足拍子岳 かぐらスキー場
天候 | 雨 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪期 |
写真
感想
神奈川県勤労者山岳連盟の雪崩捜索救助合同訓練に初参加。救助隊員になって約半年。救助隊の方達と山に登ったのは今回が初めて。私より年上の方が多いですが、皆さん元気でした。素晴らしい。
【1日目】
AM 宿の隣の空き地で雪崩捜索救助訓練
PM 雨が降ってきたので宿の中で続き
【2日目】
参加者とともに10人で雪山登山訓練。2週連続で土樽駅に来た。まさか2週連続で雪山バリを登れるとは。今回は先週登った武能岳の、川挟んでお隣のお山、足拍子岳へ。
------
【1日目】
朝、集合場所の清津レイクサイドロッジの駐車場に着いてみると、強風のためゴンドラが動いていなかった。しかし、今年は宿の隣の空き地(畑?)に、たっぷり雪が積もっていて、わざわざゴンドラ乗らなくてもいいんじゃない?かえってお金と時間の節約に。
雪がたっぷりないとでできない訓練を、今回はいろいろ初体験できて良かった(カモの雪訓は12月なので雪がなくやれることが限られる)。しかし、残念ながらお昼前から雨が降り出し、訓練の続きは宿の中でとなる。
AM
●ビーコンチェック
●雪に埋めたビーコンの捜索
●スコップでの雪の掘り方
足などを使って、四角くスコップを上から指し、サイコロ状にして掘る。
●プローブでの集団捜索 (対象物:スコップ、人型の人形)
・プローブを雪に上から刺してみたら、2m以上沈んでビックリ。
・プローブをもって肩が触れないくらいの感覚で横一列に並び、リーダーの真ん中、右、左、一足前への掛け声で(一歩では大きいので一足と言う)、プローブを雪にまっすぐ(斜面でも真っ直ぐ下に刺すのが良い)に刺しながら前に進んでいく。
・スコップの捜索では、ビーコンを一緒に埋めなかったので、なかなかプローブにヒットせず、見つけ出すのに苦労した。
・人型の人形はビーコンと一緒に埋めたので、場所はすぐ特定できた。
・スコップは、人型人形より小さいとはいえ、ビーコンがないと、見つけ出すのにかかる時間は雲泥の差であった。やはり埋まるなら、ビーコンと一緒でないと、ほぼ助かる可能性はなくなると実感した。
●人(人形)の掘り出し連携、プラットホーム作成
・リーダーの仕事
先ずは、助けに行く前に、2次災害を防ぐため、雪崩の危険等がないか確かめることが一番最初にする重要なこと。掘り出しは、複数人いたら連携して行うのがいいので、リーダーが指示した方が良い。掘る場所や広さを、シャベルなどで雪の上に書いた方が伝わりやすい。人数がいる場合は、ぐるぐる回りながら、疲れないよう役割(掘る人、雪を掻きだす人など)を交代させる。
・多くの雪訓では、埋まってるビーコンの位置を特定して終わってしまうことが多いが、見つけた後の掘り出しが重要である。(掘り出し訓練は雪がないとできないが)。
・雪の上から穴を掘っても、人をそこから引っ張り上げることは不可能。埋まってる人の横を掘って、横から引きずり出さないといけない。
・横から引きずり出した後、意識や呼吸の有無、頚椎の固定、心臓マッサージ、マットやザックを体の下に敷いてツェルトで梱包し保温、などを行える平らな場所(プラットフォーム)を作らないといけない。その広さは、要救の人の大きさだけではなく、救助する人も入れたスペースが必要となる。
ここで雨が降り出し、講習会場を宿に移す。
要救役として背高めの男性。
PM
●ドラッグ搬送体験
とにかく危険地帯から一人で数メートル運び出す方法として有効。女性でも2-3mは動かせることが分かった。体のどこかを両手で引っ張るだけでは全然動かせないことも体験した。要救の腕と体を一体化させないと、要救の腕が痛いらしいので注意。
●ツエルト梱包搬送
・倒れている人の下にツエルトなどを敷くため、要救を寝返りさせ、また戻すのを一人で行うやり方。これが出来ないと何も始まらない(その1)。
