関八州見晴台〜不動三滝〜梅花の便り
埼玉県
eikobo
体力度について
- GPS
- 06:48
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 783m
- 下り
- 847m
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| 天候 | 曇、時々晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
分岐で曖昧なところが数か所。たくさん案内標識があり、不安感はないですが、ルートがたくさんあくようで、意外にわかりにくいと感じました。登山道は整備されていますが、大滝、不動滝、白滝への分け道は、沢沿いなので、滑落リスクはあります。「〜〜滝」なので、近づけば滝の轟音がするはずだと思っていましたが、今回の三つの滝は、水量も水幅も細く小さく、直前に目にするまでは気づけないほどでした。不動の滝は、落差が見あげるほど巨大なのに、タラーーーッと数滴がしたたっているだけ。ただし、雰囲気は最高で、今回一番感動したところです。 |
写真
西吾野駅からスタート。車を吾野駅側の駐車場に置き、吾野駅から西武秩父鉄道を利用してやってきました。十数人のハイカーがいました。
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ときどき梅花の木に目が止まります。標識では高山不動尊への矢印がたくさんどこにでもあり、私が目指す「大滝」へはどれを選べばいいか、スマホのヤマレコ地図を確認します。高山不動尊への道がたくさんあるので、しはしば迷います。
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「大滝」へのルートは行き止まりの分け道で、200メートルほど先とあります。ここから沢の下に下ります。この分け道が、なぜかヤマレコの計画地図設定に反映されませんでした。「大滝」そのものの情報が不足しているようです。
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沢に下ると道はここで終わり。「大滝はここだろう」と思いましたが、滝らしき轟音が聞こえません。「大滝」というほどなので、大量の水が流れる轟音を予測していましたが、見渡しても滝らしきが見えません。「昔はあったが、涸渇したのでポイントの情報がなかったのかな？」と思い、引き返そうとしましたが、左の岩の向うを確認だけしようと、沢の岩の上に脚を踏み入れ、左岩影の向うを覗き込みました。
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ありました。「これが大滝か！」。が、確かに高さは10メートルくらいありそうですが、滝の轟音はなく、清流の早い流れのような、シルキーな繊細で美しい水音ではありませんか。乙女の精霊が棲んでいるかのような、とても素敵な滝音です。大滝と言うよりは、「乙女滝」と私なら名づけます。あまりここには人が来ないのかもしれません。乙女の精霊を独り占めにしたジジイの私は、思いっきりの大声で、祓詞、護身法、不動真言、大祈願……と立て続けに奏上。湾曲した岩盤に響きわたり、気持ちいいことこの上ない快感。精霊は、「うるせーな、くそジジイ」と怒っていたかもしれません。ごめんね。
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「大滝」への脇道の途中に、尾根に上がれそうな登山道らしきがありましたが、案内標識がなかったので、脇道をピストンで戻りましたが、そこを登ってくれば、この梅の木がたくさん植えられたところに出て来られることが分かりました。ここは、人が手入れをしている梅林と思います。側には、電気柵で守られた植物や樹木などが栽培されていて、少し先に行くと、大きな民宿のような農家の庭先にでました。
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ここには、オープンガーデンのような施設もありましたが、営業はしていないようで、ガランとしていました。登山道は、この私有地のような庭先を突っ切っていて、何やら不法侵入している罪悪感を覚えつつ、梅花木を後にしました。ここはどういう施設なのか、案内板も何もなく、後で地図を確認しましたが、無印でした。
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不動滝への分け道に登り始めてすぐに、小さな社がありましたが、中身はありませんでした。この付近は「高畑不動」という名称になっていますが、この社が、その跡ではないでしょうか。何の情報もありません。少し離れたところには、建物があったかもしれないような基礎の石がある、広いスペースもありましたが、案内板等はありませんでした。
