本社ヶ丸-三ツ峠山−新倉山浅間公園
zaoluck
体力度について
- GPS
- 09:52
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 1,774m
- 下り
- 1,621m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 7:32
- 休憩
- 2:20
- 合計
- 9:52
| 天候 | 雨のち曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
復路：富士急線葭池温泉前駅 （下山口は下吉田駅が最寄り） |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・笹子駅裏からの取り付きは50mほど入って建物の先を右折，急登するのが正規ルート。いきなりハードな上り坂となる。清八山までは整備はそれなり。 ・清八山の先の大幡八丁峠は、道標が見えたら左の薄い踏み跡へ入る。道なりだと林道伝いの下山路に至る。 ・三つ峠の四季楽園から三つ峠山荘方面は木のない広場のようなところを登る ・下吉田方面は「新倉山」という道標に従う。それまでの尾根道から一転しばらくはロープ場連続の急な下りになる。 ・新倉山浅間公園の五重塔（忠霊塔）手前は工事で東側の遊歩道を迂回させられる(〜22年3月18日完工予定）。 |
| その他周辺情報 | 立ち寄り湯をお願いした葭之池温泉は良い感じでした。入浴料600円で大広間で休憩もさせてもらえます。缶ビールで350円。 |
写真
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装備
| 個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25000地形図
ガイド地図
コンパス
筆記具
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
ストック
水筒
時計
非常食
緊急保温シート
着替え
ツェルト
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
GPS
|
|---|
感想
ワクチン完了者も外出を控えてとは言われるものの、ブレークスルー感染率は0．1％にも満たない訳だし、せっかくの遅い夏休みに山くらい登りたい。そこで、山小屋に泊まらない単独行として、久々に三つ峠から富士山を見ようと計画した。
ビジネスホテルに夕食を買い込んで前泊し、始発電車で笹子駅へ。晴天だった当地の予報は前夜になって雨のち曇りに急変し、どんよりした空に迎えられた。がっくりしながらトイレに寄り、とにかく駅を出て右へ。スイッチバックの跡を利用したJR訓練施設を回り込んで10分も歩くと、登山口の小さい道標があった。11年前に通った時は真新しかったが今は文字が消えかけている。
ポンプ施設のような小屋で右へ曲がる。道は普通にまっすぐ伸びているので間違えやすく、現に11年前に引っかかった。曲がった先はいきなり尾根を目指す急登となる。これは記憶から消し飛んでいた。暗く蒸し暑い北斜面の植林帯に足を進める。突然、「キャーン」とでもいうような鋭い音がした。見ると、鹿が啼いていた。威嚇か仲間への警告か、何度か鋭く啼きつつ姿を消した。
そのまま急勾配で300mほど標高を稼ぐと汗がとめどなく噴き出す。ようやく風を感じたと思ったらサーッと木々の葉が鳴って雨が降り出した。降っては止みを繰り返して林道交差に到着。その先は自然林になって若干明るくなったものの、だんだん雨が優勢になってきた。今は木の葉が受け止めているが、そのうち葉から大粒のしずくが降りしきる恐れもある。
夏の登りでレインウエアはご免なので精いっぱいの速さで角研山まで登り切った。汗を拭き、とりあえずレインズボンとスパッツを装着。初めてオンにしたヤマレコアプリが10分ごとに時刻と標高を知らせてくるので、予定より30分ほど早く着いたことが分かった。
念のため傘もすぐ取り出せるようにして本社ヶ丸を目指す。広々した送電鉄塔の新道分岐を過ぎ、行く手に関して若干逡巡した際にヤマレコを開いてみた。GPSで現在地と予定コースが示されるので簡単に確認できた。機内モードでもきちんと作動している。なるほど便利なものだ。
本社ヶ丸に着くとかなり空が明るくなり、岩も濡れていないのでレインズボンを脱いだ。一休みしていると、今日初めての登山者が現れた。横浜から来た同世代の男性だったが、同時に出発するとどんどん先行して姿が見えなくなった。久々に来たと言っていたが、かなりの健脚らしい。
こちらは登りで飛ばして既に疲れの来ている脚に鞭打ちながら、岩の多い尾根をそろそろ進む。清八山らしいピークに来て見渡したが、何の表記もなく、通過してから気になって再びヤマレコを開いたところ、やはり今のが清八山だった。役立つツールには違いない。