・ツエルトを担架代わりにして、とにかく安全地帯まで運びたい場合は、ツエルトを端からくるくると巻いてそこを持つと握りやすくなる。ストックを中に入れて巻くとさらに持ちやすくなる。
・とにかく保温が大事。使えるものはすべて使って保温に努める。個人マットやザックなどを敷くとよい。頸椎は、あごの下に衣類などをかますと安定する。
・雪崩の場合、救助した場所から、尾根の方へ引き上げることになる。搬送中にツエルトなどが取れても、要救が落ちないよう、必ず要救の人のハーネスのビレイループに、ラビットノットのロープを取り付ける(バックアップ)。
・体の左右6か所位から、ツエルトにスリングを付けて体を固定する。スリングを付けるツエルトの支点づくりは、カラビナを使用した(雪山では石がない)。カラビナ支点はクローブ、体の左右のスリングを結ぶのはシートベントで。左右を結ぶと支点が体の上面(おなか側)の方にずれてくるので、支点はできるだけ体の下の方(背中側)に付けること。
・搬送者が肩掛けして運ぶため、支点に長めのスリングもクローブでつける。
・前後方向でロープを使って引っ張るために、さらにその支点に、バックアップとは別のロープをクローブヒッチで支点に沿って結びつける。バックアップのロープは、引っ張られすぎないよう少し緩ませた状態で、そのロープに連結させる。
・ツエルト梱包後、さらにスケッドに乗せて梱包する方法も体験した。
●1/3引き上げシステム 11/27-28の救助隊秋季定期講習会の復習
引き上げに使う装備(プーリー、ロールンロック)の使い方や使った感触確認
ロープワーク(ガルダーヒッチ、ムンターの向きなど)
●雪崩についての知見・体験・知識などを各自発表。
その後宿の夕食、懇親会。
【2日目】
朝はまだ雨が降っていたため、宿で登り返しのロープワーク。まずは確保機の仮固定。それが出来ないと何も始まらない(その2)。登り返しは人によってやり方がいろいろで、どれが一番簡単/確実で現実的か、利点/危険性など話し合いながらの講習は、大変有意義であった。
宿をチェックアウトし、車に乗って土樽駅に着くも、まだ雨が降っていた。先週よりガスも濃い。しばらく待機命令が。するとやがて雨がやみ、出発することになった。出発時間が11時過ぎと遅くなったため、1142mあたりのピークを目指す。
雪質は先週と大きく違って上も下も終始腐れ雪で、尾根は雪が無くなって地面が露出している所が多く、アイゼンで急登の藪漕ぎとなる。しかし天気は徐々に良くなり、青空と日差しが。ビーニーも手袋もバラグラバもアウターもなにもいらないほど汗だく。1142mに到達したが、時間があるのでこの先のコルまで登ることに。すると展望が拓け、素晴らしく美しい山々の姿を堪能できた。先週登った武能岳、雄大な万太郎山、仙ノ倉山、平標などの姿に感動。やはり私は雪山が好きだと改めて感じた。
下山は、急斜面の土の上をアイゼンで降りるのはかえって危険ということで、雪の豊富な谷筋を降りることになった。途中大きな雪崩跡がいくつかあった。大きなデブリを真横で見たのは初めてだ。雪崩地形とはどういうところか、実際に見て勉強になった。離れたところで小さな雪崩も何回か見た。
谷筋からできるだけ離れ、太陽光がより多く当たる南斜面を避け、デブリの脇をへつるなど、地形を見ながら慎重にルート選択。それもとても勉強になった。途中、懸垂した残置ロープがあるような、ちょっとした滝も現れたが、なんとかロープも使わずに下降できた。そこからデブリを避けて、再び尾根に乗る選択をして無事ゴール。訓練とはいえ。。楽しかったです。
計画書、宿予約、車出し、運転、連絡、資料送付、ご教示など、いろいろありがとうございました。
1日目
ビーコン機能の確認、捜索方法
捜索訓練、プローピンクなど掘り出し、
ツエルト搬送、スケッド搬送、など
2日目
足拍子岳にて、雪崩地形でルーファイなど
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する