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「不動滝」への分け道を、800メートルほど登り、少し下ったところに、巨木に縄が巻かれた鳥居のようなものがありました。この木の間の縄は、注連縄です。残念なことに白い垂は下にすべて落ちていました。ここで挨拶をして、この注連縄の下を潜ります。
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「不動滝」（後で知った別名：ミタレの滝）です。が、なぜか？ 滝らしき水音がほとんど聞こえません。私は「きっと今は水枯れしている時期なのだろう」と勝手に考えました。
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高さ20メートル以上くらいありそうな、圧倒的な岩の割れ目を見あげます。「水が豊かな時期になれば、ここに大きな滝が流れるのだろ」と勝手に考えました。今は、細い小さな雨水の水滴のような水が、水琴窟の水音が連続するような心が洗われるピュアで透明な美しい響きを奏でていました。
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この写真、数滴のしずくが流れていることが分かるでしょうか？ 滝の裏側には人が座れるくらいの高さの空洞があり、そこは恰好の瞑想スペースだったろうと想像します。入るのは、ちょっと怖かったので、遠慮しました。ビビリなジジイの私でした。
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「大滝」で奏上した祝詞や真言をまた大声で張り上げて、精霊の顰蹙を買ったかもしれないことは棚に上げ、帰ろうとしましたが、今度は右の岩影が気になって除いてみると、何とそこに、高さ数十センチほどの小さな社が祀られていたではありませんか。ここを拝まずに帰ってしまたら、もったいないことです。それにしてもこの場の空気は、すがすがしい氣で満ちた素晴らしいエネルギースポットだと感じました。
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しばら清涼な氣を存分に味わってよく見ると、小さな社の間に、由来書がありました。汚れて分りにくいですが、書き写しました。「不動滝の由来：この滝は高山不動尊の修行場であり、昔よりこの滝にて行者さんが修行をする行場であります。古来よりこの滝を子育の滝、大滝様、水が少ないのでミタレの滝と呼ばれてきましたが、お不動様の修行場でありますので、不動滝と名づけました。この滝の高さは落口より二十米位あります。（高山不動尊常楽院）」。この由緒書きで、この滝は、元々が水量が極めて少ない滝であることが分かりました。そのため「ミタレの滝」と言われていたそうです。確かにその呼び名のほうが、相応しいと思いました。
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帰ろうとしてふと見ると、「不動滝」の標識棒の先に、どなたが奉納されたか、お数珠が掛けられていて、微笑ましい気分に満たされました。この滝は、いままでの滝観光体験で、もっとも感銘を受けた滝であると言えるかもしません。ピストンで登山道に戻ります。
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「白滝」への分け道は、表示では100メートルとありましたが、実際は倍近く、意外に急登でした。辿り着くと、「大滝」や「不動滝」を体験した後では、正直言いたくありませんが、ちょっとがっかりな、印象が薄い滝でした。次来るとしたら、パスしちゃうね。
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これ、「ロウバイ」？ 白滝から一登りして、高山不動尊の北側の道から、関八州見晴台に向かし途中の車道にあった「不動茶屋跡展望所」のところにありました。花に詳しくないので、間違っているかもしれません。下山でも、民家のところに、同じ花を見つけましたが……。
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高山不動尊からの関八州見晴台への登山道の入口は、車道が左に曲がった左側にあり、付近にガイドがなく、分かりにくくて右往左往してしまいました。
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関八州見晴台には、高山不動尊の奥の院の社があります。ここは2021年の夏ごろに、毛呂山町の黒山三滝からの北側のルートで一度来ました。2度目です。昼過ぎで雲が半分くらい切れたときだったので、頂上には10人以上、みなさんお弁当を召し上がっていました。
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コイツは誰？ かっこいいジジイだね。何で写ってンの？ どうも私、年齢のせいか、ときどき訳が分からなくなります。意図的痴呆症です。都合が悪いとたちまち記憶が喪失します。祟りがあると怖いので、消さずにアップしたままにしておきますが。
