ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 566561
全員に公開
ハイキング
関東

奥久慈 竜神峡 明山 北東尾根(バリエーションルート)

2014年12月28日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
1.9km
登り
282m
下り
281m

コースタイム

6:00   竜神ダム駐車場
6:50   亀が淵
7:30   亀が淵横小ピーク
8:30   岩稜開始
9:00   岩稜烏帽子岩(筆者勝手に命名)
9:20   松の木ギャップ(筆者勝手に命名)
9:25   山頂
10:20   亀が淵
11:10   竜神ダム駐車場
天候 快晴 無風
過去天気図(気象庁) 2014年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
竜神ダムに数台駐車スペースがあります。
コース状況/
危険箇所等
(ご注意 本コースは一般ルートではありません)
本コースは標識やテープマークのない藪をかき分けて尾根に出るため、ルートファインディングの能力が必要です。終盤には地図で見ると50mほどの、部分的には垂直の壁をよじ登る岩場の登はんがあります。明山の一般ルートより危険な岩場の上に、ロープ等は一切ありません。岩場はこの山域共通ですが非常にもろく、つかんだ岩がスポッと抜けることがしばしばあります。

取り付きは亀が淵から。渡渉して一般コースに入らずに竜神川右岸を10−20m下ると橋(これも廃道)へ向けて山肌を下っている階段があります。この階段をくぐって斜面の藪をこぎ、一気に尾根に出ます。尾根に出ると踏み跡(けものみち?)が出てくるので、あとは尾根を忠実にたどります。途中谷に下るのではという箇所がありますが、下りはわずかで尾根から外れることはありません。谷底に降りたら道間違えです。やがて目の前に岩稜が現れます。

50m程度の岩稜を登攀すると小さい岩塔(本山行記録では筆者が烏帽子岩と勝手に命名。正式名称をご存知の方はお知らせください)の頂上にたどり着きます。そのあと3つの小ギャップを越えて頂上へ飛び出します。

一般コースについて
標識、テープが充実しており、それらを参考にしつつ踏み跡をたどれば道迷いの心配はありません。一部凍結しております。亀が淵脇の階段はアイスバーン化しており、アイゼンをつけるか、手すりにしっかりつかまってゆっくり歩くなどの十分な注意が必要です。その他竜神ダムー亀が淵間の林道もわずかながらアイスバーン化した箇所があります。足元を見ながら歩いて下さい。

