ツルネ東稜↑〜キレット泊〜天狗尾根↓ 出合小屋周回


- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 1,419m
- 下り
- 1,400m
コースタイム
天候 | 一日目:小雨〜曇天 二日目:晴〜曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ツルネ東稜:バリエーション・ルート。所々鬼のような急登あり。尾根を上がるだけだが、岩稜部巻こうとして大迂回になってしまうことあり。 天狗尾根:バリエーションルート。普通下りでは使わない。ロープ使った懸垂降下、フリーでのクライムダウン、やや高度なルーファイ・スキル要。 |
その他周辺情報 | キレット小屋は、10月13日宿泊客を送り出したら今季閉鎖。 |
写真
感想
【プロローグ】
キレット小屋で飲み残したウイスキーを、小屋閉め前に飲みに行かねばなるまい、ということで、キレット泊を前後てバリでつなぐ事となった。
昨年は、天狗尾根を登りツルネ東稜を下るコースをたどったので、今年は逆コースで行こう。
【美し森駐車場】
ここから頂上山荘に電話。キレットに今日泊まることを告げる。清瀬氏は先週泊まった時に「これから小屋閉めまで休みなしの常駐」と言っていたので、いることは確実だろう。
頂上小屋スタッフに「今どこですか?」と聞かれた際、「今、美し森駐車場。出合小屋経由ツルネ東稜で登ります。」と告げる。
先週、私からの予約電話が「青年小屋から」と聞いて「なんで?」と叫んだ清瀬氏。
今回は期待通り「出合小屋から」と連絡。そして明日の下りが天狗尾根であることはまだ内緒。
【出合小屋まで】
林道が長い!「こんなに長かったんだ」とすっかり忘れている自分に呆れる。
数個のダムを超え、左側から巻く最後のダムを超えてからは、基本的に右岸左岸に歩きやすい踏跡有り。
ゴロタ岩の沢に出ても、基本的に対岸に目印があり、沢の岩登りを回避できる。
沢はずっと水が伏流しているが、出合小屋の下500mぐらいから水が流れている。
この間、足首までカバーする普通のトレッキングシューズで踏破。
【出合小屋】
相変わらず整備されている。中に神棚まで作られ、ストーブも使えそう。
靴をFive/Tenのアプローチシューズに履き替え、トレッキングシューズとコーラをデポ。
雑記帳にメモ書きして出発。雑記帳にはヤマレコユーザーの記載があった。
【ツルネ東稜】
去年の秋に下りで使っているのだが、登りになると中々の心臓破り急登が所々ある。
一か所岩稜部を巻こうと思って左に行ったら、尾根に戻るまで大変な目にあってしまったポイントあり。
赤やピンクのテープもあるが、今では文字の消えた横長金属プレートが幾つもあり、迷っていないことの確認になる。
(写真で見つけた限りのプレート撮りました。抜けがあるかもしれませんが、今後この尾根を登り下りする方はご参考までに。)
【ツルネ南北峰】
周囲の山の紅葉が最盛期。
【キレット小屋】
いつもの絶景ポイントで写真を撮ってから小屋へ。
外でビールロング缶と持ち上げた昼食。清瀬氏もタバコを吸いに外に来て談笑。
受付のとき下りを「天狗尾根」と告げると、清瀬氏曰くキレット小屋の宿泊登山者で今まで天狗尾根を下った人は一人もいないとのこと。2階個室でしばらくお昼寝。
3時からは怒涛のアルコールタイム。
先週飲み残したニッカを空け、更にニッカ追加。
青年小屋が「遠い飲み屋」なら、権現小屋は「更に遠い飲み屋」で、キレット小屋は「一番遠い飲み屋」ではないだろうか。
頂上山荘などは美濃戸から容易にアプローチできるので、キレット小屋でボトルキープしてもらったのが「一番遠い飲み屋」で相応しいだろう。
清瀬氏とお互いとっておきの八ヶ岳ネタの披露し合いとなった。
二人で出したネタは、私の「○○荘小屋番泥酔事件」と清瀬氏の「△△荘小屋番泥酔事件」。
○○と△△は別の山小屋だが、中々「アリエナイ」事件。お互い「いや〜ほんと、信じられないようなことはあるよね。」で落ち着いた。
御嶽噴火、キレット小屋は当日30人超の宿泊者の対応で清瀬氏はまったく知らなかったのだという。キレット小屋には火山灰は来なかったが赤岳頂上山荘には火山灰が少し積もったもよう。
そうこうしているうちに、テン場まで声が轟いていた、赤岳南面ルンゼ降ってきていた3人PT(男性2名女性1名)が到着。
今日の宿泊は小屋4名(3人PT+私)とテン場1名。
3人PTの皆さんはお酒飲まないかわりにコーラのおかわりが凄かった。
