台高/明神岳・桧塚・薊岳@紅葉の稜線は別天地
- GPS
- 06:55
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,152m
- 下り
- 1,132m
コースタイム
- 山行
- 5:56
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 6:53
天候 | くもりのち一時晴れ(風強し) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
薊岳東方P1334からの下りは最初と最後は急坂滑落注意、上部急坂部より下は植林地で退屈 |
写真
感想
今回は中学のワンゲル友達との山登り。
8時45分、大又林道ゲート前の駐車場着。すでに30台近くが止まっている。なんとか山側に縦列駐車して出発。曇っているが晴れるだろう。
しばらくは林道歩きだが、左手に渓流を見ながらなので退屈ではない。
小滝や淵など絵になる風景が多いが、ひとつひとつ写真に撮っていると、いつまでたっても山登りが始まらない。
途中の最大の滝は綺麗に2条に分かれた落差7mほどの滝で、これには「二階の滝」という名称がつけられている。
二階の滝というと2段になった滝を連想してしまうので、どちらかというと「二条の滝」「夫婦滝」という名の方が相応しいように思う。
秋も深まり、咲いている花もほとんどなくなってきた中なので、時々見かける小さな小さな白い花が目に止まる。キッコウハグマだ。近づいて見ると花弁の先がキュンと反っていてなんともキュートだ。
林道終点からもしばらく渓流沿いの登山道で、春から夏にかけての緑鮮やかな頃も気持ちよさそうな道だ。
左岸に移る渡渉点で大型犬(ボルゾイ犬?顔が長く垂れ耳で長毛)を6匹連れた登山者を追い抜く。3人でだが、こんな大型犬が6匹も山道を登る姿はなかなか優雅で壮観である。
しばらくすると段々になった落差のある滝が見えてくる。明神の滝だ。
源流近くにあって、最近ほとんど雨が降っていないのにもかかわらず豊富な水を落としている。自然林の保水力の高さを改めて感じる。
登山道は滝を遠くから眺めるだけで、谷を離れて左斜面をジグザグに登っていくが、滝を遠くから眺めるだけで通り過ぎるということは、私にはあり得ないことだ。
流水沿いを登り真下から滝にごあいさつ。
ゆるやかにジグザグにつけられた紅葉盛り間近の登山道は、明神平という別天地へと続くプロムナードのようである。
カーブを曲がるたびに、紅葉が進み、木々が鮮やかになっていく。晩秋に向けて短時間で季節が移り変わる様を感じられる。
相変わらず空は曇っているが、陽が射せばさらに鮮やかで美しく見えるのだろうことを期待しつつ登っていると、右手に薊岳が望めるようになってくる。
きょうは明神平から桧塚まで往復してから薊岳にも登る予定をしているが、この先の紅葉や景色がそれを許してくれるだろうか。美しい景色の虜になり足がなかなか進まなく時間切れということにならないだろうか。そんな心配をもさせる期待がこの先にありそうだ。
そういった期待感とは裏腹に、いつまで経っても雲がきれないどころか、時々すぐ上空をガスが横切る天候のため、明神平に登り切った時の感動というものはあまりなかった。パッと広がる開放感を青空の下、全身で感じたかったのだけれど。
また風の加減もあって寒いので止まるとすぐ体が冷えてくる。
小休止後、三ツ塚から明神岳方面へ。明神平を振り返ると水無山はガスの中。
しかし明神岳手前になると南に視界が開け時より薄日がさしてきた。台高山脈の主稜線から迷岳にのびる支稜線、右手は大峰の山々をバックに、日に輝く眩しい紅葉がようやく目に飛び込んでくる。
明神岳プレートは平坦な稜線の途中に突然現れる。プレートがなければ通り過ぎてしまいそうなところだ。
