ぐんま県境稜線トレイル(四阿山〜野反湖)
- GPS
- 30:47
- 距離
- 58.2km
- 登り
- 3,479m
- 下り
- 3,298m
コースタイム
- 山行
- 4:29
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 5:22
- 山行
- 10:40
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 11:14
- 山行
- 10:19
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 11:29
- 山行
- 2:09
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 2:12
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
帰り:野反湖バス停 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース】 全体的に整備されていて問題ないが、ぬかるみが多い。基本的に土なので雨の日は滑りやすそうだ。 【水場】 水質問わず入手可能と思われる所も含めて記載した。きれいな水の入手は限定されており、夏は厳しいと思う。 ・嬬恋清水:四阿山手前、流量多い ・毛無峠〜万場温泉:数箇所水が流れている(使ってない) ・万場温泉:日帰り入浴時間内なら売店利用可 ・渋峠・横手山:店が開いていれば自販機使えそうだが時間外 ・大沼池付近:水ありそう(行ってない) ・赤石山の先の池...使いたくない ・オッタテ峠:50mほど厳しい沢を下る、流量少なめ ・五三郎小屋:楽に行ける、流量あるが段差少なく汲みにくい ・カモシカ平:水がたまっているだけ...使いたくない ・野反湖キャンプ場:ビジターセンターが時間外で不明 【テント】 登山道周辺はササで覆われてテントを張れそうな箇所はほぼ無い。以下に可能性のある所(1x2m以上の隙間がある所)を記載した。 ・四阿山の林道終点 ・パルコール嬬恋スキー場 ・毛無峠 ・渋峠スキー場 ・湯ノ沢ノ頭とダン沢ノ頭の間に僅かに平地あり ・カモシカ平 |
写真
感想
休みが取れたので、以前から気になっていた"ぐんま県境稜線トレイル"に挑戦することにした。とりあえず6泊7日でスルーハイクする計画だったが、途中で雨の予報になったので野反湖で切り上げた。次回を考えると三国峠まで行っておきたかったが、雨の中、ぬかるみが多く滑りやすいコースを歩きたくはない。最近はスルーハイクの完遂より、純粋に歩くことを楽しんでいる。
【1日目】
梅雨前線が北上したので、しばらく晴れることを期待して土曜のPMにスタートする。バスだと菅平か新鹿沢温泉から数キロ歩くことになるが、テント泊地に辿り着くまでに日が暮れる可能性がある。このため、上田からタクシーを使って時間を稼ぐことにした(1万円弱)。鳥居峠からしばらく林道を上がる。水を除く(ただし予備水は込み)ザック重量を15kgに設定、山上の水場を期待して水を少なめにしているのに、なぜかザックが重く感じる。正直、林道で標高を稼いだのは助かった。
登山口で装備を再確認して本格的に登り始める。思ったより早く的岩に着いた。実に立派な岩だ。この先の山頂に向かう途中にある階段は濡れていて、かなり危険だ。しばらく登ると、期待していた嬬恋清水の分岐に出た。この嬬恋清水はなかなか良い水場だ。結構汗をかいたのと、明日は万場温泉まで水の補給が期待できないので、たっぷりと取水して四阿山に登る。しかし重い... 水4.5Lを持ったので、おそらく19kg以上あるはず。腰を痛めてから18kgをmaxにしていたので重量オーバーだが、テントを張れる場所まで頑張ることにした(これが後で問題になる)。四阿山を越えて下った先にはテントを張れそうな場所が無く、結局スキー場まで重い荷物を担いぐことになった。ザックを下ろした時にはかなり腰にきていた。これは厳しい。
【2日目】
