臨機応変とは? どこまで対応できる?? 〜権現山から木曽駒に向かって〜


- GPS
- 14:50
- 距離
- 21.2km
- 登り
- 1,838m
- 下り
- 1,843m
コースタイム
伊那スキーリゾート駐車場5:23 - 7:44土俵跡 - 8:54権現山 - 11:00板沢の頭 - 11:32辻山(昼食)12:15 - 14:39八丁立幕営地(2500m地点)
4月16日
幕営地6:34 - 6:47八丁立 - 8:14辻山 - 9:11権現山 - 9:34常輪寺分岐 - 10:22林道終点 - ゲレンデ最上部 - 11:51駐車場
天候 | 二日間晴れてくれました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
ザック 1
ハードシェル(上下) 1
靴下予備 1
防寒インナー 1
ダウンジャケット 1
ネックウォーマー 1
救急用品・薬品 1
ナイフ 1
水 2ℓ
非常食 1 1日分相当
食料 4食
行動食 1
帽子 1
ストック 1
ガスカートリッジ 1
コンロ 1
手袋 3 インナー2・アウター1
コッヘル 1
マグカップ 1
タオル 2
ティッシュ 2
財布 1 カード・保険証含
シューズ 1 靴紐予備含
カメラ 1
スマホ 1 GPSアプリ
腕時計 1 高度計、コンパス
アイゼン 1
ワカン 1
シュラフ 1
シュラフカバー 1
1:25000地形図 2
山高地図 1
ヘルメット 1
シャベル 1
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感想
駒ケ岳ロープウェイが休業中!?
いつものように菅の台バスセンターに停めようとゲートを入ろうとして、目の前に現れた看板に頭は真っ白になりかけました。
年中動いているものと思い込んでいた自分が悪いんだろうけど、ロープウェイのHPまでは見ていなかったな・・・
今回の計画は、本来(?)の登山道を歩いて権現山、将棊頭山経由で木曽駒に登ろうというものでした。
どうせ下から登るのならJRの駅から歩いてやろうと・・・
レコを見ると積雪期に登った記録がなく、現地(役場)に問い合わせると雪解けを待つようにとアドバイスされて今月まで待っていたのです。
当然まだ雪は残っていますから時間がかかる前提で、初日に行けるところまで登ってテン泊し、翌日は駒ケ岳から千畳敷に下りる計画でした。
ロープウェイが使えないとなるとルートがピストンになる!
2日間では木曽駒山頂まで登って下りては無理っぽいか・・・
とにかく菅の台に車を停めるメリットはないので、どこに移動するか考えます。
下山のことも考えるとJRから歩き出すのも無理があり、現実的に伊那スキーリゾートの権現山登山口から登ることにしました。
スキー場の駐車場をスタートしたのは結局5時半頃。
計画でJR沢渡駅からのスタート予定がそのくらいでしたから、1時間ほどはアドバンテージがある計算です。
ただ、事前に十分な情報を仕入れたとは言いがたく、山高地図の想定TIME以外には目安がないのも不安なところ。
登りのルートも計画から変わったことでルーファイの不安もありながらとりあえずの歩き出しです。
駐車場には登山道の道標がありましたが、ゲレンデの脇を登る道には何の表示もなく、手持ちの地形図と山高地図を頼りに最初の分岐を探します。
地形図にはこのルートの道が点線で載っていないので等高線を読むために広げ、ルートは山高地図の赤線で確認するややこしさ(汗)!
最初のポイントは「土俵跡」という遺跡(?)ですが、どうもその所在地点がはっきりしません。
自分が地形を見るときの「癖」が少しわかってきたので地図読みのミスも少し予想がつくようになりました。
「たぶん自分はこんな風に間違えるから、それをあらかじめ想定して・・・」 なんて、どうも妙な話です・・・
ただそのお蔭かどうか、尾根を越えたり沢を渡ったりしながら地図上での遺跡の所在地には何とかたどり着けましたが、それらしいものと遭遇することができずにあきらめてその尾根を登り始めたのです。
するとしばらく登ったところでいきなり本来の登山道に出合い、「土俵跡」の表示まで現れました!
道標や赤テープを頼りに歩く癖がついているうちはまだダメですね・・・
尾根を登りだすと権現山まではほぼ一本道です。
山頂には地元の小学校の行事で登った記録の看板が並び、決して人の来ない山ではないことを教えてくれています。
スタートから標高差約1000mを登ってきましたが、もし木曽駒山頂まで登ると標高差は2000mを楽に越えます。
ひとつの尾根ではありませんが、甲斐駒の黒戸尾根や空木の池山尾根と並ぶ規模の登りです!
気楽に登り出したけど、どこまで行けるのか・・・
権現山から先、いくつかの小ピークを越えながら、けっこうな勾配で標高を上げていきます。
足元はもう完全に雪道になりましたが日差しは強く、気温も低くないので汗をかきます。
歩きながら服を脱ぎ、山シャツとTシャツの二枚で歩いていました。
体力の消耗がピークを迎えたのが辻山の先、権現づるね中ほどの急登。
日が高くなって雪が緩み、踏み抜く箇所が増えていく中を130mほど一気に登ります。
道のりは大したことないのですが、等高線が円弧を描くような凹凸のない急傾斜、登りはどこから登っても差はないようですが、下りの時にはトレースがないと方向を見失う危険が大です!