ここからはいよいよ主稜線を外れ桧塚に向かう。ひと下りするとすぐにもなだらかな広い尾根となり、ブナをはじめとする自然林の紅葉に包み込まれる。
やや紅葉は終盤であるが、積もった落ち葉の上をサクサク歩くのも心地よい。
いつまでも歩いていたいと思わせる別天地だ。
しばらくはこの贅沢な稜線歩き。とにかく楽しい。
陽が射せばさらに素晴らしいのだろうが、たまに射しても一瞬で、カメラを構えるとすぐに陰ってしまう。眩い暖色の光を全身で浴びたいがなかなかそうはさせてくれない。
樹林が途切れると北に展望が利く。そこからは室生の山々が一望できる。兜岳・鎧岳・倶留尊山・古光山・大洞山などは特徴ある山容なので、すぐにそれとわかるが、高見山が見当たらない。
しかしすぐに気付く。あのマッターホルンのような山容は全方向からそう見えるわけではないのだと。東西方面からは一眼でそれとわかる高見山は、山頂部が東西になだらかなので南北方面からはどっしりした山に見えるのだった。
高見山から三峰山へと続く屏風のような稜線を確認できて、なぜか安心するのだった。
上空は曇っているが北の空は青く、室生の山々は陽に照らされ青く輝いて見える。
その青と目の前の紅葉とのコントラストが素晴らしい。特にこの辺りは見事に赤く色づいたシロヤシオが点在しており、美しさこの上ない。
ただ北風が強く、先程までの自然林と違い遮る木々はなく、まともに風を受けるため寒い。
山上の気温が10℃位だとすると10m/sの風なら体感温度は0℃だ。
ひと登りで桧塚奥峰に到着。10人近い人が休んでいる。
こちらの方が標高は高いがこの先すぐの桧塚が関西百名山に選ばれている。まずはそちらに行くことに。
途中クマさんのものだと思われるの大きなウ◯コが登山道の真ん中に落ちている。
桧塚までの間も風が強い。一旦下った後わずかに登って桧塚到着。
展望が利くわけでもなく、単に稜線上の一つのピークに過ぎないといったイメージ。
ここで昼食と思っていたが、風も強いので山頂名のプレートの写真だけ撮ってすぐに引き返す。
桧塚奥峰山頂は東から南方面に展望が利く。北側に樹林があるので風を遮ってくれる。絶好の休憩ポイントだ。陽の射す頻度が多くなってきたのも嬉しい。
台高中部から南部の山々が手にとるように望める。奥には大台ヶ原、右手は大普賢など大峰山脈の一部も見える。
ここで昼食。
先ほども書いたが、この先の桧塚よりこの桧塚奥峰の方が標高も高く、展望が利くので、こちらを関西百名山としても良さそうに思うのだが。
そういえば、先ほど通った(登った感じじゃない)明神岳と桧塚が関西百名山。そしてこの後行こうと思っている薊岳は近畿百名山。この3座は重なることなく完全に分かれている。何故なのだろうか。
食後、景色をカメラに収めて明神岳方面に引き返す。
時折見せていた青空と陽射しは再びまさに雲隠れ。気温もちょっと下がったような気がする。
それでも気持ちの良い稜線歩きは変わらない。
明神岳から三ツ塚までは往路と同じ、ここで明神平には下らず前山から薊岳方面に足を踏み入れる。
すぐに右手に広がるヒメワラビの大草原が見下ろせる。
すでに鉄錆色のように茶色くなってしまってはいるが、その中にポツンと立っている葉を落とした木の幹が白く輝き、茶色と白がそれぞれがお互いを引き立たせており風情を感じる光景だ。
少し角度を変えるだけでその草原の奥に水無山が見えたり、明神平の小屋が見えたり、桧塚奥峰が見えたり、バリエーション多彩で見飽きることがない。
まだらに草原に陽が当たる様もまた美しい。
前山から薊岳へ。
この稜線も快適に歩くことができる。この頃になるとようやく陽の射す時間が多くなり、時折尾根南側の紅葉が光輝いて眩しい。
薊岳と木ノ実塚が双耳峰のように見えだし、やや広い尾根になるとP1334。下りはここから北に派生する尾根を辿るがまずは薊岳。
尾根道は左へ左へとカーブして行き最後の登りとなる。