朝暗いうちから歩き出す。
1
朝暗いうちから歩き出す。
亀が淵が近づいてくる。東屋から北東尾根が見え、身震いしてくる。
1
亀が淵が近づいてくる。東屋から北東尾根が見え、身震いしてくる。
亀が淵に到着。しかし本日の取り付き口はこの写真よりもさらに左側。
1
亀が淵に到着。しかし本日の取り付き口はこの写真よりもさらに左側。
いきなり急登
登りきると踏み跡のようなものが認められる。
1
登りきると踏み跡のようなものが認められる。
本日のルートがぼんやり見えてくる。
1
本日のルートがぼんやり見えてくる。
尾根筋に出ると急に歩きやすくなる。
1
尾根筋に出ると急に歩きやすくなる。
しかし、時々こういう藪の中を下り、このまま谷底に下りるのかと不安になるが、道間違えしない限りは下りはわずかで谷底までは降りない。
1
しかし、時々こういう藪の中を下り、このまま谷底に下りるのかと不安になるが、道間違えしない限りは下りはわずかで谷底までは降りない。
亀が淵山のモルゲン
1
亀が淵山のモルゲン
そして明山も。北東尾根の先端が綺麗に赤く染まる。
1
そして明山も。北東尾根の先端が綺麗に赤く染まる。
尾根の踏み跡が明瞭なのはこれの持ち主のせいかもしれない。
2
尾根の踏み跡が明瞭なのはこれの持ち主のせいかもしれない。
緩やかだった尾根筋歩きが終わりに近づくと再度登りが急になる。
1
緩やかだった尾根筋歩きが終わりに近づくと再度登りが急になる。
そして最初の岩。ここは巻くこともできたが。岩稜を目指してきたというわけで挑んだ。手袋が登はん向きでないのでつかみきれないで難儀した。
1
そして最初の岩。ここは巻くこともできたが。岩稜を目指してきたというわけで挑んだ。手袋が登はん向きでないのでつかみきれないで難儀した。
いよいよ後半の岩稜が現れた。難しさを感じつつ、なにやら興奮状態に入っている。手袋をより登はんに向いているタフレッドに替えたところ、手がかりを捉えやすくなった。
1
いよいよ後半の岩稜が現れた。難しさを感じつつ、なにやら興奮状態に入っている。手袋をより登はんに向いているタフレッドに替えたところ、手がかりを捉えやすくなった。
ずっと登りつづけるのではなく、息をつける箇所は何箇所もある。
1
ずっと登りつづけるのではなく、息をつける箇所は何箇所もある。
ここにもごみが若干落ちていたり、人の行き来の気配はあった。中でも不思議だったのはこの道具。長い竹の先端に熊手の一種のようなものを固定したこの道具。遠くのものを取るためにつかったようだが、何をとろうとしたのだろう。
1
ここにもごみが若干落ちていたり、人の行き来の気配はあった。中でも不思議だったのはこの道具。長い竹の先端に熊手の一種のようなものを固定したこの道具。遠くのものを取るためにつかったようだが、何をとろうとしたのだろう。
岩稜の両端はすっぱりと切れ落ちている。
1
岩稜の両端はすっぱりと切れ落ちている。
振り返ると、写真中央から緩やかに右にカーブするようにして、歩いてきた北東尾根が見える。また亀が淵山の東稜も見え、両者が交わる場所が亀が淵であろうと推定される。
2
振り返ると、写真中央から緩やかに右にカーブするようにして、歩いてきた北東尾根が見える。また亀が淵山の東稜も見え、両者が交わる場所が亀が淵であろうと推定される。
さらに岩稜を登る。
1
さらに岩稜を登る。
木がなくなると高度感がかなり増す。手足を使う順番を考えながら登っていく。
1
木がなくなると高度感がかなり増す。手足を使う順番を考えながら登っていく。
手がかりが、写真のようにすっぽり抜けてしまうことがあるので、いきなり動くのではなく、手がかりがしっかりしているかを確かめつつ登らなければならない。
1
手がかりが、写真のようにすっぽり抜けてしまうことがあるので、いきなり動くのではなく、手がかりがしっかりしているかを確かめつつ登らなければならない。
岩稜先端の岩塔、烏帽子岩(筆者が勝手に命名)が近づいてくる。憧れの岩の上に間もなく立てる。
1
岩稜先端の岩塔、烏帽子岩(筆者が勝手に命名)が近づいてくる。憧れの岩の上に間もなく立てる。
烏帽子岩(筆者勝手に命名)到着。達成感に陶酔しながら、北東尾根を見下ろす。
1
烏帽子岩(筆者勝手に命名)到着。達成感に陶酔しながら、北東尾根を見下ろす。
