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Yamareco

記録ID: 4498155
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波

日光白根山。コマクサは真紅色

2022年07月18日(月) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
08:55
距離
13.1km
登り
1,460m
下り
1,445m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
8:09
休憩
0:47
合計
8:56
6:39
9
スタート地点
6:48
6:48
26
7:14
7:15
86
8:41
8:46
23
9:09
9:09
35
9:44
9:58
25
10:23
10:23
8
10:31
10:32
65
11:37
12:00
36
12:36
12:36
71
13:47
13:48
17
14:05
14:06
70
15:16
15:17
14
15:31
15:31
4
15:35
ゴール地点
天候 晴れたり曇ったり
過去天気図(気象庁) 2022年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
日光湯元温泉から。
スキー場の先からの前白根山への登りは、急登の連続でしんどい。加えて針葉樹林帯内の足場も良くなく、とても歩きにくい。
帰りの尾根道も、急登。行きの登山道よりは歩きよい感じ。笹原が多かったからか。
湯本温泉の駐車場。
本日はここからスタート
2022年07月18日 06:49撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 6:49
湯本温泉の駐車場。
本日はここからスタート
朝の男体山を望む。ちょっと逆光ぎみ
2022年07月18日 06:58撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
7/18 6:58
朝の男体山を望む。ちょっと逆光ぎみ
ゲレンデ内登山道を進む。
早朝の気温は20度以下と歩くには好適だったが、日が差すともう暑い
2022年07月18日 07:10撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 7:10
ゲレンデ内登山道を進む。
早朝の気温は20度以下と歩くには好適だったが、日が差すともう暑い
たくさんの野菊が一面を蔽っていた
2022年07月18日 07:14撮影 by  Canon EOS M6, Canon
5
7/18 7:14
たくさんの野菊が一面を蔽っていた
ゲレンデを歩き終えると、本格的な登山道に
2022年07月18日 07:29撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 7:29
ゲレンデを歩き終えると、本格的な登山道に
予想だにしなかった急登の連続。加えて歩きにくい。
登りの途中、振り返ればこんな感じ
2022年07月18日 07:44撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 7:44
予想だにしなかった急登の連続。加えて歩きにくい。
登りの途中、振り返ればこんな感じ
ギンリュウソウの密集があったりした
2022年07月18日 07:54撮影 by  Canon EOS M6, Canon
5
7/18 7:54
ギンリュウソウの密集があったりした
この木の張り出しに額をぶつけて転倒。
歩きにくいったらありゃしない
2022年07月18日 08:06撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 8:06
この木の張り出しに額をぶつけて転倒。
歩きにくいったらありゃしない
さらに先の登山道。コメツガやシラビソでしょうか、針葉樹は日光らしい雰囲気あり
2022年07月18日 08:16撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 8:16
さらに先の登山道。コメツガやシラビソでしょうか、針葉樹は日光らしい雰囲気あり
急登はどうやらここまで
2022年07月18日 08:46撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 8:46
急登はどうやらここまで
あたりは一面シャクナゲ
2022年07月18日 08:52撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 8:52
あたりは一面シャクナゲ
花の咲いている木もあった
2022年07月18日 08:56撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 8:56
花の咲いている木もあった
さらに進むと天狗平なる場所に出た
2022年07月18日 09:18撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:18
さらに進むと天狗平なる場所に出た
このあたりも一面のシャクナゲ
2022年07月18日 09:17撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:17
このあたりも一面のシャクナゲ
ようやく樹林帯を抜け出そう
2022年07月18日 09:37撮影 by  Canon EOS M6, Canon
1
7/18 9:37
ようやく樹林帯を抜け出そう
すると目の前には、どーんと白根山が
2022年07月18日 09:38撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 9:38
すると目の前には、どーんと白根山が
雰囲気のいい場所があったり
2022年07月18日 09:42撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:42
雰囲気のいい場所があったり
錫ヶ岳へと続く尾根がとてもきれい
2022年07月18日 09:47撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:47
錫ヶ岳へと続く尾根がとてもきれい
どうやらあそこが前白根山のよう
2022年07月18日 09:48撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:48
どうやらあそこが前白根山のよう
前白根山に到着。三時間かかってやっと到着
2022年07月18日 09:50撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:50
前白根山に到着。三時間かかってやっと到着
山頂付近のコマクサ
2022年07月18日 09:52撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:52
