立山三部作1 立山サンダーバード＆称名滝＆芦峅寺散策
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 00:51
- 距離
- 2.9km
- 登り
- 153m
- 下り
- 152m
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| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
称名滝へは、称名平駐車場に自動車を停めて歩きました。8割程埋まっていましたが、遊歩道は密にならずにすみました。なお、この日は遊歩道は17時まで、称名平駐車場までの舗装道路は18時まで通行可能でした。ネット情報では時季ごとに通行時間が決められているとのことですが、現地の案内板には時季ごとの通行時間表に紙が貼られて隠してあり、当日の時間のみが表示されていました。駐車場からゲートまでは渋滞がなければ10分程なので、遊歩道の通行時間内に駐車場に戻れば大丈夫だと思います。 芦峅寺（あしくらじ）は、立山博物館、まんだら遊苑などいくつか駐車場が利用できます。施設は17時で閉館ですが、駐車場はそれ以降も利用できそうです。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
称名滝への遊歩道は舗装道路が多く運動靴でも大丈夫です。今回はスマホのログなので、多少の誤差があるかもしれません。そのため、写真は貼り付けていません。 |
| その他周辺情報 | 称名滝周辺にはいくつか飲食店があります。まんだら食堂＜写真10＞は月・火以外の11〜15時営業です。 |
写真
01三方湖展望台より三方湖方面…立山までのほぼ中間点である三方五湖PAで休憩しました。展望台を設けており、国指定の名勝・三方五湖の一つである三方湖を一望することができます。
03立山サンダーバード訪問客日本地図…来店した方が自分の住んでいる地域にシールを貼っていました。日本の全47都道府県のみならず、国後（くなしり）島、択捉（えとろふ）島、樺太（からふと）島などからの訪問者もいるようでした。隣に世界地図もありました😮
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04立山サンダーバード店主と植村直己氏ツーショット写真…1970年、植村直己氏が、北米大陸最高峰マッキンリー（現名称はデナリ）の単独登頂に成功し、史上初の世界五大陸最高峰登頂者になった時のアラスカタイムズの記事と、店主・伊藤敬一さんと植村直己氏とのツーショットが掲載されていました。
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06立山サンダーバードサンドイッチコーナー…初めて見るネーミングばかりで、購入意欲をそそられました。「富山県産ほたるいかチャーハン」「し・ろ・え・び・か・き・あ・げ♪」を購入しました😊どちらも500円です。
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07立山サンダーバードオリジナルサンドイッチ…「きのこたけのこチョコ」はきのこの山とたけのこの里がサンドされており、「月へ行こう」はアポロチョコがサンドされていました😮サンドイッチは100種類以上あり、日によって違うようです。
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08立山サンダーバードおにぎりコーナー…「くま」「ワニ」「サメ」「うさぎ」「ウマシカ」「イノシシ」などのジビエの他、とろろ昆布などまあ普通の具材もありました。勇気を出して、「くま」600円、「ワニ」600円、「サメ」350円を購入しました😓
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09立山サンダーバードカップ麺コーナー…「緑のたぬき」や「赤いきつね」が西日本版、東日本版、北海道版、関西限定版とそろっており、食べ比べをしたくなります。
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10まんだら食堂…芦峅寺（あしくらじ）にある食堂です。「まんだら」と「郷土料理」という言葉に惹かれ、ここで昼食をとることにしました。月・火以外の11〜15時営業です。
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12「まんだら食堂」血の池ラーメン紹介…立山曼荼羅に描かれる「血の池地獄」に見立てた赤黒いラーメンは、まんだら食堂の新名物となっているようです。唐辛子がたっぷりの真っ赤なスープを飲むのはかなり勇気がいります。
13「まんだら食堂」あしくら御膳…これぞ芦峅寺郷土料理！芦峅寺の宿坊が立山登拝する人に出した精進料理なので、山菜が多くとてもヘルシーですが、それなりにボリュームはあります😄皮つきじゃがいもの甘辛煮である「かっつる」、具だくさん味噌汁のような「つぼ煮」、あんこなしのヨモギ餅のようでもちもち感がある「焼きつけ」など品数が豊富でした。これで1,500円です。本来は予約が必要ですが、今回は予約なしで大丈夫でした。
