女人禁制の大峯山を単独で歩いたのは誰?(母公堂から山上ヶ岳〜稲村ヶ岳)
- GPS
- 07:00
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 1,197m
- 下り
- 1,191m
コースタイム
- 山行
- 6:55
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 7:35
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(R309天川川合から洞川温泉街を抜けて約14分) https://www.google.co.jp/maps/dir/%E5%A5%88%E8%89%AF%E7%9C%8C%E5%90%89%E9%87%8E%E9%83%A1%E5%A4%A9%E5%B7%9D%E6%9D%91%E5%B7%9D%E5%90%88/%E6%AF%8D%E5%85%AC%E5%A0%82/@34.2548656 |
コース状況/ 危険箇所等 |
《母公堂⇒大峯大橋⇒山上ヶ岳》 母公堂から大峯大橋は車道を歩きますが、工事のため道幅が狭くなっているので通行する車に注意が必要です。陀羅尼助茶屋まで概ねなだらかで整備された登山道で危険箇所はありませんが、大峯山寺への行場道は鎖のある岩場があります。難易度は高くないと思いますが岩や鎖が濡れた場合は慎重に登りましょう。 《山上ヶ岳⇒山上辻》 山頂から急な痩せ尾根を下ります。道の端が笹で隠れているので幅が見えず滑落の危険があると思いました。急がずゆっくり下りましょう。 レンゲ辻から山上辻はなだらかな巻き道が多い道です。 《山上辻⇔稲村ヶ岳》 道がザレて歩き難い箇所が多いです。長い距離ではありませんが、頂上直下は鎖のある急坂なので慎重に登り下りしたいですね。 《山上辻⇒母公堂》 全体になだらかな傾斜の歩き易い道ですが、一部で鎖が設置された幅の狭い崖を歩く道があったり、橋が崩壊した山肌を歩く場所は注意が必要だと思います。 |
その他周辺情報 | 村営洞川温泉センター 大人600円(駐車場1時間無料) http://www.dorogawaonsen.jp/sightseeing/127/ |
写真
感想
最初に断っておくと、今回の山行記録は私たち2人ではなく、相方である夫の単独行になります。
私の都合が悪くて同行できなかったのですが、それならばと相方は女人禁制の山上ヶ岳に行くと、ただでは転ばない精神が立派です(笑)
本人が記録を書かないので、私が代筆(?)にて失礼します。
今回は女人禁制である山上ヶ岳から、稲村ヶ岳の周回コースを計画したので、7〜8台駐車可能な母公堂の駐車場(500円)に前日着。
早朝6時に駐車場を出発して、車道を歩いて大橋茶屋に向かいます。
大橋茶屋の駐車場は大きいのですが、駐車料金は1,000円だそうです。
大橋茶屋を過ぎるとすぐに赤い欄干の大峯大橋(清浄大橋)を渡り、女人結界門を潜ります。
信仰上の理由からこの結界から先は女性は入ることができません。
その賛否はともかくとして、1300年以上守られ続けている歴史には頭が下がる思いです。
登山道は実に良く整備されていて歩き易い道です。
全体的に急な道は少ないのですが、傾斜が急な場所には丸太階段があり、岩が多くなってもちょうどいい段差に敷かれている気がします。
普段なら修験者の方々が行き交う修行道でもある大峯ですが、9月23日に戸閉めが終わっているので静かな山歩きです。
やがて登山道上にある無人の一本松茶屋を通り過ぎて、中間地点と案内板に書かれたお助け水に着きました。
ここで最初の休憩を取ってから、山頂まで残り2.7kmへの道を先に進みます。
途中で二少年遭難碑と案内板に書かれたお地蔵様に手を合わせて、また暫く歩くと、広くなった尾根の分岐路に出ました。
標板には大峯奥駈道とあり、7月に八経ヶ岳で歩いた世界遺産の道に再び出合いました。
本来なら大峰山系の遠望が楽しめる稜線なのでしょうが、スタートから曇りがちだったお天気はすっかりとガスに包まれてしまっています。
ここまで誰一人と会わない単独行の道に大峯の厳粛な雰囲気と相俟って、何ともいえない神秘的な光景が目の前に広がります。
奥駈道出合にある洞辻茶屋を通り抜けてから、すぐにあった陀羅尼助茶屋を過ぎると、大峯山寺に向かう分岐路の地図がありました。
右へ行くと新道、左へ行くと行場道と書かれていますが、鐘掛岩を見たかったので左の行場道に進みます。
すぐに傾斜が急になって、大きな岩肌に鎖が垂れ下った行場らしい登り道が現われました。
ガスのせいでしっとりと濡れた岩は滑りやすく慎重に登ります。
2つの鎖場を越えて、階段が見えたのでそこを登ると、どうやら階段は迂回路だったようで、あまり苦労もなく鐘掛岩に着いたようです。
ガスで視界が悪いので、どこが鐘掛岩がよく分からないまま大峯山寺に向かいます。
この辺り迂回路や枝道も多くて、正しいルートなのか不安なまま歩いて行くと、無事に宿坊から大峯山寺に着きましたが、戸閉めが終わってるので人っ子一人居ませんでした。
世界遺産にもなっている大峯山寺に一人きりで居る贅沢さを感じながら、
また少し進むと「お花畑」と書かれた山頂標示板がありました。
まだ高い場所があったので背の低いクマザサの中の狭い踏み跡を進むと、一等三角点のある山上ヶ岳(1719.3m)の頂上に着きました。
展望はありませんが広い山頂で暫く休憩をして、次の目的地の稲村ヶ岳へ向かいます。
頂上からクマザサの細尾根を下りますが、今までとは一変した傾斜の急な足場の悪い道です。