山頂付近のコマクサ
数はあまり多くない
2022年07月18日 09:56撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:56
数はあまり多くない
眼下にはきれいな五色沼
2022年07月18日 09:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 9:57
眼下にはきれいな五色沼
さらに進むとコマクサ斜面があった。このあたりけっこう咲いていた。たしかに色が濃い。真紅だ
2022年07月18日 10:18撮影 by  Canon EOS M6, Canon
6
7/18 10:18
さらに進むとコマクサ斜面があった。このあたりけっこう咲いていた。たしかに色が濃い。真紅だ
ガレ場の斜面に。個々の花はどうも小さい感じ
2022年07月18日 10:18撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 10:18
ガレ場の斜面に。個々の花はどうも小さい感じ
また一株とでもいうのだろうか、そこにたくさんの花をつけている
2022年07月18日 10:07撮影 by  Canon EOS M6, Canon
7
7/18 10:07
また一株とでもいうのだろうか、そこにたくさんの花をつけている
花はもう終わりかけの様子
2022年07月18日 10:09撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 10:09
花はもう終わりかけの様子
きれいな個体も
2022年07月18日 10:09撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 10:09
きれいな個体も
下って、コマクサの咲いていた斜面を見上げる
2022年07月18日 10:20撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 10:20
下って、コマクサの咲いていた斜面を見上げる
前白根山の斜面だけ、岩と土が露出している
2022年07月18日 10:25撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 10:25
前白根山の斜面だけ、岩と土が露出している
先へ進むと夏の雲
2022年07月18日 10:26撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 10:26
先へ進むと夏の雲
眼下には中禅寺湖。
このあと下りとなる
2022年07月18日 10:28撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 10:28
眼下には中禅寺湖。
このあと下りとなる
斜面を下っていくと、五色沼避難小屋に到着
2022年07月18日 10:39撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 10:39
斜面を下っていくと、五色沼避難小屋に到着
先へと進み、ダケカンバのきれいな森に来ると、再び登りがはじまる。白根山山頂への最後の登り。ここもけっこうな急勾配
2022年07月18日 10:47撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 10:47
先へと進み、ダケカンバのきれいな森に来ると、再び登りがはじまる。白根山山頂への最後の登り。ここもけっこうな急勾配
上っていくと、再び五色沼が眼下に
2022年07月18日 11:02撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:02
上っていくと、再び五色沼が眼下に
ヤマオダマキがところどころに咲いていた
2022年07月18日 11:14撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:14
ヤマオダマキがところどころに咲いていた
ハクサンフウロもところどころに
2022年07月18日 11:27撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:27
ハクサンフウロもところどころに
するとやっと山頂が見えた。
たくさんの人が登っているよう
2022年07月18日 11:34撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:34
するとやっと山頂が見えた。
たくさんの人が登っているよう
山頂下の窪地。
風が冷たく、雲も少しあやしいが。天気が持つことを願いながら
2022年07月18日 11:39撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 11:39
山頂下の窪地。
風が冷たく、雲も少しあやしいが。天気が持つことを願いながら
山頂はもう目の前。うーん、人が多すぎ
2022年07月18日 11:40撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:40
山頂はもう目の前。うーん、人が多すぎ
山頂到着。三角点
2022年07月18日 11:44撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:44
山頂到着。三角点
目の前に霞んでいるけれど日光連山。眼下に五色沼
2022年07月18日 11:47撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:47
目の前に霞んでいるけれど日光連山。眼下に五色沼
歩いてきた道
2022年07月18日 11:50撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:50
歩いてきた道
祠を見る。
狭い場所に人が多いので、すぐに退避
2022年07月18日 11:50撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 11:50
祠を見る。
狭い場所に人が多いので、すぐに退避
ということで、対岸の地へ。
そういえば山頂標識を撮っていなかった。ということで、こちら側から
2022年07月18日 12:05撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 12:05
ということで、対岸の地へ。
そういえば山頂標識を撮っていなかった。ということで、こちら側から
休憩後先へと進む。
こちらの斜面には一面のシャクナゲ。それもちょうど見頃、壮観です
2022年07月18日 12:14撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 12:14
休憩後先へと進む。
こちらの斜面には一面のシャクナゲ。それもちょうど見頃、壮観です
近寄って撮る