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14悪城の壁展望台より悪城の壁…展望台の裏に駐車場があり、5台程駐車可能です。悪城（あくしろ）の壁は高さ500m、長さ2kmで一枚岩としては日本一の高さとされています。あまりにも大きすぎて、展望台から全容を見ることができません。少し進むと、ガードレールにピンクとオレンジのテープが巻かれており、踏み跡を辿ると川岸に出ました。動画はそこから撮りました。
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15ヘリポート越しに悪城の壁…舗装道路沿いです。高さ500m、総延長2kmの大規模な岩壁は溶結凝灰岩で形成されています。ヘリポート越しに見えている辺りが、もっとも迫力があります。
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16悪城の壁ズーム…称名平駐車場に自動車を停め、舗装された遊歩道を歩いていると、ちょうど真横に見えました。険悪で近寄りがたい形から悪城（あくしろ）の壁という名前がつけられました。
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17アズマヒキガエル…舗装道路を跳ねていました。鼻先からお尻まで4cm程のミニサイズでした。ニホンヒキガエルとは違い、鼓膜が大きいので目と鼓膜との距離が短いです。
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18飛龍橋の上よりハンノキ滝…ハンノキ滝は水量が多い時にしか見られず、その高さは約500mで幻の日本一の滝といわれています。かなり細い流れでしたが、見られてよかったです。
19立山「八郎坂」登山口…大正13年（1924年）に当時の第9師団富山連隊によって開かれました。当時は一時的に軍隊の演習場に利用された重要なルートです。このコースはとても急坂なので胸突き八丁から八丁坂と呼ばれていましたが、その後、有名な山岳ガイド佐伯八郎さんの名前をとって八郎坂となったようです。
21ヤマハハコ…ヨメナと同じ場所です。西日本型のホソバノヤマハハコよりも大型で葉の幅が広いです。これは草丈は30cm未満、葉の幅は5mm程と、ホソバノヤマハハコでもいいような気がしましたが、富山県は東日本型のヤマハハコの分布域なのでヤマハハコとしました。
22称名橋の上より称名滝＆ハンノキ滝…公称日本一高い滝・称名滝（左）と幻の日本一高い滝・ハンノキ滝のツーショットです。滝壺が見えるのはここだけなので、復路で動画を撮りました。
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24称名滝展望台より称名滝…上から70m、58m、96m、126mでトータル350mの落差からなり、日本一の高さを誇ります。間近に見えますが、ここからは滝壺もハンノキ滝も見えません。ズームして動画も撮りました。
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25ヨメナ＆ダイモンジソウ…称名滝展望台＜写真23＞から階段を1つ下りたところです。周辺は少し広くベンチなどがありました。階段脇の斜面にアキノキリンソウ＜写真27＞とともに群生していました。
27アキノキリンソウ…ミヤマアキノキリンソウよりも標高が低い場所に生育し、花穂はより長く花数が多いです。直径1cm少々の小さな花ですが、舗装道路沿いにもよく咲いており、目立ちました。
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30雄山神社芦峅中宮祈願殿鳥居＆杉木立…立山博物館の駐車場に自動車を停めて歩くことにしました。ここは霊峰立山をご神体とする立山信仰の拠点で、峰本社、中宮祈願殿、前立社壇（まえだてしゃだん）の3社の総称が雄山神社です。芦峅寺（あしくらじ）にあるのが芦峅中宮祈願殿です。
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32雄山神社芦峅中宮祈願殿熊にまたがる佐伯有頼像？…熊にまたがる金太郎ではありません😁童子は立山の開祖となった佐伯有頼、熊は阿弥陀如来(立山雄山神)の化身で、彼を立山まで導き開山を頼みました。
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33雄山神社芦峅中宮祈願殿境内杉の大木…芦峅中宮祈願殿の境内のタテヤマスギは樹齢400〜500年といわれ、幹周6m級が3本あります。これもそのうちの1本かもしれません。スマホで撮ったら、妙に縦長になり、連れの脚の長さがありえないことに😅
35芦峅雄山神社境内杉林説明板…雄山神社芦峅中宮祈願殿の境内は富山県東部に自生するタテヤマスギの純林で、県の天然記念物に指定されています。樹齢は400〜500年といわれ、小さな神社ならご神木とされる大きさの巨木がたくさんあります。
36雄山神社芦峅中宮祈願殿…明治の神仏分離以前、神仏習合の時代には芦峅寺（中宮寺）と称し、立山雄山神（立山大宮）、剣岳の刀尾神（立山若宮）の両権現を奉斎し、立山信仰の拠点となった地です。これは拝殿にあたる建物です。
