幌尻岳(シャトルバス運休によりチロロ林道日帰り)
- GPS
- 14:47
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 2,345m
- 下り
- 2,342m
コースタイム
- 山行
- 13:44
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 14:47
天候 | くもり 稜線上は強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
幌尻山荘を予約していましたが、前日夜にとよぬか山荘より翌日4:00発のシャトルバス運休の電話連絡あり。 恐らく10:40の便は出るだろうとのことでしたが、確実に登りたかったため急遽チロロ林道日帰りに予定変更。 前泊は道の駅「樹海ロード日高」で。同敷地のセイコーマートは23:00まで。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
チロロ林道日帰りは額平川コース(幌尻山荘泊)を予定していた人にはかなり時間を要するので、できればAM2:00には出発したいところ。 |
その他周辺情報 | 登山バッジはとよぬか山荘・幌尻山荘のほか 山の駅ほろしり館 http://www.town.biratori.hokkaido.jp/kankou/spot/spot8/ で購入可能。 |
写真
感想
15日夕方羽田を発ち、20時新千歳空港に着。
空港に着くととよぬか山荘より不在着信ありのメッセージが。
嫌な予感は的中し、川の増水で渡渉不可のため、16日AM4:00発のシャトルバスが運休とのこと。
AM10:40の便は出発する見込みとのお話だったが、確実に登りたいためチロロ林道からの日帰りコースに変更することにした。
だが、チロロ林道の予備知識があまりなく、前泊の道の駅で急遽調べることに。
当たり前だが、かなりの健脚コース。
山荘泊でちょっとでも楽に幌尻岳を踏みたいと考えていた私には、調べれば調べるほど不可能に思えてきた。
そんな興奮状態でほぼ一睡もできぬまま、AM4:00前に二岐沢出合の登山口に到着。
既に10台ほど停まっており、これから出発する人もちらほら。
とにかく行ける所まで行ってみようとカラ元気を出して登山口を後にした。
林道を歩き終えると、渡渉が始まる。
額平川コースに比べるとそれほどでもないらしいが、前日の雨で水に勢いがあるようだ。
何度かドボンしそうになりながらも、無事沢沿いの道を終え、ここからねっとり暑い樹林帯の急坂を登り上げる。
景色も見えない上、どこまでも続く急登に根をあげそうになった頃、ようやく稜線上に出た。
ここまで4時間。
寝不足の体には堪える辛さだった。
稜線上はガスってはいるが雨は降っておらず、時折どすんとした山容が姿を見せてくれる。
北戸蔦別岳まではまだ元気だったものの、そこからのハイマツ帯の歩きづらさに辟易してしまう。
何度も太ももやすねを強打し、5日経った今でも足が痣だらけで、名誉の負傷といえば聞こえはいいが、端的に言って気味が悪い足になった。
トッタベツ岳に着いた時には、歩き始めて既に6時間。
普段ならもう下山している頃に、幌尻岳までのアップダウン激しい道を目の前にしている。
正直、今回はここでリタイアか、と思った。
まだ動ける余力は十分あるが、また同じ道を戻ることを考えると、これ以上進んでいいものか。
そんな時、相方が「じゃ、行こうか」とあっけらかんと言い放った。
当たり前のように言ってくれたおかげで、私も考え込むことなく腰をあげることができた。
後から聞くと、相方も私の様子を見て今回はヤバいかも…と思っていたらしいが、とにかく行ける所までと背中を押してくれたようだ。
そもそも相方一人だったら12時間くらいで往復できたであろうに、私につきあわせて悪いが、ひっぱっていってくれて感謝の一言に尽きる。
ここで、嬉しいアクシデント。
ヒグマが七ッ沼の雪渓近くに!
ちょこんとこちらを見上げている感じは、猛獣ということを忘れてしまうかわいさだった。
幌尻岳の肩までの登りは、疲労の蓄積した体には本当にキツかった。
肩からもだらだらと登りが続き、もう一生着かないんじゃないかなとやさぐれた頃、ようやく幌尻岳山頂に到着。
久々に、感極まって泣きそうになった。
やっと着いた、と同時に、これから同じ道のりを帰れるのか、という緊張感。
ガスガスの中山頂標を見ながら、何とも言えない気持ちになっていた。
せっかくの山頂を楽しむこともできないまま、スタコラサッサと下山開始。
アップダウンがあるので行きとさほどコースタイムが変わらない。
トッタベツ岳への絶望的な登りとハイマツでボコボコにされながら、ヌカビラ岳まで戻った時にはなんとか先が見えたと少しホッとした。
そこから激下りして渡渉し、林道を歩いて3時間、ボロボロではあるがやりきった充実感で気持ちは晴れやかに下山。
本当に15時間歩き通せたのかと信じられない気もするが、
意外にしっかりした足取りで戻ってこられたことにちょっと自信がついた。
しかし、今回登りきれたのは天気が味方してくれたおかげだと思う。
もし晴れていたら、暑くてバテていただろうし、雨でも体力を奪われていただろう。
くもりで、時々強すぎる風が体をクールダウンさせてくれたから、なんとか歩き通せた。
簡単に来られない山、絶対登っておきたい山、という執念が、神様に届いたのかと思う。
距離も、標高差も、今までで一番の過酷な山だったが、だからこそ感じられる山の奥深さがあった。
雄大な日高山脈を感じられることができて、本当に良かった。
もし行くことがあれば、次は山荘泊でゆっくり堪能したいが・・・。
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