そんな想像も頭に浮かび、気疲れも加わって体力が急に落ちていきました。
とどめは最上部近くで地面がアイスバーン状態になっていたこと。
ツボ足ではキックステップも効かず、最後になってアイゼンを着ける事態になりました。
急登の先のピークが八丁立。
一つコルを越えると、長尾根の頭に向けて緩やかに登りが続きます。
ここまでの状況に比べると地面が平坦に見え、風を避けられるような地形の林間地。
ここで幕営することに決めました。
どうも積雪期には自分で思っているほど体力勝負ができないこと、そろそろ判るべきですね。
昨年の空木岳の池山尾根もそうでした。
雪のある時期の歩き方をちゃんと考えないと、年中勢いだけで動いているといつか大怪我してしまいます。
ロープウェイが動いていれば駒ケ岳山頂まで行けるけど、ピストンだと将棊頭山まで。
・・・ただ気になるのが苦労して登ってきた急勾配の部分。
見てきたように、尾根といってもどの方向に下りるかを間違えればあっという間に道に迷う可能性もあるところ。
私が一番ミスを犯しやすい舞台です。
(ここで道を見失って迷っている自分を想像するのは簡単でした。
午後になって時間の余裕のない状況でそこを歩きたくない。
自分が臆病になっているのを自覚しながら、歯痒い思いをしながら翌日は引き返すことに決めました。
汚れの少ない雪を集めて(もうこの季節、雪は汚れてますよね・・・)翌日の水を作り、寝酒の力も借りて眠気を待つばかり・・・
ところが気がつくと、明日ここから先に進むスケジュールを頭の中でシュミレーションしています。
リスクが頭に入っているんだから、気づかないで手遅れになることはない。
だから・・・
何度かうとうとしていながらも長い夜でした。
目が覚めるともうあたりは明るく、若干霞があるものの昨日のようないい天気です。
普段自分ではしないんですが、シュラフの中で「あと5分・・・」なんてグズグズする贅沢を楽しんでから起き出して食事と撤収。
早く引き返す分、やることを見つけておきました。
当初の計画で歩くはずだった常輪寺からのルートの踏査です。
全部は無理ですが、林道の途中で道を選べばスキー場まで戻ることもでき、最初に迷った土俵跡への分岐をもう一度確かめることもできます。
ロープウェーの動いている時にもう一度来れば、今度は当初の計画をやりきることができそうです。
そのためにも疑問箇所を減らしておくのは当然ですよね!
時間に追われることもなく撤収を終え、スタートは6時半。
心配していた尾根の下りはリスクの予想が役に立ったのか、ほぼノートラブルで通過できました。
実際には昨日の自分のトレースを逆に辿れば済んだ話ですが、過去のトラブルの記憶からミスを犯しそうな地形やポイントに自分から立ち入り、等高線やコンパスに助けてもらって復習した下り道でした。
スムーズに通り過ぎれば時間が余るのは当然で、こんなことなら先に進んでいても良かったかと後悔の虫がグズグズ言い出しますが、そこは今の自分の技量の問題と割り切って次回の楽しみに取っておきました。
もし今以上の体力、技術が自分にあれば・・・
もしロープウェイが止まっていなければ・・・
もし雪のない時期に歩いていれば・・・
なんていくつでも思いつきますが、その数だけ違う経験ができるんです!
だったらこの道をまた歩きたくなるのが必然で、それが山の数、登山口の数だけありそうですよ!
でも今回歩いた経験は、あの長い夜も含めて今回だからできたんですね。
だからいつどの山にどこから登っても、「今日来て良かった!」です。
コメント
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我々は雪山を始めた年はなんだか無我夢中でわっさわっさと雪山歩きをしていましたが
我々のレベルでは雪山は特に絶対に100%出し切ったらだめだと気がつきました。
雪山は燃え尽きたらダメだと思います。
自分に甘過ぎてもだめなので加減が難しいですけどね。
燃え尽きたいときは倒れるまで街でランニングでもしましょう
まぁ、なかなか想定通りにはいかないのが雪山ですね。そしてそれを含めてやっぱり山歩きは楽しい
monsieurさんもきっとそうに違いないと勝手に思い込んでいるkamehibaです
そうそう、勝手に思っていただいている通りのmonsieurです
雪山で体力を使い果たすとその先できることがなくなりますよね
選択肢が限られる中で行動を決めなきゃいけないときの不安と言ったら・・・
計画を立ててルートの検討をしている時がいちばん勢いづいているかも
調子に乗ってやりすぎる手前でセンサーが働いて立ち止まる、このあたりのさじ加減がなんとなくわかるようになって来ましたよ。
(ソロとパーティーでは判断がずれたりするようですね。)
ハプニングはつきものです。
特に私の場合は頻度が高いのですが、大事にしないためには常にセンサーの感度を「ちょっと臆病」に合わせてあります
久しぶりのmonsieur レコ!
「らしさ」はまさかのスタート、ロープウェイの運休だったとは
それでも、別の目的でしっかり遊んで学んでくるところはさすがです!
メジャーな木曽駒よりも意外と面白かったのでは?
senrakuyaさん、よろこんでいただけましたか
千畳敷へのロープウェーはまるで別世界への扉のようで大好きなんですが、それがあるためにこの山を過小評価してしまい勝ちかもしれません。
空木岳の池山尾根もそうですが、木曽駒の登山道の登り応えは半端じゃないはず!
それを確かめにまたこのルートを歩きに来ますよ
こんな楽しい修行なら何度でも
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