丹沢大山/梅の木尾根から七沢温泉


- GPS
- 06:53
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,213m
- 下り
- 1,433m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
★表参道は女坂でもそうそう甘くありません。石段多数。一本調子の登りで下社〜山頂はなお厳しい。一番楽なのは(ちょっと鎖場もあるけど)ヤビツ峠ルートです。 ★梅の木尾根は一応バリエーションルート。藪漕ぎはない代わりに踏み跡多数で迷いがち。浄発願寺奥の院の道標が現れてからも分かりにくい個所有り。 |
その他周辺情報 | 七沢温泉の七沢荘の温泉は露天風呂が広々で快適。カランの湯もアルカリ泉を使っているので、ぬるぬるツルツルが止まりません。フロントの初老の番頭?が従業員をがみがみ叱って気分が悪いのが玉に傷でした。 |
写真
感想
丹沢に帰ってきた。膝骨折から8か月、奥多摩も北アも軽めのコースは歩いたので、丹沢もまず大山から。そこで、今まで通しで登ったことのない表参道の賑わいを見てみることにした。下山は正規の登山道ではない梅の木尾根を下りることにした。先月ハイキングの下見に寄った日向山へ出て、七沢温泉につかるという計画だ。
8時45分ごろ、大勢の立ち客を乗せたバスが大山ケーブルバス停に到着。暑いくらいの日差しを浴びて歩きだすと、階段の両脇に旅館や土産店がずらりと並んでいて驚いた。ケーブル駅まで標高差100mほどあり、観光客には結構つらいはずだ。
9時始発の1番ケーブルを待つ列を右目に階段を登り、左の女坂へ。いきなり急な階段の男坂が見える。何やら工事している沢沿いに進んで石段を登っていくと、まず古びた木造の「宝珠山来迎院」がある。すぐ先にまっすぐ急な石段があり、登り切った所が大山寺の本堂だった。誰かの祈祷とかでホラ貝が響いている。鐘楼のある左手の方へ行ったら、寺の人に「登山道は反対側ですよ」と教えられた。
きれいなトイレの脇を通り、橋を渡ってさらに石段を登ると15分足らずで男坂と合流。再び大きなトイレがあって、わきの石段を登った所はもう下社のエリアだった。白い御影石が敷き詰められた階段を登れば本殿だ。振り向けば江ノ島が遠く望まれ、家族連れなどのハイカーが大勢休憩している。
今度は本殿の左から登山道が伸びている。賽銭箱?の置かれた門のようなものをくぐり、またも直線急階段を行く。こちらも大山寺の方も巻道があるようだが、みんな階段を選んでいる。格好つけて休まず登ったら息が上がった。この先は、石段といっても自然の石を適当に配した山道らしい様相が強まり、登山らしくなった。
所々に「○丁目」と記した石柱があり、子供がお父さんに「何丁目まであるの?」と尋ねている(確かに知りたくなるが、答えを確認し忘れた)。こうした子供連れや高齢ハイカーの団体、山ガール、元・山ガールに加えて、若いカップルが結構目立つ。最近増えてはいるようだが、ここ大山では特に多い気がする。
3年前の10月、鶴巻温泉まで辿った道と追分で合流し、富士山の見えるポイントへ。あいにくボンヤリと頭が見えるだけだった。さらに15分ほどで道がなだらかになり、イタツミ尾根の道と合流。ヤビツ峠側へ50mほど入り、表尾根全体を見渡した。遠からずまたあの山々を訪ねたいものだ。
ここまで来ればあと少し。10分ほど登ると鳥居が見え、無事山頂に到着した。奥ノ院の脇で昼食としたが、それにしてもすごい人出でどんどん増えてくる。食べたら早々に場所を明けてやり、一段低い広場で休憩し直した。トイレの裏へ回り込んで、もう一度表尾根と丹沢三峰方面を眺めて出発した。
さて、これからが本山行の本番とも言える一種のバリエーションルート踏破となる。まだまだ登り客の絶えない雷ノ峰尾根を辿り、不動尻方面へ左折。ちょうど男性1人が上がってきたが、その後、人影はパタリと絶えた。分岐から30分で893mピークの直前、道標のある分岐に到着。道標の指す地点とは関係なく、後ろのロープをまたいで、思ったよりはっきりしたトレース伝いに下る。
