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Yamareco

記録ID: 349241
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
十勝連峰

21回目の十勝岳を新得コースから

2013年09月28日(土) [日帰り]
 - 拍手
suzu07702 その他2人
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
07:39
距離
17.2km
登り
1,201m
下り
1,190m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

新得コース登山口(7:35)→第一渡渉点(8:40)→第二渡渉点(8:50)→H1510m森林限界(10:00)→十勝岳(11:25←昼食等→12:35)→H1510m森林限界(13:30)→第二渡渉点(14:15)→第一渡渉点(14:20)→新得コース登山口(15:10)
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2013年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新得コース登山口北側のトノカリ林道待避所に駐車

北海道道718号忠別清水線をトムラウシ温泉方面に進み、曙橋を渡ったすぐを左折してシートカチ林道に入ります。「秘奥の滝」の看板通りに進むと、通行止標識に突き当たるので、右折してレイサクベツ林道へ、その後、交差点に出たら左折してトノカリ林道に入り、右手を注意して見ていると登山口の標識があります。トノカリ林道では一部落石があり緊張感が走りますが、普通乗用車でも落石を避けつつ通過可能です。登山口から十勝清水ICまでのルートはGPSでも記録してきましたので、カシミールなどで確認して下さい。

http://www.saboten.sakura.ne.jp/~suzu/taisetsu/20130928_shimizu-tokachtrail.gpx
コース状況/
危険箇所等
<コース状態>
登山口から第一渡渉点までは刈り払われた快適な登山道で森林密度も薄く、時折、木々の間から美瑛岳、オプタテシケ山、トムラウシ山などが顔を出して気持ちの良い道です。第一渡渉点は水量が多く流れも速くて、少し躊躇しますが、岩伝いに慎重に渡れば問題なく渡れました(山頂近くの融雪により、下山時のほうが水量が増していました)。第二渡渉点は水量も少なく穏やかで特に問題なしです。景色も良いので休憩ポイントとしては最適です。

第二渡渉点からは右側に折れて進みますが、この道が少しわかり辛くて迷いました。ここからはハイマツのブッシュを進みます。一部、笹被りが激しい区間がありますが、数十mほどで突破できるので我慢です。標高1510mまで上がると開けた場所に出ます。ここからは十勝岳らしい砂礫地が拡がっていて眺望も美しいですが、ルートらしいルートはなくなります。明瞭な踏み跡もなくペンキやピンクテープを頼りに進みます。足下も踏み固められておらずフワフワした感じで頼りないです。

