八十里越 𠮷ヶ平〜鞍掛峠〜田代平湿原〜入叶津
- GPS
- 11:36
- 距離
- 30.1km
- 登り
- 1,723m
- 下り
- 1,669m
コースタイム
天候 | 蒸し暑い高曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー 自家用車
大白川の大雲沢ヒュッテに前泊 翌朝、自分の車を大白川駅に置き、 𠮷ヶ平まで送って頂きました |
コース状況/ 危険箇所等 |
。𠮷ヶ平〜番屋乗越〜番屋峠 標識の整備された緩やかな登り、巻き道 ・番屋峠〜鞍掛峠 先頭をガイドさんが歩き、道迷いの心配はありませんでしたが 古道分岐は、個人で行った場合、道迷いの可能性があると思います 尾根道から美しいブナ林の緩やかな下りは印象的 出水の跡が今も痛々しい渡渉点では倒木を伝って渡渉 殿様清水までは比較的、明瞭な広い道跡もあり サンカヨウ、ユキツバキ、ミヤマカタバミの花が楽しめました 殿様清水は冷たく美味しく、ここで補給されると良いでしょう ここを過ぎると急斜面をジグザグに登り やがて細く斜めの巻道になり、滑落の不安あり ロープ、草などを掴みながら、慎重に通過 自分的には本日の最難関だったと思います ・鞍掛峠〜田代平 鞍掛峠を越えると広い道跡も所々に残る緩やかな尾根や巻き道 しかし崩落の進む沢もあり、ロープを頼り、 ゆっくりと足場を確保して通過 右側切れ落ちた尾根道で咲くヒメサユリの姿に感動 ・田代平〜国道289号線合流〜ゲート 湿原ではミツガシワが花盛り、ユキツバキの群生も見事でした 大白川に到る林道付近は、道幅の広い歩きやすい緩やかな道 樹林帯内の道は涼しく快適ですが、小灌木の尾根道は蒸し暑く 暑さに朦朧とし、水を摂り過ぎ、水バテ気味 その後の巻道では、ロープで沢に下り、渡渉し また急斜面をロープで登り返す箇所を幾度となく通過 まだ残雪の付いている箇所が一箇所あり、迂回も強いられました 慎重に通過しましたが、滑落注意 ブナ林帯に入ると、道跡が幾つか目に入り この辺りも道迷いしやすい箇所かと思いました 国道合流後は、日差しを遮る物のない一時間の車道歩き 足の酷使と蒸し暑さに疲労困憊の末タクシーの待つゲートに帰還、 只見駅迄タクシーで10分程、18:37発小出行に乗車 |
写真
感想
「八十里 腰抜け武士の 越す峠」
只見駅前で、河合継之助の案内板を初めて見たのは、
10年以上前、要害山、蒲生岳に登った折でした。
自嘲的な辞世の句に衝撃を受け、八十里越が忘れられず、
ようやく、ガイドを御願いすることができ、願いが叶いました。
けれど、全身くたくた、かつてない疲労感に襲われています。
早朝の𠮷ヶ平を、無事歩き切れるか?と不安を抱えながら、
しかし今回はガイドを御願いし、サポートして頂けるので、
ゆとりも感じながら歩行開始し、懐かしい番屋山分岐に到着。
長年待ち望んでいたロングコース入口に踏み入りました。
椿尾根のちょっと先に番屋山登山口はありました。
昨日周回予定だったものの、登山口が雨模様で諦めました。
雨生池の紅葉の記録に惹かれ。2020年11月に訪れたところ、
一週間遅れで絶景を見逃してしまい、心残りです。
再び訪れ、紅葉の絶景と周回を楽しむ機会はあるかどうか…
番屋峠の東側にはまだ残雪の大きな塊があり、びっくり!
尾根の北を辿る巻き道から、微かに白く大谷ダム湖、
そして、既に完成しているという国道289号線の橋も望めます。
ブナの樹林帯では道上に残雪も所々にあり
蒸し暑い日でしたから、ひんやり、気持ちの良い風に吹かれました♪
残雪の影響でしょうか?蕾やら、既に実の付いている者やら、
サンカヨウの花盛りが場所によって、多様なのに驚かされました。
ユキツバキ、ニリンソウ 、イチゲの花も沿道で楽しめます。
殿様清水は、最高のミネラルウォーター♪
もっと汲んで帰れば良かったと、通り過ぎてから幾度も後悔、
こんな美味しい水は二度と飲めないかも(T_T)
刀掛の急峻な山肌を右に見て急坂を辿り、左に鞍掛山が見えると、
斜めに細い巻道になり、ロープを頼り、草を掴み、緊張の連続!