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高山不動尊まで下りてきました。こんな山の中腹にとても大きな屋根のお堂の中。人の気配がないのですが、左手前の座像は、私を観据える気配がありました。調べるとこの不動尊常楽院は「真言宗智山派の寺、常楽院の本尊は軍荼利明王（ぐんだりみょうおう）。716（霊亀2）年、行基が五大明王像（不動明王、降世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王）を自刻したといい、現存するその一つが本尊とか。ただし、木造軍荼利明王立像（像高228.8cm）は、平安中期の作と推定され、行基作はあくまで伝承」。ということは、写真左手前の座像は、行基菩薩？
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高山不動尊のお堂前の急斜面には、200段くらいの階段があり、ここをどうしても歩いてみたく、下りました。下は広場で、この側まで車で来れそうです。
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高山不動尊お堂下の広場には、樹齢800年と言われる大イチョウが圧巻です。樹高約37m、幹廻り10m、根廻り12m。別名「子育てイチョウ」。埼玉県指定天然記念物です。
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高山不動尊お堂下の広場から私が計画した帰路は、東方向なので、大イチョウを後に下山をしようとすると、左側にびっくりするものがありました。「飯能私立高山小学校」という表札。こんな山の寺院の敷地に隣接しているとはいえ、いったいどこに子どもがいるんでしょうか？ 今は廃校のようですが、謎です。集落らしきものは、近くにはありません。
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「吾野駅」を目指しているので、とにかく下山で計画した帰路に戻れるはずと舗装路を下りました。スマホ地図で確認すると、計画した帰路からどんどん離れていきました。戻る脇道が見つかりません。高山不動尊お堂下の広場に下りてしまったのが失敗でした。上のお堂横からいかないと、計画した帰路に行けないことが分かりました。
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梅の花を見て楽しみながら、だら下がりの舗装路は、スマホ地図ではどんどん西吾野駅の近くに、寄っていってしまいます。「何だよこの道、行きの登山道じゃないの？」と疑いたくなるほど寄っていきます。
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しかし、「吾野駅」という標識がある。「西吾野駅」という標識は、スマホ地図ではかなり近づいているのに、分岐する道がありませんでした。近くになっても、西吾野駅には行く道がないのです。しかたなく歩きます。つまり、ここから西吾野駅から吾野駅ほどの距離を歩く覚悟をしました。後で調べたら、地図では山道らしきがありましたが。
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こうしてやっと、帰路で計画していた「石地蔵」のポイントに至り、ここから計画した帰路で下山することにしました。吾野駅までまだ2500mもあります。実は途中2か所、「梨本峠から吾野駅」という山道入口があり、最初の標識があったところでは、200mくらい山道に分け入り登りましたが、事前に調べておらず、スマホ地図ではぐちゃぐちゃな道に見え、道は荒れていて、14時を回っていたし、しかもその入口を入ったところに、お墓があってちょっと身震いもし、もう少しで尾根道に出れそうでしたが、引き返して舗装路に戻ってしまいました。後で地図をよく調べたら、あのまま進んでも、小さなピークが3つくらいありますが、恰好の下山路だったかもしれません。「ぐやじい〜〜〜〜」
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小学校の横まで一登りして下りると、国道299号線があり、その下のトンネルをくぐって、吾野駅方向に向かいます。駅はトンネルを抜けた所から右方向に数百メートルほど先でした。左かと勘違いして、おたおたしました。
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やっと終点、駐車場に戻れました。初めて歩く道は、いつものことですが、分からないことだらけ。でも、そういう迷いがまたとっても楽しい思い出になることも、いつものことです。今回も、超楽しい山行でした。