私に八ヶ岳のバリエーション(特に阿弥陀南陵)についての質問攻め。
知っていることは答え、明日彼らが行く、権現〜乙女の水〜源治新道〜西岳〜ゴルフ場駐車場について特に、「源治新道は隠れた『苔』の名所なので、十分味わって通ってください。」とアドバイス。
翌朝5時食事、5時半出発。清瀬氏は11月3日まで頂上山荘勤務でその後は本沢温泉とのこと。そちらに私が行かなければ、再会は来年のキレットということになる。
「じゃあお元気で」と声をかけ出発。
【天狗尾根下降】
キレットから天狗尾根の頭までの間に、日の出を受けて赤く染まる阿弥陀南陵(青ナギ〜無名峰)と、その奥に噴煙上げる御嶽山がよく見えた。
『鎮魂の夜明け』。予期せず人生を閉じざるを得なかった皆様のご冥福を祈る。
緑色のロープで通せんぼした天狗尾根に進む。
小天狗を右に巻き、大天狗の北側の基部でザック降ろし武装する。
チェストバッグはザックに仕舞、ストックは2本ともザックサイドへ。
ハーネス、メット装着し、4個のカタビナ、ショートスリング、セルフビレイ用ロングスリング、8環、ペツルのシャント、捨て縄4本・・・
大天狗の向かって左側のハイマツ地帯の上端を巻いていく。
反対側(南側)に出ると、バンドの先にコンクリートでボルト2つ固め、鎖でつないだ強固な支点がある。
ここにセルフビレイして、20mWロープをセット。8環とシャントで懸垂降下。
ロープはギリギリで、高低差約10mということ。
次の第ニ岩峰(天狗モドキ)は、南面東寄りの草や木があるルンゼを降りなければならない。これが結構イヤラシく、途中2.5m程度の足場のない垂直面あり。
仕方なく木の太い枝を支点にしてWロープで降下。
草付きから岩場に降りる最後のギャップはほぼ垂直で2m程度。ホールド・スタンス豊富なので後ろ向きにクライムダウン。3〜4手で岩場に接地。
最後の岩場は、登りではフリーの7〜8手で基部から草付きルンゼに出たものだが、上から見ると登りに使うルートと別に、突起が短いけれどちょっとした足場になりうる薄いバンドをトラバースできることが見て取れた。
今日はFinve/Ten履いていて、フリクションは抜群なので、ロープを出さずトラバースすることにした。
上手く難所を切り抜け、天狗尾根び急坂を降りていく。
途中何ヶ所も尾根を外す方向に踏跡あ伸びるが、尾根をキープすることを心がければ大丈夫。
天狗尾根の最終ターミナルは、トンネルを通過した先に、大きな岩石で終了になっている。
少し戻って笹薮の中を赤岳沢に降りる。降りたところは大岩2つの上に小ケルンが仲良く2つ置かれているところ。
【出合小屋〜美し森】
出合小屋でコーラ飲み、靴を履き替え、枯れ沢下り。
美し森から、道々考えていた「仙人小屋」での「天然きのこうどん」食べに鉢巻道路を西へ。しかし店は開いていない。残念。
パノラマの湯に浸かりながら次の一手を考える。
うどんつながりで、久しぶりに美味しい胡麻だれうどんを食べに「千座」へ。
久しぶりに女将さんと話し、アケビをもらって帰路についた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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いよいよ八ヶ岳も秋の様相になってきましたね。こうなると山終いも近い・・・。
「キレット小屋で飲み残したウイスキーを、小屋閉め前に飲みに行かねば」という割には追加のボトルを開けていたのでは無限ループではないでしょうか。
『青年小屋が「遠い飲み屋」なら、権現小屋は「更に遠い飲み屋」で、キレット小屋は「一番遠い飲み屋』
まったく我が意を得たりです。それにしても、これらの小屋の名物が全部「カレー」というのが面白いですが。
キレット小屋周辺の紅葉は素晴らしいですね。Shot29の天狗尾根は日本じゃないような景色です。
うどんの「千座」。知りませんでしたが、これは遠くないのでぜひとも行ってみたいと思います。
相変わらず情報通でいらっしゃる。これからもレアな情報をお願いいたします。
こんにちは。
キレット小屋テン場から見る赤岳は、日本離れしていて格別です。
ウイスキーは新しい小瓶は全部飲み切りましたので、ボトルキープなしです。翌日赤岳ルンゼ〜小天狗のあたり、酒が残っていてちょっとふらつきましたが、大天狗の懸垂降下でシャキッと立ち直りました(笑)。
皆さんはシラフで歩いてください。
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