昨日、思ったより疲れたのか、夕食・朝食時は食欲がなくて水もあまり使わず、翌朝の出発時に不要な水を捨ててザック重要を17kgに調整しなおした。頑張った結果、腰を痛めただけか... ルートに戻って登山道を歩き出したが、ここはスキー場を突っ切った方が楽だったようだ。加えて浦倉山でルートミス。うーむ、イマイチな判断が続く。とどめを刺すように、浦倉山の先でぬかるみにはまってしまい、靴がずぶ濡れ。幸い中に水が入らなかったが、泥だらけになってかなり気落ちした。靴が濡れると透湿機能が無くなり、足が湿って靴擦れ・マメのリスクが高まる。出だしからがっかりだ。登山道の"ぬかるみ"っぽい黒い場所(固い箇所も多い)はこの後ずっと続く。
思ったより早く土鍋山に着いた。頂上は見晴らしが無いと思ったら、別の所に眺めの良い山頂があった。ここから急な斜面を降りて、破風岳に登り返す。破風岳の山頂は素晴らしい眺めだ。気分が良いので、ここで足を乾かしながら軽食を取った。毛無峠に降りて、舗装路向きに靴紐を緩めストックを外して歩く。斜め後ろに見える破風岳が美しい。それにしても昨日の重いザックの影響か、体を垂直に維持できず疲労が大きい。また、太陽の照りつけがキツくて水の消費も早い。水を捨てなければよかったかと思ったが、これ以上腰を痛めても困る。飲む量を調整しながら、淡々と万場温泉に向かう。
万場温泉で何としても水を手に入れたいが、外に自販機が無さそうなので、日帰り入浴して昼食も取ることにする。立ち寄った日進館は日本でもっとも高所にある温泉らしい。源泉の湯槽で腰を曲げ伸ばしして回復を図り、バイキングの昼食を取る。夕食・朝食をあまり食べなかったので、ついうっかりと食べ過ぎてしまった(これが後の行程に大きく影響を与える)。
午前中の体調と、渋峠で補給できない可能性を考慮してギリギリの2.5Lの水を補充した。しかし、午後の太陽は予想より厳しく、食べ過ぎもあって登りが異常にキツい。大量に食べたせいか喉の渇きもひどい。渋峠では水を入手できない可能性が高いので、水の節約は必須だ。次の水場はオッタテ峠、明日の午前中まで2.5Lで耐える必要がある。
軽い脱水症状を維持しながら、ひたすら厳しい日差しの中を登る。国道に出てからは舗装路でさらに暑くなった。加えて車が多く気を遣うのでより疲れが増す。渋峠のホテルは思った通り閉まっていた。横手山に登るあたりから日差しが弱くなり山頂ではガスも出てきたので、少し楽になった。山を下りるとテントを張れそうな場所が無さそうだったので、今晩もスキー場をお借りすることにした。できるだけ風が当たらない平らな場所を選ぶ。明日午前中の水1.5Lを残すため、夕食・朝食を最小限にする。まぁ、昼食を食べ過ぎてお腹は空いていないのだが。
【3日目】
昨日は行動食を一口頬張っただけで寝た。朝もパンを用意したが、テントを片付けて歩きながら少しずつ食べる。それにしても、朝の眺めが素晴らしい。遠くの山々(おそらくアルプス)が美しく光っている。ユリの花畑も朝日に輝いている。でも、樹林帯に入った途端、再度ぬかるみ地獄の洗礼を受けた。ここから草津峠までかなり道が悪い。草津峠以降は少しマシになり、思ったよりも早く鉢山に着いた。
ここから特に厳しい道でもないのに、なかなか進まない。しばらく歩くと、赤石山手前の立派な岩が見えてきた。この岩の先では大沼池が素晴らしくよく見えた。赤石山からも綺麗に見えるが、手前のポイントの方が岩も入って撮影にピッタリ。赤石山の山頂で少し休憩し足を乾かしてから、水場までの最後の区間に挑む。ゆっくり歩くせいか想定よりも時間がかかっている。10時半には着くと思ったが、どうやら昼頃になりそうだ。
赤石山を降りると横に池があった。水を汲めないことはないが...できれば飲みたくない。結局、オッタケ峠に着いたのは11:30頃。やはり遅い。水場への道を探したが無い... ヤマレコで確認すると、ササ薮の向こうに見える谷筋を降りるらしい。ここ行くの?と思ったが、何としても水は欲しい。薮、ぬかるみ、苔むした岩を越えて50mほど降りると、チョロチョロと水が出ていた。とてもきれいな水だ。水量は少なめで、都合のよい段差がないので水を汲みにくいが、何とかなりそうだ。もし行く人がいれば、細いパイプを設置してもらえないだろうか。
目の前で湧いているのでそのまま飲めるだろうが、流儀に従って浄水する。しこたま飲んで落ち着いてから、担ぐ分を大量に浄水する。そして、重たい水を抱えて上まで戻った。今日は野反湖のキャンプ場まで行くのが理想だが、17:00迄に入るにはかなり急がないといけない。ここは無理せず、少し先のカモシカ平泊まりにすることにした。暑い中、重い荷物を担いでスピードを上げるのがよくないのは昨日実証済みだ。
