【東北ワンダー7】白神岳(黒崎口/蟶山から山頂往復)


- GPS
- 06:05
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,121m
- 下り
- 1,113m
コースタイム
登山口(240m) 5:30
二股分岐(325m) 6:05
最後の水場(550m) 6:35
蟶山分岐(825m) 7:05
P977(977m) 7:45
十二湖分岐(1215m) 8:15
白神岳山頂(1235m) 8:30-45 13℃
十二湖分岐(1215m) 9:00
蟶山分岐(825m) 9:55
最後の水場(550m) 10:25
二股分岐(325m) 10:55
登山口(240m) 11:15
黒崎口駐車場(180m) 11:25
Total 27,000歩
累計標高差 上り1070m 下り1070m
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
蟶山(まてやま)コースは特に危険な箇所はありません。 他のコースについての聞き書きを以下に記しておきます。 白神山荘ご主人・西口氏のコメント 二股コース: もともと白神岳の山頂に至る道は二股コースしかなかった。蟶山コースはのちに一般向けに開拓されたもの。 二股コースは渡渉箇所があり降雨で急激に水量が増えやすい。稜線に出る急坂は勾配30度もあり、すべて補助ロープが設置されているものの、苦労する。特に下りには勧められない。 十二湖コース: 長い距離のため歩く人は少ない。身の丈の笹が山道を覆っているので、雨や露で笹が濡れているときは、雨具をつけていないとぐしょぬれになる。 歩行時間がかかるので、日暮れが早い秋には勧められない。 |
写真
感想
◇はじめに
東北の山旅の第七弾は白神岳。
わたしは元来こういう地味な深い山が大好きなんです。
山域の広大さからすれば、せめて10/15からゆっくり時間をかけて歩きたいと考えましたが、大型台風が襲来するとのことで、天気予想がガタガタと崩れてしまいました。前日(10/14)八甲田山を下山したその足で、そのまま五所川原経由で十二湖まで移動し、翌日(10/15)お天気が崩れる前に登り切ることにしました。
悠久の白神山地に不似合いなカミカゼ登山になってしまったのは、内心恥じ入るところです。
◇上り・登頂・下り
黒崎口の駐車場に着いたのは早朝4時頃、見上げると満天の星空。
真っ黒な杉木立に囲まれ、自分がまるで夜の底にいるように思われます。
この様子なら、今日の午前中くらいお天気はもちそうだ。
朝食の雑炊を食べ、山支度を整え、白み始めた頃に駐車場を出発。
ほとんど登りはじめからブナ林です。ただ思ったほど太くはない印象。
リスが二匹、幹から枝へ駆け抜けて行きました。
二股コースは何やら危なげなことが書いてあるので、蟶山コースを躊躇なく選択しました。
※蟶(まて):辞書で調べると、マテ貝のマテらしい。なぜ山の名称に?
見晴らしや展望もほとんどないまま、静かな山道を淡々と登ります。
紅葉・黄葉もいずれも淡々しい色彩です。
途中、深浦の舮作崎方面の海が遠く見えました。
標高1100mを越えると森林限界で、急に展望が開けてきます。
十二湖コースへの分岐点から山頂への主稜線は天空の散歩道。
登る途中も、山頂にも、ひとの気配はありませんでした。
避難小屋に泊まって、四囲の山々、眼下の日本海など朝夕の光景を独り占めできたら、どんなに贅沢な気分になれるでしょうか。
頂上では、なお日射しもあって写真の自分撮りをしたりして遊んでいました。
残念ながら、嵐の前の雲がすでに湧き始めていて、遠くの山々の展望はあまり得られませんでした。
下山は、往路をそのまま戻りました。
途中順次登ってくるひとに会いました。2人×5組+1人×1組。
お天気が下り坂なのに、みなさんのんびりを歩いていて、こちらの方が心配になります。
◇深浦周辺
白神岳の往復はお昼には完了したので、午後は深浦周辺を徘徊しました。
十二湖は、たくさんの湖が森に囲まれてひっそり水を湛えています。今年は、十月に入ってからぬるい日々が多く、紅葉にはほど遠い状態でした。例年だと十月中旬が紅葉の見頃のようですが…
深浦の海岸は、さまざまな岩礁が美しい。
温泉施設も海沿いにいくつかあるようですが、今回そのうちのひとつ「不老ふ死温泉」の日帰り入浴を利用しました。その露天風呂には、度肝を抜かれました。
波打ち際まで数メートル、間近に日本海の荒波を見ながらの入浴です。頭上には鴎がゆらゆらと浮遊し、潮風が冷たく吹き抜けて行く。
おばちゃんも一緒の混浴なのですが、そんなことより、海に浸っているような感覚のなかで、入浴中のひとはみな、魂を抜かれたみたいな惚けた表情をしていました。ことばを失うとあんな顔つきになるものでしょうか。
その夜は黒崎登山口のすぐ入口にある白神山荘に泊まりました。
宿泊はわたしひとり、ご主人の西口さんから白神山地のこと、深浦の地理・歴史のこと、ご自身のヒストリー、などなど汲めども尽きせぬお話をうかがいました。
そんなお話を聞きながら、昼間の深浦の風光を思い浮かべ、白神山地とはただ単に山域のことではなく、山・海・ひとの生活…この領域をすべて含んだもののなかにあるということが朧気ながらわかってきました。
世界遺産と喧伝しても、なかなか世間受けしないのは無理もないのです。
なにか深い充足感をもって、その夜は眠ることができました。
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