2022年07月18日 12:16撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 12:16
近寄って撮る
俯瞰する眺めもとてもきれい
青い沼は、丸沼、菅沼でしょう
2022年07月18日 12:19撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 12:19
俯瞰する眺めもとてもきれい
青い沼は、丸沼、菅沼でしょう
弥陀が池が近くなり
2022年07月18日 12:32撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 12:32
弥陀が池が近くなり
そうして降り立ったのち、汀を歩く。
当初の予定では、このあと五色沼から前白根山に戻る予定だったが……
2022年07月18日 12:43撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 12:43
そうして降り立ったのち、汀を歩く。
当初の予定では、このあと五色沼から前白根山に戻る予定だったが……
地図を見ると、五色山コースの方が良さそうなので、こちらの道を行くことに。雰囲気のよさそうな原に出た
2022年07月18日 12:54撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 12:54
地図を見ると、五色山コースの方が良さそうなので、こちらの道を行くことに。雰囲気のよさそうな原に出た
なんと、こちらから見る奥白根山は、まるで新緑のように緑がすばらしい。それほどの山と再認識させられた。
2022年07月18日 13:03撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 13:03
なんと、こちらから見る奥白根山は、まるで新緑のように緑がすばらしい。それほどの山と再認識させられた。
五色山へのこのルートはたくさんのシャクナゲが咲いていて、まさしくシャクナゲコース
2022年07月18日 13:26撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 13:26
五色山へのこのルートはたくさんのシャクナゲが咲いていて、まさしくシャクナゲコース
それもちょうど見頃できれいでした。
虫もいっぱいだけど
2022年07月18日 13:27撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
7/18 13:27
それもちょうど見頃できれいでした。
虫もいっぱいだけど
日光白根山とシャクナゲを
2022年07月18日 13:28撮影 by  Canon EOS M6, Canon
5
7/18 13:28
日光白根山とシャクナゲを
途中クルマユリも咲いていた
2022年07月18日 13:33撮影 by  Canon EOS M6, Canon
4
7/18 13:33
途中クルマユリも咲いていた
雲の移動か、尾瀬方面が覗いた
2022年07月18日 13:35撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 13:35
雲の移動か、尾瀬方面が覗いた
そうして五色山の山頂に到着。
湯元の表示もあった
2022年07月18日 13:55撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 13:55
そうして五色山の山頂に到着。
湯元の表示もあった
五色山からの奥白根山と五色山。
山と沼の位置関係が逆になっている
2022年07月18日 13:46撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 13:46
五色山からの奥白根山と五色山。
山と沼の位置関係が逆になっている
避難小屋の立つ谷筋
2022年07月18日 13:47撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 13:47
避難小屋の立つ谷筋
日光連山。これで展望はほぼ見納め
2022年07月18日 13:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 13:57
日光連山。これで展望はほぼ見納め
眼下に湯の湖と温泉街が見える。
ということで、このまま湯元に降りる道で帰ることに
2022年07月18日 13:57撮影 by  Canon EOS M6, Canon
3
7/18 13:57
眼下に湯の湖と温泉街が見える。
ということで、このまま湯元に降りる道で帰ることに
下っていく道は、真正面に温泉ヶ岳を見ながら。
金精山に劣らず、荒々しい斜面
2022年07月18日 14:10撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 14:10
下っていく道は、真正面に温泉ヶ岳を見ながら。
金精山に劣らず、荒々しい斜面
国境平なる分岐を経て湯元方面へ
2022年07月18日 14:13撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 14:13
国境平なる分岐を経て湯元方面へ
途中、立ち枯れの木。
帰りのの登山道も急勾配続きだった
2022年07月18日 14:27撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 14:27
途中、立ち枯れの木。
帰りのの登山道も急勾配続きだった
丈の高い笹原も多かった。
この登山道、ありがたいことに整備が為された痕跡が多かったよう
2022年07月18日 15:14撮影 by  Canon EOS M6, Canon
2
7/18 15:14
丈の高い笹原も多かった。
この登山道、ありがたいことに整備が為された痕跡が多かったよう
最後に雰囲気のある針葉樹林地帯を抜ける
2022年07月18日 15:20撮影 by  Canon EOS M6, Canon
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7/18 15:20
最後に雰囲気のある針葉樹林地帯を抜ける
湯元に降りて来ると道脇にはクリンソウがたくさん咲いていた。このあと、無事到着
2022年07月18日 15:31撮影 by  Canon EOS M6, Canon
8
7/18 15:31
湯元に降りて来ると道脇にはクリンソウがたくさん咲いていた。このあと、無事到着
【2009年の写真】
山上にたくさんの子供たち。五色沼を挟んだもう一方にも。
カエルの歌の大輪唱。やまびこ合戦を繰り返すたくさんの声が大音響となって山間に谺した。とてもおもしろい趣向
2009年09月06日 12:25撮影 by  Canon PowerShot S5 IS, Canon
4
9/6 12:25
【2009年の写真】
山上にたくさんの子供たち。五色沼を挟んだもう一方にも。
カエルの歌の大輪唱。やまびこ合戦を繰り返すたくさんの声が大音響となって山間に谺した。とてもおもしろい趣向

