準備を重ねて 富士山(富士宮口ピストン) 会心の山行
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,553m
- 下り
- 1,534m
コースタイム
7:16 6合目
8:10 新7合目
9:06 元祖7合目
9:58 8合目
10:42 9合目
11:22 9合5勺
12:03 富士宮口山頂
12:22 富士山山頂(3776m三角点)
12:34 富士山山頂出発
13:33 9合目
14:03 8合目
14:58 新7合目
15:28 6合目
15:42 富士宮口5合目
天候 | 5号目登山口は朝は18度、山頂は14度、下山後は22度 山頂に近づくと風もあったが、基本無風。 眺望は雲海によりほとんど得られなかった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車料金1000円、シャトルバス往復1500円、登山協力金1000円を支払った。車中泊可能。 シャトルバスは6:00〜22:00まで30分間隔で運行。 希望者が多ければ臨時バスが出る。 また、夜間はタクシーも活用することができるが割高 弾丸登山はせずに朝から登り一泊してご来光を待てという感じだろうか。 個人的にはもう1時間早いバスがあればなあと思う。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的には岩と火山灰、火山礫、軽石の道。特に下りでは火山灰や軽石に両足を乗せてしまうと滑ってしまう。ダブルストックを使ってよく確かめながら下って行った。 また、高山病になりやすい山である。5km程度の道で1400m近く標高を上げるためである。まずは5合目でしっかりと準備をし時間を取って空気の薄さに慣れるべきである。この作業を30分ほどするかしないかで大いに影響する。 温泉は「ごてんば温泉会館」 泉質は単純泉、しかしナトリウムイオン、炭酸水素イオン、メタケイ酸イオンが豊富という美肌の湯である。3時間までで500円と安いが、露天風呂もなく浴室が厚いため40分ほどで汗びっしょりになって出てきてしまった。 |
予約できる山小屋 |
八合目池田館
|
写真
感想
今年の夏の目標の一つに、富士登山はあった。過去には富士吉田口から登り、14時間かかったためお鉢めぐりもできずにほうほうの体で戻ってしまったことがある。つまり、3776mの三角点も見ていないし、似非富士登山者であると自覚していた。
昨年に登山を再開してから、夏の富士登山は大きな目標の一つであった。
別にご来光を見ることにはこだわっていない、初日の出とかご来光とか私にはあまり興味が持てるわけではない。山頂の3776mの三角点にたどり着きたいと思っているのだ。
富士山は、気楽に登る山ではないと思う。しっかりと準備をして登る山である。その準備は3つ、装備、知識、技量であると思う。富士山独自の岩と火山灰、火山礫の道にどう対応するか、高山病にどう対応するか、ご来光であるならば夜中の低温をどう乗り切るか・・・。そういう中から、私は混んでいない平日、朝から登り夕方には下山というスタイルに決めたのである。日帰りスタイルの一番良い点は、半袖の準備中心でよいということと、山小屋がほとんど開いているということである。夜中から朝の低温に耐えなくてもよいのだ、朝の5合目は15度ぐらい、山頂は12度ぐらい、いずれも半袖で十分対応できる気温である(北海道民の私は・・・。)
前日の夜遅く、水ヶ塚駐車場に入り車中泊、5時半ごろ起き(睡眠は十分にとった)、準備をしてシャトルバスの乗り場に行く、どうやら2台出そうだ。私は1代目に乗り込み5合目を目指す。もうここまで、3500円を払っている。1000円の駐車料金、1500円のシャトルバス代、1000円の協力費(入山料みたいなものか)である。
5合目ではじっくりと時間を使う。トイレ、体操、休息などをして標高2400mの空気に慣れる。そして7時ごろ出発する。
・深呼吸1回で1歩(1秒1歩を基本)
・歩幅は1.5歩まで、ゆっくり歩く。
・山荘と、山荘と山荘の間で1回休憩は取れるように配慮したい(逆に言うと、安易な休憩はしない)。
・水はケチらず飲む。(4リットル持って行っているし、無くなれば買えばよい)
こんなことを気にしながら標高を上げていったのである。おかげなのか、今日は全く高山病の症状が出なかった。
それにしても、気になるのは富士山の低俗化である。今は世界遺産になったことだし、みんなに登ってもらいたいと思っているのだろうが、無謀な登山が結構あり登っていて他人事ながら心配になってしまった。
猫も杓子も富士山ということにはならないと思うのだ。3歳ぐらいの幼児が段差に足が乗らないので体ごと乗り越えていたり、金剛杖の持ち方やストックを間違えた使い方をしている人がいる。靴のつま先に穴が開いている子(帰り道は砂が入って大変だろうに)、「いやだいやだ」と泣き叫んでいる子供、また、高山病がひどく吐きそうになっている子供、登山道横で寝てしまっている子・・・いろいろいた。本当にこの年齢の子供に富士登山が適しているのか?この年齢の子供に富士登山をさせたいのか?と疑問になった。これでは、登山自体を嫌いになってしまう子供がたくさんできてしまうのではないかと思った。高尾山や地元の山でもよいではないか。幼児を富士山に無理やり登らせることは拷問になるかもしれないと思った。
挙句の果てに外国人ですが、さらにひどい。ミュールで登っていた人。短パン率多し(岩に足をこすって切れる恐れがあるため長ズボンの方が良いのだ)。中にはサンダルでペットボトルのスポーツドリンクを持っているだけでザックすらない人もいたのである(その人は本七合目前で引き返したようだったが)。
そんな中私は順調に高度を上げている。いつの間にか3000mを越え、空気も薄くなっている。
このころからは、朝ご来光を見た方が続々と下山してきており、登山道は混雑しており互いに「お疲れ様!」「頑張ってください!」と声をかけている。気持ちよく、楽しい登山だ。
腹がすいたら行動食を食べ、水分を適宜補給し、山小屋のベンチや岩に座って休息。適度に山小屋があり次の山小屋が見えているので目標にもなる。
今日は14:00で到着したところで終点とし下山する予定でいた。しかしながら快調で12時台には剣ヶ峰(3776m)についてしまう。写真撮影を済ませて、おにぎりを食べる。もちろん童謡「一年生になったら」から、富士山の上で食べるのは絶対「おにぎり」と決めていた。山頂昼食者はおにぎり率が高めだと思った。火口もでかい。妙な満足感と達成感があった。
下りは快調だが、転ぶ人をよく見かけた。火山灰や火山礫のところに両足を乗せてしまうと結構バランスを崩す。どちらかの足は岩に置く方が安定するのだ。慎重に下った結果、私は一度も転ばなかった、実はこのことはとても大事なことだと思う。事前に目の前の登山道の状況を把握し、ダブルストックで衝撃を殺し、慎重に下ってくることを続けるには強い精神力が必要と思うのだ。何人も転んでいる姿を見ているのでますますそう思う、転ばないよう注意して戻ってこれたことは一つの収穫であったと思う(自画自賛ですが・・・)。
今回は、まさに会心の山行であった。高山病対策、登山道対策、持ち物、時間設定、さまざまなことを計画し準備をして臨みうまくいった山行である。
気楽に登れるとガイドブックに書いてあるからか、安易な登山が非常に目についたが、本来富士山は危険な山であり、綿密な計画や準備のもとで登る山である。今回だって一つ変わると命がなかったかもしれないのだ。安易な富士山登山について唖然としたことと、富士山に限らず登山は情報収集と準備をきちんとしたうえで行うことだということを再度自分に言い聞かせたいと思った。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する