり、こちらの方が緊張した。
稜線が平坦になるとひょこりと鋸山の山頂に飛び出した。正面に大きな皇海山の山容が目に飛び込んでくるはずだが、残念ながらガスに包まれて何も見えなかった。時刻は9時半前。ここまでは計画どおりの時間で歩けていた。
鋸山の直下は岩場の急坂があり、斜度はそれほどでもないがロープを頼りに下るしかなかった。
その下にも小さな岩場があるが手がかり足がかりが少なくとても緊張した。
前夜同宿の方や庚申山の登りで追い抜いていった日帰りの方が皇海山登頂を終えて鋸山へ登り返していくのとすれ違った。いつものことだが、私だけがかなり遅れていた。
いったん下り切ったあと少しアップダウンがあって不動沢のコルに着いた。
皇海山への最後の登りは中間部の急坂以外はそれほどの斜度はなかった。しかも山頂に近づくとなだらかになり、余裕で皇海山の山頂に立つことができた。樹林に囲まれた小さな山頂に展望はないが、まさに深山幽谷にある山頂の趣きがあり、なんとも言えない達成感があった。
山頂を覆うガスが切れて一瞬青空が顔を覗かせていた。
時刻は既に11時半過ぎ、計画より少し遅れていた。パンとソーセージとチーズケーキで手早くお昼を済ませて復路に着いた。
鋸山には計画どおり13時半過ぎに登り返すことができた。私が本日最後の皇海山登頂者だと思っていたが、山頂にはこれから皇海山に向かう男性のソロのトレイルランナーが2人もいた。
六林班峠への下りは、眺めの良い笹原から始まったが、登山道の土がずるずると滑って歩きにくかった。下りのコースタイムとしては長いと思っていたが、笹原を下ると小さなアップダウンを繰り返す稜線を結構長く歩くことになった。再びしばらく下ると笹原と樺?の疎林が美しい女山というところがあった。ガスが切れてきれいな青空が見えた。
広葉樹の森に囲まれた静かな六林班峠には15時過ぎに到着した。鋸山からの下りで計画よりかなり遅れてしまった。しかし、あとは庚申山荘までトラバースルートをのんびり歩くだけなのでこの時は何も心配していなかった。
六林班峠を後にすると最初は笹原に広葉樹が美しい気持ちの良い斜面が続いていた。最初に現れた沢でのどを潤したが、冷たくて美味しかった。
トラバースルートの道幅は狭く、笹の根に乗るところは歩きにくかった。涸れ沢も含めて先に進むほど沢が次々に現れるようになるが、足もとが悪いので案外時間がかかった。
写真を撮ったり、立ち止まって景観を眺めてたりしながら、ゆっくり歩いたので計画よりさらに遅れが出ていた。ふと見上げると黒い雲が出ていることに気がついたので先を急いだ。しかし16時半頃、ブナ林に達するかなり手前でついに雨が降り出した。
最初は普通の雨だったが、いったん弱くなったあと土砂降りの雨になった。登山道もぬかるみ始め、周囲も暗くなり始めて足元もよく見えなくなったのでペースがどんどん落ちていった。元々崩れやすい笹の路肩は大雨で緩んで何度か路肩を崩して斜面に落ちそうになった。
ふと後続の二人のトレイルランナーが気になった。足の速いトレイルランナーならそろそろ私を追い抜いていく頃だと思って、たびたび後ろの様子を伺うが気配はなかった。
ブナ林は気づかないままに通り過ぎたようだったが、"樺平"はとても広い平坦なところに出たので、それと気がついた。暗くて大雨が降っていたが、晴れていれば広い笹原に樺の疎林が美しいところに違いない。
しかし"樺平"の先で不覚にも登山道を見失ってしばらく迷走することになってしまった。ことの顛末は次のとおりだ。
岩がゴロゴロしている細い涸れ沢のようなものが現れた。涸れ沢を横断してそのままトラバースが続く細い踏み跡も見えるが、どうも登山道のようには思えなかった。そこで涸れ沢のようなところを登ることにしたが、大きな岩がゴロゴロしていてこちらもだんだんと登山道のようには思えなくなった。トラバースが続く細い踏み跡の先を確かめてみようと、いったん下って元に戻り、トラバースが続く細い踏み跡に進んでみたがすぐに踏み跡は消えてしまった。
しかたなく岩がゴロゴロしている細い涸れ沢を再び登ることにした。しかし岩が少なくなっても明瞭な登山道が現れないので、涸れ沢の途中から右側(左岸)に上がる登山道を見落としているに違いないと判断した。
そこで左岸に注意しながら再び涸れ沢を下っていくと、涸れ沢の左岸にある大きな木を山側に廻りこんでいく踏み跡を見つけることができた。
薄暗くなってきたことと、雨具のフードを被っているので視界が狭くなっていたことなどが重なって、左岸の大きな木を回り込む登山道を見落してしていたのだ。
薄暗くなってきたトラバースルートをなおも進んでいくとやっと"天下の見晴らし"の分岐に着いた。時刻は既に18時半となっていたが、庚申山荘まではあと20分ほどなのでほっと一息つくことができた。
天下の見晴らしの分岐から少しだけトラバースがあったが、直ぐに平坦な登山道になり、まだ明るい18時40分頃に庚申山荘に着くことができた。
昨日泊まっていた方々はみなさん銀山平まで降ったようで、先客は一人だけだった。
今日は土曜日なので、管理人さんが上がって来ていて、管理人さんが居たテーブルでソーセージと棒ラーメンで静かな夕食を摂った。
コンロの片付けをしていると、ソロの男性がずぶ濡れで入ってきた。私が鋸山で見かけたトレイルランナーさんだろうか。管理人さんから着替えを貸して貰っていた。夕食も作って貰っていた。
さらにそのあと寝る準備をしていると大きなザックのソロの男性が到着した。こちらは山慣れた方のようで、管理人さんの手はかからなかったようだ。
この日の宿泊者は私を含めて4人だけだった。土砂降りの雨は深夜遅くまで降り続いた。
<3日目>
快晴。ゆっくりと棒ラーメンで朝飯を済ませて、庚申山荘をあとにした。朝陽の差しこむ広葉樹の森と昨日の大雨で水量を増した沢の眺めを楽しみながらゆっくりと下った。
一ノ鳥居に着く前に庚申七滝の入り口あたりまで寄り道してみた。滝の水量が凄くて豪快だった。紅葉の季節の美しさが容易に想像できた。
一ノ鳥居から長い林道を延々と歩いた。登ってくる数組とすれ違った。昨夜の大雨で大きな石が林道に落ちてきていているところがあった。管理人さんの車はこの石をどかさないと通れないだろう。
9時前に快晴の銀山平に着いて、長い長い山行が終わった。
国民宿舎かじか荘の日帰り入湯は11時から。しかもコロナのため東京から来た人は入れそうもないので、のんびりとドライブを楽しみながら帰ることにした。
高速道路から眺める広い青空には夏らしい積雲がいくつも島のように浮かんでいた。
おしまい。
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