棒ノ折山-川苔山
- GPS
- 08:10
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,597m
- 下り
- 1,515m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年09月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
白谷沢の「ナンチャッテ沢登り」が涼しいし面白い。要所に鎖もあって普通は立ち往生する気遣いはないが、沢床を行くので雨上がりは避けたほうが無難。長尾ノ丸〜送電鉄塔間はやや道が不明瞭で急勾配もあるが、迷うようなわき道はない。 |
写真
感想
【独り言】
飯能からのバスの乗客は10人足らずだった。さわらびの湯下車も一人だけ。みなさん、先のシルバーウイークでお出かけ疲れだったのだろうか。
トイレへ寄って出発。車道を登り、有間ダムを渡る。20分で関東ふれあいの道の登山口に着いた。「白谷の泉」は、山と高原地図付録のガイドにある通り涸れている。まずは沢音を左下に聞きながら普通の山道を登り、15分ほどして小さな「藤懸ノ滝」の上部から沢床に導かれた。
ここからしばらく「ナンチャッテ沢登り」の区間となる。右に左に沢を渡り、廊下のような場所も通るとあって、確かに気分は沢登り。ただ、ルートは分かりやすく、両手を使う必要はほとんどない。一箇所だけ岩につかまってへつることになったが、ロープがあるのに誰かがたくし上げていただけだった。最後の高い「白孔雀の滝」では、脇に鎖場があって足場まで刻んであった。
下りに使うと少々難儀しそうだが、沢登りの雰囲気だけを味わうにはもってこいだろう。沢を歩くのは距離で500m、標高差100mほどだろうか。沢を詰めると最後は超急勾配のガレ場などが待っているはずだが、ここは丸木の階段が現れて林道に至り、そこから上もきれいに整備されていて尾根まで楽に登れる。
さて、尾根に出た所が岩茸石。丸木の階段の急坂で汗を絞られると権次入峠、そしてなおも丸木の階段を辿れば棒ノ折山(棒ノ嶺)だ。あいにくの薄曇りで遠くの山は霞んで見えず、武甲山など秩父の山々だけで我慢する。
一休みしてソーセージ1本で小腹を満たし、西を目指す。ここまでは何人か行き会ったハイカーの姿がぱったりと消え、昨年の逆コース縦走時と同じ静かな尾根歩きになった。眺望のない槙ノ尾山を過ぎ、鞍部に来ると右手の視界が少し開ける。北側の林道がすぐ近くまで寄り添い、そこまで踏み跡が伸びていた。
そのまま漫然と歩いていたら、道が南に振れているのに気づいた。尾根が遠く右上方に見える。ただ、踏み跡はしっかりしているし、「・・・trail」と書いた黄色いテープも見えたので巻道と判断、構わず進むと案の定、しばらく先で尾根通しの道と合流した。長尾ノ丸(長尾丸山)は槙ノ尾山と同様つまらない頂上であることを去年確認済みなので、かえって助かったようなものだが、はて東側はどこで尾根道と分岐したのだろう・・・。
この合流点を過ぎるとすぐ逆落としの急勾配。ロープの助けで滑り下り、不明瞭になりだした踏み跡を登り返す。小ピークを越えたり巻いたりしながら徐々に高度を稼ぎ、地図にない山道(手書きの道標あり)と交わってヤセ尾根を通る。「山ナシ山」の名が記された1087mピークを過ぎ、ひとアルバイトでぽっかりと空の見える送電鉄塔「新秩父線50号」(標高1175m)に着いた。雲が減って日が照りだしており、北東の風が心地よい。南にはこれから向かう川苔山方面、北には蕨山も見える。正午なのでここで昼食にした。
大休止で元気回復し、最後の200m弱の登りに挑む。植林帯のかなりの急勾配を這うようによじ登ると自然林に変わり、下草の笹薮を切り開いた登山道になった。その笹薮の途切れた所が広々した防火帯の尾根。日向沢ノ峰は左へ曲がってすぐだ。
小さな山頂では奥多摩の山々が見えていたが、雲が多くてよく分からないので、休まず気持ちいい尾根道を辿った。いささか疲れたが、歩きやすいのでどんどん進む。踊平では木々の間から午前中に辿った棒ノ折山からの尾根が見えた。
最後の登り返しとなる曲ヶ谷北峰で振り返ると、昼を食べた送電鉄塔が見え、その向こうに武甲山一帯の山々が折り重なっている。西寄りに目を転じた先の三角形の頂上は蕎麦粒山だろうか。だいぶ青空が増えて見通しが良くなってきている。曲ヶ谷北峰からまっすぐ舟井戸へ降りるつもりだったが、せっかくなのでやはり川苔山まで脚を伸ばすことにした。
頂上には「田中」と名乗る67歳の元気な男性が一人いて、大きなリュックからテントを出していた。しょっちゅうこの山頂に泊まるのだという。「陣場高原の売店にテントを預けてあって、そこでもよく泊まる。夏は上高地の先にテント張って1か月滞在するよ」とのこと。逆光になる西方の眺めはいま一つだったので、結局、しばらく彼と山の話をして山頂を辞した。
後は3度目となる歩き慣れた鳩ノ巣駅への下山ルートだ。今日は一番楽な山腹の道を辿る。舟井戸まで急な坂を下り、ごろた石で歩きにくい植林帯の中をさらに標高800m付近まで慎重に行く。そこから先は散歩道のようなもので、緩い下り勾配ではつい走り出してしまう。ゆっくり歩く女性3人組を抜き去り、林道終点の大根ノ山ノ神へ。やがて西日を浴びる鳩ノ巣集落の上に出た。ヒガンバナの咲く向こうに見える山里のたたずまいは、どこかホッとする光景だ。
もうすぐ駅というあたりで上り電車の出ていく音が聞こえた。次の電車は30分後。ゆっくり着替えて荷造りし直し、今回も駅前の店で缶ビールを買った。ショート缶1本350円、いい商売である。
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