急坂を慎重に下り始めると、意外にも登ってきた男性と出会った。なんと当方の目指す見城山から歩いてきたとのこと。「迷い所はないが、とにかく長い」と教えてくれた。少し安心してどんどん進む。当面、道ははっきりしていて踏み間違える心配はない。が、30分足らずで通称「大沢分岐」らしき地点に到着・・・と思ったのが、実は間違いだった。
ピークに手書きの道標があり、はっきり「日向山」と書いてあるのに逆の日向キャンプ場方面へ歩き始めてしまった。高度計の標高も50mほど高く出ているのに、「誤差か。気圧が下がっているのかな?」と気にも留めなかった。平行尾根なので方角では気づかす、緩い尾根が終わって落ち込む所で「あれ?」と気づいた。キャンプ場に降りるのが正解か?とも疑ったが、どうも違う。
結局、鉄則通り「迷ったら戻る」を励行することとし、地図を見ながら戻り始めてすぐ原因の推測が付いた。小ピークも忠実に乗り越えるバリエーションルートでは、そんなに歩くスピードは出ない。一本手前の尾根を先の尾根と誤解したのだった。
20分のロスでルートへ復帰。珍しく後を追ってきた女性2人のハイカーが着く直前に出発し、「大沢分岐」と書いた手製の道標のある分岐に到着。今度は間違えずに日向薬師方向の道を選んだ。
ヤセ尾根を経て、なだらかな尾根を行くと、幹に「←日」(日向薬師の略?)と記された木を発見。尾根が傾斜を増して東と南に分岐するポイントだった。迷わず左へ曲がる。先ほどからコンパスと高度計に注意しながら歩いているが、地形図によるとしばらく東へ一本調子の下りで間違えそうもない。
そう思って気を抜いたら、ピークともいえない膨らみを左へ巻く道に誘い込まれた。杉の木に赤テープが巻いてあるが、すぐ不明瞭になって北斜面の杉林へ下りていく。あわてて尾根に戻ると明瞭な踏み跡があった。とにかく尾根を外さないことだ。少し先では「水源林 関係者以外立ち入り禁止」の立札から逆方向に巻道ふうの踏み跡が伸びていた。逆行で登る時に誘い込まれる人も多いのではないだろうか。
気を引き締め直して進むと、ほどなく「浄発願寺奥ノ院」という公式の道標と休憩テーブルが見えて、バリエーションルートは終了となった。尾根を忠実に辿る分、アップダウンがきつく、少々脚が疲れてケガした膝に鈍痛が来ている。少しは楽な道になるだろうと期待したが、時おり道標はあるものの、丸い尾根では踏み跡が不鮮明になり、相当の急斜面をトラロープで下りる所もあって気が抜けなかった。
右に倒れた鹿柵の続く区間を経て、ようやく日向薬師からの道との十字路に到着。9月の下見ルートとつながった。一休みして日向山に登る。秋の日は早くも傾き加減だが、山頂では二組6人のハイカーが弁当を終えたところだった。その後も手ぶらのカップルや老人2人のハイカーなどが登ってくる。
霞んで見通しのきかない山頂は早々に辞し、急坂を下って見城山へ。最後の急登は疲れた脚にこたえたが、あと少しだ。鐘ヶ嶽くらいしか見えない山頂だが、ここにも夫婦2組が登ってきていた。思うに、七沢温泉一泊のついでに裏の山へ登るハイキングを組み合わせたのではないだろうか。
さあ、後は七沢温泉まで下るのみ。すこぶる急な坂を慎重に下り、広沢寺との分岐を経てしばらく行くと、右下の鹿柵越しに建物が見えてくる。ヤレヤレと下って行ったら、こつ然と踏み跡が消えてしまった。「えっ?」。見渡しても分かれ道などない。一方、行く手正面には鹿柵のドアが見える。道なき道を下りて近づくと、鉄網のドアに「ハイキングコース順路」との張り紙があった。
ほっとしてドアを開け、右へ向かうと間もなく舗装道路が見えた。建物があって「小林多喜二滞在の離れ」とある。擁壁の隙間のような階段から旅館「福元館」前の道路に飛び出した。ネットで見た「広い露天風呂の七沢荘」は7,8分先だ。
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