日光白根(菅沼から五色山・前白根)


- GPS
- --:--
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 874m
- 下り
- 874m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
<月明かりに照らされて>
今晩は煌煌と月が輝いている。
真夜中の菅沼駐車場は一週間前とは様子が違った。
この一週間で何度か降雪したのだろう。
降り積もった雪が月明かりに照らされ、より一層この空間を明るくしていた。
今日は怖くないぞ。
他の車が来るまで、誰もいない駐車場で一人外で、真夜中の明るい森を眺めていた。
こういう時間が好きだ。
暫く外に居たら身体が冷えてしまった。
車に戻り温度計を見ると−6℃をさしている。
どおりで寒い。
おまけに車中泊用の寝袋を忘れたときた。
この忘れ癖、どうにかならないかな。
明け方近くなり足先の冷たさに耐えきれなくなってエンジンをかけた。
吹き出し口から暖かい風が送られると温々して気持ちよかった。
起きれないだろうなとは思いつつも二度寝する。
・・・
目が覚めると駐車場には車が増えて、殆どの人が出発していた。
まっいいか。
眠気スッキリ。
6時半、一番乗りで駐車場に着いた筈の僕は出遅れて出発した。
<無くしたKanteen Bottle>
先に出発した人たちはアイゼンを着けていないようだった。
でも僕はアイゼンを装着することにした。
今回歩くルートは夏道ではなく残雪期ルートの沢を予定していて、その上部は勾配がキツいからだ。
必要になってからより、必要になる前に着けておいた方が良い。
しっかりと踏み跡が着いた夏道から、人の入った形跡の無い沢筋にルートを取る。
この沢ルートは今年の5月に初めて歩いた。
その下山時に、尻セードをして遊んでいて3年ほど愛用していたKanteenのBottleを落としてしまった。
この沢に入る前に水を飲んでるから、この沢のどこかで落としたのは間違いなかった。
多分、尻セード中に。
半年近く経ったけどもしかしたら見つかるかもしれないと思って、その捜索も兼ねてこのルートを選んだ。
でもよくよく考えたら見つかる筈はない。
だってもう新しい雪が積もってるんだから。
一面真っ白。
いや〜気持ちいくらい白いなー。
こりゃ見つからないわ。
<幻の弥陀ヶ池>
沢に入ると誰の踏み跡も無い雪にワクワクした。
でも直ぐに頭を切り替えた。
新しい雪の下には石ころや岩がかろうじて隠れている。
一見すると滑らかな斜面に見える所でも、アイゼンの刃を通して荒々しい山の斜面を感じる。
雪の下に隠れている岩や木に、アイゼンが引っかけて転ばないように慎重に足を運ぶ。
沢筋には幾本もの倒木が進もうとする先を塞いで何度も跨がなければいけなかった。
雪崩れで倒されたのかなと想像した。
この沢の周囲は雪崩れそうな斜面が多い。
ここが雪崩の巣だと思うとゾッとする。
今の所、雪は深い場所でもスネくらいなのでまだまだ少ない。
今日は取り敢えず雪崩の心配はないと思って先へ進んだ。
沢は途中、二、三回、二股に分岐する。
正確には数は覚えてない。
五万分の一の地図で確認するもよく分からなかった。
右の沢、右の沢、尾根を越えて左の沢へと進む。
あれ何で尾根を越えたんだ。
歩きやすそうな方を選んで進んだら向こうの沢に行ってた。
まあこのまま進んでも大丈夫だろう。
このまま進むことにする。
さっきから座禅山がちょくちょく見えるようになってきた。
弥陀ヶ池まであと少しだ。
上部は急な上、行く手を遮るように木が密集している。
枝をくぐるたびに葉っぱに積もった雪が顔にかかる。
バランスが悪い所は幹を掴んで身体を支えようとするが、たまにポキッと折れる。
この辺りは細く脆い木が多かった。
ようやく木々の間隔が広がってきて勾配が緩くなってきた。
あと少しだ。
目の前が開け白根山の顔が半分見えた。
目の前には真っ白になった弥陀ヶ池。
よっしゃっ、弥陀ヶ池に着いた!
・・・
ん???
あれ、弥陀ヶ池?
んん〜??
何か違くない?