整備された階段状の道を下り、大幡八丁峠の道標を見て小広い林道のような所に出て、ハタと立ち止まった。これは車道に下りる道ではないか。方角もおかしい。南の丸い尾根に踏み跡があるような無いような…。で、三たびヤマレコ登場。南の踏み跡が正しいと確認できた。普段地図プリの地形図で判断するのだが、こちらの方が間違いはない。慣れないコースにはあると安心な機能だと納得した。
予定より早く進んでいるが、そろそろ腹も減ってきた。稜線に出てからは東寄りの微風が蒸し暑さを紛らせてくれるが、わずかでも西斜面に入ると無風地獄に陥る。そんな道が稜線に戻って風が吹き抜けた茶臼山付近で弁当とした。今日はコッヘル抜きなので温かいものはなし。風に当たってお握りを食べていると、さすがに少し寒くなった。
服を整えて再出発するとすぐに小ピークがあり、わずか右へ迂回する道へ入ると、そこに「茶臼山」の手製標識があった。地形図の1513m水準点より一つ南のピークだろう。
そこを過ぎると、軽く下っていよいよ三つ峠への300mの登りが始まる。いったん西へ回り込む道なので、無風でまた汗を搾り取られた。脚ももう思うように進まない。最後は息継ぎ休憩を入れながら、やっとの思いでガスに煙る御巣鷹山に辿り着いた。無線施設の石段に腰かけて大休止。三つ峠側から着いた夫婦連れに「山頂ってどこですか？」と尋ねられたが、この無線施設が建つ所がそうだとしか答えられない。
出発するとガスが薄れ、木々の開けた北口登山道分岐でこの日初めての日差しを浴びた。葉が腐りかけたマルバダケブキの群生がある。再び森に入って車の通れる道で電波中継施設の脇を通り、NTTの中継施設を裏へ回り込んだ所が三つ峠山頂だった。10人ほどの登山者が休憩中で、にぎやかな外国人ランナー数人が駆け上がってきて加わった。
1700mを超す標高で雲頂が近いせいか、先ほどから常に薄日が差しているが、下界は見事に白いガスで何も見えない。富士山は見られそうにないが、雨が止んだだけでもマシだということにしよう。
軽く下って四季楽園の自販機でポカリスエットを購入。11年前はビール以外売り切れで、仕方なく？缶ビールを買ったことを思い出す。その時は屏風岩前から三つ峠駅方面に下りたが、今日はさらに南へ向かう。そのつもりで四季楽園伝いの道を進みかけて「おや？」と気になり、今や勝手知ったるヤマレコを確認。北側の山腹を巻く道へ入りかけていたので引き返し、ジープの止めてある開けた丘を登った。
ここも「山頂」の広場で、山名を記した丸い方位盤があった。三つ峠山荘前を経て整備された高原の道を行く。母の白滝分岐を過ぎた草原でハクサンフウロが咲いていた。東北や北アルプスの山でよく見た花だ。
歩きやすい緩い坂をどんどん下り、三つ峠山荘から1時間足らずで開けた送電鉄塔下に出た。ガスが消え、下界の河口湖畔が見下ろせた。鉄塔下からは南の富士吉田市東部も見えている。ゆっくり休んで最後の下りに備えたが、ふとスマホの電池残量を見て驚いた。朝95％以上あったのが30％に落ちている。ヤマレコアプリの影響に違いない。3年近く使う旧式機で電池容量が落ちているものの、8時間連続でアプリを起動していると、ほとんど機内モードでもかなり電池を消耗することが分かった。この点は注意が必要だ。
この先しばらくは平らな尾根を行き、危うく行き過ぎかけた「新倉山」分岐を左へ。指導標に下吉田方面といった表示があると思い込んでいた。一転してロープの張られた急斜面の道となる。脱いだ手袋を再装着し、ロープに滑らせながら150mほど一気に下った。標高1100m余で右への分岐の指導標。もう新倉山を通過したか？と思いかけたがそんなはずはなく、厳しい登り返しが待っていた。
ひと汗かいて下吉田方面が見下ろせるピークに着いたが、行く手にはもう一段の高みがある。そちらが新倉山だった。地元グループによる整備がされていて、指導標の山名は「御殿」とある。ヤマレコでは御殿→新倉山の順に書いてあるが、ひと続きの尾根で御殿＝新倉山と解釈した方がよさそうだ。
さあ、あと少しと思って下り始めたが、今ごろ雲が減って午後の日が当たり始め、南斜面の道は暑いことこの上ない。地元グループによる「白玉コース」分岐前で汗を拭っていると、高校生風の少年5，6人が手ぶらで登ってきた。この先に景色のいい所はありますかと聞かれたので、「相当上まで行かないとないよ」と答えると、「暑いし、もう戻ろう」と衆議一決して下りて行った。
後を追うように下ると、東屋が見えて新倉山浅間公園の上部に着いた。東屋にいた夫婦と軽く言葉を交わし、遊歩道に入ったのはいいが、五重塔のある下山口へ行く道が工事で閉ざされている。今度はヤマレコも役に立たないので、そこにいた観光客に道を教えてもらった。
工事案内板で、その五重塔が「富士と桜」の写真で有名になったスポットだと再認識。もう下界は近いつもりでいたら、なんとほぼ一直線の400段近い階段が待っていた。やっと降りきって大鳥居のそばで汗を拭う。
電車は下吉田駅を出たばかりだし、葭之池温泉に電話して一駅歩いて向かうことにした。暑さを覚悟したが、意外や東からの涼風が吹き抜けて整理運動のような快適な散歩が楽しめた。
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