仙丈ヶ岳
- GPS
- 31:59
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 2,369m
- 下り
- 2,354m
コースタイム
7月25日
6:05仙流荘(バス発)-7:00北沢峠-7:20登山開始-9:52大滝の頭(5合目)-11:50小仙丈ヶ岳-13:49仙丈ヶ岳-14:40仙丈小屋-15:40馬の背ヒュッテ(泊)
7月26日
6:40馬の背ヒュッテ(発)-8:19仙丈小屋-9:12仙丈ヶ岳(着)-(山頂付近の花畑散歩,食事など)-12:25仙丈ヶ岳(発)-13:46小仙丈ヶ岳(ここから全速力で下る)-14:25大滝の頭(5合目)-15:17北沢峠登山口-16:00北沢峠(バス発)-16:50仙流荘
天候 | 7月25日:晴後曇 7月26日:快晴後晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
仙流荘隣のバス停から北沢峠行きバスが出ています.芦安方面からのバスとは異なり,全員着席できるようです.また,手荷物料金が別途必要になります. |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは,仙流荘前のバス乗り場,北沢峠のこもれび山荘にありました.二枚綴りで,一枚を入山時に,もう一枚を下山時に提出するようです. 仙流荘は日帰り入浴ができるそうです.下山後に汗を流すのに良さそうです.なお,南アルプスの国立公園指定50周年を記念したスタンプラリーをやっていました.山小屋,バス停のチケット売り場など,様々な施設にスタンプと台紙が置いてあります. 登山道は,藪沢ルート(大平山荘-馬の背ヒュッテ)が残雪のため通行止めになっていました.大滝の頭-馬の背ヒュッテの道は,軽アイゼンがある方がよいという話を山小屋で聞きました.小仙丈経由の経路に雪はありません. お花畑は,小仙丈ヶ岳から上に進んだ稜線上,仙丈ヶ岳頂上付近(仙丈小屋方面の登山道周辺)にあります.また,馬の背ヒュッテの周りにも花が咲いています.小仙丈ヶ岳付近ではチングルマやイワカガミが盛りでしたが,仙丈ヶ岳頂上付近ではこれらの花はもう終わりに近くなっていました.場所によって,花期に違いがあるようです. |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
この梅雨,まだ見たことのないキタダケソウを見に行こうと思い北岳を狙っていたのですが,結局天候と仕事との都合がつかず,花は散ってしまいました.北岳はこれまでに2回ほど登ったことがあるので,キタダケソウの大義名分(?)も無くなったことだし,登ったことのない仙丈ヶ岳に行くことにしました.以前北岳から仙丈ヶ岳を眺めたときに,甲斐駒が近く迫力のある眺望が期待できそうと感じたこと,また地図で見たところ,富士山,北岳,間ノ岳の国内標高上位3山が一枚の写真に収まりそうで,山頂からの景色を楽しみに登りました.
地図で検討したところ,仙丈小屋に泊まれば日の出の眺めがよさそうに思え,またここの湧き水は絶品と聞いていたので,ここに泊まる計画を立てていたのですが,電話をかけたところ満員とのこと.同じく日の出が眺望がよさそうな馬の背ヒュッテにお世話になることにしました.
この山域に入るときはいつも芦安から入っていたのですが,林道が崖崩れのため通行止めとなり入域不能とのこと.そこで家からは遠回ですが,北沢峠への便の良い戸台口から入ることにしました.ここからのバスは驚いたことに座席定員しか乗せない=必ず座れる(!),待っている全員が乗れるまで何台もバスが出る,という登山者にとっては有難い仕組みになっていました.
北沢峠は樹林帯の気持ちの良い峠でした.じゅんびを北沢峠を出て,5合目の大滝の頭までは森の中の登りが続きます.大きな山だけあって,長く感じますがそれでも例えば北岳の大樺沢の登りなどよりは断然歩きやすく,消耗も小さいです.ここまでは「○合目」の看板ごとに小休憩を取りました.
4合目か5合目あたりで道ばたに腰を下ろしているおじさんと二言三言,言葉を交わすうちに仲良くなりました.この方は地元の方でもう十数回はのぼっておられるとのこと.でも今日はバテてしまったとのことで足取りも重そうでした.お話が楽しかったのと,正直なところ,ほんの少し心配だったのとで,結局この方と小仙丈ヶ岳付近までご一緒させて頂きました.楽しいお話有り難うございました.この方は巻き道を通って仙丈小屋へ向かわれ,私は小仙丈尾根を更に登って山頂を目指します.