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37雄山神社芦峅中宮祈願殿立山若宮…現存する棟札より天正16年（1588年）の建立と考えられている社殿は、タテヤマスギの並木の奥にある巨岩の上に建てられており、立山町指定文化財です。ご祭神は剣岳の刀尾神で、立山の雄山神をお祀りした立山大宮とともに芦峅中宮祈願殿の本殿となっています。
39教算坊内部立山曼荼羅…宿坊だった建物で、月曜以外の9時半から16時半に入館すれば17時まで無料で自由に見学できます。内部には立山曼荼羅が飾られていました。
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40教算坊内部六道輪廻図…人は生前の業により、天道・阿修羅道・餓鬼道・畜生道・地獄道・人道の六道のいずれかに転生するとの仏教思想を表現した六道輪廻図がありました。
43旧嶋家住宅…まんだら遊苑の第一駐車場に移動し、散策再開。映画「劔岳 点の記」のロケにも使用された旧嶋家住宅は、富山県の山地街道筋の民家の典型例として、国の重要文化財に指定されました。入館は16時半までなので間に合わず、外観のみ見学しました。
44旧有馬家住宅…江戸時代の豪農の代表的な造りの家屋で、屋根は茅葺き、入母屋造り両角屋となっており、釘は1本も使用されていません。通称「とらまどんの家」といい、明治時代には村役場の庁舎として使用されていました。立山町の文化財に指定されています。
45合掌休憩舎前の熊と佐伯有頼像…熊と相撲を取る金太郎ではありません😁童子は立山の開祖となった佐伯有頼、熊は阿弥陀如来(立山雄山神)の化身で、彼に立山開山を頼んでおられるところかもしれません。背後の茅葺きの建物にはトイレと書かれていたように思います。
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46かもしか園のカモシカ…国の特別天然記念物ニホンカモシカの保護と増殖のために設置された施設です。現在は3頭が飼育されているようですが、確認できたのはフェンスの奥にわずかに見える小屋の前にいたこの1頭のみでした。
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47アキアカネ♂…17時頃にまんだら遊苑の第一駐車場に戻ると、カーラジオのアンテナに止まっていました。夕日が当たって色がわかりにくいですが、腹部のみ真っ赤だったので、オスだと思います。
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48初日宿泊旅館「千寿荘」…立山駅のすぐ近くにあり、翌日の立山アプローチに便利なので、この日はここに宿泊しました。宿で言われたとおり、登山者用の駅前駐車場に自動車を停めに行きましたが、ほぼ満車でした😮金曜日の17時過ぎでこの状態だったので、翌朝は臨時駐車場もすぐに満車になったかもしれません。
49「千寿荘」夕食…夕食は17時半から18時半までにとりはじめることになっています。ブリのお造り、アユの塩焼き、茶碗蒸しなどなかなか豪華でした。鍋は、カニ爪、タラ、鶏つくねなど具だくさんで、だしがよく出ておいしかったです。
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感想
今回、富山県立山町を訪問しました。立山町といえば、立山連峰や立山黒部アルペンルートを有し、富山県の山岳観光の最大の拠点となっている地域です。この立山町の魅力を3日間かけて探ることにしました。その第一弾として、初日は常願寺川とその支流・称名川沿いにある“日本一”の称号を持つ魅力あるスポットを訪れました。
【日本一珍しいコンビニ・立山サンダーバード】
常願寺川沿いの県道6号線を自動車で走っていると、「立山あるぺん村」を過ぎて程なく、「立山サンダーバード」＜写真02＞という大きな看板が目に飛び込んできました。外観は田舎町にありがちな普通のコンビニです。翌日の朝食を購入するために入店しました。
最初に目にとまったのは「どこから来たの？シール貼ってね」と書かれた文字の背後にある日本地図＜写真03＞です。どうもこの店を訪れた方がこの日本地図の自宅の位置にシールを貼っているようでした。なんと、47都道府県全ての地域から訪問者がいました。それどころか、択捉（えとろふ）、国後（くなしり）、樺太（からふと）や周辺諸国からも訪問者があったようで世界地図もありました👀
次に目に入ったのは、植村直己氏のマッキンリー（現デナリ）登頂時の新聞記事、店主と植村氏のツーショット写真です。この時点で、ただのコンビニではないことが容易に分かりました。
そして、棚に陳列された商品＜写真05〜09＞を見て驚きはクライマックスに😱その多くが今までコンビニはおろか、ご当地スーパーでも見たことがないものばかりでした。
特にインパクトがあったのは、手作りサンドイッチとおにぎりのコーナーです。サンドイッチの具材がアポロチョコの「月へ行こう！」＜写真07＞、具材がきのこの山＆たけのこの里の「きのこたけのこチョコ」、そして、明らかに手で握ったおにぎり＜写真08＞には「くま」、「ワニ」、「サメ」などの動物の名が😱