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登山当日のスマホの歩数計です。登山のため、当初のヤマレコアプリの計測した山行総距離16,500mを基準に歩数率を補正し、実数を再現しました。歩行の総時間は5時間44分、平均時速3�辧∩輅眇瑤鰐�29,233歩から山行を約93％程度に補正し、山行は約28,500歩となり、最近ではもっとも歩数を重ねたことになります。半分以上が舗装路でしたが……。
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
飲料
笛
計画書
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
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感想
●計画（二度目の関八州見晴台）
関八州見晴台（標高771メートル）を目標にした山行は、二度目です。最初は毛呂山町の黒山三滝から大平山を経由して登頂しました。関八州見晴台へは、北側のルートから登って下りました。2021年7月25日の真夏でした。そのときに、高山不動尊へも行ってみるつもりでしたが、猛暑であり私の体力では無理と諦め、次の機会を伺っていました。
関八州見晴台は、西吾野駅からのコースが一般的だと分かりましたが、私は車で行きたいので、問題は、西吾野駅近くでどこに駐車できるかが問題でした。地図で調べる限り、有料・無料でほどよい駐車場が見つかりません。が、吾野駅には、駅側に500円のパーキングがあることがわかり、吾野駅から西武秩父線を利用して西吾野駅を起点に、ぐるりと一巡りして吾野駅側のパーキングに戻る山行を計画しました。
見どころは、大滝、不動滝、白滝と、高山不動尊です。
●不動三滝の感想
今回の山行でもっとも感銘を受けたのは、不動滝でした。「不動滝」というと、修験道の荒行、厳しくするどい滝の水流に抗う滝行を想像し、きっとすごく激しく強靱な荒々しい滝だろうと思っていたのですが、私の予想とは正反対の、静寂の滝でした。ただし岩の厳しく高く迫る迫力は荒々しく、その名に相応しいものでしたが、肝心の水流はというと、涸渇していると誤解してしまうほど、数滴のしずくが、静かに垂れているという、微細で極小の滴滝でした。その繊細な様は、心の底にひたひたとしみこむ癒やしの調べのよう。これを「ミタレの滝」と呼ばれていたことがあることが、そこにあった由来書でわかりました。
この滝へは約800メートルの分け道をピストンしなければなりませんが、素通りせずに、行ってみる価値がある名滝です。はたして、細い滴の滝を、「滝」と称していいのかどうか？ そういう疑問が生じたので、ウィキペディアを引きます。
「日本においては、国土地理院の定めた定義によると、「流水が急激に落下する場所で落差が5メートル以上で、常時水が流れているもの」とされているが、歴史的に有名な滝や地理上の好目標となる滝については例外もある」
これによると、水量の定義がありません。「常時水が流れているもの」であることは確かなので、不動滝は、「滝」と言えるのでしょう。が、よりこの滝の印象を表現した「ミタレの滝」（満ち足りたという意味か？）という名称を推します。それほどすばらしい、パワースポットと感じました。
最初に訪れた「大滝」もすばらしい滝でした。スケールはけっして大きくありません。それでも「大滝」という名。大きな水流があって、轟音を轟かせる滝かと想像していたら、シルキーな可憐な水流のじつに女性的な美しい響きの滝でした。私はこれを「乙女の滝」と名づけたいです。ここは、人があまり踏み込まないひっそりとした安心感があり、やわらかで静かな気が滿ちていました。
「白滝」ですが、名前倒れ。残念な滝なので、次は行くことがないでしょう。
●高山不動尊
こんな山の600メートルほどの高地の斜面に、本殿のお堂があり、さらにその上の頂上（関八州見晴台）に奥の院がある高山不動尊、訪れると今は、信仰の山ではなく、軽登山のスポットになっているのが、ちょっと残念です。信仰の印象が退いているのは、山深くアクセスは車になります。初心者コースの登山ルートですが、下から数百メートルの登りがあると、ふつうの信仰で歩いて登れる人は、極端に制限されてしまいます。
ウィキペディアでは、こういう紹介がされていました。
「飯能市郊外の山間部に位置する。伝承によれば白雉5年（654年）、藤原鎌足の子の長覚坊、三輪神社の別当宝勝坊、藤原氏の臣である岩田三兄弟が創建したという。その後716年、行基が五大明王像を造り、そのうちの1体が現存する軍荼利明王像であるという。以上の草創縁起は伝承の域をでない……」
伝承では、創建は飛鳥時代に遡ります。とんでもない大昔です。そなん大昔に、こんな辺鄙な山中に、信仰の拠点ができたというのは、いったいどういう状況だったのか？ 歴史ロマンを感じる高山不動尊、高麗神社といい、奥秩父の三峰神社といい、歴史の古さと奥行には、ただ感心するしかありません。
●今回やらかした失敗