小仙丈ヶ岳から上は高山植物のお花畑が拡がっていました.丁度チングルマが花盛りだったようです.また,ここから見る仙丈ヶ岳の優雅な形は,青空とハイマツの緑,岩の白に彩られていっそう美しく思えました.なお,仙丈ヶ岳頂上付近にもお花畑がありますが,こちらは少し季節の進みが速いのか,チングルマの花はそろそろ終わりのような雰囲気でした.
風景の美しさに見とれていたのと,ここまでいろいろあったのとで,頂上に着いたのは2時前(汗).雷雨になる気配はありませんでしたが,かなり雲が湧いてきました.急いで登頂の写真を撮り,周りの風景を納め仙丈小屋を目指します.馬の背ヒュッテ到着が15時を過ぎるのは明白になったので,ここで山小屋に15時半過ぎ到着になる旨,お詫びと連絡を入れました.
仙丈小屋の湧き水は美味い,と金峰山のとある山小屋のご主人に聞いていたので,仙丈小屋で給水.噂に違わぬおいしさでした.元気になったところで,全速力で馬の背ヒュッテに下り,無事到着.小屋の方からは連絡有り難うございました,と言われましたが,遅くなったのはこっちなので,謝りながら受付を済ませました.
馬の背ヒュッテは樹林帯にある一風変わった形の山小屋で,ナナカマドとシナノキンバイ等の花々に囲まれていました.周囲には鹿よけ柵が張り巡らしてあり,恐らく,小屋の周りに花が多いのは,この柵のおかげなのでしょう.ここでも鹿の食害は深刻なようです.
夕食はここの名物らしい,オリジナルカレー.山を歩き回った後の空きっ腹には大変美味しく,お代わりもちょうだい致しました.
この日,山小屋には山岳救助隊の隊長さんがおられ,お話を少し聞くことができました.今日通った小仙丈尾根は,一見なだらかで気持ちの良い尾根ですが,滑落事故が(特に冬)しばしば発生するとのこと.事故の動態から見れば,優雅な山容にだまされて油断してはならない,とのことでした.
翌日の日の出は4時30分過ぎ,甲斐駒ヶ岳の方向から昇ると聞き,就寝.4時過ぎに起きて小屋前にて日の出を待ちます.4時半を過ぎて,甲斐駒ヶ岳の後ろが明るくなるも,太陽は見えず.4時40分を過ぎ皆さんあきらめかけていたときに,意外にも甲斐駒の右,奥秩父の山々の向こうから日が昇ってきました.
無事ご来光を写真に納め,朝食を頂いた後,山小屋を出発.周囲のお花畑の写真を撮りながら,再度頂上を目指します.この日は最高の天気で,甲斐駒や鳳凰山,北岳など近所の山はもちろんのこと,飛騨山脈,木曽山脈,乗鞍,御嶽,八ヶ岳,浅間山,奥秩父,富士山と,ありとあらゆる名山を見ることができました.この日は朝のうちに下って,さっさと夕方までに家に帰るつもりだったのですが,小屋で見た天気予報(東京の最高気温は36℃)を見てうんざり.一方こちら仙丈ヶ岳の稜線上は気持ちの良い冷風が吹き渡り花が風に揺れています.これで帰る法があるものかと終バスの時刻まで滞在することに決定.山頂付近のお花畑をカメラ片手に見て回ったり,お湯を沸かして昼ご飯を食べたり,景色を楽しみながらのんびりとしました.
山に登るとついどんどん歩こうとか,1つでも多くの山頂を極めようとか,思いがちなのですが,思いっきり予定に余裕を持たせて,その山をじっくり味わうのも楽しいことだと知りました.・・・あとで日焼けが大変なことにはなりましたが.
昼過ぎに名残惜しくも下山開始.やはり眺めが良いので,時間を許される限りのんびりと小仙丈ヶ岳まで下山しました.森林限界を下回り,景色と花畑が楽しめくなったところから,徐々に加速して下降(突然全速を出して下るとリズムが狂って転ぶため).無事終バスの45分前に峠に着き,こもれび山荘のブラウニーを頂いて帰りました.疲れた体にお菓子の甘さは最高に効きますね.
私にとっては,去年登った北岳,間ノ岳に続いて三つ目の3000メートル法でしたが,優雅な山容と優れた景色がとても印象に残りました.また,去年見そこなったチングルマも見られて大満足.
一方,今回は時間管理が少々甘かった点が反省点でした.
3000メートル峰だけに油断はできませんが,その中では初心者にも門戸を開いてくれる山だと思いました.今度は誰か仲間と行きたいですね.
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