記録ID: 3483881
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アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍
穂高連峰・明神岳東稜（8月/無雪期）
2021年08月28日(土) 〜
2021年08月29日(日)
Miya-hide
その他2人
体力度
4
1泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 21:35
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 1,753m
- 下り
- 1,763m
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標高グラフを拡大| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
・1泊2日とし、1日目は早朝に上高地を出発、ラクダのコルで1泊。2日目は明神岳1峰に抜けたら明神岳各峰を南へ縦走し、南西尾根の踏み跡を下って岳沢登山道に出て上高地へ。という計画とした。 ・ロープは軽量化のため50m×1本とし、セカンドはアッセンダーを使用。 ・水はオール担ぎ上げとし、3人計13リットルを持参した。 ［1日目］ ○明神〜ひょうたん池（11:37着） おおむね迷う箇所はないが、ガレ場は踏み跡が薄いため、上宮川谷より上部は視界不良時に苦労するかも。小石を積んだ小さなケルンや、古い赤ペンキマークはある。 ○第1階段 傾斜が緩くて安全そうな岩はそのまま登っていく。 ●1P目 岩壁の左側に草付き状の窪みがあり、そこを登る。�慶�度。上部は草付で終了点が作りづらい。 踏み跡をたどって登っていくと、ダケカンバの根っことともに斜面が崩壊していて、踏み跡が消滅していた。ここは崩壊して間もない感じだった。 ●2P目 まだ誰も登っていない感じの側壁の高さ3mほどの岩を登るしかなかった（�検�）。この岩よりも、その上に続く草付きの直登のほうが怖かった。終了点も作りづらく、灌木で無理やり確保した。その上部、正規ルートへ復帰するまでの草付もなかなか手ごわかった。 ここを抜けるとあとは踏み跡をたどって登るだけだが、ハイマツのヤブ漕ぎがけっこう大変で体力を消耗した。 16:35、ラクダのコル（2785m）着。幕営適地が2カ所、計2張設営可。 ［2日目］ 6:15、幕営地のラクダのコルを出発。歩き50mで東稜上部岩壁の取り付き。高さ5mほどの岩場が登場。 ●1P目 難しくないように見えるが、朝イチで体が温まっていないし、落ちたら谷へ転落するのでロープを出す。5mの岩（�掘砲鯏个蠅�ると傾斜が緩み、ハイマツの太い根っこでビレイ。この支点をそのまま2P目の支点とした。 ●2P目（バットレス？） 確保支点に使ったハイマツには古い残置ロープが下がっている。おそらくはバットレスの岩場を左のルンゼから巻くための補助ロープだろう。我々はバットレスの直登を選択。下部はやさしいが、抜け口がいやらしい。この抜け口部分には残置カムが2つあり、精神的にもだいぶ助かる。私はフォローで最後に登ったが、この抜け口の中央の窪み部分に縦向きに挟まっている高さ25�僉澹�さ4�僂�らいの板状の石をさわるとグラグラで、思い切り掴むのは無理（前に登った2人はこの岩を押さえるように握り、ステミングで立ち上がったそうだ）。私も押さえ込むように持って足を上げようと思うが、その板状の石にいまひとつ信用が置けず、さらにその板状の石を支えるように下に挟まっている小石を軽く引いてみたら、なんと板状の石がグラッと動いて外れた。元に戻すこともできず、下方に落とした。これでホールドにするものがなくなり、ロープを掴んで無理やり両足をステミングして立ち上がった。結果的に、板状の石をホールドにできれば��+くらい、なしだと�垢�らいか？ ※なお、私たちより18日前に登った人の記録では、この抜け口の岩が一部崩壊したとのこと。http://www.alpkk.com/html/2021/2021_08_1012myojin/2021_08_11_R2.htm 2P目を登りきると平坦地に出て、短い距離だが歩きになる。 ●3P目（スラブ） 東稜のなかで唯一の、硬くて快適なピッチ。岩の雰囲気は丹沢の広沢寺の岩場に似ている。下半部は緩傾斜のスラブだが、ホールドもしっかりある。中間部からは少し右に回り込んでクラック＋スラブの登り。全体には��+〜��-くらい。 残すは1峰直下の岩壁だけで、記録によれば岩壁の下を左に巻いて登ればロープなしで稜線に達するようだ。しかし私たちは直登を選択。 ●4P目 トップはロープなしで登ったが、岩が非常に脆かったため、セカンド以降は上からロープを投げてもらい、ロープを付けて登った（�掘法�しかしこのロープを投げ下ろす操作にかなり時間を要してしまった。理由は、�…松紊任呂覆い海函覆笋箟�上）、��溝状でロープは挟まりやすいこと、5回目くらいでようやくロープをキャッチできた。また確保支点も作りづらく、カム2つで作った。岩溝には浮石が多く、ロープの流れで石が落ちるため要注意だ。 ●5P目 白っぽいツルッとした岩が見えると1峰の真下。やや左上ぎみに弱点を突くと、硬い岩の快適なクライミングで1峰ピークへ抜けた（�検法� 以上、私たちは5ピッチのクライミングとなったが、パーティの実力しだいではロープを出すのは2P目と3P目だけですむと思う。 