結局、これまでの人生で食べたことがないサンドイッチとおにぎりを5つ購入しました。サンドイッチの「富山県産ほたるいかチャーハン」「し・ろ・え・び・か・き・あ・げ♪」は各500円、おにぎりは「くま」600円、「ワニ」600円、「サメ」350円です。味は？次の山行記録にて紹介します。
これだけ珍しいものを売るコンビニは他にないでしょう。
【日本一落差のある滝・称名滝＆日本一落差のある幻の滝・ハンノキ滝】
立山サンダーバードで買い物後、近くの芦峅寺（あしくらじ：地名）にある「まんだら食堂」＜写真10＞で名物料理「あしくら御膳」＜写真13＞を注文しました。予約が必要との情報もありましたが、予約なしで大丈夫でした。
山菜を使った料理が多く、ヘルシーですがなかなかボリュームがあります。皮つきじゃがいもの甘辛煮である「かっつる」、具だくさん味噌汁のような「つぼ煮」、あんこなしのヨモギ餅のようでもちもち感がある「焼きつけ」などの郷土料理が少しずつ楽しめました。
食後、日本一落差のある滝として有名な称名滝＜写真24＞を見学しました。駐車場が8割程埋まっていたわりには人は少なく、密にならずにすみました。
平安時代の『今昔物語集』では勝妙ノ滝（優れた滝）として登場し、その滝壺には神仏を守護する大蛇が棲むと言われていました。また、源頼朝の挙兵を促した文覚上人が滝壺で修行を行ったところ、滝の音が「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える声（称名）に聞こえたことから、自らも念仏を唱えて伏して滝を拝んだ場所を「伏拝」と名付けたと伝えられています。
称名滝は4段滝で、上から70m、58m、96m、126mとトータル350mの落差となっていますが、これは東京タワーの333mを上回る高さです。称名滝を含む称名峡谷は国の名勝および天然記念物に指定されています。
この称名滝に対峙するように向かって右側にハンノキ滝＜写真22右＞があります。称名滝の迫力に比して一見平凡な滝に見えますが、このハンノキ滝は落差約500mもあり、日本一落差のある幻の滝と呼ばれています。この滝はいつでも見られるわけではなく、水の量によって出現したり消えたりするので、正式な日本一の落差とは認められないのです。
それにしても、さすがは立山です。公式日本一と幻日本一の落差のある滝が並び、さらには、その下流部には高さ約500m、幅2kmという一枚岩としては日本一の規模とされる断崖絶壁「悪城（あくしろ）の壁」＜写真14〜16＞が続いています。称名峡谷一帯は立山を語る上で欠かせない魅力あるスポットでした。
【立山信仰を語る上で日本一重要な拠点・芦峅寺】
立山は富士山、白山と並ぶ日本三霊山の一つです。弥陀ヶ原や称名滝、地獄谷など仏教由来の名が多いのもここが信仰の山だからです。
この日、最後に訪れた芦峅寺（あしくらじ）は立山連峰の玄関口です。もとは神仏習合の形態であった当時の「雄山神社中宮祈願殿」＜写真30〜38＞の寺名で、中宮寺とも呼ばれていました。ここには立山の開祖、佐伯有頼の御廟＜写真34＞があります。
文武天皇の御代、神のお告げにより生まれた佐伯有頼は、父が大事にしていた白鷹を逃がしてしまいました。山に分け入ってやっと見つけたところ、黒熊のせいで逃げられてしまったので、熊を矢で射てさらに後を追いました。三人の老婆に白鷹の居場所を教えられ、山猿が藤で作ってくれた橋を渡り、やっとのことで山上に辿り着くと、白鷹と黒熊が岩屋（玉殿岩窟）に入っていきました。中には、不動明王と胸に矢が刺さり血を流した阿弥陀如来が😱刀尾神（本地は不動明王）、立山雄山神（本地は阿弥陀如来）は、有頼に立山開山をさせようと、白鷹と黒熊に姿を変えて彼をここまで導いたのでした。己の生まれてきた意味を悟った有頼は出家して慈興と号し、立山を開山し芦峅寺に居を構えました。
江戸時代には芦峅寺の衆徒たちは、冬の農閑期になると全国に広がる檀那場（立山信仰の信者が多い地域）へ赴き、立山曼荼羅を使用した絵解きをすることで立山信仰を広めました。大正末期から昭和の初め頃には立山の山々に挑む近代登山のガイドの村としての性質が強くなりました。映画「劔岳 点の記」（新田次郎原作）では、立山ガイド協会会員が撮影支援に当たりました。映画の中でも頻繁に芦峅寺の様子が描かれています。そんな日本一立山信仰の篤い芦峅寺を歩き、立山の奥深さを改めて感じることができました。
この日は芦峅寺（あしくらじ）に近い立山駅前にある「千寿荘」＜写真48＞に泊まりました。宿で言われたとおり、登山者用の駅前駐車場に自動車を停めに行きましたが、ほぼ満車でした😮金曜日の17時過ぎでこの状態だったので、翌朝は臨時駐車場もすぐに満車になったかもしれません。ここに宿泊してよかったです。ブリのお造りやカニ爪などが入った鍋など豪華な料理＜写真49＞に舌鼓を打ち、かなりつるつるのお湯が自慢の天然温泉「美人の湯」に浸かり、心と体を癒やしました。
さて、次はいよいよ立山登山です。
※今回の活動記録は「立山三部作」として、3回に分けて連載予定です。
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