水が手に入ったのと、昼頃は暑くて行動に適さないので、昼食をゆったりと取る。明日は野反湖を早朝に抜けるので、次の水場は地蔵山の先になるだろうから3.5Lを持つことにする。試行錯誤しながらやっと適切な水量が掴めてきた(笑)。このすぐ先にも水場があるが、取水できなくても大丈夫だ。13時半頃までのんびりと休んでいたら、曇り気味になり涼しくなってきたので、少し早めに動くことにした。小高山を超えて五三郎小屋の水場分岐に来た。とりあえず様子を見に行ったら、道もあるし水量も多い。断然こちらの水場の方がオススメだ。ただし、小屋前の流れは水平で汲みにくいので注意。すぐ上で水音がするが、ササ藪の向こうで確認はできなかった。
この後、ゆっくりと大高山に登る。大高山は完全にガスっていた。ここで天気予報を確認すると、どうやら白砂山は明日の午後から雨らしい。想定よりも早く前線が下がってきているようだ。少し悩んだが、雨の中、この滑りやすい登山道を歩くのは楽しくない。野反湖は公共交通機関があるものの、遠いので次回の行程が組みにくいが仕方ない。今回は野反湖で終了としよう。
赤石山と大高山の間で、2回ほどササ藪でガサガサと音がした。熊鈴を思い切り鳴らして大声を出すと、またガサガサと音がする。状況からいってクマかな...出くわさなくてよかった。しばらく様子を見てから大声を出しながら通り過ぎた。
今夜の宿泊は、大高山の先のカモシカ平。見えた時はおもわず「ワォ!」と言ってしまった。見事な眺めだ。行ってみると、空き地まではササ漕ぎになっている(笑)。面倒なので、水場の視察は明日の朝にしよう。ササを漕いで空き地に行くと、ここはガレ場状態。できるだけ石の少ない所で、尖った石をなくすように丁寧にならしてグラウンドシートを敷く。ここはグラウンドシートが無いと厳しそうだ。風が吹き抜けているが、それほどは強くはならないだろう。今晩の食事はスパゲティ。ペペロンチーノは簡単で美味しい。明日は終了日なので、荷物のパッキングを変更する。
【4日目】
朝、多少の風はあったがまったく問題ない程度。ガスが流れていたのか、結構結露していた。いつも通りテントを畳んで出発。カモシカ平を去る前に水場の調査に行く。ヤマレコのログに従って、踏み跡がある先端まで行ってみたが、なぜか水たまりがあるだけ。ここの水場を期待するなら、気をつけたほうがよい。
今日の行程は2時間半程度なので、のんびりと高沢山へ登る。山頂で天気予報を確認したが、やはり白砂山は午後に雨らしい。やはり野反湖で終了しよう。最後でコケないように特に慎重に歩く。三壁山付近からダム湖が見えるが、思ったより下りが長そうだ。キャンプ場に降りて、身支度を整えてからバス停に向かう。バス停のトイレで着替え、バス待ちの間にテントや装備を干して、今回の山行は終了!
【反省】
反省すべき点は多い。
(1)重量の見込みを誤った。水抜きの初期重量を15kgにしたが、夏に普通のスピードで歩くためには水6L/日は必要だ。これでは最大20kgを超えてしまう。水を最優先し、途中の補給や食欲の低下も考慮しながら、行動食をギリギリまで削るべきだった。
(2)行動計画を10時間/日にしてしまった。6泊7日を前提にするとこのような行程になるが、夏は暑く水も多く持つのでスピードが落ちやすい。これらを考慮して8時間程度で計画し、テント泊地や水場の組み合わせを複数考えるべきだった。また、途中の店での補給を積極的に計画しておけばよかった。
(3)取水する量を見誤った。気温、高度、重量、体調、次の水場までの距離などを考慮して決定するのだが、慣れてきた時には終わってしまった(笑)。過信は禁物だが脱水症状の症状はそこそこ把握できるので、距離に応じて水を飲む間隔を平準化できたので何とかなった。今後は普通に飲んでも最低1Lは残るように徹底しよう。
(4)ストックの予備キャップを忘れた。縦走ではよくストックのキャップを無くす。今回は無くさなかったものの、キャップ部分が破損してしまったので、扱いを慎重にせざる得なかった。
以前なら雨でも先に進んだのだが、今回は中断を決断した。せっかくなら気持ち良く歩きたい。もしかすると、行きの電車内で読んだ「単独行者(アラインゲンガー)」のせいかも... 加藤文太郎がソロで歩く気持ちはすごく理解できる。一方で、ソロはトラブルが起きると大変なことになる。これからも山では常に慎重に行動しよう。
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