烏帽子岩からは3箇所のギャップを越えて山頂を目指す。
1
烏帽子岩からは3箇所のギャップを越えて山頂を目指す。
第一ギャップ(ふもと側から)。ギャップの高低差は数メートルと小さいがその先にさらにすっぱりと切れ落ちた崖がある。
1
第一ギャップ(ふもと側から)。ギャップの高低差は数メートルと小さいがその先にさらにすっぱりと切れ落ちた崖がある。
松の木ギャップが見えてくる。今までは山頂側からアプローチし、この松の木ギャップで撤退していたのであった。2年間の修練の成果が感じられる。
1
松の木ギャップが見えてくる。今までは山頂側からアプローチし、この松の木ギャップで撤退していたのであった。2年間の修練の成果が感じられる。
第二ギャップ。右側がすっぱりと切れ落ちている。
1
第二ギャップ。右側がすっぱりと切れ落ちている。
北東尾根岩稜部分のシルエット。鋸歯のようなギャップ部分も影として映っている。
1
北東尾根岩稜部分のシルエット。鋸歯のようなギャップ部分も影として映っている。
亀が淵山。これまた登はん意欲をそそる南稜。いくつかルートが取れそうな予感。
2
亀が淵山。これまた登はん意欲をそそる南稜。いくつかルートが取れそうな予感。
烏帽子岩(筆者勝手に命名)を振り返る。この岩塔感、穂高のジャンダルムに負けないくらい好きだ。
2
烏帽子岩(筆者勝手に命名)を振り返る。この岩塔感、穂高のジャンダルムに負けないくらい好きだ。
いよいよ第三ギャップ、松の木のギャップに到達した。山頂側からは気が着かなかった岩の割れ目を発見した。ここを使って登はんすることとした。松の木は使えそうで岩壁との間隔がやや広すぎてうまく使えない。
2
いよいよ第三ギャップ、松の木のギャップに到達した。山頂側からは気が着かなかった岩の割れ目を発見した。ここを使って登はんすることとした。松の木は使えそうで岩壁との間隔がやや広すぎてうまく使えない。
松ノ木のギャップを落ちるとあそこまで落ちる。さらにその先にも崖が続いている。
1
松ノ木のギャップを落ちるとあそこまで落ちる。さらにその先にも崖が続いている。
何とか松の木のギャップを越えて安全圏となる木をつかんだところ。おもわず「やったー」と叫び声をあげた。本人以外にはあまり意味のない写真。
2
何とか松の木のギャップを越えて安全圏となる木をつかんだところ。おもわず「やったー」と叫び声をあげた。本人以外にはあまり意味のない写真。
安全圏に入ったが、まだ少しゆるい登はんが続く。
1
安全圏に入ったが、まだ少しゆるい登はんが続く。
そして、藪の中の踏み跡を通過して、山頂に到着した。新旧二つの三角点標点があった。
2
そして、藪の中の踏み跡を通過して、山頂に到着した。新旧二つの三角点標点があった。
旧標点は点の字も旧字体。
1
旧標点は点の字も旧字体。
さあ、下山しよう。
1
さあ、下山しよう。
下山時に見える北東尾根のシルエット。2年前、この稜線を見ていつかあの先端まで行ってやると思っていたが、そのときは、亀が淵から一気に山頂を目指すとは思っていなかった。それにしても、なんてわくわくする岩稜なんだろう。
2
下山時に見える北東尾根のシルエット。2年前、この稜線を見ていつかあの先端まで行ってやると思っていたが、そのときは、亀が淵から一気に山頂を目指すとは思っていなかった。それにしても、なんてわくわくする岩稜なんだろう。
亀が淵到着。薄氷が張っていた。
1
亀が淵到着。薄氷が張っていた。
亀が淵近辺の崖にはつららも成長していた。長いものは1mを軽く越えていた。
1
亀が淵近辺の崖にはつららも成長していた。長いものは1mを軽く越えていた。
今回の取り付き点を振り返った。写真中央に移っている階段を潜って右上の方向へ藪をこいだ。
3
今回の取り付き点を振り返った。写真中央に移っている階段を潜って右上の方向へ藪をこいだ。
東屋からもう一度北東尾根を振り返り、やるべきことをやったという満足感をかみ締めた。
2
東屋からもう一度北東尾根を振り返り、やるべきことをやったという満足感をかみ締めた。
葉を落とした静かな竜神峡。針のような枝が密生した真冬の山肌も大好きだ。
2
葉を落とした静かな竜神峡。針のような枝が密生した真冬の山肌も大好きだ。