十勝岳と平ヶ岳の稜線直下までくると一旦ペンキやピンクテープが途切れ、雪渓が出てきます。一見、雪がないような所でも、下地が凍っていたりして滑る箇所があるので注意です。十勝岳のニセピークを頼りに暫く進むとまたペンキが出てきますが、凸凹した地形が続いているため、ここからは無理してペンキを辿らずに、安全そうなルートを選んで稜線に上がったほうが懸命です。ちなみに稜線直下の雪渓では水が豊富に取れます。稜線に出れば山頂は目の前です。
道道忠別清水線、曙橋を渡ったあたり。ここを左折する。
by  XF1, FUJIFILM
道道忠別清水線、曙橋を渡ったあたり。ここを左折する。
曙橋から凸凹して走りにくいシートカチ林道をひたすら真っ直ぐ。通行止め地点で「秘奥の滝」標識に従い右折してレイサクベツ林道に入る。
by  XF1, FUJIFILM
曙橋から凸凹して走りにくいシートカチ林道をひたすら真っ直ぐ。通行止め地点で「秘奥の滝」標識に従い右折してレイサクベツ林道に入る。
交差点に出たら左折してトノカリ林道に入る。しばらく進むと落石ポイント。注意して走行。
by  XF1, FUJIFILM
交差点に出たら左折してトノカリ林道に入る。しばらく進むと落石ポイント。注意して走行。
落石ポイントを通過して少し進むと右手に登山口。登山口手前20mほどのところの待避所に車を置く。
落石ポイントを通過して少し進むと右手に登山口。登山口手前20mほどのところの待避所に車を置く。
十勝岳新得コースの登山口。入林届はトムラウシ温泉コースと共通。
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十勝岳新得コースの登山口。入林届はトムラウシ温泉コースと共通。
笹刈りされた綺麗な道を紅葉を見ながら進む。
笹刈りされた綺麗な道を紅葉を見ながら進む。
ダケカンバの黄色、ナナカマドの赤、そして中央に青空と月。
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ダケカンバの黄色、ナナカマドの赤、そして中央に青空と月。
密度の薄い森林で、時折、美瑛岳までの稜線が顔を出す。
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密度の薄い森林で、時折、美瑛岳までの稜線が顔を出す。
登り始めからトムラウシ山もバッチリ見えます。
登り始めからトムラウシ山もバッチリ見えます。
そのトムラウシ山を望遠で...ここから見るとギザギザに見える。ダブルピークに見えるのはもしかして十勝岳の山頂からだけなのか?
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そのトムラウシ山を望遠で...ここから見るとギザギザに見える。ダブルピークに見えるのはもしかして十勝岳の山頂からだけなのか?
ゴーっという音と共に沢に出る。水量多く流れも急。徒渉点の状態が心配。沢筋は水流で削れて道が少し狭くなっている箇所あり。
ゴーっという音と共に沢に出る。水量多く流れも急。徒渉点の状態が心配。沢筋は水流で削れて道が少し狭くなっている箇所あり。
結構流れの早い第一渡渉点。少し躊躇したが、渡渉点に沿って岩が並んでいて、一歩一歩、慎重に進めば問題なかい。
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結構流れの早い第一渡渉点。少し躊躇したが、渡渉点に沿って岩が並んでいて、一歩一歩、慎重に進めば問題なかい。
第一渡渉点を過ぎると一変して笹被り。
第一渡渉点を過ぎると一変して笹被り。
第二渡渉点。こちらは穏やか。難なく渡れる。
第二渡渉点。こちらは穏やか。難なく渡れる。
パックリと口の空いた雪渓。ルートは雪渓に沿って右側に付いている。
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パックリと口の空いた雪渓。ルートは雪渓に沿って右側に付いている。
第二渡渉点を振り返るとポコポコした紅葉が可愛い。
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第二渡渉点を振り返るとポコポコした紅葉が可愛い。
エゾノツガザクラがまだ咲いている。
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エゾノツガザクラがまだ咲いている。
雪渓横で思い思いの被写体に向けてカメラを構える三人(これを撮っている私も復命)。
雪渓横で思い思いの被写体に向けてカメラを構える三人(これを撮っている私も復命)。
奥の岩に描かれた↑を×だと勘違いして、少し迷った地点。
奥の岩に描かれた↑を×だと勘違いして、少し迷った地点。
エゾオヤマリンドウも活き活き咲いている。
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エゾオヤマリンドウも活き活き咲いている。
標高1510mでハイマツ帯が終了。ここから上はハイマツも含めて木々はポツポツ程度。
標高1510mでハイマツ帯が終了。ここから上はハイマツも含めて木々はポツポツ程度。
雪渓を渡るtarumae-yamaさん...実は10mほどしかない(^^;。
雪渓を渡るtarumae-yamaさん...実は10mほどしかない(^^;。
裾野の黄葉が綺麗な下ホロカメットク山。
裾野の黄葉が綺麗な下ホロカメットク山。
ミヤマアキノキリンソウもまだ元気。雪渓のおかげが晩秋の山にしては花が多い。
ミヤマアキノキリンソウもまだ元気。雪渓のおかげが晩秋の山にしては花が多い。
もちろん紅葉もきれい。
新得コースの森林限界はどうやら標高1500mあたりのようで、これより上は十勝岳らしい荒涼とした大地になってくる。
新得コースの森林限界はどうやら標高1500mあたりのようで、これより上は十勝岳らしい荒涼とした大地になってくる。
足下には白骨のように変化したハイマツの死骸が大量に転がっている。かつてはここもハイマツ林だったのだろうか。
足下には白骨のように変化したハイマツの死骸が大量に転がっている。かつてはここもハイマツ林だったのだろうか。
新得コース最後の紅葉ポイント。小さな紅葉のモコモコが可愛い。何だかミニチュアモードで撮影したみたいだが普通に撮影したもの。
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新得コース最後の紅葉ポイント。小さな紅葉のモコモコが可愛い。何だかミニチュアモードで撮影したみたいだが普通に撮影したもの。
筋状の大地の向こうにトムラウシ山。この位置から見るとダブルピークに見える。
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筋状の大地の向こうにトムラウシ山。この位置から見るとダブルピークに見える。
明瞭な踏み跡はないが、ペンキやピンクテープでルートは鮮明。
明瞭な踏み跡はないが、ペンキやピンクテープでルートは鮮明。
十勝岳連峰の支稜線を真横から。
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十勝岳連峰の支稜線を真横から。
正面に見えるのは十勝岳山頂直下にあるニセピーク。
正面に見えるのは十勝岳山頂直下にあるニセピーク。
十勝岳連峰の主稜線上から立上るように見える高層雲。
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十勝岳連峰の主稜線上から立上るように見える高層雲。
稜線直下の標高1900m付近はまだ雪渓が残っていて、所々で融雪水が流れている。晩秋の十勝岳で水が取れるってすごいことなんじゃないかと思う。
稜線直下の標高1900m付近はまだ雪渓が残っていて、所々で融雪水が流れている。晩秋の十勝岳で水が取れるってすごいことなんじゃないかと思う。
そしていよいよ十勝岳連峰の主稜線が間近に迫ってくる。
そしていよいよ十勝岳連峰の主稜線が間近に迫ってくる。
主稜線から、十勝岳のお隣、平ヶ岳の全貌。
主稜線から、十勝岳のお隣、平ヶ岳の全貌。
多くの人で賑わう十勝岳山頂。昼だというのに上空にはまだ月が出ている。
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多くの人で賑わう十勝岳山頂。昼だというのに上空にはまだ月が出ている。
無風。62-2と大正火口の噴煙が垂直に登っている。
無風。62-2と大正火口の噴煙が垂直に登っている。
H原さんと互いの姿を写真に...
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H原さんと互いの姿を写真に...
富良野の街を望遠で。
最高の景色を堪能する二人。
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最高の景色を堪能する二人。
十勝岳をラストに「日本百名山完登」の新潟から来られたSさん。札幌の山岳ガイドYさんや愛知から来られた女性も一緒に、我々のパーティも参加してみんなでお祝いムード一色。
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十勝岳をラストに「日本百名山完登」の新潟から来られたSさん。札幌の山岳ガイドYさんや愛知から来られた女性も一緒に、我々のパーティも参加してみんなでお祝いムード一色。
新得コースの下山ルートの目印にと作ったケルン。下山時に崩す予定だったが、ルートに沿ってに私以外のケルンも確認できたので残してきた。
新得コースの下山ルートの目印にと作ったケルン。下山時に崩す予定だったが、ルートに沿ってに私以外のケルンも確認できたので残してきた。
標高1900mあたりの雪渓の凹凸部の下りは所々で凍っていて難儀したけれど、それを過ぎれば快適。登りは砂に足を取られて辛かったのがウソのよう。
標高1900mあたりの雪渓の凹凸部の下りは所々で凍っていて難儀したけれど、それを過ぎれば快適。登りは砂に足を取られて辛かったのがウソのよう。
下ホロカメットク山上空を飛行機が行く。
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下ホロカメットク山上空を飛行機が行く。
ハイマツ帯に刻まれた登山道。
ハイマツ帯に刻まれた登山道。
紅葉の十勝岳連峰支稜線。
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紅葉の十勝岳連峰支稜線。
ハイマツ帯に入る前に標高1510m点の紅葉をおさめる。
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ハイマツ帯に入る前に標高1510m点の紅葉をおさめる。
ハイマツ帯に入っても時折ナナカマドなどの紅葉が綺麗。
ハイマツ帯に入っても時折ナナカマドなどの紅葉が綺麗。
第二渡渉点で休憩。
無事下山。お疲れ様でした。
無事下山。お疲れ様でした。
本日の温泉。湯宿くったり温泉レイクイン。
by  XF1, FUJIFILM
本日の温泉。湯宿くったり温泉レイクイン。