その一
早朝、吾野駅には車両が1編成停車していました。どう見ても所沢方面側です。特急をやり過ごすために停車していたようですが、ちらりと「西武秩父行」の表示があったように見えたので、乗り込んで出発を待っていたところ、アナウンスで「西武池袋行き」と聞こえた気がして、慌てて下車したところ、何と、秩父方向に走ってゆきました。
残念でした。耳がおかしいわけではありませんが、「池袋行き」と聞こえた気がしたのです。それは入っていたホームの上に、そういう表示があったからで、私の勘違いでした。
お蔭で30分以上、貴重な朝の時間を無駄にしました。残念……なのですが、じっくり計画コースを確認できる時間になったので、失敗ですが、よかったことにしましょう。
その二
下山ルートを、しくじりました。しくじった理由は、高山不動尊が斜面に広がった構造と入り組んだ道の関係にありました。地図は平面でしかわかりません。道と道の関係では、すぐに近くに接近して見えるのに、実際にその場に行って見ると、道と道の間に山の尾根があって、アクセスできるところが全くないのが今回の下山ルートでした。平面で見るかぎり、簡単に行けそうな感じに見えるのですが、実際には数十メートル以上の高低差があるようで、つながる道がまったくわからず、仕方なく、大回りをしてしまうことになりました。だら下がりの林道なので、体力の消耗は少ないですが、舗装路なのでヒザにきます。
その三
下山ルートで、一本下る道を間違えたわけですが、そのルートには、梨本峠経由で吾野駅に至る登山道への入口が2か所ありました。どちらも確認でき、最初はそこに200メートルほど踏み込んで登りかけましたが、荒れていて人があまり歩かないルートのようで、午後、日が回っていたため、リスクを感じたので引き返し、安全な舗装路を歩みました。後で地図を調べてみると、問題ない道だとわかり、「引き返さないでいっちゃえばよかったのに……」と悔いました。
●舗装路の退屈さを紛らわすBluetoothスピーカーが大活躍
下山では、吾野駅までの計画したルートも、舗装路がかなりあることを予測して、軽いBluetoothスピーカーを持参しました。マイロクSDには膨大なクラシックが収録してあり、数キロ歩かなければならなくなったので、使用しました。最初にモーツァルトの早期のシンフォニー。後期のプラハやジュピター、ト短調などの重厚さがない軽い響きのモーツァルトは、時に楽しいですが、今回は退屈。次に出てきたのは、ベートーベンのピアノソナタ1番。たぶんアラウの名演。ベートーベンのピアノソナタは、1番という番号なのに、どの楽章も傑作の出来。じつは、2番も3番も4番も5番も6番も不作が一つもありません。すべてが独創的な曲想に滿ちています。ベートーベンは聞き飽きることがありません。歩きながら大音量で、吾野駅に着くころまでに、ピアノソナタを数曲以上聞いて楽しめました。脚もヒザも疲れましたが、音楽があると、疲れだ癒やせます。こういう音楽は、舗装路の退屈防止に最適です。
●ヤマレコ編集中の間違いによるデータ補正
今回の山行記録、編集で一つ、大失敗をしました。スマホのログで、正確なGPSによる足跡の記録で歩行ポイントの時間等が反映されていたのですが、地図の編集画面で、誤って【登録済みのルート】にある【ルート】を、削除をしてしまいました。その状態で、【コースタイム】の再計算をクリックしてしまいました。
こうして、せっかくきれいに表示されていた記録が、すべて消えてしまいました。いろいろ、アンドゥを試みましたが、一度登録済みルートを削除すると、全く前に戻すことができません。このような間違いのときは、どうしたら元に戻せるのでしょうか？
地図上のルートも、コースタイムもすべて消えてしまったため、計画で行ったように、今回行ったルートを辿り、再現しなければなりませんでした。下山コースでは、歩んだルートが手動でないと表示できない道があり、そのようなところは直線計算になってしまい、結局できあがり、再度写真を配置して再計算等を行いましたので、総距離数も、登り下りの標高も、なぜか1〜2割小さな数値でしか再現できませんでした。
コースタイムは、写真の撮影日時から割り出して作成しました。
そのため、再計算される前の、実際の山行をGPSを反映した初期データを記録していたので、それを書き足し、作り直しました。
………………
ところがです。
後日、スマホてヤマレコを開いて「マイページ」を見ていたところ、メニューに「GPSログ（登山メモ）というのがあり、開いて見ると、私が誤って消去したはずのログらしきがあり、これを再度、山行記録を指定してログの上書きをしてみました。
すると、なんと、最初の正しいテータでログが置き換わり、安心しました。つもり、消して戻らないと思っていた正しいログを、復活できたのです。PCではこの同じメニューがどこにあるのか分かりません。ともかく、元に正しくデータが戻ったので、今回はよいとしましょう。
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