装備

備考 ヘルメットはかぶりたいところです。
手袋は岩を捉えやすく、藪をこぎやすいものを。軍手は藪でとげが刺さりやすく、岩場で脱げ易いので避けるべきです。
靴はハイキングシューズのようなつま先の上がったタイプでは小さい足場を捉えにくいでしょう。
登はん具一式を用意しましたが、登りでは出番はありませんでした。

感想

誰でも、行ってみたい憧れの山、ルートがあると思う。自分の場合は奥穂ー西穂縦走と今日の明山北東尾根がそうであった。

2年前の秋に明山に通い始めてから、冬に歯車のようにぎざぎざとした岩稜が目に入ったとき、心臓がわしづかみされたようにどきどきし、血流の勢いが倍加した。いつかなんとしてもあそこに行きたいと思ったが、山頂からのアプローチは松の木のギャップでことごとく跳ね返されてきたのであった。

それから2年後。亀が淵から直登という力強いスタイルでとうとう願いがかなったのであった。しかしながら、山登りでも、ほかのチャレンジでもそうだが、達成されたときには興奮半分、妙に冷静になってしまう気分半分であった。



お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1328人

コメント

祝!明山北東尾根制覇。
takahashisunさん、はじめまして。ですよね。

明山北東尾根制覇おめでとうございます。

山頂からトライしてダメで、ならばと下から向かって成功する辺りが、私のおかめ山北東尾根へのチャレンジと重なって、難易度は雲泥の差なのに私もうれしくなってしまいました。

朝日岳東南稜のレコも拝見しましたが、挑戦者ですねぇ。私は岩登りは怖くてダメです。特に奥久慈の岩(礫岩って言うの?)は、takahashisunさんも言われるように、すぐにポロっといくので信用できませんからね。

これからのレコも楽しみにしていますが、くれぐれも安全第一で挑戦してください。
お疲れ様でした。
2014/12/30 22:07
ありがとうございます (祝!明山北東尾根制覇)
kinoeさん 新年のごあいさつ申し上げます。
小生の山行き記録へのコメントをありがとうございました。
kinoeさんのような熟練の方に「私もうれしくなってしまいました」という賛辞をいただいて光栄です。

おかめ山北東尾根は今回の登山中にも眺めることができ、歩いてみたいと感じていたときに、kinoeさんからのコメントをいただいたのでした。今度kinoeさんのレコを拝見して勉強させていただいております。

kinoeさんもご指摘のとおり、奥久慈の多くはれき岩質で、手がかりが突然すっぽ抜けして怖いです。今回の挑戦にいたるまで2m程度の安全な岩で練習している際に何度も落ちてます(落ちるといっても50cm程度で済む場所を選んでのことですからご安心を)。

これからもよろしくお願いいたします。
2015/1/3 23:47
Excellent!!
takahashisunさん、こんにちは 。奥久慈岩稜六乗越の弊レコにコメントをいただいたことがありますkilkennyです。
年末年始のヤマレコをフォローしていなかったので、過去にコメントをいただいた方のアイコンをクリックしてチェックしていたらこの貴重なレコを"発見"しました 。見落とさなくてよかった
なんと言いましょうか…。「一本取られた」そんな感じです 。いつかフォローさせていただきます
2015/1/13 22:04
My pleasure です
Kikennyさん、賞賛をありがとうございました。
Kilkenny さんには実は2014年5月25日の亀ヶ淵山の山行記録でコメントをいただいております。以来同じ山域を歩かれる方ということで時々拝見させていただいております。ですので今回のコメントはとてもうれしいです。

この2年間奥久慈は北アルプスに入るためのトレーニングの第一歩として、一般ルート中心ですが何回も歩いてきましたが、おそらく登はん具がいるであろう今回の逆ルート(山頂から烏帽子岩(私の勝手な命名)は今回の報告よりも歩きにくいのです)はずっとお預けでした。

地形図を見て、もしかしたら下から登れるのかなと考えての挑戦が今回の山行です。当初はもしかして実質的な初登?かとも思ったのですが、ルートとしては一応認知されているようで、ネットで検索をかけると記録も出てきます。
2015/1/14 7:14
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら