幌尻岳(新冠コース)


- GPS
- 09:37
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 2,210m
- 下り
- 1,826m
コースタイム
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 9:35
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
|
コース状況/ 危険箇所等 |
★イドンナップ山荘までの林道区間(車で38km) 私は新冠町内のホテルを午前2時に出発して、真っ暗闇の中を車で走りました。大きく深い穴ぼこだらけの道で、これだけ荒れた長い林道は皇海山の時以来です。あっちは20km位だったと思いますが、こっちは40km近い長距離です。この林道走りは本当に気を使い神経すり減らした感じです。路面状況を見極めにくい真夜中にここを走るのはおすすめできません。レンタカーのRVで走りましたが、四駆でタイヤも太いのでこれを借りて本当に良かったと思いました。普通の車でも走れるとは思いますが真夜中の走行は避けた方がいいと思います。もしタイヤがバーストしたら、電波が通じる所まで何十キロも歩くことになりかねません。帰りは日中明るい時に走りましたが、路面状況も早めに把握できるので精神的にすごく楽でした。 ★イドンナップ山荘〜新冠ポロシリ山荘(徒歩18km) 標高差は350m位あります。行きは緩やかな登りですが、登り一辺倒ではなく結構アップダウンがあり、所々傾斜がきつくなる箇所もあります。林道歩きは結構体力を消耗しますし、その後の幌尻岳登山は足を酷使するかなり厳しい山です。一泊2日とするなら2日目に山頂を目指す方がいいかもしれません。 ★新冠ポロシリ山荘〜幌尻岳 ・山荘〜渡渉地点 崩落地をまく所がありますが、注意して歩けば問題ありません。ロープがありますがこれに頼りすぎるとかえってバランス崩すので、ロープを手にしながら自分の足でしっかり通過するようにしたほうがいいでしょう。 ・渡渉地点〜最終水場 水量にもよるのでしょうが今回は全く問題なく渡れました。渡渉後にいきなり急登開始です。かなりの急登ですが出だしが特に急で少し進むと傾斜は多少緩やかになります。でも山頂まで基本ずっと急登続きです。途中に中間地点との表示がありますが、私は時間的にここまでがちょうど半分位でした。この表示がある所までかかった時間を倍にすれば、山頂迄のおおよその到達時間になると思います。 この区間は笹藪をかき分けて進む区間になります。踏み跡ははっきりしており、特に上りでは下から見上げる感じになるので笹藪の下の踏み跡がはっきりわかります。下りでは両側から覆い被さる笹藪の上から下を見る感じになるので、笹藪の下に踏み跡が隠れて多少わかりにくい感じになります。明るいうちならまだ良いのですが万一下山が遅れてヘッドランプで降りるような事態になった場合は道迷いのリスクが高くなると思います。この山は普通の登山道とは違うので日没後でもヘッドランプがあるから大丈夫とは考えない方がいいです。下山中に日が暮れそうなら諦めて途中で撤退した方が安全でしょう。 ・最終水場〜山頂 目立つマーキングはありませんが、沢沿いに少し登ると左手側(右岸)にロープがあります。そこをよじ登ると岩場の急登開始です。しばらく登ると上方に大岩が見えてきます。大岩まで行けば稜線まであと僅かなんですが大岩はなかなか近づいてきません。傾斜も一段ときつくなる感じで、忍耐と辛抱の登りの区間ですね。稜線に出れば山頂までは10分程度です。下りでは滑落しないように慎重に歩く必要ありです。 |
写真
感想
これから登る人のためにいくつか注意点を記載します。
①幌尻岳の難易度(厳しさ)について
新冠ポロシリ山荘から山頂往復のコースタイムは僅か6時間40分です。(登り4時間、下り2時間40分)皆さんきつかったと書いてますが、コースタイムで7時間以下の山だろうと私は少しなめてましたが、実際に登ってみて考えを改めました。登り4時間と言っても一般的な4時間とは内容が違う感じです。この山がキツいのは細い尾根を直登するコースに原因があります。九十九折になっていて、足に負担をかけずに少しずつ標高を上げる登山道ではなくずっと直登急登なんですから。
登頂までに要する時間は人によって大きく差が出る山だと思います。コースタイムはあまりあてにしないことです。登り、特に急登が苦手な人は登りで5〜6時間は見ておいた方がいいでしょう。もっとかかるかもしれません。早朝出発したにも関わらず、途中で諦めて撤退している人も見かけました。逆に急登好きなら短時間で登頂してしまうかもしれません。グレートトラバースではスネの筋肉を痛めて体調の悪い状態であるにも関わらず、田中陽希さんは2時間で登頂してました。信じられないスピードです。
②日程について
新冠ポロシリ山荘を予約する時、管理人の方に2泊三日にするように勧められました。体力に相当の自信があるのでなければ2泊三日が無難と思います。
もし一泊2日で登るなら、私のように初日に林道歩きをしてそのまま山頂を目指すのではなく、2日目に登山とした方がいいでしょう。林道歩き後の疲れを残した状態で山頂を目指すのは結構辛いですよ。
③アブ
2日間ともアブは1匹もいませんでした。イドンナップ山荘到着直後から大量のアブにたかられると聞いていたので虫除けネットや防虫剤、アームカバーと対策バッチリだったのですが本当に1匹もいませんでした。イドンナップ山荘周辺の気温は10度台前半で曇りだったので天候のせいでしょう。涼しかったので発汗量も少なく日焼けもしない上にアブもなし。いい事ずくめでした。この山に登るなら涼しい時期を狙った方がいいかもしれません。8月下旬以降か9月以降ならアブなし登山確定かもしれません。
④ヒグマ
帰りの林道歩きで前日にはなかった場所に巨大なフンがしてありました。2箇所気づきましたが、確実にヒグマはいます。クマ鈴、クマ避けスプレーといった対策は必要と思います。暗い時間帯の林道歩きは危険すぎます。(追記:林道で実際にヒグマに出くわした「ashitaka555」さんの記録を参照してください。恐ろし過ぎます。)
⑤ポロシリコードについて
この山はストック使用禁止です。にも関わらず山荘からストックを使いながら平気な顔で出発して行く方を何人か見かけました。ストックに先ゴム付けて、注意して使用すれば植生への影響は最小限に抑えられるかもしれません。直登急登続きで足への負担MAXな山なのでストックを使いたくなる気持ちもよくわかります。でもルールはルールです。登山者として恥ずかしい行動は慎みましょう。
⑥全体通しての感想
車での林道走り、徒歩での林道歩きを含めて評価すると100名山最難関と言われるのがよく分かりました。新冠ポロシリ山荘から山頂迄の往復区間だけとっても想像以上にハードなコースです。多くの方が幌尻岳が一番きつかったと言う意味も理解出来ました。難易度はともかく達成感という意味では過去最高の山でした。
ハードなコースですが、私は朝4:30にイドンナップ山荘を出発して林道歩き後にそのまま登頂。新冠ポロシリ山荘には14時過ぎに戻れましたので、若くて体力のあるトレイルランナーさんとかであれば日帰りも可能かもしれません。無理は禁物ですし、日帰りするならチロロ林道コースもありますけどね。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
アブがいない?今年のお盆は急に気温が下がりましたが快適な登山で良かったですね。7月は大変でした
それにしても早い。私が登った時のメンバーと同年とお見受けしましたが、そのまま日帰りも可能だったのでは
投稿ありがとうございます。
プロフィール拝見致しましたが、ご指摘の通り同年代の61歳です。
退職&再就職といったご経歴、私も同じです。
下山後すぐに荷物をまとめて林道歩けば日没前にイドンナップ山荘に到着したと思います。
歩く体力は残ってましたが、下山後に幌尻沢の清流を眺めながら飲むことを楽しみにビール(ロング缶2本)、おつまみ類をいろいろ持ち込んでいましたので、その誘惑を断ち切って下山するのは絶対不可能でした(笑)。清流で冷やしたビールの味は格別でした。
遠路やってきましたので、幌尻岳の近くにもう少し留まりたいとの思いもありました。
アブですが、耳元でブーンという羽音を聞くことは一度もなく見事に一匹もいませんでした。
ちょっとした気温の変化でこれほどの違いが出るのですね。
100名山踏破2周目に入ってらっしゃるとか。
残り数座ですが、私はまだ1週目の途上です。
体力維持と健康に配慮しながら、お互いにこれからの山人生を楽しみましょう。
3cats
突然のメールで失礼いたします。
来年か再来年に同じコースで登ろうと考えているものですが以下質問をさせてください。
■インドナップ山荘までの道路状況に関して
先週、私は雌阿寒岳湖畔コースから登ろうとしたところパンクをしてしまいました。
(1)今まで何度もレンタカーで林道を走ったことがあるのですが今回が初めてで(皇海山の時ですらパンクしませんでした)差し支えなければレンタカー会社と車種名を教えていただけませんか。
(2)インドナップ山荘付近は写真で見る限り砂利道っぽいですが山荘までの途中は大きな穴はあるにせよ
中小の医師が転がっている状況ですか。それとも砂利道ですか。
よろしくお願いいたします。
ご質問いただいた件、お答えいたします。
質問(1):レンタカー会社と車種
じゃらん経由で、Jネットレンタカー 新千歳空港店にて、スバルのXVを借りました。
3泊4日で3万円ほどでした。
質問(2):林道の状態
雌阿寒岳の林道は走ったことありませんが、皇海山は栗原川根利林道(皇海山登山口に南西からアクセスする20km弱のルート)を往復とも日中に走ったことがあります。山側の石崖から剥落した鋭利な石が散在している箇所が所々あり、そこを通過するのにかなり気を使いました。新冠林道は一発でタイヤを引き裂かれるような、鋭利な石は多くなかったと思います。但し、あちこちに泥水が溜まった深さの判らない大きな穴があり、路面状況を見極めにくい、往路の深夜の走行では穴を避けるハンドル操作に大変気を使いました。復路は日中走りましたが深夜の走行に比べると随分走りやすく、日中の運転で比較すると皇海山の林道よりも走りやすかったと記憶してます。往路は平均時速15km程度、復路は平均時速20kmちょっとで走ったはずです。
新冠林道は夜中の走行はおすすめしませんが、日中に走ればそれほど恐れる必要はないかと思います。SUVの方が安心ですが、日中の走行なら速度抑え目で走れば一般車両でも問題ないと思います。穴にはまると底を擦るような箇所が多いので注意が必要ですが。
林道含めてトータルでの難易度は高いですが、その分登頂後の達成感はなんとも言えない山です。
Ginmaru1さんの無事の登頂をお祈りしてます。頑張ってください。
お忙しいところ、大変貴重な情報ありがとうございました。
自分の場合、登山経験がまだ浅くこれまで日帰り登山がほとんどで先月初めて飯豊山で初のテント泊をしてドはまってからもう少ししっかりと情報を集めなければならないことを痛感いたしました。車の件に限らず3cats様の詳しい情報は自分のような経験の浅いものにとっては本当に助かります。今後とも他の山に関して度々参考にさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する