・・・・・・
記憶の中の弥陀ヶ池と目の前の弥陀ヶ池らしき場所。
ほんの数秒、頭の中では記憶と現実を一致させようと必死に働いた。
あちゃー、間違えた〜。
そうきましたか、白根さん。
いいですよ。
そういうのも嫌いじゃないですよ。
ここは弥陀ヶ池ではなく、池の東側の小さなお山の広場だった。
<ピークにこだわらない>
さてどうしよう。
今日は白根山をピストンする予定だったけど、このまま弥陀ヶ池に降りてそこから白根山を直登するのはつまらないな。
それにもう、頑張って白根山に登る気分じゃない。
こんな良いお天気なんだし、前白根まで景色を楽しみながらお散歩して奥白根を観ながらお昼ご飯なんて最高じゃないか。
よしっ、プラン変更だ。
まずは五色山を目指す。
夏道に合流すると一人か二人の足跡があった。
前白根までよろしくね。
前白根への稜線は雲一つない青い空と冷たいそよ風が吹いていた。
清々しい。
アイゼンを外したから足が軽くなった。
どこまでも歩いて行けそうだ。
五色山から前白根の間は黄金色の草紅葉が白い絨毯の隙間から最後の輝きを放っていた。
次に雪が降ると埋もれてしまう色。
五色山の五番目の色なのかなって思う。
稜線のお散歩道はピクニックに最高だ。
いつの間にか前白根に着いてしまった。
ここで楽しいランチタイムにする。
サンドイッチは無いけどお手製のおにぎりが美味しかった。
真っ白になった奥白根と五色沼、遠くには富士山も見えた。
今日はなんて気持ちいいんだろう。
日が暮れるまで観ていたいと思った。
でもここは2000m近い山の上。
ジワジワと身体が冷えてくる。
初冬の冷たい風がそろそろ帰りなよって言ってる。
白根山の東側斜面には大分陰が落ちてきた。
山の忠告には従おう。
前白根を少し降りると鞍部になっている。
そこを下りて水場を通り五色沼に降りれる。
鞍部から五色沼へは踏み跡はなくて、雪の下には大きめの岩がゴロゴロしてる。
木に掴まったり、飛び降りたり全身を使って下りたのでアスレチックみたいだった。
あっという間に五色沼に到着する。
五色沼は一面真っ白だ。
沼の上を歩きたくなったので、端っこの方で思いっきり体重を乗せてみる。
びくともしない。
大丈夫これなら渡れる。
ど真ん中を突っ切った。
五色沼のど真ん中からぐるーっと見渡す。
四方を山に囲まれてる。
巨大なスケートリンクの中の自分は小動物のように小さくなって見えた。
山ってでかいな。
いつまでもここにいると山に飲み込まれるかもしれない。
さあ帰ろう。
無事に下山して今日の山歩きを振り返ってみた。
沢ルートの上部は藪山かと思う様な場所を必死に登った。
間違えて偽弥陀ヶ池に着いた。
青空の下の稜線を歩いた。
黄金色の五色山があることを知った。
白根山の絶景を楽しみながらランチをした。
凍った五色沼を歩いた。
ルートミスして急遽プランを変更することになったけど、歩いてみればお腹いっぱいだ。
ご馳走様でした。
今日は本当に楽しかった。
白根さんありがとう。
また来年きます。
私も先月、菅沼口から登りました。
景色がもうすっかり冬になっているのですね。
mouthsunさんのお写真も全て素敵ですし、
感想の方も、思わず引き込まれてしまいました。
私は同じ山はあまり歩かないのですが、
また行ってみたいと思い、コメントさせて頂きました。
なんだか、心が澄みわたる様でした。
感想を読んでくれてコメントまでして頂いてありがとうございます。
自分も先週来たときと大分様子が違うんでビックリしましたよ。
季節の変わり目はあっと言う間ですね。
kakomidoさんはあまり同じ山に登らないみたいですが、何度も登ってお気に入りの山を作るのも楽しみの一つだと思います。
白根山だけでなく良かったなって思う山やルートがあったら、それはお気に入りを作るチャンスです。
それにkakomidoさんがどう思うかは分からないですが、何度も行くことでその山での余裕が生まれて楽しむ幅が広がるんじゃないかなって思います。
ぜひぜひもう一度歩いてみて下さい。
まだまだ文章力は足りないですし語彙も貧弱で上手く書けなくてガッカリすることが多いですが、自分の感想がきっかけでまた行こうって思ってくれたなら嬉しいです。
コメントどうもありがとうございました。
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