タモリも狂喜する(はず)世界ジオパーク.マイコミ平.日本最深縦穴鍾乳洞あり(新潟県糸魚川市)
- GPS
- --:--
- 距離
- 1.2km
- 登り
- 63m
- 下り
- 69m
コースタイム
天候 | 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
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コース状況/ 危険箇所等 |
事前の許可なしの入山は絶対に不可 普段、マイコミ平に通ずる林道のトンネルには、頑丈そうな門扉で閉じられ、錠が掛けられており、許可がない者は物理的にも入山は不可能。林道以外に、マイコミ平に通ずる道は一切ない。冬季以外は1ヶ月に1回、地元の旅行業者{(株)三愛旅行社 025ー552ー3445}がツアー開催しているので、それに参加するのが一番最適。 地元の山を知り尽くしたガイドさんや、地元にあるフオッサマグナミュージアムの学芸員さんが、分かりやすく案内してくれ、さらに関心が高まる。 マイコミ平内は、手付かずの鬱蒼とした密林で、小川を渡ったりするので、入山の際は登山靴より、膝くらいの長さの長靴がベスト。 山中はガイドさんの案内がないと、まず迷います。 |
写真
装備
個人装備 |
長靴(1足)
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感想
新潟県の西端、糸魚川市全域に指定されている「世界ジオパーク」の一つ、「マイコミ平」に行ってきました。「そもそも世界ジオパークって何?」とお思いの方も多いだろう。
直訳すれば、「ユネスコ支援の大地の公園」だが、平たく言えば、「世界遺産の地学版」というところでしょうか。
「世界」を冠するのは本州では、ここ糸魚川だけで、他は、北海道の洞爺湖有珠山と長崎県の島原半島にあるそうだ。
その他に日本独自の「日本ジオパーク」というのが国内各所にある様だ。
糸魚川といえば、かつて授業で習った日本を二分する活断層「フオッサマグナ」、北アルプスが日本海に落ち込む北陸道の難所「親不知」、白馬岳からその親不知まで続く標高約3000mから海抜0mへの縦貫登山道「栂海新道」、古代に勾玉に使われたひすいの産地、クライミング界では有名な明星山の岩壁、日本百名山を定めた深田久弥が恋い焦がれた「雨飾山」等、正に地学に関する名所が多くて有名だ。
そのどれもが、世界ジオパークに指定されている。
しかし、普段は広く公開されないこの「マイコミ平」こそが隠れた目玉の様だ。以前からマイコミ平の話は聞いてはいたが、許可なくして入山はできないので、見学の機会がないかと窺っていた。今回、ツアーが開催されと聞き、ようやく念願が叶ったわけだ。
さて、マイコミ平が公開されていない理由は様々ある様だが、聞くところによると、
1世界でも稀な貴重な自然を保護するため
2石灰石の採掘鉱山が直近にあるため、発破(火薬による岩石の爆破)時の飛び石、落石等の危険性があるため。
と聞いている。
1については、 多くの観光客が来て手付かずの自然が荒れてしまうこともさることながら、アクセスする林道が狭隘で険しい点、登山道の安全確保、自然環境に配意したバイオトイレ等の設置等、安全面、衛生面の整備等にも課題があるだろう。
2については、現地に行くと分かるが、アクセスする林道は石灰石鉱山の正に真ん前を通る。
糸魚川市には豊富な石灰石を採掘しセメントや化学製品を製造する工場が林立しており、その規模は日本屈指と聞く。
言うまでもなく、地元の基幹産業だ。
マイコミ平の観光のため、鉱山が連日、採掘を停止すれば、産業だけでなく、そこに勤める多くの市民の生活にも影響が出るだろう。
自然保護、産業、観光のバランスを取る難しさを感じた。
これらは何もここに限らず、他の世界ジオパークや世界遺産、さらには地球環境全体にも、共通の課題と言えるだろう。
そこで、マイコミ平では、鉱山側と粘り強く協議し、1ヶ月に1日だけ鉱山の採掘を停止する日を定め、その日をツアー実施した日と決めたそうだ。その上で、入山者を限定し、一般車両の乗り入れを禁止し、ガイドや学芸員の目が行き届けば、自然保護や入山者の安全面も確保できる。
三点のバランスを見事に保った、地元の知恵と努力には、正に頭が下がる思いだ。
ところで、あの大物司会者のタモリが、芸能界きっての「地学マニア」であることは、ご存知の人も多いであろう。
彼は自らの冠番組内で、地学に関する企画を頻繁に行っており、その博学ぶりは専門家も舌を巻くほどだ。
彼は番組内で、ひすいの企画や、「電車で親不知を見に行った。」「一度フオッサマグナ沿いを走る大糸線に乗ってみたいんだよね。ここ景色が良いんだよ。」 等と申しており、糸魚川に何度か足を運んだことがある様だ。しかし、流石の彼でも「マイコミ平」は知らない様だ。
以前、彼は、番組の企画で「日本すり鉢学会」という地形研究の愛好会の方達と、都内のすり鉢状の地形に赴いたがあった。結局、そこは天然のすり鉢上の地形ではなく、谷を人工的に堰止めた地形であった。
彼は番組内で、「日本に天然のすり鉢状の地形なんてあるわけないよ」と、申していたが、このマイコミ平は天然のすり鉢状の地形だらけだ。
何せ、このマイコミ平自体「ポリエ」という、直経約1kmに渡ろうかという天然の巨大な凹地なのだから。
彼が足を運んで、体感すれば、さぞ狂喜することであろう。
ぜひ、お越し願いたいものだ。
最後に、このマイコミ平は広く公開されていないだけに、正に日本に残された数少ない秘境と言えるだろう。
このブログを見られた方にもぜひお勧めしたい。
ただし、無許可入山だけは、絶対にしないでほしい。(物理的に無理ではあるが)
正直、それを助長するきっかけにならないかと、このブログを公開するのを悩んだくらいである。
暮れぐれも、せっかくの、これまでの地元の方の努力を無駄にだけはしないでもらいたい。
入山希望者は、事前に糸魚川市役所(交流観光課025ー552ー1511)や地元の旅行業者(三愛旅行社)に問い合わせてもらいたい。
来年は、北陸新幹線の糸魚川駅が開業し、東京から乗り換えなしで糸魚川に行けるようになって、さらにアクセスしやすくなる。
ぜひ世界ジオパークの稀有な自然を体感していただければと思う。
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