感想

「デジカメ持って野に山に」のtarumae-yamaさんと昨年から行ってみたいと話していた十勝岳の新得コース。今回はH原さんも参加して三人パーティで十勝岳を目指しました。

十勝岳連峰の主稜線から見ていた新得コースの印象は、山頂近くまで眺望がなく、歩く人も少ないため登山道も荒廃しているのではと、かなりネガティブなイメージを持っていて、出発する前は再来することもないだろうと思っていたのですが、実際に歩いてみて印象がガラっと変りました。こんなに面白いコースなら、また行きたいと思います。途中の渡渉など緊張するシーンもありましたけど、前半の林間コースも、森林密度が薄くて明るい上に、時折、トムラウシ山、オプタテシケ山、美瑛岳などの眺望があり素晴らしいコースでした。

十勝清水ICを起点にすると、同じぐらいの距離にトムラウシ山の登山口がありますが、眺望なしの泥んこ道を延々行かねばならないにも関わらず絶大な人気を誇っているトムラウシコースに対して、バラエティに富んで眺望も魅力的な十勝岳新得コースに登る人が月に5〜6パーティしかいないのは少なすぎる気がします。このコースはもっと人気が出てもいいと思うのだけど...

http://www.saboten.sakura.ne.jp/~suzu/cgi-bin/diarypro/archives/263.html

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コメント

晴天で羨ましいです。
suzu07702さん,こんばんは。

 晴天の新得コースで羨ましいです。自分らが訪れた時(9月7日)は,ガスガスで眺望はありませんでしたので…。

 このコース,なかなか良いですよね。でも登山口の駐車スペースが少なくて,多くの人を受け入れる体制になってないのが残念です。もっと沢山の人が入ればクマの心配も減るのでしょうが,その反面,このまま静かな山歩きができるコースってのも捨てがたいのでは?
2013/10/1 20:47
umasanさん、こんばんは。
昨年から新得コースのことは色々と調べていたとはいえ、
直近の記録はumasanさんのものしかなくて、
とても参考になりました。ありがとうございます。

登る前はネガティブなイメージを持っていましたが、
実際に登って見てコースの印象が随分違うと感じました。
面白かったです。
我々が通った時はクマの痕跡も全然なくて非常にラッキーでした。

静かな山歩きは確かに魅力ですね。
ただ、今は月に5〜6組ぐらいとかなり寂しい状況なので、
もう少し人が増えてもいいんじゃないかと思いますね。
2013/10/3 20:05
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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