明神岳1峰からは、2峰〜5峰と南下し、南西尾根を下って岳沢登山道の7番標識地点に到達。登山道を歩いて河童橋へ。 なお、1峰から2峰への下りの一部にザレがひどい箇所があり、滑落の危険を感じ、3mくらいの下降に5分くらい要した。周囲は板状の小岩があるだけで確保も難しい。また2峰の登りは2ピッチのクライミング（1P目＝25m、2P目＝20m）で、いずれも�掘棔銑検爾�らいに感じた。 ★レポート動画です（マウンテンスポーツ同志会） https://youtu.be/yCB8KRdSB7I ★マウンテンスポーツ同志会ウェブサイト https://sites.google.com/view/msdoushikai/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E6%B4%BB%E5%8B%95%E8%A8%98%E9%8C%B2 |
写真
6:47、河童橋。正面の前穂高岳の手前に重なるように、明神岳の各峰が見えている
8:00、明神館から明神橋を渡る。正面に見えるピークはは明神岳5峰。右側のスカイラインの鞍部がひょうたん池
11:20、ひょうたん池着。池の底の土は茶色いが、水は意外にも透明（我々は利用せず）
地盤が崩れて登路が消失していた箇所。ここは写真に写っていない（写真より左側）山側の3mほどの岩を登り（�検�）、その上は踏まれていない草付を慎重に登って、稜線の踏み跡に復帰した
8/29 0:18
地盤が崩れて登路が消失していた箇所。ここは写真に写っていない（写真より左側）山側の3mほどの岩を登り（�検�）、その上は踏まれていない草付を慎重に登って、稜線の踏み跡に復帰した
ラクダのコルの幕営地。ここと、一段上にもう1カ所ある。※テント本体は4人用だが、間違えて2人用テントのポールを持ってきたため天井がかなり低かったw
8/28 16:47
ラクダのコルの幕営地。ここと、一段上にもう1カ所ある。
※テント本体は4人用だが、間違えて2人用テントのポールを持ってきたため天井がかなり低かったw
※テント本体は4人用だが、間違えて2人用テントのポールを持ってきたため天井がかなり低かったw
上部岩壁全景の解説です。赤マル数字は我々がロープを出したピッチ数と、だいたいの位置（赤破線の囲み）を示します
6:25、1ピッチ目はロープなしでも行けるが、落ちると谷の下まで行ってしまいそう
6:48、2ピッチ目。下部は難しくないが、この上部は徐々に傾斜が立ってくる。なお、このピッチは左から巻けるとの情報もあり、実際、古い補助ロープもたれていたが、その情報に確証が持てなかったため我々は岩の直上を選んだ
2
8/29 6:48
6:48、2ピッチ目。下部は難しくないが、この上部は徐々に傾斜が立ってくる。
なお、このピッチは左から巻けるとの情報もあり、実際、古い補助ロープもたれていたが、その情報に確証が持てなかったため我々は岩の直上を選んだ
なお、このピッチは左から巻けるとの情報もあり、実際、古い補助ロープもたれていたが、その情報に確証が持てなかったため我々は岩の直上を選んだ
2ピッチ目の全景。最上部の抜け口手前が核心。ここに残置カムが2つあるが、その上にもカムをセットできる。
1峰直下の岩場。このあたりから左に回り込むとロープなしで稜線に上がれるのかもしれないだが、我々は直上を選択。先頭は溝状を登ったが脆く、けっきょくロープを投げ下ろすことになった（4ピッチ目。�掘�
8/29 18:26
1峰直下の岩場。このあたりから左に回り込むとロープなしで稜線に上がれるのかもしれないだが、我々は直上を選択。先頭は溝状を登ったが脆く、けっきょくロープを投げ下ろすことになった（4ピッチ目。�掘�
5ピッチ目。1峰直下の白い岩を避けるように左上。ここは快適なクライミングだった（�検法�1峰ピークにきれいに抜けた
1峰〜2峰間の鞍部へ下るが、一部、ザレがあまりにひどい箇所があり、滑落の危険を感じた。距離はほんの3m程度なのだが、確保もしづらく、慎重に下るしかない
8/29 20:40
1峰〜2峰間の鞍部へ下るが、一部、ザレがあまりにひどい箇所があり、滑落の危険を感じた。距離はほんの3m程度なのだが、確保もしづらく、慎重に下るしかない
2峰の登りは、はじめ左上ぎみに取り付き、ロープスケール25mでピッチを切って、そこから直上→右上すると、逆コースの懸垂用捨て縄がたくさん掛けてある小ピークに到着（写真に見える双耳峰の左側）
8/29 20:49
2峰の登りは、はじめ左上ぎみに取り付き、ロープスケール25mでピッチを切って、そこから直上→右上すると、逆コースの懸垂用捨て縄がたくさん掛けてある小ピークに到着（写真に見える双耳峰の左側）
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3年前に滑落し救助された際にラクダのコルにザック残置した者です
動画にてザック状況に触れて頂き有難うございました
第一階段前後も草付きも藪漕ぎ帯も伸びて荒れて崩壊部も有り以前より厳しくなっているようですね
それにしても、貴重な体験の共有をありがとうございます。
上高地周辺は2020年にも群発地震が起きていますし、明神岳の岩も崩壊が続いているようですね。
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