装備

個人装備
ザック(G/R) シューズ(S/H) ハーフP黒 登山タイツ(M) TシャツW アームカバー 夏帽子(M) ストック夏

感想

 日光白根山に咲くコマクサは、その色が普通と違うとても濃い赤、真紅色をしていると数年前に初めて知った。このところの局所的豪雨が来なさそうなのはこの山域で、機会はやっと巡って来たようだ。さて、コマクサはまだ見頃だろうか。
 湯元温泉から苦労してたどり着いた前白根山。山頂部にコマクサは少なく、そうか個体数のことは気にしていなかったと思い至り、ちょっと落胆気味。先へと歩を進めると、ザレ地は続き、斜面を降りて行くと濃い赤色のコマクサがけっこう咲いていた。これくらいの数なら見栄えもいいと真紅に見入る。ただ、どうも盛期は過ぎたようで、枯れ始めのものも多かったよう。だがたぶんに間に合ったといってよかっただろう。
 その後、また急登を登り上げ、奥白根山山頂に到着。きょうはたくさんの方が登られていた。

追記:独り言
 五色山からの湯元への下り、見どころがあまりなかったせいだろうか、どうして寿命を待たずに死ななければならなかったのだろう、一体何があったというのだろうと、先日の事件に関し堂々巡りの想念が頭を去来する。余韻はなかなか消えず、残欠も拭いきれない。残された夫人の語った夢のようは、現実味に乏しい、現実感に欠けるという、不思議な浮遊感だろうか、きっとそうだろう。
 あまりの突然の驚きで、なかなか痛みや悲しみが消え切らないまま、とりとめもないことが頭をよぎる。もしやカエルの歌の大輪唱は、荘厳レクイエムにも匹敵するものだろうかと、いつの間にやら過去を引っ張り出したりもする。
 ここ日光白根山に登るのは、今回が三度目で、最初は秋の入り口に、二度目が春の残雪期だった。最初の秋のとき、白根山登頂後にくだり降りた五色沼畔で、見たことのない興味深い好ましい場面に出くわした。もう一昔も前の2009年のことだった。五色沼をとり囲む山頂尾根のそちらとあちらにずらりと子供たちが並び、もうそれだけで驚きの光景だったが、さらに突如カエルの歌の大輪唱が始まった。そちらの子供たちが大音響で声を発すると、応じるようにあちらのグループの子供たちもけたたましい無数の声を返した。壮大な音声が五色沼上の空間を谺し、目にも耳にもしたことのないこの場を体験し、何やらとても感動的だった。底の沼のへりで、その子供たちの姿と声をいつまでも見上げていた。とても気持ちがよかった。これは地域の学校の年中行事なのだろうか、それとも誰かの演出なのだろうか。わざわざ時間をかけ、集団行動でこの尾根にまで登り、その果てにすばらしい合唱を披露する。なんたる粋だろう。ただ、登るに辛かっただろう人もいたのではないか。
 そんな昔の登山時の記憶が自然蘇り、カエルの歌の輪唱が頭に鳴った、すると、この大音量のエコーは、あの事件の鎮魂歌なのではと想念が膨れ上がる。五色沼の森に響く子供たちの声は、楽しいというよりはなんとなく物悲しく聞こえた。歌う身には楽しく溌剌としていたかもしれないが、底で聴く者には深い憂いがあぶり出された。それは響きに関係していたからかもしれない。そんな風に試行錯誤していると、今回の機とは、真紅のコマクサではなく、本当のところは、最初の秋口の登山の誘因による鎮魂のためではなかったろうかと。ならば、また次もあるかもしれない、カエルの歌の大輪唱が消えない限りは。

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体力レベル
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