地図で等高線の込み具合から、難関と想像はしていましたが、
これほど怖いとは思わず、一刻も早く鞍掛峠に無事到着を祈りました。
鞍掛峠を越え、やれやれ、以後は安心かと思いきや、
まだまだ難関が待ち構えていましたけれど…
昨日は時機を逸し、見られなかったヒメサユリに
右側の切れ落ちた尾根道で歓迎され、諦めていただけに嬉しくて
勝手にヒメサユリの小径と命名してしまいました。
一瞬疲れも忘れ、来て良かったとしみじみ、うっとり♪
田代平は広い湿原、ミツガシワの群生の彼方に黒姫が望め、
立ち去り難い、大好きな風景を眺めながら、ゆっくり休憩。
大白川に下る林道分岐を過ぎ、しばらくは歩きやすい道でしたが、
やがて、急斜面の斜めに細い巻道が現れました。
巻道の木の枝に結ばれたトラロープが外れそうになっており、
事故になれば大変!とガイドさんが急遽補修!
日頃、あまり注意せず頼っており、確認の必要も感じます。
木の根峠に到着すると、ゴールに少し近づき、不安も和らぎました。
ずっと下り一辺倒で、快適な散歩道もありましたけれど
なめ滝の渡渉、スノーブリッジだったと思われる沢の通過があり
ロープで沢に下り、渡渉してまたロープで登り返す箇所を
幾度となく通過し、緊張の連続に疲労困憊。
飛び出した国道289号線のガードレールにはまだワイヤーが張ってなく、
センターラインも引かれておらず、がらんとした場所。
国道に出たものの、ここから一時間と聞いて意識朦朧状態。
あまりの暑さに、川を見る度、水浴びしたくなりながら、
予約したタクシーが待っていてくれるゲート前にゴールイン。
一日4本の電車でしか大白川に行かれず、只見駅に向かいます。
只見駅前に、只見線復旧までのカウントダウン表示があります。
いつか只見線に乗りに来たいと思いながら、果たせずにおり、
想定外の国道の通行止めで、本日乗れた奇跡に、感無量!
徹底的な疲れはあるものの、最高に贅沢な時間を過せたように思います。
大雲沢ヒュッテのご主人には、老女二人を的確にサポートして頂け、
無事八十里を踏破できましたことを心より感謝申し上げます。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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イヤー これは凄い。
最近のレコでは弱ってきているような書き方が多かったですが、30キロの山歩きはスゴイです。
念願の 八十里越 お疲れさまでした。
ゆっくり休まれたら、また、いろいろな地域の山を歩いてください。
レコを楽しみにしています。
それにしても凄いわ。
コメント有難うございます
八十里越は昨年秋にガイドを御願いしていたのですが、
天候が悪く中止になり、このままではますます体力が落ちる一方ですので
雪融けを首を長くして待ち、今回の決行に漕ぎ着けました。
道路が崩壊し嶮しい山域と聞いており、とても個人で歩けないと思っておりましたが、
殆どガイド山行はした経験がなく、不安もありました。
でも、無事踏破できたのは正しくガイドさんの適切なサポートによるものと、
道中の様々なシーンを振り返り、改めて感謝しています。
(ガイドさんにとって多少お荷物だったかもしれませんが)
高曇りの蒸し暑い日で、水バテ気味、疲れが極度の自分との戦いでした。
yamabujioriruさんも、美ヶ原から白樺湖までとはロングコースを
さらりと歩いていらっしゃるではないですか(*_*)
近くに住んでいながら、そんな素晴らしいアイデアを思いつきもせずに、
細切れの日帰りばかりしておりました。
また参考にさせて頂きたいと思います。
今自分にどれ程の体力があるか、それは挑戦することで自信を得られ、
ちょっぴり精神的に上向くのかも、などと思い上がりですが
(これをクライマーズハイ、というんでしょうか?)
まだまだ諦められない山々に、向かう大それた勇気を持ちました。
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