下り道の途中で、この日初めて人とすれ違い、先の道の状況を情報交換をしました。
人が多すぎるのも大変ですが、やっぱり誰かとの会話があるのはいいものですね。
頂上から20分で女人結界門のあるレンゲ辻に着きました。
つまりは大峯大橋からの女人禁制区間を抜けたことになります。
レンゲ辻から先は、またなだらかな歩き易い道になり、何人かの人ともすれ違いながら稲村小屋のある山上辻に着きました。
ちょうどこの時に稲村ヶ岳方面から3人の若い山ガールが下りて来られたので挨拶を交わしましたが、女人禁制区間をずっと歩いてきたので、何か不思議な感覚でした。
稲村小屋はまだ時間が早いのか、まだ閉まっているようでした。
水分補給をして先へ進むと、15分位で大日キレットの分岐です。
大日山に登るか思案しましたが、とりあえず先に稲村ヶ岳に向かいます。
相変らずガスも晴れないままなので、山頂の展望も期待薄と思いながらも鎖やロープのある最後の急登を登って、10時20分に三角点のある稲村ヶ岳(1,726m)に到着しました。
山頂にあった展望台に上がりましたが、一面のガスでまるでカーテンで隠したように何も見えません。
まあこれはこれで次に雪が降った時期にでも、私と再訪した時のお楽しみにすればいいと思ったそうです。
展望が望めないので帰りに大日山はパスをしました。
戻り道で何人かの人とすれ違ったので、ガスで残念な空模様を慰めあいながら山上辻に戻って来ました。
稲村小屋はまだ営業はしていないようです。
お腹が空いたのでベンチに座って、少し早めの昼食にしました。
休憩中に結構な数の方が稲村ヶ岳へ向かわれていたので、やっぱり人気がある山なんだなと思います。
休憩のあと11時20分に下山開始。
急な道はないものの、道幅の狭い崖のようなトラバース道が一部にありありましたが、そういった場所にはしっかりとした鎖が設置してあるので安心して歩けます。
全体を通して紅葉にはまだ半月ほど早いような感じですが、時折綺麗に色付いた木々もあって楽しむことが出来ました。
法力峠から分岐を洞川方面に向かい、植林の木立の道を下って12時40分に朝スタートした母公堂に着きました。
朝は2台しかなかった駐車場は8台の車があり満車になっていました。
母公堂のご住職?に駐車料金の500円を支払うと、「どうぞお茶でも飲んでいって下さい。」とのこと。
麦茶でも頂けるのかなと思っていると、なんとコーヒーに、かりんとうとカステラを出して頂けました。
この日は気温も低く寒かったので暖かいコーヒーと、甘いお茶菓子がとてもありがたかったです。
帰りは洞川温泉センターでゆっくりと日帰り入浴をしてから帰路に着きました。
大峰山系にはまだまだいってみたい山が沢山あるので、これからの季節がますます楽しみになりました。
行ってもいないのに代筆をしている私も、次こそは自分の足で奥の深い大峰の山に赴きたいと思います(笑)
初めて「代筆レコ」拝見しました(笑)
代筆にもかかわらず、臨場感あふれる内容に脱帽です。
また、代筆させてしまう相方さんにも違う意味で脱帽。
きっと面倒見のいい奥さまなんでしょうね。
お二人の日常が窺えて、拍手です。
前夜飲み会で、朝すっきりと起きられなかった(^^;せいもあり、
母公堂には満車で駐車できませんでした。
だいぶ遅れて清浄大橋からレンゲ辻まで同じルートを歩きましたが、
やはりガスガスで稲村は諦めて撤退しました。
次は、ご一緒に稲村の頂上デッキからの展望を楽しめるといいですね。
コメントありがとうございます。
代筆で失礼いたしました。相方はヤマレコ登録していないので今回は記録は残さなくてもいいと思ったのですが、奥駈道を繋げたいからだとかでこんな形になっちゃいました。
臨場感があるのはずっと横で見ながら喋ってるせいだと思います…
まあ私も何となく行った気になりますけどね。
yos894さんも同じ道を歩かれたんですね。生憎のガスで残念でしたね。
それにしても『山』『温泉』『山菜』には共感です♪
これからも相方共々よろしくお願いします。
こんにちは camiiさん♪
レコを見ながら、え〜っ!!女人禁制の山上ヶ岳や大峯山寺に
どうしてcamiiさんが?と思ってたのですが・・・
そういう事だったのですね〜 あーびっくりした
私も世界遺産巡りで高野山、吉野や八経ヶ岳には行きましたが
ここだけはどうしても行く事が出来ないので制覇は出来ません
先日は一日違いの木曽駒ケ岳で、同じお店でソースカツ丼を食べ
なんだか嬉しくなりました
またどこかの山でお会い出来そうな気がします。
そーなんですよ 記録上は私の単独山行って事になってるから、とんだ掟破りレコですよねっ
でも自分で仕上げながら、いつか女性の入山が許されるようになればいい
のになと思いました
maamaさんの世界遺産巡りも達成できますね
木曽駒は偶然ですよね〜 同じお山で、同じお店と、同じ温泉で私も嬉しかったです
石鎚山でもニアミスだったし、きっと好みが近いのかも
こちらこそお会いできるのを楽しみにしていますね〜(*^−^*)
いつも思うのですが、女人禁制って法的拘束力はあるんでしょうか?
法的な罰則はないと思います。
実際に戸閉め期間には女性が入山するケースもあるそうですよ。
ただ何よりも大峯山寺院や、地域の住民の方々が1300年以上も守り続けている禁制の歴史は軽くはないと思えるので、趣味の範囲で踏み入る事はできないかなと個人的には感じました。
いつか女人禁制が解けて、山上ヶ岳を女性が憚ることなく歩く日が来ればいいですね。
taku1022さん、これからもよろしくお願いします。
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