山頂間近になると植生が変わる。シャクナゲなど今まで見られなかった木々が現れ、露岩も出てくる。
山頂では青空のもと展望を楽しむことができた。東西に一部欠けるところがあるが、ぐるりと一周見渡すことができる。台高の山々はもちろん、大峰の稜線、それに西から北に連綿と続く山々。葛城山、二上山、その奥に六甲山だろうか、かすかに見えている。奈良盆地から北へも山々は続き、もしかしたら愛宕山や比叡山も見えているのかもしれない。
北側も幾重にもなった山群が見えるが、先ほど見た室生の山のように山容に特徴があるわけではないため、どの山が見えているのかはよくわからない。
山頂を後にP1334まで戻る。
途中、半袖姿の登山者とすれ違う。陽が射すといっても風は相変わらず強く、まだまだ寒いのだが元気な方だ。そういえばこの方とは桧塚奥峰付近でもすれ違っていた。その時も半袖だったのでよく覚えていたのだ。
P1334から支尾根を下るとすぐに傾斜が増してくる。しばらくは慎重に下らなければならない。
植林帯となると折り返しのなだらかな道となる。ここに来て初めての植林地だ。
川の音が聞こえ出してくると再び急坂。最後は滑落しなように慎重に。そして鉄階段を下りて林道に着地。
そこからはわずかな林道歩きで駐車場に戻り着いた。
ワンゲル友達のTくんとは山登りだけではなく、他にも共通の趣味があり、また共通の友達も多いことから、楽しく話しながら素晴らしい紅葉の中、楽しく歩くことができた一日だった。
帰りには大又林道沿いにある「七滝八壺」に久しぶりに寄ってみる。21年前に滝仲間と、同じ東吉野の和佐羅滝、川上村の御船の滝や笹の滝などを滝巡りした時以来の再訪となる。
七滝八壺の他にも「魚止の滝」という滝も本流にあるのだが、今回はそちらには寄らずだった。
台高山脈もいいお山が沢山あるんですね。ちょっと場所的に遠く感じるんですけどね。
特に明神平は有名処なんでしょ。よくレコを見かけます。
2条の滝は「二階滝」って名前なんですね。「夫婦滝かな〜」って頭に浮かんだんですけどね。
「中学のワンゲル友達」って、中学校にワンゲル部があったんですか? 有名私立校って臭いがしますね〜
お金持ちのおぼっちゃまも多かったとか??
台高山脈から大峰の山々を見るのもいいですね。
台高の山も谷も良さそうなところがいっぱい。でもやはり麓まで時間がかかります。
行きはまだ良いのですが(今回は2時間20分ほど)、帰りが問題です。
郡山や橿原は万年渋滞が激しいので、今回は3時間30分かかってしまいました。
二階滝はまさに夫婦滝です。二階というと2段の滝を連想してしまうんで、夫婦滝の方がいいと思います。
ワンゲル部、京都市内の公立校でも結構あったように思うのですが。私は上京区の中学校で
かなりの数の部員がいました。30〜40人はいたような。
台高や大峰、もうちょっと近かったら、しょっちゅう行くんですけどね。
明神平〜桧塚奥峰、実はこの秋、紅葉狙いで計画してたんですよ!なんと全く同じルートで。
以前冬に一度だけ訪れたことがあって霧氷がとんでもなく綺麗だったのですが、明神岳〜桧塚の判官平でしたっけ?あの辺りのブナ林が素晴らしくて黄葉したらさぞ美しいだろうなぁと思っておりました。予想どおり素敵ですね!
いろいろあってタイミングを逃してしまいましたので、来年の秋はぜひ訪れたいと思います。
その前にもう一度あの霧氷も見てみたい〜
霧氷のレコ覚えています。素晴らしい景色ばかりで冬にも絶対行かなければと思っています。
ブナを含めてやや終盤気味というところでした。シロヤシオは真っ盛り!
uriさんとは特に今年、行くところもしくは計画したところが重なっていますね。
ばったり会うこともあるかもしれませんね!
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